二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
- 日時: 2013/04/14 15:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394
今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。
参照をクリックすれば前作に飛びます。
では、英雄達の新しい冒険が始まります……
皆様にお知らせです。
以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
となっています。
皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。
登場人物紹介等
味方side>>28
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624
目次
プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695
第十六幕 錯綜
一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756
第十七幕 決戦
零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕
>>774 >>812 >>818
最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851
2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825
あとがき
>>852
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——お知らせです—— ( No.635 )
- 日時: 2013/01/22 21:17
- 名前: 霧火 (ID: ohl0/K5X)
PDOセッカの統括が登場とは…これは心強い助っ人ですね。
しかし、まさか味方のポケモンが雨を降らせていたとは…予想外でした。
今の段階では味方に良い影響を与えていない雨ですが、イリスのポケモン達にとっては
恵みの雨となってもらいたいです。
小説大会の結果見ました!白黒さん、おめでとうございます!
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——お知らせです—— ( No.636 )
- 日時: 2013/01/23 20:59
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
大光さん
ロキはとにかくふざけたキャラにしようと思って書いていたら、こんな風になりました。前作初期の頃はザキにその役をやらせようとしたんですけど、結果的にこっちは不良みたいになりました。
彼の言うことは九分九厘戯言ですので、ツッコむだけ損です。スルーをお勧めします。
パーセンターさん
ロキは今までの味方キャラと一線を画す意味合いも含め、雨を降らせて味方をピンチに陥れました。勿論、ロキは無自覚ですが。
ミキ、ザキと同じパターンで男の名前を考えた時に真っ先に思い浮かんだのがロキだったので、性格もそれっぽくしてみました。モスギスとは違った方向性で相手にしたくないですね、こういう人は。
イリスの相手は双子ですが、さてダイケンキが有利かどうかは、次回以降のお楽しみです。
ありがとうございます。下の方でちゃんと書きますが、まさか僕の作品が金賞に選ばれるとは思いませんでした。ともあれ、これでこれからの執筆にも熱が入るというものです。
霧火さん
まあ統括とは言っても、イリゼ同様にロキも今までどこぞを放浪していたので、実質ザキが統括みたいになってますが。
ロキのアメリシアが降らせた雨の恩恵を受けてる味方は、現状ではアメリシアとダイケンキの二体だけですが、バトルの展開によってはその辺も変わっていきます。でもまあ、少なくともロキは有効活用するでしょうね。元凶ですし。
ありがとうございます。くどいようですが、僕の作品が金賞に選ばれ、かなり驚いています。まさか僕が、って感じです。
