二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
日時: 2013/04/14 15:29
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394

 今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
 今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。

 参照をクリックすれば前作に飛びます。

 では、英雄達の新しい冒険が始まります……

 皆様にお知らせです。
 以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
 投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
 となっています。
 皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。

登場人物紹介等  
味方side>>28  
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624

目次

プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695

第十六幕 錯綜

一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756

第十七幕 決戦

零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕 
>>774 >>812 >>818

最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851

2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825



あとがき
>>852

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171



Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ( No.21 )
日時: 2013/03/28 03:09
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

イリス・男・14歳
容姿:ポケモンBWの主人公の姿だが、黒い半袖Tシャツの上に青い上着を羽織るようにして着るなど、一年前と比べて微妙に相違点がある。
性格:基本的にはおとなしく冷静で、気さくな少年。滅多な事では人を怒ったり罵る事がない。四天王シキミに憧れていたが、一年前に勝利してしまったため、今は純粋に作家として尊敬している。なので本は今でも好きだが、ゴーストタイプ好きという設定は霧散した。かなりの鈍感にして朴念仁、とんでもない事を平然とやってのけたりする。

手持ちポケモン

リープン→リーティン→リーテイル ♂
技:リーフブレード、エアスラッシュ、ドラゴンビート、ハードプラント
特性:深緑
性格:頑張りやで、のんびりするのが好き
経緯:ブラックシティでオークションにかけられていた所を救出され、そのまま仲間になる。
12番道路でチェレンのファマーとのバトルにてリーティンに進化。
ホワイトフォレストでセンリのググズリーとのバトルにてリーテイルに進化。イリスの第二期エース。
戦術:素早い動きで相手を撹乱しながら攻撃。
リーティンに進化して多彩な遠距離攻撃を覚えた。
リーテイルに進化して攻撃、素早さが飛躍的に上昇し、高威力の技も多数覚えた。
イリゼとの特訓では総合的な能力、特に防御面が強化された。

メリープ→モココ→デンリュウ ♀
技:雷、気合球、パワージェム、コットンガード
特性:静電気
性格:おとなしいが、血の気が多い→うっかりやで、喧嘩が好き
経緯:ホワイトフォレストにて捕獲。
カゴメタウンでのデンジのボルトックとのバトルにてモココに進化。サザナミ灯台でのミカンのバフォットとのバトルにてデンリュウに進化。
戦術:能力的には平均的だが防御が低めで、コットンガードでそれを補っている。
モココ進化してコットンガードが強化され、攻防ともに優れた技を扱える。
デンリュウに進化してコットンガードが使えなくなったが、代わりに強力な攻撃技を覚えた。中遠距離の特殊技と、近距離の物理技を使い分けて戦う。進化したら性格が変わってしまった。
イリゼとの特訓でコットンガードを思い出し、防御面が飛躍的に強化された。また物理技がなくなった分、遠距離からの攻撃に磨きがかかった。

ブイゼル→フローゼル ♂
技:アクアジェット、スターフリーズ、アイアンテール、瓦割り
特性:すいすい
性格:勇敢で、逃げるのが速い
経緯:11番道路の滝にて捕獲。
サザナミ湾の海上レースでプラズマ団の強襲を受け、イリス達を救助すべくフローゼルに進化。
戦術:素早く動き回り、変則的な技をぶつけて攻撃。
進化して攻撃と素早さが格段に上がり、中近距離戦闘では無類の強さを発揮する。また遠距離攻撃も多少はできる。
イリゼとの特訓でスピードが強化され、特に思い出したアクアジェットの瞬発力は相当なもの。

ラルトス→キルリア→エルレイド ♂
技:インファイト、サイコバレット、シザークロス、影討ち
特性:トレース→不屈の心
性格:寂しがりで、我慢強い
経緯:13番道路の森にて迷っていた所に姿を現し、森から出るために捕獲。
ビレッジブリッジでのレイカのルージュラとのバトルにてキルリアに進化。
14番道路にてNから授かった目覚め石を使い進化。
戦術:テレポート死角から攻撃したりと、相手の目を封じる戦いをする。
キルリアに進化して技の威力が上がり、バリエーションも広がった。
エルレイドに進化して多彩な物理技を覚え、死角や急所を狙って敵を攻め立てる。
イリゼとの特訓で低めの防御力が強化されたが、基本的には影討ちで背後から攻撃するパターンが多い。

