二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
日時: 2013/04/14 15:29
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394

 今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
 今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。

 参照をクリックすれば前作に飛びます。

 では、英雄達の新しい冒険が始まります……

 皆様にお知らせです。
 以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
 投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
 となっています。
 皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。

登場人物紹介等  
味方side>>28  
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624

目次

プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695

第十六幕 錯綜

一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756

第十七幕 決戦

零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕 
>>774 >>812 >>818

最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851

2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825



あとがき
>>852

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171



Re: 97章 鳥 ( No.191 )
日時: 2012/06/18 22:00
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: QpE/G9Cv)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/124.html

「キリハ……なんでここに」
「なんでもへったくれもないだろ、今し方僕らはそれに乗って移動している真っ最中だったんだから」
キリハはトロピウスを押し潰したポケモン——神龍ポケモンのドラドーンを指差してい言う。ちなみにこのドラドーン、かなり大きい。10m以上あり、この前見たドランのドラドーン並だ。
「さて、ゆっくり話してる時間もないっぽいし、リオ、好きにやってくれ」
「言われなくとも、そのつもり」
どうやらリオも一緒だったらしく(というかこのドラドーンはリオのポケモンだ)、リオはキリハと乗っていたペガーンから降りる。
「PDOヒウン支部統括、リオ。私もツキがないですね、まさかPDOのトップ3が集結してしまうとは。まあ、それでも私が遅れを取る事はないでしょうが、この状況は少し分が悪い。ここは、一旦体勢を立て直してから再度出向くのが得策ですね」
そう言うとエレクトロは素早くトロピウスに乗り込んだ。どうやら、逃げるつもりらしい。
「逃がさないよ、ドラドーン!」
リオはドラドーンでエレクトロとトロピウスに攻撃しようとするが、ドラドーンはそれが出来なかった。
「これは……!」
ドラードンは急成長した無数の植物に覆われていて、身動きが取れない状態でいた。
「ふふ、トロピウスの生い茂るです。そのドラドーンでは全て引き千切る等をして拘束をを解くのには、三分は掛かるでしょう。そして三分あれば、私のトロピウスは、貴方方が追えないほどの距離を飛ぶ事が可能です。それでは、私はこれにて」
エレクトロはそう言い残し、トロピウスとともに去っていった。



どうやらリオ、キリハ、ザキの三人はドラドーンに乗ってヒウンに帰る途中だったらしい。
しかしそこでザキが妹レーダーなる五感を超えた感覚神経でミキの危険を察知、たまたま積んでいたパラグライダー(のようなもの)を使って飛んでいってしまったとの事。
「兄さんは相変わらず無茶苦茶だね……」
「まあでも、助かりました。ありがとうございます」
「気にする事ないよ、一応君達もPDO隊員という設定なんだから」
「設定とか言うなよ……」
「キリハもその辺、抜けてるところがあるよね……」
とまあそんなやり取りをしつつ、イリスとミキはPDOの面々と別れる、その前に
「兄さん」
ミキがザキを呼び止めた。
「ん? 何だ?」
「お願いがあるの」
「お願い? あとで何でも言う事を聞くという条件なら聞いてやらん事もないが……」
「じゃあいいや、バイバイ。師匠、行きましょうか」
そう言ってミキとイリスも去って——
「待った待った、ちょっとストップ!ちゃんと聞くから待て!」
行く前に、足を止めた。
「で、お願いってのは?」
「ちょっと耳貸して」
ミキはなにやらザキに耳打ちしている。
「——で、どうかな。引き受けてくれる?」
「まあ、それは構わんが……俺でいいのか?」
「大丈夫だよ。兄さん一人じゃ心ともないけど。キリハさんもリオさんもいるし」
「今の発言は流石の俺も傷ついたぞ……」
と、何かを了承したらしきザキは立ち上がり、ミキはイリスの方を向く。
そして

「師匠、ここでしばらくお別れです。今までありがとうございました」

別れの、言葉だった。
「……まあ、どこに行くかは君の自由だ。何をするかも、どうしたいかも、全部君が決める事だ。僕はそれに逐一口出ししたりしない。それに弟子の一人立ちは師としては——」
「師匠、前振りと前置きが長いです」
指摘されてしまった。まあ、確かに長かったが。
という事で、シンプルに一言だけ、伝える事にした。
「行ってらっしゃい」
「行ってきます」
そしてミキは、イリスから離れていく。
後ろの三人はその光景を、ニヤニヤ……ではなく、微笑ましく見つめていた(一名除く)。