さて、読者の皆様からお言葉を頂戴していることから分かる通り、このたび白黒の執筆作品である『ポケットモンスターBW 混濁の使者』は、2012年冬・小説大会の二次創作(紙ほか)部門にて、金賞を受賞させて頂きました。
折角なので、この場で言いたいことを言っておくとします。返信のついでで申し訳ないです。
まず最初に、こんなことを言うと本気で金賞を目指していた方に失礼かもしれないのですが、正直、僕はこの作品で金賞を取れるとは思っていませんでした。
自分の作品にまったく自信がないのかというと、そういうわけでもないのですが、この作品はつい最近になって更新を再開したものなので、今までコメントを頂かずともこの作品を見てくださった読者の方々の多くは、もうこの作品を読んでいないと思っていたからです。
けれどこの結果が、まだこの作品に多くの読者がいることを教えてくれました。なので、最初は困惑していましたが、今は純粋に嬉しい限りです。
それと同時に、もう後には退けなくなりました。是が非でもこの作品を完結させます。それが票を入れてくださった方々に僕ができる精一杯のことです。
とまあ真面目に語りましたが、僕がなにを言いたいかというと、控えめで内気な白黒だけれども、金賞を取れて凄く嬉しい、とかそんな感じです。
遅くなりましたが、投票してくださった皆様、本当にありがとうございました。これからも『ポケットモンスターBW 混濁の使者』をよろしくお願いします。白黒も今まで以上に気合を入れて更新していく所存です。
さて、あまり金賞金賞と自慢していても嫌な奴になるだけなのでなるべく言いませんが、白黒は結構調子に乗る奴です。これだけ長々返信しているのがその証拠です。折角だからなにかしたいと思うので、ここはやろうかやるまいか迷っていた人気投票でも行うとします。
なんだか投げやりな感じですが、わりと真面目です。作者として、どのキャラが人気なのか知りたいという気持ちは大きいです。
というわけで、人気投票です。四部門に分け、それぞれの最高得点者には……まあ、なんかします。今は特に何も思いつきませんが、やるとしたらそのキャラをメインに据えた番外編とかですかね。
部門は『総合部門』『味方サイド部門』『プラズマ団部門』『ポケモン部門』の四つです。
各部門の説明などは、ここで長々と語っていてもしょうがないので次回に回しますが、簡単な説明だけしておきます。
まず『総合部門』。読んで字の如く、全キャラの中で最も人気なキャラを決めます。
次に『味方サイド部門』。こちらも見ての通り、味方サイドに限定した人気投票です。この味方にはPDOも含まれます。
そして『プラズマ団部門』。これもそのまんま、プラズマ団員の中での人気投票です。
最後に『ポケモン部門』。どのポケモンが最も人気なのかを決めます。アニポケではピカチュウが鉄板ですが、混濁ではどうなのでしょうか。
さてかなり長くなりましたが、最後にもう一度、ありがとうございました。各人気投票、是非ご参加ください。
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——お知らせです—— ( No.637 )
- 日時: 2013/01/31 17:27
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
さて、金賞とって調子に乗ってる白黒が立ち上げる企画は、ありきたりといえばそれまでですが、『人気投票』です。
わざわざ鍵括弧までつけましたが、まあこの手の作品ではお約束ですね。とりあえず投票のルール説明です。
・今回の人気投票は四部門に分かれている。
・各部門における投票権は、一つの部門につき三人まで。
・投票可能なキャラクターは、その部門で規定された者のみとし、また既存キャラクターは投票不可とする。
・投票するキャラクターには、各部門最低一人は講評を加えること。
・各部門での投票のダブりはありとする。
・無効票は存在しない。
・投票締め切りは3月31日23時59分までとする。
とりあえずこんなもんですかね。
講評については、硬い文面で命令口調ですが、実際はただの純粋なお願いです。なぜそのキャラに投票するのか、その理由を書いてくださると嬉しいです。
