二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
- 日時: 2013/04/14 15:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394
今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。
参照をクリックすれば前作に飛びます。
では、英雄達の新しい冒険が始まります……
皆様にお知らせです。
以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
となっています。
皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。
登場人物紹介等
味方side>>28
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624
目次
プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695
第十六幕 錯綜
一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756
第十七幕 決戦
零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕
>>774 >>812 >>818
最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851
2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825
あとがき
>>852
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171
- Re: 358章 試練 ( No.444 )
- 日時: 2011/11/03 18:33
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「さあ行くよ、ファマイン!」
チェレンが次に繰り出したのは、炎・鋼タイプのファマイン。
機械的な体、赤い浮遊するロボットのようなポケモンだ。
「ファマイン、まずは気合球!」
ファマインは両手のキャノン砲から気合を凝縮した球を撃ち出す。
”当たらぬ。響き渡れ、陸の鼓動!”
テラキオンはサッと気合球をかわすと、地面を激しく揺り動かし、地震を引き起こす。
ファマインは浮遊しているが特性は猛火。なので地震を喰らって大ダメージと思いきや、ファマインは素早く地震の衝撃が届かない所に逃げた。
「火炎放射!」
そしてキャノン砲から灼熱の火炎を放射する。キャノン砲だけでなく、火炎放射器としても使えるようだ。
”むぅ……!”
テラキオンは火炎放射をかわすことはできなかったようで、燃え盛る炎に包み込まれる。
「よし、そのまま攻め込むよ。放電!」
ファマインはキャノン砲をテラキオンに向け、そこから強力な電撃を放つ。
”やりおるな……! 降り注げ、礫の雪崩!”
テラキオンは放電を耐え切ると、虚空より無数の岩石をファマインに降り注ぐ。
「かわして気合球!」
ファマインは俊敏ではないが機械的な駆動で降り注ぐ岩石をかわし、気合球を発射。テラキオンに直撃し、効果抜群で大ダメージだ。
「放電!」
さらにキャノン砲から放電し、追撃を掛ける。
”今のは効いたぞ。しかしまだ、某は倒れん!切り裂け、正義の刃!”
テラキオンは角を光り輝かせ、ファマインに接近し、切り裂く。
効果抜群なので、一撃でも相当なダメージだ。
「くっ、火炎放射!」
ファマインはキャノン砲の先端をテラキオンに押し付け、そこから灼熱の火炎を放つ。
流石のテラキオンも零距離からの火炎放射には堪えるようで、すぐさま身を退いた。
「追撃だ、気合球!」
”断ち切れ、交差の剣!”
ファマインの放つ気合球を、テラキオンはシザークロスで切り裂く。
”響き渡れ、陸の鼓動!”
そして大地を踏み鳴らし、激しく揺さぶって地震を引き起こす。
ファマインは咄嗟にかわそうとしたが、かわし切れず、衝撃を喰らって吹っ飛ばされた。
「ファマイン、大丈夫か!」
ファマインは壁に叩きつけられたが、なんとか戦闘不能は免れた。決まりが浅かったためだ。
「ファマイン、磁力線!」
ファマインはここで初めてキャノン砲を使わず攻撃を繰り出す。ファマインは強力な磁力の波を放って、テラキオンに見えない攻撃を喰らわせる。
”不可視の攻撃か、なかなか厄介な技ではあるな。切り裂け、正義の刃!”
テラキオンは角を光り輝かせ、ファマインに斬り掛かる。
「ファマイン、放電だ!」
それをファマインはキャノン砲から電撃を放ち、迎撃する。
「磁力線!」
そこに磁力線をぶつけて追撃し、テラキオンを攻撃。
そろそろテラキオンもダメージが蓄積してきただろうが、しかし疲弊している様子はない。
「頑丈なポケモンだな……ファマイン、火炎放射!」
ファマインはキャノン砲より、灼熱の火炎を放つ。
”頑強、屈強なのが某の取柄でな。降り注げ、礫の雪崩!”