PDOの面々と一緒に行ってしまったミキと別れ、イリスは一人14番道路を歩む。
「また一人旅か……まあ別に寂しくはないけど、虚しくはあるかもな……」
イリスは鳥ポケモンのさえずりをBGMに、歩み続ける。
ピィ、ピィ、クルック、クク、カー、カー、キーン、ペラップ!
「うるせえよ!BGMうるせえよ!さっきから人が感傷に浸ってるというのに鳴き続けるな!これはBGMがうるさくて本筋の音が聞こえないっていうあれだよ!」
イリスはうるさくなく鳥ポケモンに苦言を呈しつつ、なにやらそれらのポケモンが集まっている方を向く。
「って、あれ……人?」
滝が落ち、崖のようになっている場所には、まだ若い一人の男が立っていて、その男の周りに鳥ポケモン達が集まっている。
男は紺色の袴に和服と、古風な出で立ちだった。
イリスは気になって、少々手間が掛かるが迂回して崖の裏にある坂を上り、男の所へと行く事にした。
「すみません、何をやっているんですか?」
素直にうるさいです、とは言えないので、まずは何をしているのかを尋ねるイリス。
「鳥ポケモンを呼んでるんだ。口笛を吹くと、鳥ポケモンが寄ってくる」
男はイリスに背を向けたままで、口笛を吹く。イリスからすれば即刻止めてほしい行為だ。
「ふん……。……!」
男は振り向いてイリスの顔を見ると、驚いたよう表情になった。
「どうしたんですか?」
「いや……昔、俺を破った少年がいてね、その少年と、よく似た目をしているからさ」
なんだか最近よく言われるような気がするな、とイリスは思う。ちなみに、気のせいではない。
「俺はハヤト。君は?」
「イリスです」
とりあえずは、礼儀としてちゃんと名乗る。
そしてハヤトは、毎度の事、イリスと誰かが似ていると言う人物がほぼ必ず言う台詞を、言ってくる。
「なあイリス、俺とバトルしないか?」



今回は、諸事情によりあとがきは短めで。今回はイリスがミキと別れ、ジョウトのハヤトが登場です。次回はイリスとハヤトのバトル、お楽しみに。

Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 第二回? オリキャラ募集 ( No.192 )
日時: 2012/07/10 22:26
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: QpE/G9Cv)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/124.html

ミカン・女
容姿:薄茶色の髪を耳のように立たせて留めてあり、残りはそのまま流している。服装は白のワンピースでサンダルを履いている。
性格:穏和で優しいが、ジムリーダー修行という名目でイッシュに来ており、努力家でもある。灯台が好きらしく、近くに海があるから落ち着くとの事。また鋼タイプにこだわりがある。

手持ちポケモン

ハガネール・♀
技:アイアンテール、ストーンエッジ、龍の息吹、地震
特性:頑丈

クチールス・♀
技:メタルブラスト、ウッドハンマー、サイコパンチ、炎の牙
特性:威嚇

ブレイドン・♂
技:コメットパンチ、グランボールダ、アクアテール、地震
特性:石頭

バフォット・♀
技:アイアンテール、メガホーン、ワイルドボルト、ダークロアー
特性:頑丈

Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 第二回? オリキャラ募集 ( No.193 )
日時: 2013/03/28 03:23
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

ミキ 女 11歳
容姿:ピンク色の髪を低い位置で二つに結っている。目は濁った緑色で、服装はピンク色の半袖Tシャツに青色のジャケットを羽織っている。背は少し伸びたようだが、相変わらず低い。
性格:楚々としていて礼儀正しく、また社交的である。まだ幼いものの意思はしっかりとしている。イリスの弟子だが、その実力はイリスにも引けを取らない。イリスの事は師として尊敬しているものの、別の感情もある。幼い頃プラズマ団の襲撃で母と離れ離れになってしまい、母親を探すためにPDOに入隊した。

