二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
日時: 2013/04/14 15:29
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394

 今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
 今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。

 参照をクリックすれば前作に飛びます。

 では、英雄達の新しい冒険が始まります……

 皆様にお知らせです。
 以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
 投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
 となっています。
 皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。

登場人物紹介等  
味方side>>28  
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624

目次

プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695

第十六幕 錯綜

一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756

第十七幕 決戦

零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕 
>>774 >>812 >>818

最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851

2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825



あとがき
>>852

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171



Re: 451章 立涌 ( No.645 )
日時: 2013/01/28 02:05
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

 突然現れたアシドは上機嫌に笑っており、エレクトロもどこか満足げな表情をしている。
「アシド、例のあれは見つかりましたか?」
「おうよ。なかなか探すのに手間取ったが、ま、この僕にかかればなんてことはない。きっちり見つけてやったよ、ほら」
 そう言ってアシドが掲げたのは、彼の掌よりも少し大きい、なにかだった。
 三角錐の形をした物体で、先端部から灰、白、黒、といった配色。底面には黄色い錐体が逆方向を向いてはまっている。
 イリスはそれを見ても、どういうものなのかは分からない。それでもあえて言うなら、楔のようなものだと思った。
「よくやりましたよ。それにしても、見つけるのに苦労しましたね。ソウリュウに安置されていたものを、カゴメ、サザナミ、ホワイトフォレストと場所を移し、一気に飛ばしてヒオウギとは」
「まったくだ。お陰で場所を特定するのに随分と時間がかかっちまった。ソウリュウのジイさんも面倒なことしてくれるぜ」
「それは……なんだ」
 蚊帳の外にされていたイリスが口を開く。
 アシドが持つそれがなんなのかは分からないが、なにか重要なアイテムであろうことは予測できる。なら、ここでみすみす持ち帰らせるわけにもいかない。
「これか? さあな。正直、これがなんなのかは僕にゃ分かんねーし、興味もねーなー。ゲーチスが取ってこいつってただけだしよー」
 アシドはそんなことを言いながら、その物体を白衣のポケットに押し込んだ。
「ただ、キュレムと、レシラム、ゼクロムに関係するものであることは確か、らしいぜ。ゲーチスがそんなこと言ってたような気がするってだけの話だがな。ケヒャハハハ!」
 どうやらイリスの予想は当たっていたようだ。だったら、やはりこのまま持ち帰らせるわけにはいかない。
「こうなったら双子は後回しだ。行くぞ、リーテ——」

「ちょっとタンマー。ドンパチするならあたしも混ぜてー」
【迎エニ来タゾ、『エレクトロ』、『アシド』】

 イリスがリーテイルを繰り出そうとしたその時、音もなく現れた一つの人影と、雲をかき分けるようにして現れた一つの巨体。
 忍装束に身を包んだ焦炎隊に属するプラズマ団の一人、ハンゾウ。そしてハンゾウの背からヒョコッと顔を出す7Pの一人、フレイ。
 空から降りて来たのは超巨大なドラゴンポケモン、ドラドーン。その背に乗るのは同じく7P、ドランとレイだ。
 7Pのうち五人が、この場に集まった。
「来ましたか……それでは、我々はこれでお暇させて頂きましょうか」
「目的のモンも見つかったことだし、僕はさっさと帰って研究の続きをしたいとこだぜ」
「さっきはあんなこと言ったけど、今日はもう大満足だしー、英雄君とドンパチするのはまた今度ねー」
「わたくしも、もうあなたと語らうことはありません……あとはガイアさんにでも任せます」
【行クゾ、『ドラドーン』】
 プラズマ団一行は次々とドラドーンに乗り込んでいき、あっという間に飛び立ってしまう。だがその間際に、
「英雄、イリス。あなたも薄々感づいているでしょうが、我々の作戦はもうすぐ、最終段階へと移行します。もうあと一月もあれば冬、境界の水晶のエネルギーが溜まり、キュレム復活の準備が整う。そして、その時が我々とあなた方の雌雄を決する大戦となるでしょう。どうか、その時を楽しみにしていてください。では——」
 エレクトロはそう言い残し、今度こそ去っていった。
 結果的に、プラズマ団は目的を達成してしまったが、それでもイリスにおけるタスクの一つは解消された。だから、次は、
「リオさん……」
 イリスがこの場に出て来てから、ずっと俯いたままのリオだ。漠然とした物言いだが、彼女をなんとかしなくてはならない。
 だがイリスにはどうしていいのかは分からない。正直に言って、イリスも彼女が負けるとは思わなかったし、直接戦ったことは今まで一度もないが、それでも彼女の方が格上だと認めていた。ゆえ彼女が敗北することはイリスにとっても認められない。
 ゆえに、どう彼女に言葉をかけてればいいのか、分からない。
 そんな状況に頭を抱えていると、また新しい人物が、この場に現れる。
「アキラ、さん……?」
 その人物とは、アキラだった。ここまで走って来たのか、呼吸は乱れ、息も荒い。しかも全身ずぶ濡れだ。そんな彼であったが、その眼は、真剣そのもの。微塵も疲れを感じさせない。
「悪ぃ……いきなり出て来てこんなこと言うのもなんだけど……ここは、俺に任せてくれ」
 アキラはまっすぐなまなざしでイリスを見据える。イリスも、この場はアキラに任せた方が良いだろうと判断する。少なくとも、リオの幼馴染である彼ならば、自分より側にいる人間としては相応しいだろうと思ったのだ。
「……はい、分かりました。それじゃあお任せします」
「ああ」