テラキオンは大量の岩を降り注いでファマインが放つ火炎放射を防ぐ。
”断ち切れ、交差の剣!”
さらに角を交差させながら雪崩れてきた岩を切り裂き、そのままファマインも十文字に切り裂く。
効果いまひとつが二つあるので威力は四分の一、しかしファマインの体勢を崩すには十分だった。
”響き渡れ、陸の鼓動!”
テラキオンは大地を強く踏み鳴らし、激しく揺り動かして衝撃を放つ。
地震により生じた衝撃波は地面を伝ってファマインへと届き、ファマインは吹っ飛ばされる。
「ファマイン!」
ファマインはまたも壁に叩きつけられるが、今度は危なそうだ。炎と鋼タイプを持つファマインには、地面技は効果四倍。かなりのダメージで、戦闘不能になってもおかしくない。
”さあ、次の一撃で決めようぞ。切り裂け、正義の刃!”
テラキオンは光り輝く角を構え、ファマインを切り裂くべく突っ込む。
「くぅ、ファマイン、磁力線!」
ファマインはせめてもの抵抗として磁力線を放つが、それは叶わなかった。何故ならファマインは磁力線を放たなかったからだ。
しかし代わりにファマインは
全身に銀色のオーラを纏い、テラキオンを吹き飛ばした。
”ぐおぉ……!”
テラキオンは不意討ちの思わぬ攻撃に反応できず地面に叩き落されるように着地する。
「今の技は……ジオインパクトか?」
チェレンは脳内のデータバンクから、今ファマインが繰り出した技の情報を引き出す。
それによるとどうやら、ファマインはジオインパクトを覚えたらしい。
「……これは、ラッキーだな。ファマイン、ジオインパクト!」
ファマインは全身に銀色のオーラを纏い、テラキオンに突撃する。
”ぬぅ、しかし某は岩窟の獣。力果てるまで、戦い抜く!切り裂け、正義の刃!”
テラキオンが光り輝く角を構え、ファマインとぶつかり合う。
互いに一歩も退かない激突。テラキオンは力一杯ファマインを押し飛ばそうとするが、ファマインも負けじとテラキオンを吹き飛ばそうと力を込める。
やがてテラキオンが徐々に押されていき、遂にテラキオンは吹き飛ばされた。
”ぐああぁぁぁ!”
テラキオンは壁に激突し、その場に崩れ落ちた。
「ふぅ……なんとか、勝ったみたいだね」
かくして、チェレンは岩窟の救世主、テラキオンに打ち勝ったのであった。
今回はチェレン対テラキオン、決着でした。チェレンのファマインはサブキャラのポケモンにしては、新技を覚えたりと優遇されていますが、まあいいでしょう。では次回はあの緑の救世主と、彼女とのバトルです。お楽しみに。
- Re: 359章 草原 ( No.445 )
- 日時: 2011/11/03 20:18
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
”英雄よ、一つ尋ねてもよいか?”
フキヨセの洞穴から出る途中、コバルオンはイリスにそう言ってきた。
「別に構わないけど……なに?」
”貴様は我らに力を貸してくれと言っていたが、具体的に何をすればよいのだ?”
