二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
- 日時: 2013/04/14 15:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394
今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。
参照をクリックすれば前作に飛びます。
では、英雄達の新しい冒険が始まります……
皆様にお知らせです。
以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
となっています。
皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。
登場人物紹介等
味方side>>28
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624
目次
プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695
第十六幕 錯綜
一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756
第十七幕 決戦
零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕
>>774 >>812 >>818
最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851
2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825
あとがき
>>852
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——再開します—— ( No.510 )
- 日時: 2012/06/09 18:24
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: QpE/G9Cv)
プツ男さん
お久しぶりです。今まで放置していて申し訳ありませんでした。僕のような小説でよければ、これからは精一杯書かせていただく所存です。
くどいようですが、しかし更新ペースは著しく落ちています。あなた様の欲求不満を解消できるほどの頻度で更新できるかは定かではありませんが、それでもよければこれからもよろしくお願いします。
- Re;389章 道連れ ( No.511 )
- 日時: 2012/06/10 17:02
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: QpE/G9Cv)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
シキミは倒れたロップルに戻し、次なるボールを構えた。
「まさかこうも簡単にやられるとは思いませんでしたよ。一年前よりも、ずっと強くなってますね」
「それはお互い様ですよ。シキミさんも、かなり手強かったですよ。その証拠に、ディザソルもかなり消耗してます」
確かに、ディザソルはパッと見て分かるほどに体力が削られていた。呼吸が荒く、脂汗も浮かんでいる。
「まあ、それでも大したものです、とだけ言っておきましょう。では、次のポケモン、行きますよ。『かの霊はその姿を無限に変え、虚像として冷ややかな闇へと我らを誘う』……ゲンガー!」
シキミの三番手は、シャドーポケモンのゲンガー。人型ではあるがずんぐりした体と、紫色の体色、そして赤く光るギョロッとした目が特徴のポケモンだ。
「ゲンガーか……ディザソルは消耗してるし、速攻で決めるか。辻斬り!」
ディザソルは地面を蹴り、トップスピードのままゲンガーへと接近、飛び込むように漆黒の鎌で斬りかかる。
「ゲンガー、気合球です!」
しかし、四天王のポケモンもただでやられるほど甘くない。
ゲンガーは掌で気合を込めた球体を生成し、ディザソルに切り裂かれ、ディザソルが地面に足を着けた瞬間、その球体を押し付けるようにぶつけた。
ディザソルはそのまま体勢を崩してしまい、ゲンガーの真正面で隙だらけになってしまう。
「しまっ……ディザソル、退避だ!」
「遅いですよ。危険な毒素!」
ゲンガーはディザソルがふらついている隙に体内から有害な毒素を集め、それを一点に集中させ、ディザソルへと放った。
ディザソルはその毒の塊の直撃を受け、数歩後退した後に地面に伏す。
「……よくやった。戻れ、ディザソル」
イリスはディザソルをボールに戻す。
シキミのゲンガーは今のやり取りで、攻撃能力が高いことと、若干打たれ強いことが分かった。