 その後。
 イリスはウォーグルとデンチュラを探し、下っ端に襲われていた少女の下へと訪れた。
 少女は無事帰宅できたようで、リオルも大事はない。他の住民たちにも怪我などはなかったらしく、ヒオウギシティ自体には特に被害はなかった。
 それでもまだ街は軽くパニック状態だったので、次の街、サンギシティに行ってみれば、ここもプラズマ団の影響が出ていたようで、住人たちは軽く錯乱している。
 というわけで現在、イリスはタチワキシティのポケモンセンターにいるのだった。
『そうか。ヒオウギにプラズマ団が向かったのは、その楔のようなものを手に入れるためだったのか。こっちは特に大きな動きは見せていなかったし、もしかして囮だったのかも。うん、分かった。じゃあその楔については、僕の方で調べてみるよ。君はゆっくり休むといい。じゃあね』
「はい、それじゃあ」
 イリスはライブキャスターの通信回線を閉じる。
 とりあえず一段落が付いたのでキリハに報告をしていたのだが、セイガイハシティでは特に大きな動きはなかったらしい。なのでキリハも大したプラズマ団とは戦わず、下っ端を数人倒しただけに終わったとのことだ。
「さて……ちょっと早いけどもう寝ようかな。明日こそ、父さんと連絡取ってバトルしたいし」
 時刻は午後九時。まだ寝るには早い時間だが、唐突に現れるイリゼのことだ、突然バトルを挑んできても不思議ではないので、いつでもバトルが始められるよう、体を休めておきたい。
 そう思い立ち上がったその時、イリスは声をかけられた。
「そこの君、ちょっといいかな?」
「はい?」
 振り向くと、そこに立っているのは一人の男だ。若いように見えるが、年齢を特定できない不思議な顔立ち。赤黒い髪に、眼鏡を掛けており、その奥の糸のように細い目は、どこか不思議な雰囲気を出している……と言えば聞こえはいいが、率直に言って胡散臭い。
 見たことのない人物だが、それと同時に誰かに似ているような気がする。
 そんなことを思うイリスに構うことなく、男は話を続ける。
「間違ってたらごめんだけど、君がイリス君かな?」
「え? えっと、まあ、はい……」
 いきなりの質問に戸惑ってしまい、曖昧に返してしまう。
 なんで自分のことを知っているのだろうと怪訝に思うイリスとは対照的に、男は嬉しそうに声を上げた。
「そうか。君がイリゼの子か。うん、やっぱりお父さんに似ているね」
 一人でうんうん頷いている男だが、そこにイリスには聞き逃せない言葉が含まれていた。
「……父さんを知っているんですか?」
「うん、知っているもなにも、ボクと彼は大親友さ。ベストフレンドだよ」
 男はやはり満足そうに語る。まさかあんな異形の中年に、親友と呼べる人がいたとは、とイリスは驚きを隠せない。
「そういえば自己紹介がまだだったね。ボクはロキ。子供二人、特に娘が世話になっているね」
「子供、娘……? ……ああ!」
 言われて、イリスは気付く。
「もしかして、ミキちゃんとザキさんの、お父さん……?」
「うん、そうだよ」
 よく見れば、確かに顔つきがザキと似ているような気がする。ザキはいつも不機嫌そうなしかめっ面だが、ザキが笑うとこんな感じなのだろうかと、どうでもいいことを思った。
「さて、イリス君。ちょっと君に頼みごと……ううん、違うな。来てほしいところがあるんだ」
「来てほしいところ? 僕がですか?」
「うん。そんなに長くはかからないだろうし、どうかな?」
 イリスは考える。確かにロキは胡散臭そうな外見だが、それでもミキやザキの父親なら信用できるだろう。正直、一刻も早くベッドに入りたいところだが、少しくらいなら、とイリスは了承する。
「うんうん、そう言ってくれると思ってたよ。それじゃあ、付いて来てくれ」
 そうして、イリスはロキの後に付いて行く。
 その先になにが待ち構えているのか、知らないままに——