確かにその通りだ。
というか、イリスはコバルオンを説得する時、ドサクサに紛れて何気なく自分の要求を入れ込んでいた。
「ああ、それか。実は僕達は、君達の言う信用できない、悪い人間達と戦っているんだ」
そう前置きし、イリスはプラズマ団について大まかに説明する。
「——で、今は奴らの拠点を探しているとこ。君達には、奴らとの戦いの手助けと、拠点を探して欲しい。奴らの科学力はかなりのものだ。もしかしたらポケモンにしか発見できないような場所にアジトを構えているかもしれない」
”成程、了解した。ではテラキオンとビリジオンが納得し次第、すぐさま行動に移ろう。しかし……”
コバルオンは満足いかないと言うような表情で言った。
”貴様の話を聞く限りおいては、奴らは陸海空のどこにでも基地を構えていそうだな。我らは陸地においてはどこへでも調べられるが、海と空はどうしようもない”
「確かにそうだろうけど、でもそれはしょうがいことだよ。僕だってできないことを頼んだりはしないよ」
”いや、確かに我らは陸地しか調べられないが、水中を探索できる奴がいないわけでもない”
コバルオンはもったいぶるように言う。
「……どういうこと?」
”我らは別れる前に、弟子がいたのだ。奴ならもしかしたら、我ら以上の働きをするやも知れぬ”
「へぇ……で、その弟子っていうのはどこにいるの?」
”我らと奴の波長は合わなくてな、正確な場所は分からんが、ここより北、やや東だ。仄かに龍の香りがする”
どうやら波動は、香りも分かるらしい。
「それって、ソウリュウシティじゃない?」
リオが言う。確かに龍といえば、イッシュではソウリュウシティだ。
「となると、僕らの次の目的地はソウリュウシティ。もしくはその近辺か……」
指針も決まり、とりあえずイリス達は歩み続ける。
……未だ、フキヨセの洞穴から出ることは出来ないイリス達だった。
ヤグルマの森。
複雑な地形で入り組んでいるこの森は迷いやすい。
「ここ、どこだろ……?」
そしてベルは、そんな迷いの森で、道に迷っていた。
「ポケモンについて詳しくなろうと、ポケモン達を追っかけてたら、こんな所に来ちゃったよ……フワライドは疲れてるし、どうやって抜けようか……」
ベルがそう途方に暮れていると、ふとベルは顔を上げる。
「……あれ?」
そこは森の中とは思えないほど開けている、草原のような場所だった。しかし少し遠くにはちゃんと木々が生えているので、森の中なのは確かなのだが
「ここは……?」
さっきと違った意味合いで、ベルは呟く。
とりあえず歩いていると、草原の真ん中に、これまた奇妙な具合に木々が生えていて、何かを隠すようにそこを覆っている。
ベルは興味本位でそのその木々を掻き分け、中を覗く。すると
「うわぁ……ポケモンかな?」
そこには、一匹の美しいポケモンがいた。
草のように鮮やかな緑色の、ヤギかレイヨウに似た有蹄類のような体。細身でしなやかな体躯は、顔つきも相まって中性的な印象を与える。一見すると分かり難いが、側頭部から後ろに反って伸びているのは刃のようだ。
”……意外と早く来たのですね。貴方は、コバルオンの言っていた使者でしょうか”
そのポケモンはゆっくりと起き上がると、まっすぐにベルを見つめる。
「あ、えっと……」
ベルはわけが分からず、しどろもどろになる。
”まあここにいるということはそうなのでしょう。私の名はビリジオン、以後お見知りおきを。……では、早速始めましょうか”
ベルはまだ何も理解していない。しかし、ビリジオンの行動からこれだけは分かった
「出て来て、ベロベルト!」
ビリジオンはベルに向かって突っ込んできた。
つまりこれは、戦う意思があるということ。
「ベロベルト、激突!」
ベロベルトも向かって来るビリジオンに対し、全力で突っ込むが、ベロベルトの攻撃は呆気なくかわされた。
”切り結べ、草木の刀”
そしてビリジオンはベロベルトに接近し、鋭い緑色の刃でベロベルトを切り裂く。
「リーフブレード……!? ベロベルト、スプラッシュ!」
ベロベルトは水飛沫を散らしながらビリジオンに攻撃するが、ビリジオンは軽快な動きでそれをかわす。
”当たりませんよ。斬り返せ、燕の一閃”
さらにビリジオンはベロベルトを刃で何度も切り裂く。
「うぅ、炎のパンチ!」
”舞い狂え、毒の朽葉”
ベロベルトは炎を灯した拳を突き出すが、ビリジオンは流れるような動きでその拳を回避。毒が含まれた葉っぱを無数に飛ばし、ベロベルトを切り刻む。
「ポイズンリーフ……ベロベルト、パワーウィップ!」
ベロベルトは長い舌を伸ばしてビリジオンに叩きつけようとするが、やはり当たらない。
「激突!」
さらにベロベルトは全身全霊でビリジオンに突っ込むが、これも外れ。
どうやらビリジオンは、素早さが高く、回避しながらの攻撃を主戦法にしているようだ。
「ベロベルト、もう一度激突!」
ベロベルトは再度全身の力を振り絞ってビリジオンに突っ込むが
”切り裂け、正義の刃!”