攻撃面はおいておくにしても、防御面は少し厄介だ。単純に力押しをしても、そう簡単に破れそうにはない。
「……だったら、お前だな。出て来い、デスカーン!」
決心したイリスは二番目のポケモン、デスカーンを繰り出した。棺桶の体と、四つの影の腕を持つポケモンだ。不気味さで言えば、ゲンガーにも負けていない。
「デスカーン、鬼火だ!」
まずデスカーンは、青白い不気味な人魂をいくつか周囲に浮かべ、それらをゲンガーへと向かわせる。
「ゲンガー、放電で相殺です!」
だが、ゆらゆらと揺れる火の玉は、全て放出される電撃により消滅した。さらに、
「危険な毒素!」
ゲンガーは全身から溢れる毒素を一点に集中、デスカーンへと放つ。
「サイコキネシスだ!」
デスカーンはその毒の塊を念動力で受け止め、そのまま霧散させる。
さらに新たな念動力を放ち、ゲンガーの動きを止めた。
「地面に叩きつけろ!」
デスカーンはゲンガーを操作し、地面へと強かに打ち付ける。ゲンガーは苦しそうに呻いたものの、まだ戦闘不能ではない。
「やりますね。ゲンガー、放電です!」
ゲンガーはすぐさま起き上がると、周囲に向けて電気を放出する。
デスカーンは鈍重だ。いきなり放たれた電撃を避けることもできず、直撃を受けた。しかし、デスカーンは堅い。なので、そこまでのダメージはない様子だ。
「ゲンガー、危険な毒素!」
「デスカーン、パワーシェアだ!」
ゲンガーが追撃の毒素を放つ直前に、デスカーンはパワーシェアを行う。
パワーシェアは、ポケモン同士の力を共有する技。言い換えれば、攻撃力の低いポケモンは攻撃力が高く補正され、逆に攻撃力の高いポケモンは攻撃力が低く補正されてしまう。そんな技だ。
そしてゲンガーとデスカーンの攻撃能力の差は歴然。ならば、
「デスカーン、シャドーボール!」
デスカーンは影の球を四つ、それぞれの腕から発射する。そのスピードは中々のものだ。
「ゲンガー、放電で相殺です!」
ゲンガーも放電で応戦するが、攻撃能力は互角なのだ。デスカーンのタイプ一致のシャドーボールは、中々打ち消せない。
そうこうしているうちに、さらなる追撃が飛ぶ。
「鬼火だ!」
デスカーンは青白い不気味な鬼火を放つ。鬼火は放電の間を縫うようにゆらゆらとゲンガーに接近し、その体を燃やしていく。
「ああ、ゲンガー!」
ゲンガーは火傷を負いながらもシャドーボールを止めていたが、それも限界。ついに影の球に突き破られ、四連撃を喰らう。
さらに、
「とどめだデスカーン、シャドーボール!」
ダメ押しのように放たれる四発のシャドーボール受け、ゲンガーはついに戦闘不能となる。
バタリ、とゲンガーはその場に倒れこみ——
ダンッ
——デスカーンが空中より落下した。
「……!? デスカーン!」
そう、デスカーンが落下した。慌てて駆け寄ってみると、完全に目を回している。戦闘不能状態だ。
イリスの脳内でぐるぐると思考が駆け巡る。何故、デスカーンが急に倒れたのか。デスカーンがとどめを刺す途中に、ゲンガーが攻撃した形跡はないはずなのに——
「……!」
「気付きましたか」
シキミが呟くように言う。それに、イリスも顔を上げた。
「……道連れ、ですか」
「はい」
道連れ。それは、相手の技によって自分が倒れた時、相手を道連れにして強制的に戦闘不能にする技。どうやらシキミのゲンガーは、やられる直前にそれを使ったようだ。
「……戻れ、デスカーン」
「戻ってください、ゲンガー」
これでイリスの手持ちは残り三体。対するシキミは、残り二体。数の上ではイリスが勝っているが……
「たぶん、残り二体は強敵だろうな……!」
シキミは四番手のポケモンが入ったボールを握りしめ、こちらを向いている。その目は、自信に満ちた目だ。
「…いや。思いなら、僕だって負けていない。絶対に、勝つ」
そう自己暗示のように呟いてから、イリスも次なるボールを手に取った。
やっと更新できました、白黒です。やっぱりしばらく書いていないせいか、腕がなまっていますね。はやく戻さねば。今回は見ての通り、イリス対シキミの四天王戦、その2です。シキミの手持ちは早速残り二体になってますが、そもそもこの四天王戦はさっさと終わらせるつもりです。さて次もシキミとのバトルです。次回をお楽しみに。
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——再開します—— ( No.512 )
- 日時: 2012/06/10 21:28
- 名前: 霧火 (ID: hoeZ6M68)
受験、お疲れ様です!
そして白黒さん…貴方の復活をずっと待ってました!(…と言いつつ顔出すのが遅くてすみません;)
またイリスの勇姿を見られるかと思うと胸熱です…!
更新楽しみに待っています!それではっ!
