二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
日時: 2013/04/14 15:29
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394

 今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
 今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。

 参照をクリックすれば前作に飛びます。

 では、英雄達の新しい冒険が始まります……

 皆様にお知らせです。
 以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
 投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
 となっています。
 皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。

登場人物紹介等  
味方side>>28  
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624

目次

プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695

第十六幕 錯綜

一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756

第十七幕 決戦

零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕 
>>774 >>812 >>818

最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851

2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825



あとがき
>>852

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171



Re: 385章 愛弟子 ( No.499 )
日時: 2011/12/08 00:04
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

”くぅ、人間なんかに、負けるなんて……!”
ケルディオは全身に火傷を負いながら、水面に立ち尽くす。その顔は、遺憾に満ちていた。
「ケルディオ、約束だよ。私の話を聞いて」
ミキはそんなケルディオにできる限り近づき、話を始める。
「最初にも言った通り、君の師匠はもう人間と和解してる。かつての戦争と同じような……もしかしたらそれ以上の、人間とポケモンを巻き込む戦争が、また起こるかもしれない。その戦争を起こさないため、もし起こっても鎮めるために、君の師匠は私達に協力している。それに今、君の師匠の一匹は、私を助けて、君を呼びに行かせるために、不利な状況で戦ってる。君は、それを見過ごしていいの?」
”その言葉が、どこまで信用できるのかな? 誰が保障してくれるんだい?”
ケルディオの屁理屈じみた返答に、ミキは怒りを募らせる。
「これは本当のことだよ。信用問題なんてよく知らないけど、信じてもらうしかない。誰も保障はできないかもしれない」
”だったら論外だ。そんなんで、よく僕を説得しようなんて思ったもの——”
プツリと、ミキの中で何かが切れた。
「ああ、もうっ! 何で分かんないのかな! 何で君には自分の師匠が戦って、苦しんで、傷ついてるのが分からないのさ! 紛いなりにも自分の師匠なら、そうでなくても意思疎通ができるのなら、自分の師のことが何で分からないの!?」
ミキは、叫んだ。力の限り、胸中の怒りと感情をぶちまけるように、叫んだ。
「少なくとも私は分かるよ。今、私の師匠は戦ってる。それも凄い強敵と。しかもその理由は、君を守るため。私なんてまだ子供だから、自分の意思が全てで動いてなんかいない。師匠が身体張って君を守ろうとしてるから、私もこうして、身を持って君に協力を仰いでるんだよ」
”…………”
ケルディオは、押し黙った。ミキの剣幕に気圧されたのもあるだろうが、それ以上に反論のしようがない言葉の羅列に、言葉が出ない。
「……まあ、つい勢いで色々言っちゃったけど、私が言いたい事はただ一つ……いや二つかな」
ビッと、二本の指を立ててケルディオに見せつけるミキ。
「一つ、自分の師匠を今から助けに行く。二つ、私達に協力してください」
一つ目は命令、二つ目は懇願という、同じ命令形でありながら位の違う要求を、ミキはした。
”……分かった。一つ目は、君の言う事を信じよう。それで一つ目が本当で、師匠が助かったなら、僕は君らに協力する。それでいいかい?”
不承不承、仕方なくと言った感じで、ぶっきらぼうにケルディオは答えた。
「うん、ありがとう」



「そろそろ、バテてきたね」
”黙せ。お前には関係ない”
「いいや、関係大アリだよ。君の体力が尽きれば、それは即ち僕の勝利だからさ」
ソンブラとコバルオンの戦いは、コバルオンが圧倒的に劣勢だった。
まず相手が悪い。相手は炎タイプを持つフィニクスだ。鋼タイプのコバルオンでは、攻防共に不利である。
さらに悪いのは、種族だ。フィニクスが飛んでいるのに対し、コバルオンは地に足を着けている。生物は基本、上が死角になっているので、つまり上空への攻撃は繰り出しづらいのだ。
以上の要因により、コバルオンは窮地に立たされていた。
「さて、そろそろ終了だ。フィニクス、テラブレイズ!」
フィニクスは翼の炎をより一層燃え上がらせ、灼熱の業火を放つ。
”くっ。我が命、散って絶えども、無にして散らん!”
コバルオンは、要約すれば『ただでは死なぬ』と呟きつつ、鋼の波動を解き放つ。
灼熱の業火と鋼の波動は真正面からぶつかり合い、激しく競り合う。しかしそこは相性の悪さが出た。波動が業火に押されつつある。
”ぐ、うぅ……!”
コバルオンは決死の思いであらん限りの力を放出するが、フィニクスの業火は弱まる気配がない。
このままコバルオンが焼き尽くされる、その時だった。