投票するキャラクターは一つの部門では一人ずつですが、総合部門と他の二部門でのダブりはOKとします。
なお今回の投票はこの小説でしか出て来ないキャラクターのみとし、ゲームで登場しているキャラクター(イリスを除く)は投票の対象外とさせていただきます。が、ルールをよく読んで投票することをお勧めします。
では次に、各部門の詳しい説明です。
『総合部門』
今まで登場した全キャラクターの中で人気投票を行います。イリスを初めとするプラズマ団と戦う面々、ゲーチスの指揮の下、世界制圧をもくろむプラズマ団員たちが投票対象になりますね。
『味方サイド部門』
今まで登場した、イリスを初めとするプラズマ団打倒を掲げる面々、そしてPDOの者たちが対象です。
『プラズマ団部門』
これはあとがきとかでもちょっと触れましたが、今度はちゃんとやります。7Pや直属部下の面々が投票対象です。
『ポケモン部門』
「は?」と思う方もいるかもしれません。これはずばり、今まで登場し、戦ってきたトレーナーのポケモンで、人気投票を行います。イリスならダイケンキやリーテイルがエースとして活躍してますが、ディザソルなんかもビジュアル的にはいいと思うんですよね。対象となるポケモンがかなり多いので、この部門に関しては一人六体まで投票可能とし、講評もなしとします。ただし投票の際は『○○の□□』というように、誰のポケモンかを明記するようお願いします。
投票の用紙は……まあ、なくても大丈夫でしょう。どの部門でどのキャラに投票するかを明記してもらえれば、それでOKです。
投票可能なキャラクターは『味方サイド>>28 >>29』 プラズマ団サイド>>51』に記されているキャラクターとそのポケモンです。一部プロフィールのないキャラクターもいますが、それは後で載せるとします。遅くなる可能性は大ですが。
締め切りは3月31日まで、次の日に集計を出して結果発表ができるといいですが、白黒は手際が悪いので保証しかねます。
あ、それと投票で不可解な点などがありましたら気兼ねなくお申し付けください。善処いたします。
……それにしても、随分と僕も浮かれてますね。結構大々的になってしまいました。それでは、皆様の本心からの投票をお待ちしております。
- Re: 449章 年季 ( No.638 )
- 日時: 2013/01/24 23:20
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
バトルが始まる直前、ロキはレイに向かって忠告の言葉を投げかけた。
「先に言っておくけど、降参するならいまのうちだよ? ボクだって、女の子を虐める趣味はない。それに水に濡れた子が相手なんて、ビジュアル的にいいものとは言えないだろう? ボクだって自分の株を下げたくはないしね」
「今更そんなこと言うか……」
もはや呆れるザキ。しかし彼こそが、この場でロキの力を一番理解している人物でもあるため、その忠告が決して的外れでないことも分かる。ただ、その事実がザキの逆鱗を掠めていることも、また事実である。
ともあれ、そんなロキの忠告を、案の定レイは突っぱねた。
「不要な世話です。わたしとて7Pとしての自覚はあるつもりです。急に出てきたどこぞの輩にほいほい負けるほど弱いつもりはありません」
「そうかい、それは残念だ。でもバトルが始まれば君、きっと後悔するよ? 君とボクとじゃ年季が違う。それにボクに負けたら、君自身がどんな目に合うかも考えてみなよ。ボクは無抵抗の君をどうにでもできるんだよ?」
「おい、さっきと言ってること違うぞ」
あくまで逃げようとしないレイ。ほぼノーダメージとはいえ、残りはレジュリア一匹だ。逆に言えば、このレジュリアに絶対的な自信がある、ということでもあるのだろう。
「御託は結構ですから、早く始めましょう。こちらもあなたがたのコントに付き合っているほど暇ではありません」
コント呼ばわりされた挙句に一括りにされたザキは何か言いたそうに眉根を寄せたが、口をつぐんだ。なにか言ってロキがそれに反応すれば、また話がややこしくなりそうだったからだ。
(昔っからどっかふざけたとこのある人だったけど、少なくとも一年前に蒸発するまでは、こんなに酷くはなかった。一体この一年でなにがあったんだ……?)