手持ちポケモン

ゴルドー→フィニクス・♂
技:流星群、テラブレイズ、ハリケーン、ダイヤブラスト
特性:炎の体→浮遊

ゴキブロス→カミギリー・♂
技:辻斬り、襲撃、鋼の翼、爪とぎ
特性:虫の報せ→免疫

ポリゴン→ポリゴン2→ポリゴンZ
技:破壊光線、十万ボルト、ハイドロポンプ、バグノイズ
特性:ダウンロード

カブトプス・♂
技:ストーンエッジ、スプラッシュ、メタルニッパー、ステルスロック
特性:カブトアーマー

ラルトス←サーナイト・♀
  ↓
キルギシア→シルドール
技:サイコバーン、気合球、鬼火、コスモパワー
特性:トレース

ハンタマ・♂
技:マッハパンチ、シャドーパンチ、ブレイズキック、サイコバレット
特性:威嚇

Re: 98章 相性 ( No.194 )
日時: 2011/08/22 22:38
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「使用ポケモンは二体、勝ち抜き戦だ。それでいいかい?」
「ええ、依存はありません」
何故だかなし崩し的に始まってしまったイリスとハヤトのポケモンバトル。まあ、当のイリスはさほど嫌がっているわけでもないので、良いのだろうが。
「それじゃあ行くよ、俺の一番手はこのポケモンだ。出て来い、ドゴン!」
ハヤトが繰り出したのは、嘴がハンマーのようになっているポケモン。
暴れ鳥ポケモン、ドゴン。格闘・飛行タイプのポケモンだ。
「飛行タイプね……だったら電気タイプで楽勝だな。出て来い、デンリュウ!」
イリスのポケモンは、飛行タイプに有利な電気タイプのデンリュウ。
「楽勝か……飛行タイプを甘く見ていると、痛い目に遭うぞ」
早との目付きが、一段と鋭くなった。
「ドゴン、まずは瓦割りだ!」
ドゴンはデンリュウに接近すると、ハンマーのような嘴を振り下ろし、デンリュウを攻撃。
「続けて燕返し!」
さらに翼を使い、デンリュウを切り裂く。効果はいまひとつだが、かなりの威力だ。
「くっ、デンリュウ、メガショック!」
デンリュウはバチバチと弾ける電撃を集め、それをドゴンに向けて放つ。
「ドゴン、見切り!」
だがドゴンはメガショックの軌道を完全に見切り、攻撃を回避する。
「ハートスタンプ!」
そしてデンリュウに急接近、嘴の先端をデンリュウに叩きつけ、吹っ飛ばす。
「デンリュウ、パワージェムだ!」
吹っ飛ばされてもなお起き上がったデンリュウは、光り煌く宝石を無数に発射する。
「構わない、突っ込めドゴン!ハートスタンプだ!」
ドゴンは無数の宝石による攻撃を受けながらもデンリュウに直進し、嘴の先端を叩きつける。
「瓦割り!」
さらに嘴を上に持ち上げ、そのまま勢いよく振り下ろしてデンリュウの脳天に叩き込む。
「デンリュウ!」
地面にめり込んだデンリュウは目を回しており、戦闘不能だった。
「戻れ、デンリュウ」
ドゴンは何よりも攻撃力が高い。瓦割り、燕返し、ハートスタンプ、どれも決して威力が高い技ではないが、ドゴンの高い攻撃力により、その破壊力は増しているのだ。
「だったら、こいつだ。出て来い、キルリア!」
イリスが次に繰り出すのは、タイプ相性で勝るキルリアだ。
「エスパータイプのキルリアか。相性が良いから勝てるとは思うなよ、相性を覆すのが、俺のスタイルだ。ドゴン、ハートスタンプ!」
ドゴンは嘴をキルリアに向け、キルリアに向かって直進する。
「キルリア、テレポート!」
しかしキルリアはテレポートでハートスタンプを回避し、そのままドゴンの背後に回りこむ。
「炎のパンチ!」
そして拳に炎を灯し、ドゴンの背中に叩きつける。決して大ダメージではないが、何度も当てて蓄積させれば致命傷だ。
「くっ、ドゴン、瓦割りだ!」
「キルリア、かわしてシグナルビーム!」
ドゴンはハンマーのような嘴をキルリアの脳天目掛けて振り下ろすが、キルリアは流れるような動きでかわし、攻撃直後で隙だらけのドゴンにカラフルな光線を発射して攻撃。
「止めだ、サイコキネシス!」
キルリアは最後にドゴンを念動力で持ち上げ、地面に勢いよく叩きつける。
ドゴンは特防は低いのか、その一撃で戦闘不能になってしまった。
「戻れ、ドゴン」
早とはドゴンをボールに戻し、次のボールを構える。
「ドゴンは倒されたけど、次のポケモンも同じように倒せるかな? さあ出て来い、プテリクス!」
ハヤトの二番手は、始祖鳥ポケモンのプテリクス。
恐竜のような姿で、体は黄色、頭は黒と赤、腕には翼があり、これまた鮮やかな赤色。
「行くぞプテリクス、岩雪崩!」
プテリクスは虚空より大量の岩石を出現させ、キルリアに向けて降り注ぐ。
「キルリア、テレポートからシグナルビームだ!」
キルリアはテレポートで降り注ぐ岩石を全てかわし、かわし終えると色彩を束ねたカラフルな光線を発射し、プテリクスを攻撃。だが効果いまひとつなので、大きなダメージはない。
「次はこれだ、アイアンテール!」
プテリクスは尻尾を鋼鉄のように硬化させ、キルリアを狙って思い切り振り、薙ぎ払う。
「!炎のパンチ!」
キルリアは咄嗟に炎の拳を尻尾にぶつけ、威力を減衰させるが、その破壊力は凄まじく、キルリアは吹っ飛ばされた。
「チャンスだ。シャドークロー!」
プテリクスは翼と一体化した爪に影を纏わせ、キルリアに飛び掛かる。
「キルリア、サイコキネシス!」
キルリアは強力な念動力でプテリクスの動きを止め、地面に叩きつけて距離を取る。
「このくらいじゃ、俺のプテリクスは倒せないよ。プテリクス、ドリル嘴!」
プテリクスは嘴をキルリアに向け、体全体を高速回転させてキルリアに向かって突撃していく。そのスピードもさる事ながら、突撃の気迫が途轍もない。
「キルリア、サイコキネシスで止めろ!」
キルリアは残り全ての力を振り絞って念動力を放ち、プテリクスの動きを止めた——
「無駄だ、プテリクス!」
——かに思えたが、プテリクスは念動力を突っ切り、キルリアにドリル嘴を喰らわせ、吹き飛ばす。
「キルリア!」
吹き飛ばされたキルリアは目を回しており、戦闘不能だ。
つまりこの勝負は
「俺の勝ちだ、イリス」
ハヤトの勝利である。