大量の水がフィニクスに直撃し、業火が消えて波動がフィニクスを貫いた。

「っ!? フィニクス!」
ソンブラは地面に落ち、瀕死寸前のフィニクスの下へと駆け寄る。
”師匠!”
洞窟の奥から、幼い少年のような声が響く。コバルオンは咄嗟にその方向へと首を曲げると、そこには久しい若駒の姿があった。
”ケルディオ……来たか”
コバルオンはあくまでも冷静に振舞っていた。さっきまでの疲労感はおくびにも出さない。
”英雄の弟子よ、すまないな”
「いいって、気にしないで。それより、ほら、私の言ったこと本当だったでしょ?」
”うん、そうみたいだね……”
ミキとケルディオのやり取りに、コバルオンは首を傾げる。
だがすぐに、今は戦闘中なのを思い出し、ソンブラの方へと向き直るが
”むっ、逃げる気か!”
ソンブラはフィニクスをボールに戻し、新たなポケモン、ラプラスを出して水上へと移動していた。
「まあね。流石に三対一で勝てると思うほど、僕は自惚れちゃいないし。それに英雄の弟子が君らに協力しちゃったんじゃ、この作戦は失敗だよ。だったら無駄に長居せず、撤退するよ」
そう言い残すと、ソンブラはラプラスと共に水上を進んでいき、ほどなくして姿が見えなくなった。
”師匠!”
”分かっている。今回はテラキオンとビリジオンも来ている。奴らも相当苦戦しているのだろう……我は洞窟の地を駆けて移動する。お前は水上から奴を追え”
”分かりました!”
「じゃ、私は空から動くとしようか。フィニクス」
ケルディオは水面に立ち、ミキはフィニクスの足に掴まる。
コバルオンは地を蹴って洞窟の奥へと消え、ケルディオはミキと共に水面の上を駆ける。



今回はケルディオとの和解、そして師匠その一を救出です。ミキが珍しくキレました。それから、ケルディオがかなり捻くれたキャラになってしまいました。ケルディオ好きの皆さん、ごめんなさい。さて次回はテラキオンとビリジオンの救出。そしてあわよくば、あの人も出てくるかもしれません。では、次回もお楽しみに。

Re: 386章 諸悪 ( No.500 )
日時: 2011/12/10 13:42
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「マカドゥス、ダイヤブラスト! アルデッパ、パワーウィップ!」
マカドゥスは宝石のように輝く光線を発射し、アルデッパは触手を伸長させて振り回す。
「ユニサス!」
ユニサスは光線、触手の直撃を喰らってしまい、遂に倒れた。
”大丈夫ですか?”
「大丈夫、とは返せないかな。……思った以上に強い」
”ええ、そのようです。私もここまで苦戦するとは……腕が落ちましたか”
キリハはひとまずユニサスをボールに戻し、次のボールを構えた。
「はっ、無駄だぜ。救世主なんて大仰な奴が出てきた時にゃぁちっと身構えたが、思ったほどでもねぇ。このままサクッと落とさせて貰うぜ」
マカドゥスとアルデッパは、それぞれ臨戦態勢に入る。
だがこの時誰も、本当にキリハのボールが無駄になるとは思ってもいなかった。

”切り離せ、神秘の刃!”