今回はバトルがない回でした。アシドが持っていたものがなんなのかは、まあ概ね予想できるでしょう。そして後半ではロキがイリスをとある場所へと連れ出します。どこへ連れて行くのかは、次回明らかになりますね。そういえば白黒は最近、ホワイト2を最初からチャレンジモードでプレイしているのですが、中々面白いです。ジムリーダーのポケモンが一体追加されているので、バトルがスリリングになります。ではあとがきもこの辺にして、次回をお楽しみに。

Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——再びお知らせです—— ( No.646 )
日時: 2013/01/29 00:09
名前: 大光 ◆HynV8xBjBc (ID: C.Y5J3Lo)

おお、プラズマ団はあの代物を手に入れてしまったんですか。あれを使ったときこそキュレムは....。
イリゼとロキが親友ですか。まあ、あの二人はなら馬が合うことも頷けますね。ぶっちゃけどちらも奇人ですし。
遅れながらも、小説大会金賞受賞おめでとうございます。
というわけで人気投票させていただきます。講評の言動がおかしくなっているかもしれません。
「総合部門」
フレイ
講評....性格と趣味がどストライクだからです。可愛いは正義です。
ザキ
講評....最初の方はあの重度のシスコンなところにツボったのですが、最近はあの不良みたいなキャラいいですねぇ。いよっ!「セッカの暴君」!
イリス
講評....主人公ですし鉄板ですけど、あの自分の意志を貫こうとする所が一票を入れた理由です。
「味方部門」
ザキ
イリス 
アキラ
講評....普段はチャラ男ぽっいですけど、何だかんだ言ってリオのことを思っている、かっこいい人だからです。
「プラズマ団部門」
フレイ
ハンゾウ
講評....フレイに尽くしている所が良いと思いました。
ザンバ
講評....礼儀正しい、頭の回転が早い、そして工具を使って、より良い任務の遂行。有能すぎでしょ、この人。
「ポケモン部門」
・ドランのドラドーン
・フレイのストータス 
・リオのシャンデラ 
・フレイのニートン 
・イリスのディザソル 
・レイのテッカニン
こんな感じですね。何だか、講評が上手く書けてないような気がします。

Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——再びお知らせです—— ( No.647 )
日時: 2013/01/29 20:43
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

大光さん

 はい、どうせだしあれも出そうかなと思い、こういう形で繋げました。あれをつかったキュレムは……
 イリゼの友好関係がまた一つ明らかになりました。方向性は違えど、確かにどっちもおかしな人間ですね。
 ありがとうございます。これからも精進していこうと思いますので、これからもよろしくお願いします。
 講評は僕の勝手なお願いなので、あまり気にしなくても大丈夫ですよ。

 フレイの性格はレドの……ってこれは何度も言ったので割愛するとして、白黒もフレイは好きな方で、他の7Pと比べても結構優遇しています。
 セッカの暴君という異名は彼にとっては黒歴史のようなものですが……まあ、詳しくはそのうち明かす予定ですので、期待しない程度に待っていてください。
 やっぱりなんと言っても主人公ですしね。きっと彼なら、自分の真実を貫いたって言うんでしょうね。