ライノス→メタゲラス ♂
技:地震、メタルブラスト、ストーンエッジ、メガホーン
特性:威嚇
性格:やんちゃで、喧嘩をするのが好き
経緯:サザナミタウンで貰ったタマゴが14番道路にて孵化。
13番動でのサザンカのジバクンとのバトルにてメタゲラスに進化。
戦術:真正面から行くと見せかけて地面を利用した奇襲攻撃を得意とする。
進化して攻防ともに格段に強化され、大技で相手を力任せに叩き潰す攻撃を得意とする。
イリゼとの特訓で攻撃力が強化され、広範囲に響く地震でも威力があまり落ちない。

アブソル→ディザソル ♂
技:辻斬り、氷柱落とし、怒りの炎、神速
特性:強運
性格:意地っ張りで、血の気が多い
経緯:Pベース地下植物園の地中に埋まっているボールをイリスが発見し、仲間となる。
ホワイトフォレストでモスギスのバンギラスとのバトルにてディザソルに進化。
戦術:高い攻撃力と素早さで早期決着とするが、怒ると怒りの炎を放つ。現在イリスの言う事を聞かず、独断でバトルをする。
ディザソルに進化してイリスの指示を聞くようになった。全ステータスが飛躍的に上昇し、高い攻撃力と素早さに磨きがかかった。
イリゼとの特訓で長所である攻撃と素早さがさらに強化され、さらに急所を狙う攻撃もより的確になった。

ダイケンキ ♂
技:ハイドロカノン、シェルブレード、メガホーン、吹雪
特性:激流
性格:素直で、我慢強い
経緯:一年前、イリスとともに旅したポケモン。イリスの第一期エース(詳しくは前作参照)。
戦術:全能力が申し分なく高く、故に様々な状況に臨機応変に対応できるオールラウンダー。小回りは利きずらいが、その分強力な技を持つ。両足には仕込み刀の『アシガタナ』が仕込まれており、シェルブレードで自在に動かす事が出来る。奥の手として2足歩行で立ち上がることも可能。
イリゼとの特訓では総合的な能力が強化された。

ウォーグル ♂
技:恩返し、ブレイブバード、シャドークロー、ビルドアップ
特性:鋭い眼
性格:寂しがりで、物音に敏感
経緯:一年前、イリスとともに旅したポケモン(詳しくは前作参照)。
戦術:ビルドアップで攻撃力を高めて攻めるパワータイプ。しかし素早さも持ち合わせているので、回避も得意。
イリゼとの特訓では体力を重点的に強化し、より多くビルドアップを使用できるように鍛えた。

デスカーン ♂
技:シャドーボール、サイコキネシス、鬼火、金縛り
特性:ミイラ。
性格:冷静で、悪戯が好き
経緯:一年前、イリスとともに旅したポケモン(詳しくは前作参照)。
戦術:高い耐久力と鬼火を使った持久戦を得意とする。またパワーシェアで相手の攻撃力を下げ、逆に自分の攻撃力を高めることで攻撃も多少はできるようになる。ミイラは可変式なので、不要な時は使わないこともできる。
イリゼとの特訓ではさらに耐久面が強化され、金縛りで相手の行動も縛る。

ズルズキン ♂
技:、ぶち壊す、跳び膝蹴り、諸刃の頭突き、龍の舞
特性:自信過剰
性格:腕白で、血の気が多い
経緯:一年前、イリスとともに旅したポケモン(詳しくは前作参照)。
戦術:強力かつ様々なタイプの技を覚えている、攻撃の要。単純な接近戦ならかなり強力。耐久力も高いので、早々やられることもなく、長く戦い続けられる。
イリゼとの特訓で攻撃が強化され、また龍の舞の習得によってネックであった鈍さも解消された。

デンチュラ ♂
技:、虫のさざめき、十万ボルト、アクアボルト、ギガドレイン
特性:複眼
性格:慎重で、ちょっぴり見栄っ張り
経緯:一年前、イリスとともに旅したポケモン(詳しくは前作参照)。
戦術:高い素早さを活かし、不規則な動きで相手を惑わせる。回避戦が得意。相手が電気タイプの時に限り、相手の電気を吸い取る事が可能。攻撃力がやや低めだが、帯電で補っている。
イリゼとの特訓で耐久力が強化された。またギガドレインは相手が電気タイプなら同時に電気も吸収し、回復量が増える。