- Re: 390章 本調子 ( No.513 )
- 日時: 2012/06/10 22:33
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: QpE/G9Cv)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「『それは人の形を成した土塊の人形、空飛ぶ巨人として崇められたまえ』……ゴルーグ!」
シキミの四番目のポケモンは、ゴーレムポケモンのゴルーグ。とにかく大きな巨体を持つポケモンだ。
「だったら僕はこのポケモンです。出て来い、フローゼル!」
イリスが繰り出すのは、水タイプのフローゼル。地面・ゴーストタイプのゴルーグとは相性が良い。
「行くぞ。スターフリーズ!」
フローゼルは頭上に巨大な星形の氷塊を作り出し、ゴルーグへと放つ。
「ゴルーグ、アームハンマーです!」
しかし、ゴルーグの拳による鉄槌で氷塊は砕け散る。どうやらこのゴルーグ、見た目に違わずパワータイプのポケモンのようだ。
「だったら手数で攻めるのみ! フローゼル、アクアテール!」
フローゼルはゴルーグの元へと急接近し、水を纏った尻尾をその巨体に叩きつける。
いくら大きくても、地面タイプを持つゴルーグには水タイプの技は効果抜群。ゴルーグは少し後ろに後退した。
「どんどん行くよ、氷の牙!」
さらにフローゼルは氷結した牙を伸ばし、ゴルーグの両足に突き刺す。すると、突き刺した箇所を中心に氷が広がっていき、ゴルーグの動きを封じた。
「しまった……ゴルーグ、抜け出してください! ジャイロボール!」
ゴルーグは両手を横へと水平に伸ばし、手首と足首の辺りからエネルギーを放出。そしてその状態で、回転を試みる。
だが、氷はがっちりとゴルーグの両足を捕えている。少しずつヒビが入っているものの、完全に砕くにはもう少し時間がかかるだろう。
「フローゼル、今がチャンスだ。アクアテール!」
そしてそんな隙を見逃すイリスとフローゼルでもなく、ゴルーグはアクアテールをその身に何度も打ち付けられながらも、氷から抜け出そうとしている。
「これは行けるか……フローゼル、スターフリーズ!」
脱出に専念している今が好機と見たのか、イリスはスターフリーズを指示し、フローゼルも巨大な星形の氷塊をゴルーグへと飛ばす。
「ゴルーグ、早く脱出してください! ジャイロボール!」
ゴルーグはさらに回転の力を強め、氷を割り砕いていく。
氷塊がゴルーグに当たる直前、ゴルーグは遂に氷から抜け出せ、その回転力のまま氷塊を粉砕した。
「! フローゼル、もう一度スターフリーズ!」
「何度来ても同じですよ。ゴルーグ、ジャイロボール!」
フローゼルが放つ氷塊を、ゴルーグは回転しながら粉砕。そしてそのままフローゼルへと特攻をかける。
「あの大きさじゃ避けるのは厳しいか……フローゼル、氷の牙!」
イリスはジャイロボールを避けられないと判断し、フローゼルも氷の牙を伸ばしてゴルーグを食い止めようとする。が、しかし、フローゼルの牙はジャイロボールに削られ、折れてしまった。
フローゼルはそのまま、ジャイロボールの直撃を受け、吹っ飛ばされる。
「追撃です、シャドーパンチ!」
さらにゴルーグは影を纏った拳をロケットパンチのように飛ばし、フローゼルに追い打ちをかける。直接的な攻撃ではなくても、ゴルーグの攻撃力は相当なものだ。フローゼルのダメージを大きいだろう。
「くっ、後一撃でも喰らったらやられるな……! フローゼル、ここは接近戦で行くぞ。アクアテール!」
「させませんよ。ゴルーグ、地震です!」
フローゼルは地面を蹴り、二又の尻尾に水を纏ってゴルーグに突っ込むが、ゴルーグは地面を激しく揺らしてそれを阻止する。
「もう一度、地震!」
さらに第二波。一度目の地震で完全に動きを止められてしまったフローゼルは、次なる波を避けきれず、吹き飛ばされる。
「フローゼル!」
吹き飛ばされ、地面に叩きつけられたフローゼルを見ると、完全に目を回している。戦闘不能だ。
「戻れ、フローゼル。よくやった」
イリスはフローゼルをボールに戻す。
シキミのゴルーグは、今までのポケモンとは一味違う強さを持っている。ヌケニンはともかく、ロップルもゲンガーも、攻撃的ではあったがその攻撃にも癖があった。
しかし、このゴルーグは違う。自身の堅さと攻撃力を生かし、敵をねじ伏せる単純なパワータイプ。
だったら、こっちは素早いポケモンでかき乱す。フローゼル以上にすべての領域を自由自在に駆け回るポケモンで、ゴルーグを翻弄する。