 アキラはどう動かしたものかと最初は結構悩んでいましたが、最近はわりと自然に動けてる……はずです。これはまあ、とある方のお陰というかなんというか……

 ハンゾウは動かしやすいですね。口調も差別化しやすいですし、行動原理も分かりやすいですし。フレイが絡むキャラはわりと使いやすい印象があります。
 彼も動かしやすい、というか忠誠心の強いキャラって総じて使いやすい気がするんですよね。白黒的には、彼の一番の長所はあんなアシドの下で泣き言も漏らさず従順に働いているところだと思います。

 ドランはもう何度も言っているので割愛するとして、フレイのストータスもちょっと強くし過ぎたような気がしますね。あの硬さがあるのに、フォレスの方が強いというのが信じられないです。
 リオはやっぱりシャンデラですよね。僕の中ではもうシキミよりも印象深くなっています。
 ニートンは、フレイの手持ちで真っ先に決まったポケモンです。だってこれ、彼女の性格と当てはまり過ぎでしょう。
 ディザソルは一応、前作におけるチラチーノと同じポジションだったりしますが……圧倒的にこっちの方が人気そうですね。
 レイのテッカニンが選ばれているのが、ちょっと意外でした。テッカニンはレイの鋭さを象徴させるために加えたのですが……彼女と合っているかと言われれば、ちょっと微妙な感じがします。

 では、投票ありがとうございました。

Re: 452章 イリスvsホミカ ( No.648 )
日時: 2013/01/29 21:44
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「さあ、ここだよ」
 しばし歩いた果てに連れてこられたのは、なんというか、みすぼらしい雰囲気が漂う裏路地の地下へと繋がる扉だった。
「なんですか、ここ?」
 イリゼの親友と言うから付いてきたものの、もしかしたら自分は闇の金を掴まされるのでは、と一抹の不安を覚えるイリスだった。この扉は見るからに怪しすぎる。
「見れば分かるさ。さ、入って」
 ロキに促され、イリスは扉を潜る。
「……?」
 一瞬、見覚えのあるものが見えたような気がして、イリスはふっと振り返る。
「どうしたんだい。置いてっちゃうよ?」
「あ、はい」
 ロキに急かされ、進行方向に向き直る。
(ポケモンリーグのシンボルが見えた気がするけど、気のせいか。こんなところにジムがあるわけもないし)
 さっきのは目の錯覚、疲れているのだろうと理由付けをしてひとまず置いておく。
 中はなにもない短い通路になっており、その先にはまたしても重厚そうな鉄の扉があった。おそらくあの扉の先に、ロキの目的であるなにかがあるのだろう。
 そう思いながら扉に近づくにつれ、どこからか音が聞こえてきた。
「開けるよ」
 イリスのことなどまったく気にしていないロキは、構わず扉を押し開ける。すると——

「ドガース、ヘドロ爆弾!」

 ワアァァァッ!