ビリジオンは自ら突撃してくるベロベルトに突っ込み、紙一重でその攻撃をかわす。
さらにその一瞬の交錯で、光り輝く刃でベロベルトを切り裂いた。
「ベロベルト!」
切り裂かれたベロベルトは倒れ、戦闘不能となる。
「戻って、ベロベルト」
ベルは戦闘不能のベロベルトをボールに戻し、次のボールを構える。
「なんだかよく分からない事態になったけど、なんかだ面白そうだし、このまま行っちゃおうか!」
ベルは相変わらずマイペースだが、最近それにも磨きがかかってきた。
今回はベルとビリジオンのバトルです。ベルは今作で影の薄くなった人、その三に含まれるキャラクターだったりします。ビリジオンって、見た目はいいんですけど、実践ではおよそ使い物にならない、とまでは言わないまでも、結構使いにくいですよね。弱点多いし、飛行は四倍だし、技も微妙だしで、他の二体と比べても見劣りしますよね。それと今回はもう一体の存在を仄めかす発言があります。まあそれは次幕からですね。まずは今です。ベル対ビリジオンです。というわけで、次回もお楽しみに。
- Re: 360章 思索 ( No.446 )
- 日時: 2011/11/03 21:07
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「出て来て、タテボーシ!」
ベルが繰り出すのは、水・毒タイプを持つ海坊主ポケモン、タテボーシだ。
「タテボーシ、ハイドロポンプ!」
タテボーシ大口を開け、そこから大量の水を噴射する。
初っ端から大技だ。
”ですがそのような単調な技は、私には当たりません”
ビリジオンの言う通り、ビリジオンは草原を吹き通る風のような動きで噴射される水流を回避する。
”舞い狂え、毒の朽葉!”
そして毒が含まれた葉っぱを無数に舞い上がらせ、それらをタテボーシに飛ばし、切り刻む。
”斬り返せ、燕の一閃!”
さらにタテボーシに急接近すると、その液体のような体を幾度の切り裂く。
「タテボーシ、ヘドロ爆弾!」
だがタテボーシは鈍いのか何なのか、特に反応も示さず、ビリジオンに向けてヘドロの塊を複数放つ。
”不浄の物体ですね。そのようなものは、受け付けません。切り結べ、草木の刀!”
ビリジオンはヘドロの塊をかわすと、緑色の刃でタテボーシを切り裂く。
「そんな攻撃じゃ、液体のタテボーシにまともなダメージは与えられないよ!タテボーシ、シグナルビーム!」
タテボーシは口から手から、色彩を束ねたカラフルな光線を発射する。
”切り裂け、正義の刃!”
しかしその光線も、ビリジオンは容易く回避して、光り輝く刃でタテボーシを切り裂く。
そしてその攻撃も厄介なものだ。ビリジオンの攻撃は辻斬りのように通り過ぎて切り裂く斬撃なので、反撃し難い。それが鈍重なタテボーシなら、なおさらだ。
”斬り返せ、燕の一閃!”
ビリジオンは返す刀でタテボーシを切り裂く。
「タテボーシ、連続でシャドーボール!」
タテボーシは口から四つ、両手に一つずつ、計六つの影の球を作り出し、ビリジオンに向けて放つ。
”効きませんよ。切り結べ、草木の刀!”
ビリジオンは一瞬にして六つのシャドーボールを通り過ぎ、それらを全て切り落とす。
「うぅ、せめて一撃でも当たれば……タテボーシ、ヘドロ爆弾!」
タテボーシはヘドロの塊を、複数ビリジオンへと飛ばすが
”舞い狂え、毒朽葉!”