チラチーノ ♀
技:スイープビンタ、ロックブラスト、アクアテール、とんぼ返り
特性:メロメロボディ
性格:気まぐれで、少しお調子者
経緯:一年前、イリスとともに旅したポケモン(詳しくは前作参照)。
戦術:素早い動きと軽快な身のこなしで相手の攻撃を避けながら隙を突くトリックスター。近距離からの多角的な攻撃のほか、遠距離からの特殊攻撃や、音による不可視の攻撃も使う。特性柄、異性に対しては滅法強い(ただし物理型に限る)。決定打の乏しさは奮い立てるで解消。
イリゼとの特訓で攻撃が強化され、物理一本となった。とんぼ返りで控えと交代もでき、トリックスター的な立ち回りに磨きがかかった。

Re: 6章 再開 ( No.22 )
日時: 2011/07/29 20:21
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

【出テ来イ、『ドラピオン』】
ドランと名乗る何者か——何物かは、ポケモンを繰り出してくる。
紫色のサソリのようなポケモン、化けサソリポケモンのドラピオンだ。
「やるって事か。……頼むぞ、チラチーノ!」
対するイリスは白い体毛を持つスカーフポケモン、チラチーノを出して応戦する。
「チラチーノ、アイアンテール!」
チラチーノは尻尾を鋼のように硬化させ、ドラピオンの脳天に叩きつける、が
【『ドラピオン』捕ラエヨ】
ドラピオンは爪の二つついた腕と同じ形状の尻尾でチラチーノを捕らえる。
「ヤバイ……ハイパーボイスだ!」
チラチーノは脱出するために急いで超高音の衝撃波至近距離から放つが、ドラピオンには効いていない模様。
【『ドラピオン』、『クロスポイズン』】
ドラピオンは上半身のみを180度回転させ、捕らわれのチラチーノのと面向かう。そして毒を帯びた腕を交差させながら、鋭い爪で十字に切り裂く。
「チラチーノ!」
チラチーノはその一撃でかなりのダメージを受ける。幸いドラピオンは止めを刺さずにチラチーノをイリスの方に投げ飛ばしてきたので、戦闘不能にはなっていない。
「行くぞチラチーノ。気合球!」
チラチーノは気合を込めた球を七つ作り出し、それらを全てドラピオンに向けて発射する。
【『ドラピオン』、『ダークリゾルブ』】
しかしドラピオンは闇のオーラを飛ばし、気合球を破壊する。さらにオーラはチラチーノにも襲い掛かり、チラチーノの体を蝕んでいく。そしてチラチーノは、地面に倒れる。
「くっ、戻れチラチーノ」
イリスはチラチーノをボールに戻す。
「次はお前だ……頼むぞズルズキン!」
イリスの二体目のポケモンは、赤いトサカが特徴の悪党ポケモン、ズルズキンだ。
「跳び膝蹴り!」
ズルズキンは前方向に跳躍し、ドラピオンの顔面に強烈な跳び膝蹴りを叩き込む。
【『ドラピオン』、『アクアテール』デ叩キ落トセ】
ドラピオンは尻尾に渦巻く水流を纏わせ、ズルズキンの脳天の叩き込んで地面に落とす。
【『シグナルビーム』】
そして尻尾の先端を倒れたズルズキンに押し当て、そこからカラフルな光線を発射する。
「ズルズキン!」
これでズルズキンも戦闘不能。これでイリスの手持ちでまともに闘えるのは、あと一体。
「悪タイプのドラピオンには不利だけど……頼んだぞ、デスカーン!」
イリスの三番手は棺桶ポケモンのデスカーン、ゴーストタイプだ。
「シャドーボール!」
デスカーンは影の球を四発作り出し、ドラピオンに向けて発射。ドラピオンには全弾命中するが
「効いてない……!」
確かに悪タイプを持つドラピオンにゴーストタイプ技のシャドーボールは効果いまひとつだが、それでも効果がなさ過ぎる。
【『ドラピオン』、『ダークリゾルブ』】
ドラピオンは闇のオーラを放ち、デスカーンの体を蝕んでいく。
【止メダ。『クロスポイズン』】
ドラピオンは毒を帯びた爪を交差させながらデスカーンを十字に切り裂き、戦闘不能にする。
「デスカーン……!」
これでイリスの手持ちは全滅寸前。残るはレベルも低いリープン達だけだ。
【『ゲーチス様』カラハ邪魔者ヲ排除スル許可ガ下リテイル。貴様は我ラガ作戦ニ支障ヲキタス恐レガアル。ダカラココデ消ス。『ドラピオン』、『ダークリゾルブ』】
ドラピオンはイリスを抹殺すべく、身体を蝕む闇のオーラを放つ。ポケモンが受けて戦闘不能寸前になるほどの威力を持つ技だ。もし仮に生身の人間が喰らえば、ただじゃ済まないだろう。
「……!」
そして生身の人間ことイリスに、その攻撃を避ける事ができるはずもなく、闇のオーラはイリスに向かって飛んでいく。
その時だった。