「うぉっ……!」
 騒音のような歓声と反響する爆音によって、イリスは思わず耳を塞ぐ。
 そこは、なにかのステージをやっているようだ。広いホールにはいくつかのテーブルが置かれ、大勢の観客が歓声に沸いている。
 中央は広い舞台——というより、バトルフィールドだ。フィールドの右端には一人の少年がランクルスを出して戦っており、左端にはスキンヘッドのドラマー、挑発的な表情のギタリスト、そして毒々しいデザインのベースを弾きながらドガースを繰り出して戦っているベーシストの三人がいる。
 左端の三人が楽器を演奏しているという変わった点はあるものの、どうやらこれは少年とベーシストのポケモンバトルのようだ。
「ランクルス、サイコショックだ!」
「当たらないね! ドガース、シャドーボール!」
 ランクルスの放つ実体化した念波を、ドガースは軽い身のこなしでかわしていき、影の球を発射。ランクルスに直撃させる。
「ガンガン攻めてくよ! ドガース、熱風!」
 ドガースは続けて熱風を放って攻撃。ランクルスはまたしても直撃を受けてしまい、残り体力が僅かであることが分かる。
「決めるよドガース! ジャイロボール!」
 ドガースはその場で高速回転しつつ、不規則な動きでランクルスに接近し突撃。ランクルスを吹き飛ばし、戦闘不能にした。
「ランクルス戦闘不能ッ! ドガースの勝ち! よって勝者は、ホミカだぁぁぁぁぁぁ!」
 やけにテンションの高い審判の叫びで、さらに観客たちは沸き上がる。その勢いに飲まれ、イリスは観客たちにもみくちゃにされてしまう。
「ちょっ……うぉ……」
 まともに立つこともできず、イリスは倒れないようにテーブルを掴んで体を支える。それもかなりきついが。
 しばらく観客たちの荒波に耐えていると、その勢いも衰えてきた。なので顔を上げてみると、さっきの少年はもういなくなっており、イリスよりも一つ二つくらいしか変わらなさそうなベーシストの少女がステージの中央に立っている。
 確か、さっき審判にホミカと呼ばれていた少女だ。相性で不利なドガースを使い、ランクルスを相手にあそこまで押していたということはかなりの実力者なのだろう。
「みんな、今日も最後までライブに付き合ってくれてサンキュー! これで今日のジムもライブもお終い——」
 少女——ホミカの台詞からすると、どうやらここはライブハウスかなにかのようだ。さっきのはたぶん、パフォーマンスを交えたポケモンバトルというところだろう。
 ……とそこで、イリスはなにか重要な部分を見落としているような気がして、首を傾げる。そしてイリスがそれを思い出す前に、ホミカが快活な口調で続けた。
「——なんだけど、今日は特別に追加公演だ! 最後にもう一戦、めっちゃ燃えるバトルをお見せするよ!」
 ワアァァ! と再び観客たちが沸き上がる。イリスはまた荒波に飲まれないよう体を支える準備をする。
「対戦相手はもうこの会場に来てる。その相手は——」
 天井の照明が薄暗い室内を照らし、観客に一人ずつ当てていく。
 きっと照明が止まった時、そこにいる人物が対戦相手となるのだろう。なんでもいいから早くここから出たい、と必死で抜け道を探すイリスに照明が当たった時、そこで光の動きは停止した。
「……え?」
 照明はイリス一人を照らし、そこから動きを見せない。周りの観客たちも皆、イリスに視線を向けている。
「タチワキジム、特別追加公演! 対戦相手は、イリスだ!」
 叫ぶホミカとは対照的に、ぽかんと口を開けて呆然としているイリス。そして、
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」