今回はイリスとハヤトのバトル。ハヤトの二番手、プテリクスは始祖鳥ポケモンと言うだけあって、化石から復活するポケモンなのです。素早さはずば抜けて高い、というわけではないですが、攻撃力は凄いです。参照をご覧になれば分かります。では次回は、遂にあの人が帰ってくる。そしてハヤトとのリベンジのために特訓をするかもしれません。というわけで、次回もお楽しみに。

Re: 99章 イリスvsN Ⅲ ( No.195 )
日時: 2011/08/23 11:06
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

ハヤトはイリスとの勝負後
「俺はしばらくこの辺りにいるつもりだ。リベンジならいつでも受け付けるよ」
と言い残し、どこかへ行ってしまった。まあ言い分からするに、この周囲なのだろうが。
そして敗北したイリスは、流石に落ち込むような事はなかったが、少し敗因を考えてみた。
「テクニックでは劣ってないと思うんだよな……相性を覆すバトルか、いやはや大したものだね。だとすると僕に足りないのはやっぱり」
地力。
ポケモンのステータスだろう。
「こればっかりは、経験を積まないとどうしようもないな……あとは進化か、フローゼル、メタゲラス、デンリュウはもう進化しないから、残ってるのはリーティンとアブソル、それからキルリアか……」
イリスはその三体のポケモンが入ったボールを、何と言うでもなく見つめる。
「リーティンはハヤトさんの飛行タイプに不利、アブソルは言う事を聞かない。ともすれば、頼れるのはキルリアだけ……どうしたもんかな」
イリスは原っぱのようになっている崖に仰向けに寝転がる。
すると遠くの方から、何かが飛んで来るのが見えた。どうやらポケモン(それ以外はまずありえないが)と、そのポケモンに人間が乗っているようだ。
イリスは最初、ただボーっとそれを見ているだけだったが、それが自分の所へと向かっているのが分かると、体を起こしてそれをちゃんと見る。
そしてそれは
「イリス!」
「N!?」
だったのだ。



個人的な情報収集のためにカゴメタウンで一旦別れたNは、移動の途中でイリスを見かけたから近づいてきたらしい。
「で、何か分かったの?」
「まあ、いろいろとね。でもまだ不確かな情報もあるから、ちゃんと集まったら伝える事にするよ。……それよりもイリス、君はこんな所に寝転がって何をしていたんだい?」
「ああ、それは……」
イリスはNに、ハヤトとのバトルを話した。
相性を覆すバトル。キルリアの攻撃がプテリクスに通じなかった事。いろいろ考え、地力が足りないという事。
「……成程、確かにそれは、ポケモンの経験不足だね。ハヤトさんはジョウト地方のジムリーダーだ。相当強いよ」
「え!? あの人ジムリーダーだったの!? ……通りで強いわけだ」
イリスは納得する。
「となると、やっぱりバトルしかないな。イリス、久しぶりに会ったんだ、特訓がてら、バトルしようよ」
というわけで、第三回目のイリスとNのバトルが始まった。