激しい雷が闇のオーラを吹き飛ばし、ドラピオンを襲う。

そして、イリスはこの雷を見た事がある。この弾けるような蒼い雷を。

「……この雷は……ゼクロム……?」
電撃が収まると、それを発していたポケモンが姿を現す。
漆黒の体躯、赤い眼光。そして荒々しく弾けるオーラを放つ……理想の龍。
「イリス、大丈夫か!」
その龍から降り立つのは、長い黄緑色の髪を一つに結った少年。そして理想の英雄に選ばれ、一年前にイリスと激闘を繰り広げた者。
「N……」



「N……なんでここに……」
「決まってるだろ。君を助けに来たんだ」
イリスは驚きの事実——驚愕の真実に思考が停止しかけているが、Nはそこにいるのが当たり前といった感じで、そこに存在する。
「とりあえず、話は後にしよう。今は……こいつをなんとかしなきゃ。ゼクロムももう闘えない」
気付けばゼクロムは消えていて、Nはボールを取り出す。
「出て来い、カクレオン!」
Nが繰り出したポケモンは、直立したカメレオンのようなポケモン。色変化ポケモンのカクレオンだ。
【……出デヨ『マンムー』】
ドランは戦闘不能となったドラピオンをボールに戻し、代わりにマンムーを繰り出す。
イリスとN、久しき再開になったものの、7Pドランに阻まれ、その喜びを分かち合うのはもう少し先となる。



今回はついにNが登場しました。それも新たなポケモンを連れています。ちなみに今回出て来た『ダークリゾルブ』という技は非公式のポケモンで出てくる技です。そのうちURL張るか表にするかしますので、しばしお待ちください。では次回はNVSドランのバトル。お楽しみに。