 なにやらよく分からないうちにあれよあれよとステージの上に立たされ、ホミカというらしい少女とポケモンバトルをすることになったイリス。しかも、タチワキ『ジム』とは。
「えーっと……ホミカさん、でしたっけ?」
「そ、あたしがスーパーパンクバンド『ザ・ドガース』のベース担当にして、ここタチワキジムのジムリーダー、ホミカ。よろしく!」
 最初の入り口で見たポケモンリーグのシンボルは、どうやら錯覚でも見間違えでもなかったらしい。ここは彼女らのライブハウスでもあり、タチワキシティのジムでもあるようだ。
「イリゼから話は聞いてるよ。あんまり急なことだったんでスケジュールがちょっと狂ったけど、相手がイリゼの息子だっていうんなら大歓迎さ。あたしも楽しいバトルできそうだし、お客さんも楽しめるし、あんたの経験にもなる一石三鳥さ」
「あの人は……!」
 どうやら今回の一件にはイリゼが一枚噛んでいるようだ。またしてもバトルを延期させるつもりらしい。
「ま、話はこれくらいにして、早速バトルを始めようか。つっても、まずはルール説明からね。まず前提として、ここはジムだ。あんたも何度もジム戦してるだろうから、基本的なジム戦ルールは省いていいよね。だから使用ポケモンの数を決めておくよ」
 言ってホミカは、五つのモンスターボールを、指に挟んだり掌で掴んだりし、イリスに見せつける。
「使用ポケモンは五体。この五体全てが戦闘不能になれば、バトル終了。これでいい?」
「えっと……はい。構いません」
 正式なジム戦で五対五というのは初めてだったが、それでも普通のジム戦レギュレーションと変わらないのなら、勝手は同じだろう。急なバトルで面食らい、しかもイリゼが関わっていると聞いて腹が立ったが、それでもバトルはバトル。特訓だと思えば苦でもない。
「よっし。そんじゃ始めるよ、タチワキジム、ジム戦!」
 ホミカの掛け声と同時に、どこからかBGMが流れ、様々な色のスポットライトがフィールドのあちこちを照らし出す。
「今回はスペシャルライブ、特別な追加公演だ! 対戦相手はイリス! そんじゃあ、盛り上がって行くよッ!」
 するとまたしても観客たちが熱気を発しながら沸き上がる。イリスはこのような見てもらうバトルというのは初めてだったが、悪い気分ではなかった。
 ホミカは軽くベースの弦を弾き、ボールを一つ構える。
「爆裂ッ! ペンドラー!」
 ホミカの一番手は、メガムカデポケモン、ペンドラー。虫と毒の複合タイプを持ち、虫ポケモンにしては巨大な体躯、赤紫を基調とした体色、鋭く尖った角と尻尾など、攻撃的な風貌のポケモンである。
「ペンドラー、か。じゃあやっぱり、こいつで行くか。出て来い、メタゲラス!」
 イリスが繰り出したのは、鋼タイプを持つメタゲラス。ホミカは最初のバトルでドガースを使っていたため、毒タイプの使い手だと読んでのチョイスだ。
 ペンドラー相手だと地面技で弱点を突くことは出来ないが、鋼タイプなら毒タイプの攻撃は受けない。なのでメタゲラスの方が有利に戦えると、イリスは思っていたが、しかしホミカは不敵に笑っている。
「やっぱり鋼タイプできたね」
「やっぱり?」
 イリスは思わず復唱する。その口振りからすると、こちらの手を読んでいたようだ。
「あたしが毒タイプを使うなんて、誰でも知ってることだし、簡単に分かること。だから大抵のチャレンジャーは、毒タイプを無効化する鋼タイプを先発に持ってくる。でも、そういうのあたしのペンドラーには意味ないから」
「……どういう意味ですか?」
 また、思わず尋ねてしまう。だがこれにもホミカは不敵な笑みで返す。
「見てれば分かるよ。……んじゃま、行くよ。今からあんたの理性ブッ飛ばすから!」
 力強くホミカは叫ぶ。そして、巨大な百足もまた、動き出す——



今回は前々からフラグが立っていたホミカ戦です。彼女を代表する名言が色々出てます。ちなみに白黒はドラマーの友達がいて、その友達のライブを見にライブハウスに一度だけ入ったことがありますが、凄い熱気とテンションでした。ちょっとあれにはついていけそうにありません……ともかく、次回からはホミカ戦を進めていきます。先発のペンドラーが起こす行動はなにか。それは次回をお楽しみに。