ザキの知人友人は一年で様変わりしたものが多いが、それは父親も例外ではない、ということかもしれない。
ともかく今はバトルである。
「こちらか行かせてもらいますよ。レジュリア、放電です!」
レジュリアは両手を広げ、撒き散らすように電撃を放つ。広範囲を攻撃する放電は、アメリシアの機動力ではそうかわせないが、
「アメリシア、守るだよ」
アメリシアは防御壁を展開して放電から身を守った。
「潮吹きだ」
そしてすぐさま攻撃に転じる。雨、タイプ一致、体力満タンの状態から放たれる潮吹きの勢いは凄まじいの一言に尽き、ロケットでも発射するかのような勢いで潮水が天に昇っていった。
潮水はやがてレジュリア目掛けて落下する。その勢いは噴き上げられた時以上に凄まじい。
「レジュリア、アイスバーン!」
しかしレジュリアは氷の衝撃波を放ち、襲い掛かる潮水を完全に凍結させてしまう。凍らせてしまえば、勢いは関係なくなり、如何に強力な潮吹きでも完全に無力化できる。無論、レジュリアのように特攻が高いからこそできる芸当だが。
「わたしのレジュリアの冷気は、他の氷タイプのポケモンの追随を許しません。一点突破に限れば、伝説のポケモンにすら匹敵すると自負しています。雨を降らせて自分を有利にする作戦だったのかもしれませんが、水タイプのポケモンを繰り出した時点で、あなたの敗北は確定したようなものです」
淡々と、しかし得意げに語るレイだが、ロキは表情を崩さず、その言葉を一笑に付す。
「そんなことを言っている時点で、やっぱり君はまだお嬢ちゃんだよ。なにをそんなに怒っているのかさっぱりだけど、そんなに興奮するから、周りが見えていないじゃあないか」
「? なにを言って——」
直後、レジュリアの頭上で凍り付いていた潮水が、砕け散った。そしてレジュリアは、大量の潮水に全身をくまなく打ち付けられる。
「っ!? レジュリア!」
その一撃で、レジュリアの体力はかなり削られたよようだ。まだ戦闘不能ではないが、足元がおぼつかない。
なにがあったのか理解できず困惑するレイに、ロキはさもそれがあたりまえのことであるかのように説明を始めた。
「潮吹きを放つ直前、潮水の塊を二分割してそれぞれ打ち上げたんだよ。それも水量や勢いを調整してね。つまり噴き上げられた潮水の塊は二つあり、調節した水量と勢いによってタイムラグを生じるから、それぞれが時間差で落ちてくる。君が凍らせたのは一発目で、二発目の警戒を怠ったのがまずかったね」
「…………」
種を明かすロキを、レイは驚きと同時に鬼気迫る眼力で睨み付けるが、
「言っただろう。君とボクとじゃ、年季が違うって」
ロキはどこ吹く風で受け流す。年季の違いと言うなら、こういう面にも表れていた。
「さて、続けて行くよアメリシア。雷」
アメリシアは雷雲を呼び出し、レジュリアに向けて稲妻を落とす。雷は威力は高いが命中率が低い。しかし雨天状態の今ならほぼ必中だ。手負いのレジュリアではかわすのは難しいだろう。
「サイコバーン!」
なのでレジュリアは念動力で爆発を起こし、衝撃波を放って雷を相殺する。
「続けて放電です!」
「守る」
すかさず攻撃に移るレジュリアだが、アメリシアの守るで放電は防御されてしまった。
「気合球!」
「守るだ」
レジュリアは連続で攻撃を仕掛ける。気合を凝縮した球体を生成し、アメリシアへと発射するが、またしても防御されてしまう。だがレイは焦りも苛立ちも見せず、攻撃を繰り返す。
「そろそろ……レジュリア、放電!」
「守るだよ」
三度目の放電を放つレジュリア。アメリシアは今までと同様に守るで防御しようとするが、防御壁は展開されず、電撃をまともに受けてしまった。
「守るは万能な防御技ですが、連続で使用すると成功率が下がります。故に連続攻撃には弱い。レジュリア、サイコバーンです!」
放電を受けて麻痺してしまったらしいアメリシアは、守るを使うことができずにサイコバーンの直撃を喰らった。
「やるねぇ。でも、それくらいは想定済みさ。アメリシア、自己再生」
放電とサイコバーンの連続攻撃で大ダメージを負ったアメリシアは、自然治癒能力を活性化させて自身の傷を癒す。
「大方、アメリシアにとりあえず手傷を負わせて、潮吹きの威力を下げるつもりだったんだろうけど、そう簡単には行かないよ」
「…………」
ロキの物言いに、レイは押し黙った。どうやら図星のようだ。