洞窟の奥から、白く光る神秘的な刃が飛来し、マカドゥスを切り裂いた。
「っ!? 今度は何だ!?」
フォレスは振り返る。そこには洞窟の闇があるだけだったが、次第にその姿を露にしていき——
「! こりゃぁやべぇかもな……」
最初に姿を現したのは、ケルディオ。次にミキとフィニクス。そして最後に、下り階段をコバルオンが駆け降りてきた。
”ビリジオン、無事か”
”助太刀に参りました、ジオン師匠”
コバルオンとケルディオが、まずビリジオンに駆け寄る。ジオンとは、ビリジオンのことだろう。
”ケルディオ……あなたも無事でしたか”
感動の再開もつかの間、三体の救世主とミキ、キリハはフォレスに向き直るが——
「逃げるぞ、コクジャク!」
フォレスは手早くマカドゥスとアルデッパをボールに戻し、コクジャクを出す。そしてその足に掴まり、洞窟の出口へと逃走する。戦力差で対処しきれないと判断したのだろう。
「やっぱ逃げるのか……フィニクス、追うよ!」
ミキはフィニクスに掴まったまま、フォレスを追う。その後に、ケルディオ、コバルオンにビリジオンも続く。
「って、僕だけ置いてけぼり!?」
勿論キリハも、その後を追った。



「! シャンデラ!」
”ぐぁっ!”
シャンデラとテラキオンが吹っ飛ばされる。二体を吹っ飛ばしたポケモン二体は砂煙で姿が見えないが、やがて視認できるようになる。
「ふふ、やはり救世主というのも、名前負けですね。ゲーチス様には、不確定要素ではあるが、脅威になりうる可能性は低い、と伝えておきましょう」
最初に姿を現したのは、エレクトロ。続いてドルマイン、ハッサムだ。
「くぅ、シャンデラ、シャドーボム!」
「ドルマイン、磁力線です」
シャンデラは影の爆弾を放つが、ドルマインのが発した強力な磁力の波がその爆弾を相殺する。
「ハッサム、メタルクロー」
そしてその隙に、ハッサムは鋼鉄のハサミによる一撃をシャンデラに、二撃目をテラキオンに叩き込む。
この状況からも分かる通り、リオとテラキオンは苦戦していた。理由は、お互いだ。
リオのシャンデラは強力だ。テラキオンもそれに負けず劣らず強力だ。しかし強力な攻撃とは、味方をも巻き込む。ただでさえこの洞窟はせまいというのに、攻撃範囲の広い技を使えば味方にまで被害が及ぶのは当然。だから二体とも全力が出し切れず、苦戦しているのだ。
ただこの問題は、テラキオンが場を離れれば済むことなのだが、それが分かっているエレクトロは、テラキオンを逃がさないよう、通路を塞ぎながら戦っている。
「ドルマイン、雷! ハッサム、襲撃!」
ドルマインは激しい落雷をシャンデラに落とし、ハッサムは素早くテラキオンの背後に移動して襲撃をかける。
まだ戦闘不能でこそないが、シャンデラもテラキオンは結構消耗している。この二体が苦戦している理由は、単に相性が悪いだけなのだ。この二体だからこそ、相性が悪い。
つまり今の状況は、第三者が介入すれば、解決の見込みがあるという事。

”押し流せ、加圧の水流!”