Re: 453章 百足 ( No.649 )
日時: 2013/02/01 02:20
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「ペンドラー、毒菱!」
 ペンドラーは咆号し、毒々しい塊を打ち上げる。塊は天井付近で爆散し、降り注ぐと同時に地面に撒かれた。
「毒菱って、なんだかんだ言っても、やっぱ毒タイプ使いか……」
 ペンドラーが使用したのは、毒菱。撒菱に酷似した物体を撒き散らす設置技だが、相違点は毒を帯びていること。
 撒菱はポケモンを交代するたびに、撒いた量によってポケモンがダメージを受ける。しかし毒菱はダメージは受けない代わりに、出てきたポケモンが毒状態になるという、非常に厄介な技だ。
 毒タイプのポケモンがいれば毒菱を無力化できるのだが、生憎ながらイリスは毒タイプのポケモンを持っていない。ドガースのバトルとホミカの性格を考えると、彼女は攻め重視のスタイル。アタッカーでガンガン攻め立てるタイプと読んだのだが、やはり毒タイプの使い手らしく、毒状態におけるダメージを狙っているようだ。
(となると、やっぱり最初にウォーグルを残しといたのは正解だったかも。飛行タイプなら、毒菱の影響はない。あとはリーテイルの出しどころか……)
 毒菱は効果こそ違えど、発動条件は同じ。相手が飛行タイプだったり、特性が浮遊だったりすれば当たらず、またタイプや特性で毒状態にならないポケモンなら、効果はない。
 このバトルの鍵となるのは、飛行タイプの出しどころになるだろう。なるべく重要な局面で出したいところだ。
「ペンドラー、もう一発毒菱!」
 ペンドラーは再び毒を帯びた撒菱をセット。二回掛けで、交代のたびにポケモンが猛毒状態になる。毒よりも厄介だ。
「まあでも、とりあえずはペンドラー優先だ。メタゲラス、ストーンエッジ!」
 メタゲラスは周囲に鋭く尖った岩を出現させ、ペンドラーへと一斉に射出する。
「岩タイプの技も当然想定済み! アクアテール!」
 ペンドラーも尻尾に水流を纏わせ、ストーンエッジを薙ぎ払う。そしてそのまま、メタゲラスへと突っ込んできた。
「でかいわりには速い……大地の怒りで止めろ!」
 地面を踏み鳴らし、大量の土砂を噴射してペンドラーを攻撃。しかしペンドラーは寸前で身を退いており、土砂を回避している。
「まだまだ攻めるよ! メガホーンだ!」
「だったらこっちもメガホーン!」
 ペンドラーはすぐに攻撃に移行する。二つの角を構え、勢いよく突っ込む。メタゲラスも同じように角を構えて突進。
 双方ともにぶつかり合い、激しく競り合う。しばしの硬直の後、どちらとも弾き飛ばされる。力は互角のようだ。
「へぇ、あたしのペンドラーとパワーで張り合うなんて、やるじゃんそのメタゲラス。次はこの技、ペンドラー、地震!」
 前足を大きく上げ、一気に振り下ろす。よって地面に衝撃が伝わり、激しい衝撃波がメタゲラスへと向かっていく。
「大地の怒り!」
 喰らうより早く地面から土砂を噴出し、衝撃波を相殺。
「続いてメタルブラストだ!」
 そしてすぐさま鋼の砲撃を発射し、ペンドラーを攻撃。
「かわしてアクアテール!」
 だがペンドラーは巨体のわりには素早く、フットワークも軽い。跳躍して砲撃をかわすと、水を纏った尻尾をメタゲラスの脳天に振り下ろす。
「メガホーン!」
 咄嗟に角を突き上げ、メタゲラスとペンドラーはぶつかり合う。しかし上から攻撃する分、勢いがついているペンドラーに分があったため、ここはメタゲラスが押し負けた。
「まだまだッ! ガンガン攻めるよペンドラー! 地震!」
 ペンドラーは地面を踏み揺らして地震を引き起こし、まだ態勢が整っていないメタゲラスを攻撃する。メタゲラスの防御が高いとはいえ効果は抜群、ダメージは大きい。
「くっ、ストーンエッジ!」
「アクアテールで薙ぎ払いな!」
 反撃にと尖った岩を無数に飛ばすが、ペンドラーの水流を纏った尻尾でまとめて払われてしまう。
「ペンドラー、メガホーン!」
 さらに角を突き出して突貫。ただ素早いだけではなく、重量もあるので一撃が重いというのも、ペンドラーの厄介なところだ。
「止めろメタゲラス! 大地の怒り!」
 地面を踏み鳴らし、メタゲラスは地面から土砂を噴出させるが、ペンドラーは持ち前の身のこなしで容易くその攻撃をかわしてしまう。その上、すぐに攻撃に移る。
「もう一度メガホーンだ!」
 迂回するような軌道で再び襲い掛かってくるペンドラー。
 メタゲラスは重量級のポケモン。四足をがっしりと地面に着けてしまっているため、側面からの素早い攻撃にはどうしても対応が遅れてしまう。よって、仕切り直して繰り出されたペンドラーのメガホーンも対応できず、直撃を受けてしまう。