ビリジオンはポイズンリーフでヘドロの塊を切り裂き、残ったものは自分で回避。
”切り結べ、草木の刃!”
さらに今度は緑の刃でタテボーシを切り裂く。
ビリジオンの攻撃は一撃一撃が軽いが、それでも何度も何度も攻撃するので、ダメージが蓄積しやすい。
タテボーシも結構耐久力はあるほうだが、それでもいつかは力尽きる。
「ヘドロ爆弾!」
タテボーシは複数ヘドロの塊を飛ばすも、ビリジオンには当たらない。
「ハイドロポンプ!」
大量の水を噴射しても、当たらない。まるでビリジオンにはどんな攻撃も届かないと感じさせるような、恐るべき回避率だ。
”舞い狂え、毒の朽葉!”
そうこうしているうちに、ビリジオンは毒が含まれた葉っぱを無数に飛ばし、タテボーシを切り刻む。
”止まりませんよ。切り裂け、正義の刃!”
「タテボーシ、シャドーボール!」
ビリジオンが刃を光り輝かせて突っ込んでくるのに合わせ、タテボーシは影の球を口から五つ、両手から二つずつ、計九つ放ち、遂にビリジオンへの攻撃に成功した。
”くぅ、抜かりましたか……”
ビリジオンは素早く体勢を立て直そうとするが
「やったぁ!タテボーシ、このまま行くよ!シグナルビーム!」
そこにタテボーシのシグナルビームが飛び、ビリジオンの体を掠める。
”舞い狂え、毒の朽葉!”
「ハイドロポンプで薙ぎ払って!」
ビリジオンは毒が含まれた葉っぱを無数に飛ばすが、タテボーシが鞭のように放つハイドロポンプにより全て撃ち落とされてしまう。
「ヘドロ爆弾!」
調子付いてきたタテボーシはヘドロの塊をビリジオンへと放つが
”斬り返せ、燕の一閃!”
ビリジオンはいつの間にかタテボーシのすぐ側まで接近しており、タテボーシの液体状の体を切り裂く。
するとタテボーシは、悲鳴のような呻き声をあげる。
「タテボーシ!」
どうやらタテボーシは急所を切り裂かれたらしく、かなりのダメージを負ってしまった。
”ふぅ……一時に猛攻には驚かされましたが、しかしそれも偶然のことですね。あまり長々と戦っていても、私が不利になるだけのようですし、そろそろ決めます。切り裂け、正義の刃!”
ビリジオンは光り輝く二つの刃を構え、タテボーシへと駆け出す。まるで疾風のようなスピードだ。
「あぅ……タテボーシ、ヘドロ爆弾!」
タテボーシはせめてもの足掻きとして、ヘドロ爆弾を放つ。
しかし結果として、ヘドロ爆弾は放たれなかった。
放たれたのは、毒々しい有害な塊だった。
”!?”
ビリジオンは虚を突かれたその攻撃を避けることができず、直撃を喰らってしまう。
「い、今の技って……」
ベルは図鑑をいそいそと取り出し、先ほどの技を調べる。
「危険な毒素……新しい技!?」
ベルの顔が、パァっと明るくなった。
「タテボーシ、新しい技を覚えたんだね!」
タテボーシはコクリと頷く(ような素振りを見せる)。
「よーし、じゃあ行くよ。タテボーシ、危険な毒素!」
タテボーシは毒々しい有害な物質を放つ。その大きさはかなり大きく、しかも複数吐き出し、毒液も飛び散るので完全にかわすのは難しい。
”くっ、不浄ですね……舞い狂え、毒の朽葉!”
ビリジオンは毒を含んだ葉っぱを無数に飛ばすが、有害物質を相殺することはできず、結果としてビリジオンは大ダメージを受けてしまった。
「ハイドロポンプ!」
そこにタテボーシは大量の水を噴射して追撃をかける。
”そう何度も喰らいませんよ。切り結べ、草木の刀!”
ビリジオンは緑色の刃で襲い来る水流を切り裂き、タテボーシに迫る。
”切り裂け、正義の剣!”