どこからか、大量の水が噴射される。その水はまずハッサムにぶち当たり、そのままドルマインごと押し流す。
「ドルマイン! ハッサム!」
二体とも戦闘不能でこそないが、不意を突かれかなりのダメージを受けた。
「くっ、何者です!」
エレクトロが叫ぶと、それらは姿を現した。
”む、御主は……ケルディオ!”
”ラキオ師匠、助けに参りました!”
現れたのはケルディオ。そしてそのすぐ後に、コバルオンとビリジオン、ミキとキリハが続く。
だが続いたのは味方ばかりではなかった。
「申し訳ありません、エレクトロ様。奴を取り逃がしました」
「やべぇぜエレクトロ。この状況、もうほとんど詰んでやがる」
出て来たのはソンブラとフォレス。しかしどちらも現状況に焦っているようだった。
「作戦は失敗ですか……ならば即刻逃げたいところですが……」
そこはフォレスの言う通り、ほとんど詰んでいる。
エレクトロは手持ち戦力を半分以上失っているし、それはフォレスも同じ。ソンブラが一番被害が少ないが、それでも相手は救世主が勢ぞろいに、PDOトップ3のうち二人。さらに英雄の弟子ときた。
流石にエレクトロでも、この状況を打破するのは難しい。
「こんな時に、フレイかアシドがいてくれれば、良かったんですけれどね……!」
しかしフレイは自爆で退場、アシドはどこにいるかも分からない状況だ。期待するだけ無駄だろう。
しかし、予想を絶する助けは、来たのであった。

「どうやら苦戦しているようですね、エレクトロ」

それは不吉な目玉も洋画描かれたマントを羽織り、薄い緑色の髪の男。
その姿は、この場にいる救世主以外の誰もが知っている。その巨悪と諸悪の根源は
「ゲーチス……!」
プラズマ団の実質的な統率者、ゲーチスだった。



さて、今は時間がないので早めにあとがきを終わらせます。今回はケルディオ達が師匠達を助けに回りました。そしてやっとこそさ、まともにゲーチスが登場です。では次回はゲーチスと何かあるやもしれません。次回もお楽しみに。

Re: 387章 要求 ( No.501 )
日時: 2011/12/14 23:57
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「ゲーチス様……何故、ここに?」
「何故、とな。理由は単純明快ですよ。貴方達を回収しに来たまでです」
ゲーチスは落ち着いた口調で、そう答える。
しかしリオやキリハ、ミキからすればゲーチスは最大の仇敵だ。皆、鋭い眼差しで睨み付けている。
それを察してか、ゲーチスは
「……さらに補足しておくと、ワタクシもそろそろ盤の上に登場するべきだと思いましてね。それに、これだけの戦力を相手取るには、7Pの一人や二人では足りないでしょう」
初期ではかなりの難敵だった7Pも、今では強敵程度にまで落ち込んでいた。
「では、エレクトロ、フォレス。貴方達はここを出なさい。外でガイアとドランが待っています」
「……御意」
「了解しましたよ」
エレクトロとフォレスはそれぞれそう返答する。エレクトロはポケモンを戻し、フォレスと共に洞窟の出口へと駆け出すが
「逃がさないよ。シャンデラ、シャドーボム!」
「リオさんに同意です。フィニクス、ハリケーン!」
シャンデラの影の爆弾と、フィニクスの猛烈な大嵐が、逃走する二人の背に向かう——

「ネメア、鉄壁です」

——が、その間に割って入った一つの存在により、それらの攻撃は阻まれてしまった。
「っ!?」
「嘘だろ……」
「え……?」
そえは、獅子のようなポケモンだった。紫色の、邪悪な体毛。血のように赤い一本角を生やした、深淵のポケモン。
獅子ポケモン、ネメア。
とある地方では、深淵を見せる伝説のポケモンとして、崇められている。
それを知る三人は、その事実に驚き、驚愕のあまり呆けている。
「まあ、無理もありませんか。ワタクシも無駄な準備を進めていたわけではありませんよ。一年ほどかけ、とある地方からこのポケモンを捕獲して参りました。その経緯は、割愛させて頂きますがな」
どのような経緯かなんて、どうでもよかった。
問題なのは、相手方に伝説のポケモンが存在していることだ。
こちらにも救世主と呼ばれるポケモンはいるが、このネメアは、迫力からして違う。気を抜けば、あっと言う間に飲まれてしまいそうなオーラを感じる。
「ワタクシからの要求はただ一つ。ここから、ワタクシ達が基地に帰るまで、ワタクシ達に干渉しない、ということです。無論、その要求を受け入れるか突っぱねるかは貴方達次第ですが、後者を選択した場合、それなりの対応をさせて頂きますよ」
ネメアは邪悪そうな瞳でこちらを見据える。ただそれだけで、萎縮してしまいそうだ。
ゲーチスの要求を端的に説明すると、こうなる。
今回プラズマ団は、作戦も失敗したことだから撤退する。それを邪魔するな。邪魔した場合は始末する。そんな、単純な要求だ。
「……分かった。受けよう」
「っ! キリハ——」
リオが前に踏み出すのを、キリハは片手で制する。
この状況は、結構まずい。
ゲーチスは、はっきり言って強い。それに伝説のポケモンが加われば、リオやミキでも、そう簡単に勝てる相手ではなくなるだろう。それに、リオもキリハもミキも、ポケモンが何体か負傷している。
さらに言えば、ゲーチスがどこまで手の内を隠しているかも分からない。まだ強力なポケモンを隠している可能性もある。
だったら今は、素直に退かせるのが吉だ。
「利口な団員がいて助かりますな。では、ワタクシ達は、これにて」
ゲーチスはその返答に満足すると、特に何を言うでもなく、去っていった。