Re: 7章 介入 ( No.23 )
日時: 2012/06/18 16:48
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: QpE/G9Cv)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「カクレオン、ピヨピヨパンチ!」
先に動いたのはカクレオンだった。カクレオンは目を回すような拳をマンムーの巨体に叩き込むが、ダメージはあまりない様子。
【『マンムー』、『地震』ダ】
マンムーは地面を大きく揺り動かして地震を発生させ、その衝撃波でカクレオンを攻撃する。
「カクレオン、かわして冷凍ビーム!」
しかしカクレオンはその地震をジャンプでかわし、凍てつくような光線を発射。
「さらに影討ち!」
そしてカクレオンは影に潜り込み影を伝ってマンムーの背後を取り、不意を突く一撃を喰らわせる。
しかしマンムーにはあまり効いていない。どうやらこのマンムーは防御面がかなり鍛えられているようだ。
「ピヨピヨパンチ!」
カクレオンはマンムーに再度拳を叩き込むが、やはりダメージは少ない。
【『マンムー』、『アイアンヘッド』ダ】
マンムーはカクレオンから距離を取り、頭を鋼のように硬化させてカクレオンに突進する。
「影討ちだ!」
しかしカクレオンは影に入り込んでそれをかわし、背後に回って攻撃を繰り出す。
【『アイスバーン』】
マンムーは地震の周囲に向けて氷雪の衝撃波を放ち、カクレオンを引き剥がす。
「なんて威力だ。直撃していたら、やられてただろうな……」
Nは呟く。見ればカクレオンは今の攻撃で相当なダメージを受けていた。
【『スターフリーズ』】
そしてマンムーは星型の巨大な氷塊を作り出し、それをカクレオンに向けて発射する——
「草結びだ」
——直前にカクレオンがマンムーに草結びをし、スターフリーズは不発に終わる。
「もう一度草結び」
カクレオンはなんとか巨体を起こしたマンムーを、無慈悲にも草結びで転ばせる。草結びは相手の体重が重いほど威力が上がる技で、マンムーの体重は291kg。それにタイプ相性が加われば、相当なダメージだろう。
【『マンムー』、『アイアンヘッド』】
マンムーは再度起き上がると、頭を鋼のように堅くしてカクレオンに突撃する。
「カクレオン、影討ちだ!」
カクレオンは影に入り込んでアイアンヘッドをかわし、マンムーを背後から攻撃する。
【『アイスバーン』】
マンムーはカクレオンを引き剥がすべく氷雪の衝撃波を放つが、今度はカクレオンに避けられてしまう。
【『地震』ダ】
「かわして冷凍ビーム!」
マンムーは地面を大きく揺らして衝撃波を放つ。カクレオンはその衝撃波をジャンプでかわし、凍てつく光線を発射。
ここまで見ればマンムーが押されているようにも見えるが、実際の所は少し違う。マンムーはカクレオンの攻撃を全て喰らっているが、防御行動は起こしていない。
対するカクレオンはマンムーの攻撃をかわし続け、その合間に攻撃をしている。
こうして見ればカクレオンが有利に思えるが、実際はカクレオンが押されているようなもの。マンムーの強大な一撃が後一発でもカクレオンに入れば、カクレオンはやられてしまうだろう。
「カクレオン、ピヨピヨパンチ!」
カクレオンは何度も何度もマンムーに拳を叩き込むが、マンムーに効いている様子はない。
「やっぱり、捕まえて間もないカクレオンじゃ無理か……でも、僕は諦めない。カクレオン、冷凍ビーム!」
【『マンムー』、『アイスバーン』デ吹キ飛バセ】
カクレオンの放つ凍てつく光線を、マンムーは氷雪の衝撃波で吹き飛ばす。
「草結びだ!」
カクレオンはマンムーの足に草を引っ掛けて転ばせる。ドスン!という地面を鳴らすような音が響き、マンムーはダメージを受ける。
「今だ!ピヨピヨパンチ!」
カクレオンは拳を構えてマンムーに向かって飛び込んでいく。
しかし

【『マンムー』、『スターフリーズ』】

マンムーは倒れた体勢で星型の巨大な氷塊を作り出し、向かって来るカクレオンに発射する。
「しまった……!避けろ、カクレオン!」
Nは叫ぶが、時既に遅い。氷塊はカクレオンに向かって飛んでいき、カクレオンは氷塊に向かって飛び込んでいく。この分では、カクレオンが氷塊に吹き飛ばされるであろう。
だが、奇跡は起こるものだ。
突然、氷塊は溶け、水蒸気となって消えていく。
カクレオンはマンムーにピヨピヨパンチを喰らわせず、身を退く。
そして、崖の上より声が聞こえてきた。

「見つけたわよ、プラズマ団!」

聞こえてくるのは少女の声。イリスとNが上を見上げると、上空からはオレンジ色の竜のようなポケモンが降下してくる。そしてそのポケモンの背に乗っていたのは、先ほどの声の主と思われる、長い紫色の紙をツインテールにし、黒いローブを着た少女。
【誰ダ】
同じく黒いローブを着たドランが尋ねる。しかし疑問符は見えない。
「アタシはシザンサス。アンタ、プラズマ団の幹部ね」
シザンサスと名乗った少女は、ドランに問い返す。
【当タラズト言エドモ遠カラズダナ。7P(セヴンプラズマ)、ソレガ我ラノ呼称】
「ふうん、まあどっちでもいいけど。幹部ならゲーチスが今どこにいるのかも知ってるのよね。教えなさい」
【断ル。貴様ナゾニ言ウ義理ハナイ。聞キタクバ、無理矢理吐カセルがイイ】
ドランがそう言うと、マンムーは起き上がり、臨戦態勢に入る。
「……しょうがないか。戦いは好きじゃないけど、必要とあらば。……リザードン!」
そしてシザンサスのポケモン——火炎ポケモンのリザードンは大きく吠え、こちらも臨戦態勢に入る。
かくして、ドランvsNに代わり、突如現れた少女、シザンサスがバトルを引き継ぐ事となった。