そして光り輝く刃を構え、タテボーシに斬り掛かるが
「タテボーシ、危険な毒素!」
ビリジオンは焦って真正面から突っ込んでしまった。なのでタテボーシが吐き出す危険な毒素をかわすことができず、直撃を喰らって吹っ飛ばされる。
”うああぁぁぁ!”
ビリジオンは原っぱに転がり、崩れ落ちる。
「ふぅ……やったね」
ベルはにっこりと笑って、勝利を喜ぶ。
かくして、チェレンは草原の救世主、ビリジオンに勝利したのであった。
今回はベル対ビリジオン、決着でした。なんでかこの回は筆が乗らず、いまいちな出来になった気がするんですよね……まあ、そんなことを言っても詮方なしですけどね。ベルのタテボーシも、チェレンのファマイン同様に新技を習得して救世主に勝利です。これで一応、救世主達の話の、四分の三は終わりです。残りの四分の一は、そのうち出ます。というか、前回の最初の部分を読めば分かるでしょう。次回にもそのことはもう少し詳しく書く予定ですが。では次回は……って、さっき言いましたね。まあこれで第十二幕はほぼ終了。残るは四天王とのバトルです。というわけで、次回もお楽しみに。
- Re: 361章 イリスvsミヤマ ( No.447 )
- 日時: 2011/11/03 23:28
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
”英雄よ、吉報だ”
やっとこさフキヨセの洞穴から出ることができたイリス達。
ひとまずリオ、キリハと別れたイリスは、フキヨセシティへと向かうべく電気石の洞穴へと入る寸前に、コバルオンに呼び止められた。
「吉報?」
”左様。今し方テラキオンとビリジオンから思念が送られてきた。どうやら奴らも貴様らに力を貸すと”
それは、確かに吉報だった。
誰かも分からぬ誰かが残る救世主を打破し、救世主達も本格的にイリス達の助力をしてくれる。
”ひとまず、我は奴らと合流する。それから貴様の言っていた軍団の拠点を探すとしよう”
「うん、頼んだよ」
コクリとコバルオンは頷き、駆け出していった。コバルオンは結構早く、瞬く間に姿が見えなくなる。
「……さて、僕も行くか」
とイリスが一歩踏み出した、その時
「あの……イリスさん、ですか……?」
突然後ろから声を掛けられた。
振り返るとそこには、先端が少々跳ねた濃紺の髪に、白薔薇が描かれた薄紫色のロングスカートの女性がいた。
「はい、確かに僕はイリスですが……」
しかしイリスはこんな女性を知らない。
「そうですか。よかった、合ってましたか」
女性はホッと一息吐く。だがイリスはこの女性を知らない。
「で、一体あなたは?」
とりあえず、イリスは女性にそう尋ねる。
「あ、申し遅れました。わたくしはミヤマ。イリゼさんに言われ、あなたに会いに来たのですが……」
「父さんが?」
一体何のためだ、用があるなら直接来れば良いのに、とかイリスが思っていると
「ええ、あなたのジム戦巡りの邪魔をして少しでも挑戦を遅らせようとかなんか仰っていましたが……」
「地味な嫌がらせだな!」
そんなことをして何になるんだか。
「というわけで、わたくしはあなたと戦わなくてはならないのですよ」
「はあ、まあ、それくらいなら構いませんけど……」
とまあ、よく分からないまま。
イリス対ミヤマのバトルが始まった。
「それでは、わたくしから参りますわ。おいでませ、モアドガス!」
ミヤマの一番手は、毒・悪タイプのポケモン、モアドガスだ。
「いきなり奇妙なのが出て来たな……出て来い、デンリュウ!」
イリスはひとまず様子見のため、弱点の少ないデンリュウを繰り出す。
「では、モアドガス、ダストシュート!」
モアドガスは毒々しいゴミの塊を作り出し、デンリュウへと放つ。
「デンリュウ、かわして炎のパンチ!」
デンリュウは跳躍してゴミの塊を回避し、炎を灯した拳をモアドガスに突き出す。