「さあ行くぞ。出て来い、リーテイル!」
イリスの四番手は、草・飛行タイプのリーテイル。地震が効かないこともそうだが、何よりフローゼルよりも動ける範囲が広い。フローゼルは基本的に地上での動きに優れるが、リーテイルは空中での動きにも優れている。
「リーテイル、まずはエアスラッシュ!」
リーテイルはフィールド内を滑空するように飛び回り、ゴルーグを四方八方から空気の刃で切り刻む。
しかし、ゴルーグは特に反応せず、その刃を受けていた。
「余裕っていうのか……だったらこれだ。リーフブレード!」
リーテイルは滑空するスピードのままゴルーグに急接近し、尻尾の刃でその巨躯を切り裂く。効果は抜群なので、それなりに効いているはずだが、
「ゴルーグ、アームハンマー!」
ゴルーグは拳を固め、リーテイルに鉄槌を下す。リーテイルは拳の直撃を受けてしまい、あえなく地面へと叩き落される。
「っ、リーテイル!」
効果いまひとつなのが幸いしたのか、リーテイルはまだ戦えるようだが、一撃でもかなりの威力だった。
「さあて、そろそろゴルーグも本調子が出て来たようですね。では、本腰を入れていきますよ」
と、シキミは言う。
その直後、ゴルーグは両手と下半身をエネルギーに変換させ、その推進力で空中へと飛び立った。
「飛んだ……!」
そう、ゴルーグは飛んでいるのだ。つまりそれは、空中からの攻撃ならゴルーグも簡単には対処できないだろうというイリスの算段を崩したことになる。
「では、行きますよゴルーグ!」
シキミが叫ぶと同時に、ゴルーグはその推進力を全開にし、リーテイルへと突っ込んでいく。
さて、今回は微妙なとこで終わりましたね。たぶんシキミ戦はあと二回くらいで終わると思います。というか、早く終わらせないとあとに三人も控えているんですよね。というわけで、ゴルーグが飛びました。どういうわけだかわかりませんが。では、次回もシキミ戦です。お楽しみに。
- Re: 391章 筋書き ( No.514 )
- 日時: 2012/06/15 00:41
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: QpE/G9Cv)
「ゴルーグ、アームハンマー!」
ゴルーグは拳を固め、飛行の勢いもつけてリーテイルに殴り掛かる。
「リーテイル、かわしてリーフブレード!」
だがリーテイルも早々やられたりはしない。ゴルーグの拳を流れるような動きでかわし、そのまま尻尾の葉っぱでゴルーグの巨躯を切り裂いた。
「やりますね。ゴルーグ、シャドーパンチで反撃です!」
ゴルーグは体を反転させ、リーテイルの方を向き、影の拳を飛ばす。両手から放ったので、その数は二発。
しかし、二発程度の飛び攻撃なら、リーテイルの敵ではない。
「リーテイル、リーフストームでまとめて吹き飛ばせ!」
リーテイルは背中の葉っぱを激しく羽ばたかせ、無数の葉っぱと怒涛の嵐を放つ。
その嵐はシャドーパンチを軽く呑み込み、消滅させる。さらに、イリスの言った『まとめて』とはゴルーグもまとめてという意味だったようで、ゴルーグも吹っ飛びこそしなかったが、リーフストームの攻撃を受けた。
「くぅ、まだですよ! ゴルーグ、ジャイロボール!」
ゴルーグは両手を水平に突出し、そのまま高速回転。リーテイルへと突っ込んでいくが、
「効きませんよ。リーテイル、とどめのリーフストーム!」
リーテイルは再度葉っぱを含む大嵐を放ち、回転しながら突っ込んでくるゴルーグの動きを止める。だが嵐は動きを止めるだけにとどまらず、その巨体を少しずつ押していき、最後には塔の壁まで吹き飛ばした。
地面に落下したゴルーグを見ると、目を回している。明らかに戦闘不能だ。
「やられてしまいましたか……とりあえず、戻ってください、ゴルーグ」
シキミはゴルーグをボールに戻す。これで彼女のポケモンは残り一体。そして、イリスはその一体が分かる。というより、知っている。
「では、行きますよ。アタシのエースにして、四天王戦という名の物語のキーパーソン。『かの燈火は命を糧にその焔を燃やし続け、迷いし者を永遠の無へと帰す』……シャンデラ!」
シキミの最後のポケモンは、シャンデリアのような姿をしたポケモン、シャンデラ。PDOのリオも使っているポケモンだ。
「来たか、シャンデラ……!」
過去にイリスは、このシャンデラと戦ったことがある。このシャンデラは、掛け値なしに強い。相性で劣り、リーフストームを二発撃って疲弊しているリーテイルが勝てる相手ではないだろう。