「使用ポケモンは三体、勝ち抜き戦だ。依存はないね?」
「ないよ、それでいい」
「それじゃあ、行くよ。出て来てくれ、テイルーン!」
Nの一番手は緑色の馬のようで、頭の長くなびく鬣と尻尾が雲になっているポケモン。
雲ポケモン、テイルーン。ゴースト・飛行タイプだ。
「なら僕はこのポケモンだ。出て来い、デンリュウ!」
イリスはセオリー通り、飛行タイプと相性のよいデンリュウを繰り出す。
「先攻はもらうよ、テイルーン、エアスラッシュ!」
テイルーンは風を切り裂く空気の刃をデンリュウに向けて飛ばす。
「デンリュウ、かわしてメガショック!」
デンリュウはその空気の刃を横に跳んでかわし、バチバチと弾ける電撃を放つ。
しかしテイルーンは素早く、上昇してメガショックを回避してしまう。
「喰らいつく!」
そしてそのままデンリュウに向かって直進し、小さな口で喰らいついた。
「くっ、引き剥がせ!炎のパンチ!」
デンリュウは喰らいつくテイルーンに炎の拳をぶつけ、引き剥がす。テイルーンを深追いする気はないのか、炎のパンチが発動されるとすぐに喰らいつくを解除して回避行動に移ったため、ダメージは大きくない。
「パワージェム!」
デンリュウは宝石のように輝く宝石を無数に発射する。パワージェムは岩タイプの技。これが当たれば、テイルーンにもそれなりのダメージになるだろう。
「テイルーン、火炎放射だ!」
だがテイルーンは口から灼熱の火炎を放ち、パワージェムを薙ぎ払う、いや焼き払うようにして全て撃ち落す。
「さらに思念の頭突き!」
そしてテイルーンは頭に思念を集め、デンリュウに強烈な頭突きを喰らわせる。デンリュウは反撃しようにも、その頭突きで怯んでしまう。
「一気に畳み掛けるよ、喰らいつく!」
テイルーンは怯んだデンリュウに喰らいつき、攻撃する。喰らいつくは一見地味な技だが、その威力は高く、ゴーストタイプの物理技ではトップクラスだ。
「デンリュウ、アイアンテールだ!」
いつまでもやらっれぱなしではなく、デンリュウは尻尾を鋼鉄のように硬化させてテイルーンに叩きつける。
するとテイルーンはすぐさま後退し、体勢を崩さない。
「ヒット&アウェイ……とはちょっと違うけど、これはまた厄介だな……メガショック!」
「かわしてエアスラッシュだ!」
デンリュウは弾ける電撃をテイルーンに向けて放つが、テイルーンはそれを上昇して回避し、空気の刃を飛ばしてデンリュウを切り裂く。
「これが飛行タイプだよ、イリス。地に足を着けているポケモンは、上からの攻撃に弱い。そしてこの広い大空を自由に使える飛行タイプは、敵の攻撃を避けやすい」
つまり、それは使えるフィールドが違うという事。
地に足を着けているポケモンは地面しか使えない、跳ぶ事は出来ても飛ぶ事は出来ない。つまり二次元的な動きしか出来ない。
対する飛行タイプは空も使えるため、フィールドが広く逃げ道も多い。三次元的な動きが出来る。
「成程ね……そういえば今の僕は、飛行タイプを持ってなかったな。ウォーグルを使っているうちは気付いただろうけど、いつの間にか鈍ってたのか」
イリスはそう呟き、気持ちを入れ替える。
「なら、それ相応の対応を、するとしますか」



今回はイリスとNのバトル、パート3です。Nはいろいろな所を渡り歩くうちにポケモンも強くなり、あのクラウンが進化しました。という事は他のポケモンも進化しているわけで、次回以降のバトルで登場します。では、次回もイリスとNのバトル。そしてよく見れば次回が100章です。何をやるかは何も考えておりません、意見や希望があるなら聞き入れたいと思います。では、次回もお楽しみに。


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