「アイアンテールだ!」
そしてそのまま尻尾を鋼のように硬化させ、モアドガスに叩きつける。
「なかなか……ではモアドガス、ダークリゾルブです!」
モアドガスは黒いオーラを纏ったかと思うと、それを一気に解き放ち、デンリュウの体を蝕んでいく。
「なっ……デンリュウ、雷だ!」
デンリュウは超高電圧の稲妻をモアドガスに落とす。だが闇のオーラはデンリュウを蝕み続ける。
「モアドガス、サイコバレット!」
それだけではなく、モアドガスは雷を喰らってもなお堪えた風には見えず、銃弾のような念動力を機関銃のように連射し、デンリュウを連続的に攻撃。
「まだまだ行きますわよ、大文字!」
モアドガスは大の字の巨大な火炎を放ち、デンリュウを炎で包み込む。
「くぅ、毒タイプの割には、随分と攻撃するな……!」
毒タイプは相手を状態異常——主に毒状態にし、体力を蝕む持久戦に持ち込むのが基本戦術なのだが、ミヤマのモアドガスはとにかく攻撃してくる。
「当然ですわ。激しい毒の嵐、とくと味わってくださいまし。モアドガス、ダストシュート!」
モアドガスはさらに燃え上がるデンリュウに汚らしいゴミの塊をぶつけて追撃。これだけでデンリュウの体力はかなり削られただろう。
「デンリュウ、パワージェム!」
デンリュウは額から煌く宝石を無数に発射し、モアドガスを攻撃。
「雷だ!」
そこに激しく轟く稲妻を落とす。だがモアドガスは、効いていはいるようだが余裕の表情だ。
「堅い……!」
「残念ながら、このモアドガスは防御を重点的に育てていますの。ですから攻撃力は少々低めですけど、生半可な攻撃は効かないので。ではモアドガス、大文字!」
モアドガスは大の字の巨大な火炎を放つ。
「デンリュウ、相殺だ!雷!」
デンリュウはその火炎を、雷を落とすことで相殺する。
「パワージェム!」
そしてすぐさま煌く宝石を連射し、モアドガスを攻撃。しかしやはり、あまり効いているようには見えない。
「くっ、ならもう一度パワージェム!」
「モアドガス、サイコバレットですわ!」
モアドガスは銃弾のような念動力を連射し、デンリュウのパワージェムを一つ残らず撃ち抜き、デンリュウをも銃撃する。
「ダークリゾルブ!」
そして闇のオーラを身に纏い、すぐさま解き放ってデンリュウの体を蝕む。
「デンリュウ!」
デンリュウは痛みと苦しみに悶え、膝を着く。
「それではモアドガス、ダストシュート!」
モアドガスは汚らしいゴミの塊を作り出し、デンリュウへと放つ。
ダストシュートの直撃を喰らったデンリュウは吹っ飛ばされ、戦闘不能となった。
「よくやった、戻れデンリュウ」
イリスはデンリュウをボールに戻す。
「思ったよりも強い、それに攻撃型か……よし、なら次はこいつだ」
イリスは次なるポケモンを選択し、ボールを握る。
今回はイリス対ミヤマです。ミヤマは非公式のポケモン、ポケットモンスター ベガに登場するキャラクターで、トーホク地方の四天王を務めています。ちなみに以前出て来たレイカやサザンカ、モスギスも似たようなものです。レイカとモスギスは、少々設定が違いますが。ミヤマのバトルに持っていくまでの経緯は、別に手抜きではありません。いや、本当は思いつかなかったからですけど……まあ、それは置いときましょう。では次回もイリス対ミヤマ。相手は四天王なので、五対五のバトルです。では次回もお楽しみに。
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ( No.448 )
- 日時: 2011/11/04 00:11
- 名前: 大光 (ID: rk8mdQwZ)
地味に酷いことをしますね、イリゼは。これも息子への試練として見る方が良いと思いますが、理由が妨害となるとちょっとねぇ…。
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