今回はNとドランのバトル、そしてリラさんのオリキャラ、シザンサスのシザンさんが登場しました。リラさん、シザンさんのキャラはこんな感じでよろしいでしょうか?不備があればお申し付けください。では、次回はシザンサスvsドランのバトルです。お楽しみに。

Re: 8章 割込み ( No.24 )
日時: 2011/10/15 20:05
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「リザードン、熱風!」
リザードンは全てを燃やし尽くしてしまうような熱風を放ち、マンムーの体力を削っていく。
【『マンムー』ノ『スターフリーズ』ヲ溶カシタノハソノ技ダナ。『マンムー』、『アイアンヘッド』】
マンムーは頭を鋼のように硬化させ、リザードンに向かって突進する。
「リザードン、空を飛ぶ!」
しかしリザードンはそのアイアンヘッドを空を飛ぶで回避し、その直後にリザードンは急降下してマンムーに突撃する。
【『スターフリーズ』】
「熱風!」
マンムーは星型の巨大な氷塊を作り出すが、リザードンの放つ熱風によりそれは溶かされてしまう。
「そして腹太鼓!」
リザードンは腹を太鼓のように叩き、鼓舞する。そうすることでリザードンは体力を削り、攻撃力を高める事ができるのだ。
「ドラゴンクロー!」
そしてリザードンは爪に龍の力を込め、マンムーを切り裂く。腹太鼓で攻撃力は最高まで上昇している。なのでその一撃の威力は相当なものだろう。
【『マンムー』、『アイスバーン』デ吹キ飛バセ】
マンムーは氷雪の衝撃波を周囲に放ち、リザードンを吹き飛ばす。しかし直撃は避けたので、致命傷にはならない。
「リザードン、ドラゴンクロー!」
リザードンは再度爪に龍の力を込め、マンムーを切り裂く。
【『マンムー』、『スターフリーズ』ダ】
マンムーは反撃のためか、星型の巨大な氷塊を作り出す。
「リザードン、熱風!」
しかしリザードンの放つ超高温の熱風で氷塊はまたも溶かされてしまう。
【『アイアンヘッド』】
マンムーは頭を鋼のように硬化させ、リザードンに向かって突っ込む。
「受け止めて!」
リザードンは今度は避けずに、真正面からマンムーの牙を握ってアイアンヘッドを受け止める。アイアンヘッドの威力は凄まじく、攻撃力が最高に上がっているリザードンも大きく後ずさる。
が、それでもマンムーは止まった。
「今よリザードン。熱風!」
リザードンは近距離からの超高温の熱風をマンムーに浴びせる。するとマンムーは遂に倒れる。
「さあ、アタシの勝ちよ。教えなさい、ゲーチスはどこにいるの」
イリスとNは何故そこまでゲーチスに固執するのか疑問に思うが、その疑問もすぐに別の事象により掻き消される。