「アクアテール!」
 さらにそこからペンドラーの連撃が始まる。水を纏った尻尾を振るい、メタゲラスの装甲に叩きつけた。
 ダイナマイトでも傷つかないという触れ込みの、メタゲラスの装甲。しかしそれでも衝撃は通るもので、効果抜群と相まってダメージはなかなかのものだ。
「もう一度!」
「させない! ストーンエッジ!」
 ペンドラーが二撃目を構えると同時に、メタゲラスは地面から尖った岩を射出し、ペンドラーの動きを止める。効果抜群なのでダメージも大きい。
「やっとまともに攻撃が入った……メタゲラス、メガホーン!」
 一瞬でも動きを止めれば、そこに付け入る隙ができる。その隙を突いて、メタゲラスの頑強な角がペンドラーを突き飛ばした。
「おー、やるじゃん。パワーで張り合えるだけじゃなくて、ペンドラーのラッシュも止めるなんて。ますます燃えてきた! ペンドラー、地震!」
「大地の怒りで相殺だ!」
 ペンドラーの引き起こす地震を、メタゲラスは大地の怒りで相殺。
「メタルブラスト!」
 続け様に鋼のエネルギーを凝縮した砲撃を発射する。が、しかしペンドラーには当たらない。
「アクアテール!」
 ペンドラーは這うようにメタゲラスに接近し、薙ぎ払う軌道で側面から尻尾をぶつける。
「メガホーンで引き剥がせ!」
「こっちもメガホーン! 弾き返しな!」
 一旦距離を取ろうとメタゲラスは角を突き出すが、ペンドラーも横からメガホーンを放ってメタゲラスの角を弾く。攻撃を防がれただけではなく、態勢も崩されてしまった。
「チャンス到来! 一気に攻め込むよ! ペンドラー、地震!」
 ペンドラーは地面を踏み揺らして地震を引き起こし、メタゲラスに至近距離からの衝撃波をぶつける。効果抜群の攻撃で、ダメージは大きい。
「続いてメガホーン!」
 ペンドラーの攻撃は止まらず、二つの角をメタゲラスへと向け、勢いよく突き出す。
「メタゲラス、大地の怒りだ!」
 至近距離からの攻撃だったので避けられなかったが、角の一撃を受けたメタゲラスはすぐに反撃に出た。
 大地に響き渡る咆哮をあげ、地面から大量の土砂を放つ。流石のペンドラーもこれは避けきれず、土砂に巻き込まれて吹っ飛ばされた。
 ここまでなんとか凌いでいるメタゲラスだったが、その顔には疲労が見え隠れしている。
(かなり削られてきたな……やっぱりウォーグルが正解だったか。あの機動力は地味に厄介だ。攻撃力も高いし、メタゲラスももうすぐ体力が尽きる。倒すまではいかなくとも、もう少しペンドラーも削っておきたいところだけど……)
 さっきは上手くいったものの、ペンドラーの攻撃の勢いは衰えることを知らず、簡単には反撃できない。こちらの攻撃も、あのスピードでかわされてしまうことがしばしば。後続のために削るのも難しい状況だ。
 そんなイリスの心情を察してか、ホミカは得意げになり、
「このペンドラーはね、あたしの手持ちのナンバー2さ。それも、実力的にはエースとほとんど変わらない。つっても、少なくともこのペンドラーを突破できなきゃ、あたしを倒すことなんてできっこないけどね。あんたがイリゼの言うとおりの強さなら、こんなもんじゃないよね?」
 挑発的な言動のホミカはひとまず置いておき、イリスは考える。
 ホミカは嘘をつくタイプではなさそう、彼女の言葉は真実だろう。ということは、初っ端からエース級のポケモンを出して来たということになる。ならエースを除いて後に控える三体は、少なくともこのペンドラーより実力は劣る。ペンドラーさえ倒せれば、この先のバトルも楽に進められそうだ。勿論、相性もあるので一概に楽勝とも言い切れないが、それでもこの関門さえ突破すれば、メンタル的にはいい方向に持って行けるはず。
 ならば、是が非でもここでペンドラーを倒していきたい。それができなくても、少しでも多く削る。
「こっからが正念場だ。行くよ、メタゲラス!」
 メタゲラスは再び咆哮をあげ、巨大な百足を打破すべく、自信を鼓舞するのだった。



ホミカ戦その一……いや二かな? 相手はペンドラーです。にしても強いですねこのペンドラー。ドランのドラドーンとかには及ばないまでも、相性で勝るメタゲラスを押しています。そういえば、ゲームでのホミカのエースはペンドラーらしいですね。ベースもペンドラー(かホイーガ?)と似たデザインですし。僕はアニメのダストダスの方が印象深いのですが……あの回でダストダスを少し見直しました。さて今回はペンドラーが毒菱で下地作りをしていましたが、これが後々どう効いてくるのか。次回はホミカ戦その三、お楽しみに。


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