「さて、と。あまり長々と戦っていては、君にもザキくんにも悪い。そろそろ決めさせてもらおうか。アメリシア、雷だ」
アメリシアは再び雷雲を呼び、轟く稲妻を落とす。稲妻は一直線にレジュリアへと向かっていくが、
「レジュリア、サイコバーン!」
レジュリアが引き起こした念動力の爆発によって、稲妻は消滅してしまう。
しかし、アメリシアの攻撃は止まらない。
「潮吹き」
アメリシアは凄まじい勢いで潮水を空へと噴射した。
「レジュリア、潮水が落ちてきたところに、アイスバーンで相殺です」
時間差で落ちてくる潮水に備えてだろう、事前に指示を出すレイ。今度は三連続、四連続と来るかもしれないと気を引き締めるが、その意気込みはあまり意味がなかった。なぜなら、
大量の潮水が、まるで滝のようにレジュリアへと落ちてきたのだから。
「っ!」
いくらレジュリアでも、この水量は凍り尽くせない。落ちてきたところを凍らせようと、次から次へと潮水が襲い掛かってくるため、結果的にアイスバーンを意味をなさず、レジュリアは潮水に飲み込まれてしまった。
「レジュリア……!」
またしても潮吹きの直撃を受けたレジュリアは、かなりボロボロになっていたが、まだ戦闘不能ではなかった。しかし、
「雷だ」
間髪入れずアメリシアは超高電圧の雷を落とす。そしてレジュリアは、轟音と共に襲い掛かる稲妻に貫かれ、その場に倒れ込んだ。
「くっ……!」
「さあて、これで君の手持ちは全て戦闘不能だね。どうする? ボクは君をどうこうしようとする気はないけど、ボクの息子は、そういうわけにもいかないみたいだよ?」
ロキはアメリシアをボールに戻し、ザキを一瞥しつつレイを揺さぶるようなこと言う。
しかし今のレイに抵抗する術はない。ザキにはポケモンがいないとはいえ、身体能力で勝るとも思えない。部下が何人かいれば、逃げ切れた可能性もあるのだろうが、退かせたことが裏目に出てしまった。
ひとまずレジュリアをボールに戻して、レイは周りを見渡す。と、その時だった。
「やっほー、レイ。迎えに来たよ」
雲間を縫うようにして、巨大な何かが現れた。胴は太く長く、頑丈そうな鱗がその身を覆っている。そしてその背には、一つの人影。
「ドラン、さん……」
なんか終わり方が微妙な気がしますが、いつだったかもう言わないと言った気がするので気にしないことにします。今回はロキ対レイですが、ロキの圧勝です。まあ、雨で自分を有利な状況にしてましたからね。守るもありましたし、大技の多いレジュリア相手なら有利でしょう。そして最後にはドランが出て来ました。なぜ出て来たのかは……まあ、大方予想できると思います。では次回はイリス対ツユサ&ウズメのバトルにする予定です。お楽しみに。
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——再びお知らせです—— ( No.639 )
- 日時: 2013/01/26 00:09
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: E616B4Au)
ロキの実力、恐ろしいですね。
ほぼノーダメージだった、しかもザキが歯が立たなかったレイの切り札を圧倒するとは。
これはイリスたちにとっても強力な新戦力が加わったのではないでしょうか。
最後のロキの台詞は、レイを揺さぶっているだけだと思いますが、今のザキではレイに対して何も出来ないかもしれませんね。
バトルの最初に謝っていましたし、髪も少し燃やしてしまいましたし。
人気投票はしたいと思ってますが、如何せん好きなキャラがやたらたくさんいまして、順位を付けられませんww
期限は結構長いので、ゆっくり考えて投票したいと思います。
ハンゾウの備考のところを若干追加しました。
お手数ですが、確認お願いいたします。
あともう一つ、身勝手なお願いなのですが、
PDOのような平和維持組織(?)の案を、次の僕の小説でも使わせて頂けないでしょうか?
そういう組織が登場する、というアイデアを思いついたのはこの小説を読んでですし、アイデアを取られたと思われるのも嫌なので、身勝手なお願いをさせていただいている次第です。
もし駄目だったら、そう言ってくれて構いません。
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