「撤退しますよドラン。私達の任務は終了です」

上空から聞こえてくるのは、落ち着いた男性の声。そしてその声の主は、ポケモンに乗って降りてくる。
まず目を引いたのは2m以上ものある巨大なポケモンの姿。首の長い恐竜のようで、背中にはヤシの葉のような翼、首の下にはバナナのような果実が付いている。
フルーツポケモントロピウス。草・飛行タイプのポケモンだ。
【『エレクトロ』……】
「ドラン、私達の任務はこの近辺の捜査。邪魔者を排除するその心がけは感心しますが、任務もこなせず、バトルに感けていてはいけませんよ。特にあなたは、ね」
【…………】
ドランはトロピウスに乗った黄色い髪の人物に窘められ、トロピウスに乗り込む。
「私達の同胞がお世話になったようですね。私の名はエレクトロ、7P(セヴンプラズマ)の一人です。以後、お見知りおきを」
エレクトロと名乗った人物は、ペコリと深く頭を下げる。
エレクトロは口調も仕種も丁寧で、格好も執事服に手袋まで付け、見た目と中身が合致している。
ちなみに、両手袋の甲にはプラズマ団の紋章が付いている。
「私達は撤退しますが、勘違いなさらないでくださいよ。ドランとあのままバトルを続けていれば、やられるのはあなた方でしょう。即ち、あなた方は救われたのですよ」
エレクトロは丁寧だが、棘のある言葉で言う。
「ですがまあ、ゲーチス様への手土産ができたようですね。これは収穫です。では、私達はこれにて」
そう言ってエレクトロはトロピウスを飛び立たせようとするが
「待ちなさい!」
トロピウスの前にはリザードンが立ちはだかる。
「ふむ。どうやらあなたはゲーチス様に何か恨みがあるようですね。ですが私達はゲーチス様の居場所を悟られてはならないのです。居場所が知れてしまっては、今後の活動に支障をきたします」
「アンタ達の事情なんて知らないわ。ゲーチスはどこにいるの!」
シザンサスはエレクトロに向かって叫ぶ。
「そんな形相で叫んでは、お美しい顔が台無しですよ、お嬢さん」
エレクトロはやけに様になっている事を言って茶化そうとするが、シザンサスは止まらない。
「リザードン、熱風!」
リザードンは超高温の熱風を放ち、トロピウスを攻撃する。
「あくまでもやる気ですか。トロピウス、ハリケーン」
トロピウスは途轍もない暴風を吹き荒ばせ、リザードンのみならず、イリス、N、シザンサスの動きも止め、その隙に飛び去っていく。
「……逃がしちゃったか」
シザンサスはリザードンをボールに戻し、イリスとNの方へと向く。
「ええと……ここで立ち話もあれなんで、ビレッジブリッジに行きませんか? もうすぐ着きますし」
とりあえず状況を整理したいので、イリス、N、シザンサスはビレッジブリッジ向かい、話し合う事となった。



今回は新たな7P、エレクトロが出てきました。エレクトロは7幹部のイエロに相等します。こっちもこっちで全然性格が違いますがね。次回はビレッジブリッジで話し合い。バトルは……あるかないか。では、お楽しみに。

Re: 9章 旅仲間 ( No.25 )
日時: 2011/07/30 00:37
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

ビレッジブリッジ。
イッシュ四大大橋の一つで、この橋は川を跨いで造られている。
それだけ聞くと普通の橋だが、この橋はその上に民家が連なっている、名前通り村のような橋だ。
その歴史はかなり古く、二百年前のイッシュ地方開拓時代に造られた、と言い伝えられている。