これでケルディオを巡る、英雄達とプラズマ団との戦いは、ひとまず終わった。結果的には英雄達の勝利だが、いまいち釈然としない、結末だった。



「なるほど。結果的に、救世主達全員は、僕らに協力してくれるというわけか」
「はい。結果的には、ですけど」
戦いの後、ミキはイリスに、ソウリュウシティのポケモンセンターで結果報告をしていた。
ちなみにイリスはずっとドランと戦っていたわけだが、結局ドラドーンは倒せなかった。最後の一体になっても粘り続けていたら、エレクトロやフォレス、ガイア。そして最後にはゲーチスが現れ、ドランも一緒になって逃げ去って行ったらしい。
「まあ、なにはともあれ、僕らの勝利か。懸念事があるといえば」
「相手方に伝説のポケモンがいることですね。感覚的なことですけど、あのネメアってポケモン、相当です。強いとか、そんな言葉じゃ推し量れない力を持っています」
「それはほとんどの伝説や幻のポケモンに該当すると思うけど……うーん、問題は山積みか」
しばし考え込むイリスだが、突然パッと頭を上げた。
「どうしました?」
「いや、やっぱり、ごちゃごちゃ考えても仕方ないな、って」
次にイリスは、スクッと立ち上がる。旅行用のリュックを背負い、今から出発するかのような態勢だ。
「ど、どこに行くんですか?」
「ポケモンリーグ」
端的に、イリスは答えた。
「相手が強いなら、それを打破する方法は簡単だよ。こっちも強くなればいい。それにはまず、僕からすれば父さんを超えなくちゃ。だからその前のステップとして、ポケモンリーグを、一人で制覇する」
以前はイリス、ミキに幼馴染の二人の計四人でリーグを制覇したものだが(その時は状況が特殊だった)、今度は一人だ。
ミキはイリスのその背中を見て、目を瞑る。
「……いってらっしゃい」
「行ってきます」
そしてイリスは、最後の関門へと、向かうのだった。



なんか今回、無駄に感動的な終わり方してません?おかしいな、久々に更新したからなのか、上手くかけなくなってしまったような気がしないようなするような……まあ、どうでもいいですか。さて今回は、見ての通り前回に引き続いてゲーチス登場。まさかのネメアも登場。プラズマ団撤退です。最後にはイリスがポケモンリーグに向かいますが、その前に何かイベントがあるやもしれません。では次回もお楽しみに。

Re: ポケットモンスター 平和の光と恐怖の闇 ( No.503 )
日時: 2012/02/09 20:55
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: GyOijjIz)

上げます〜
受験勉強頑張ってください☆

Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ( No.504 )
日時: 2012/05/04 13:09
名前: プツ男(元プッツンプリン (ID: Dz78gNY2)

お久しぶりでございます。
プッツンプリン改めプツ男です。
受験シーズン終わりましたね。白黒さんはどうだったのでしょうか?
僕は白黒さんの結果楽しみにしていますね。
では、またいつか、更新される日まで・・・


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