「でも、それは想定済み。そのための切り札だって残してますよ。リーテイル、エアスラッシュ!」
リーテイルは背中の葉っぱを羽ばたかせ、無数の空気の刃を飛ばす。
「シャンデラ、熱風で薙ぎ払ってください!」
シャンデラは超高熱の風を広範囲に放ち、風をも切り裂くはずのエアスラッシュをすべて撃ち落としてしまった。
「熱風か……前よりも強いな。だったらリーテイル、ドラゴンビート!」
今度は見えない攻撃に切り替える。リーテイルは龍の鼓動のような咆哮を上げ、シャンデラを攻撃する。
「その程度では、シャンデラは倒せませんよ。ソウルブレイクです!」
シャンデラは体から白濁色の光の球体を出し、リーテイルへと放つ。
「あれは……リーテイル、かわせ!」
リーテイルは葉っぱを羽ばたかせて飛翔する。意外と速いスピードで追ってくる光球から逃げようと、全速力で飛ばしている。
しかし、
「シャンデラ、スタープリズムです!」
突如、虚空より無数のガラス玉が降り注いだ。ガラス玉はリーテイルや地面に当たるとすぐに砕け、中の冷気を放出する。
リーテイルはその冷気に一瞬だけ動きを止めてしまい、その隙に光球がリーテイルに追いついた。
「しまった……リーテイル!」
リーテイルは光球による攻撃を受けると、地に伏してもがき苦しむ。そこまで大きなダメージではないはずなのに、かなり苦しそうだ。
ソウルブレイクは、いつか戦ったレイカのフローリアが使っていた技。あの技は、魂に直接攻撃するため、威力の割に痛みが激しく、また混乱の追加効果まである。
そして運の悪いことに、リーテイルは混乱してしまった。
「リーテイル、しっかりするんだ! エアスラッシュ!」
イリスは懸命に指示を出すが、リーテイルは明後日の方向に刃を飛ばす。無論、シャンデラには掠りもしない。
「これでリーテイルとの戦いという章も幕を下ろします。シャンデラ、スタープリズム!」
シャンデラは虚空より大量のガラス玉を降り注ぎ、割れたガラス玉から放出される冷気でリーテイルを攻撃。タイプ上、氷技であるスタープリズムはリーテイルには威力が四倍。流石のリーテイルにもこれには耐え切れず、戦闘不能となってしまう。
「よくやった、リーテイル。しばらく休んでいてくれ」
リーテイルをボールに戻すイリス。しかし、ここまでは概ね予想通り。元より、リーテイルでシャンデラを倒せるとは思っていない。
だから、シャンデラを倒すポケモンは、ちゃんと残している。
「さあ行くぞ! 一年前のお前の力、ここでもう一度見せてみろ! 出て来い、ダイケンキ!」
イリスの最後のポケモンは、イリスの初代エース、ダイケンキ。一年前は、シキミのシャンデラと奮戦し、見事勝利を飾ったポケモンでもある。
「やはりダイケンキで来ましたね。筋書き通りの展開です」
「あの時は日本晴れで水技を封じられ、ソーラービームでやられかけましたが、今回は違います。むしろ、前よりも厳しい戦いになるかもしれませんよ?」
「どうでしょうかね。アタシだって、水タイプへの対策を怠ったわけではありませんよ。その証拠を見せてあげます……シャンデラ、エナジーボール!」
シャンデラは自然エネルギーを凝縮した球体を作り出し、それをダイケンキへと発射する。まっすぐ飛ぶその球体は、かなりのスピードだ。
「ダイケンキ、切り裂け! シェルブレード!」
だが、イリスの初代エースであるダイケンキは、その程度の攻撃に動じたりはしない。すぐさま前足の鎧から仕込み刀『アシガタナ』を抜き、エナジーボールを切り裂く。
見ていればかなり高度な一合だが、この程度、二人にとってはほんのウォーミングアップに過ぎない。本番は、これからだ。そして、
「……さて、これで、アタシ達の戦いの最終章が始まりますね」
そう、シキミは小さく呟いた。
さて久更新、白黒です。今回は前回に引き続きシキミ戦で、エースシャンデラの登場です。話は変わりますが、もうすぐBWの2が発売ですね。もう待ち切れなくて、毎日が辛いです。僕は前作ではツタージャを選んだのですが、今回は何にするか悩んでおります。見た目ならツタージャが一番なんですが、技がね……。それはさておき、次回はシキミ戦決着です。そして、うまく行けば次なる四天王戦へも行けるでしょう。では、次回もお楽しみに。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171
この掲示板は過去ログ化されています。