「で、シザンサスさん……シザンさんとお呼びしてもいいですか?」
言い難いので、とは付けない。
「別に良いわよ。なんだか親しい仲間って感じするし」
とりあえず承諾されたので、イリスはこれからそう呼ぶことにする。
「さっきはありがとうございました。シザンさんが助けてくれて、助かりました」
「別にいいよ、気にしないで。ええと、名前は……」
「あ、イリスです」
イリスはそういえば名乗ってなかったな、と思う。
「イリス……? 確か、イッシュ英雄伝説にもイリスって名前が出てきたような……」
ギクッ
イリスは一年前に、短期間ではあったが有名になってしまった。その時に誰がどこで知ったのか、イリス達とプラズマ団の戦いを書き記した本が出版されてしまったのだ。その時はポケモンリーグの総力を結集して絶版にしたが、それでも数十冊ほどは出版されているため、その名を知る者もいるだろう。
ちなみに何故絶版にしたかというと
曰く
「面倒だからね」
曰く
「騒がれるのは好きじゃないから」
曰く
「俺の妹の情報を漏らすわけにはいかんからな」
という要望があったためだ。
しかし、百冊も出版されていない本を知っているとなると、このシザンサスという少女は、相当な本通なのだろう。
「もしかして……本人?」
イリスは頭をフル回転させて上手く誤魔化す方法を探る。そして
「はい、その通りです……」
結局思いつかず、自白。
「そうなんだ。まさか本人と出会えるとは、夢にも思ってなかったな……」
「あの、僕の事はできればご内密に……」
イリスは頼み込み、この事は秘密という事にした。
「で、話を戻しますが、シザンさんはプラズマ団になにか恨みでも?」
戻しているのか疑問だが、話の腰を折るわけにはいかない。
「んー。あんまり話したくないんだけど……そっちの話が秘密なら、こっちの話も秘密って事でなら、話すけど」
イリスはNと顔を見合わせ、頷き合う。そしてシザンサスにも頷く。
「分かった。……えっとね、アタシの故郷はカントーって地方なの。アタシはその時、両親と一緒に平和に暮らしていた」
そこで、シザンサスの表情が少し曇る。
「でもある時、まだアタシが幼かった時に、カントー地方にプラズマ団が現れた。プラズマ団はアタシの住んでいた街を襲って、その時に母親が殺されたの」
『!?』
イリスとNは驚く。Nも驚いたという事は、Nもこの事を知らなかったのだろう。
「それから父親の反対を押し切って旅に出て、いろいろあって、プラズマ団のトップがゲーチスって奴だという事を突き止めた。そしてアタシは……ゲーチスを殺る。母親の仇討ちにね」
『…………』
イリスもNも声が出なかった。
「……じゃあ、次はNの番だね」
イリスはなんとか喉から声を絞り出す。
「僕は君と別れた後、いろんな地方を回ったよ。さっきシザンさんが言ってたカントー地方にもね。そして、そこでいろんなポケモンやトレーナーを見てきた。僕はポケモンと話せる力を使って、ポケモンの伝えたい事をトレーナーに教えたりしていた。それが、僕にできる唯一の贖罪だったからね」
Nの話は続く。
「そしてある時、直感というか、何かを感じたんだ。嫌な感じがして、僕はゼクロムに乗ってイッシュに向かった。君の元へと向かったんだ、イリス」
「僕?」
「そうだ。僕も君の元へと向かった理由は分からないけど、行けばそこには、危機に瀕した君がいて、今に至るのさ」
Nの話は終了した。
「ちなみに、イリスのライトストーンは今どうなっている?」
「ん? ああ、どうにもね……全く反応がない」
ライトストーンより蘇った真実の龍レシラムは、戦いの後ストーンに戻ってしまい、それ以降反応がない。
「まあ、そのことは後で考えるとして……問題は指針かな」
イリスは正直旅の目標みたいなのが定まっていない。
「ま、旅してればなんとかなるかな」
結論は大雑把に纏まった。
「だったらイリス、僕も連れてってくれ。僕はイッシュ地方を自分の足で歩いた事があまりないんだ」
確かに、Nは基本、城に引きこもりだった。
「うん、構わないよ」
「だったらアタシも一緒に行っていいかな? アタシはサザナミタウンに用があるんだけど、そこまでさ」
サザナミタウン。そこはイッシュ唯一にして最大の観光地にして避暑地。夏には海水浴で賑わう活気ある街だ。
「はい、分かりました。そこまで一緒に行きましょうか」
そんなこんなで、イリスに新しい仲間が増えたのであった。



夜。
どうにも寝付けないイリスは、夜風に当たっていた。
「そういえば黙って出てきたけど、皆、心配してるかな……?」
「心配してるだろうな」と一人呟き、ふと橋の下に視線を下ろす。
するとビレッジブリッジの外れにある草むらに、人影が見えた。
「……誰だろう」
イリスはもしかしたらプラズマ団かもしれないと思いつつ、ボールを確かめる。腰には六つのボールがセットされていて、下っ端程度なら余裕で蹴散らせるメンバーだ。
「行ってみるか」
イリスは橋を渡り、川沿いの草むらを掻き分けて、外れに至る。するとそこには
「小僧……誰だ?」
そこには目付きの悪い、髪の毛を短く刈った黒いスーツ姿の男性が立っていた。
パッと見は普通だが、胸に付いているRのマークが気になると言えば気になる。
「……似てるな」
男は不意に呟く。
「はい?」
「なに、昔俺の野望を打ち砕いた二人のガキがいてな、そいつらの目とよく似ている」
言うと男はモンスターボールを取り出して、こう言った。
「小僧。俺とポケモンで勝負しろ」
イリスはよく分からないうちに、バトルが始まってしまった。



今回はシザンさんの過去、目的、それからNの今までの経緯が分かりましたね。そして謎のスーツの男。勘の良い人なら、見た目から分かるやも知れません。では、次回はこの男とポケモンバトル。お楽しみに。


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