二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
日時: 2013/04/14 15:29
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394

 今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
 今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。

 参照をクリックすれば前作に飛びます。

 では、英雄達の新しい冒険が始まります……

 皆様にお知らせです。
 以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
 投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
 となっています。
 皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。

登場人物紹介等  
味方side>>28  
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624

目次

プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695

第十六幕 錯綜

一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756

第十七幕 決戦

零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕 
>>774 >>812 >>818

最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851

2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825



あとがき
>>852

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171



Re: 22章 イリスvsデンジ ( No.56 )
日時: 2011/08/01 21:37
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「俺はシンオウ地方のナギサシティという街の出身なんだ。俺はそこでジムリーダーをしていて、つい最近このイッシュに来たんだ」
「へぇ、ジムリーダーですか……。!? ジムリーダー!?」
イリスはサラッと言うデンジの台詞をそのまま流してしまいそうになったが、なんとかツッコミを入れる。
「何でジムリーダーがここに?」
「電子工学を学ぶためさ。イッシュはシンオウと比べて技術の進歩が凄いからね」
「そうなんですか。それも、ジムのためとかですか?」
「いや、趣味だ」
イリスはガクッと首を落とす。
「で、俺がジムリーダーになってから一年くらい経った頃かな。ナギサジムには手応えのあるトレーナーがなかなか来なくて、俺の闘志の炎は燃え尽きてしまった」
イリスは嘆くように語る。
「そこで俺はジムバッジを闘う事無くナギサを訪れたトレーナーに渡していた。そして俺は、趣味の機械弄りに没頭し、ジムを改造していたんだ」
イリスは驚く。闘わずにバッジを渡しているなんて、イリスにはとても信じられる事ではなかったからだ。
「まあ、少し改造に没頭し過ぎて街の電気を大量に使ってしまってね、ナギサシティには大停電が起こってしまったんだ。流石にそれはジムリーダーとしてまずいと思って、すぐに街の端にソーラーパネルを取り付けたり、街のシンボルであるナギサタワーという塔を発電、変電、蓄電施設に改造したりと、いろいろ奮起したものだ」
そして正直こっちの方が驚いた。この人はジムリーダーじゃなくて、電子工学系の仕事に就くべきではないだろうかとも思った。
「で、ある時だ。俺の所に一人のトレーナーが現れた。俺はいつものようにバッジだけ渡して帰ってもらおうとしたが、四天王を勤める俺の親友の紹介で、渋々バトルをしたんだ」
そこから、デンジの表情は変わる。それはもう、大切な思い出を語るような恍惚とした表情だ。
「そのトレーナーは強かった。俺は全力で闘い、負けた。だが、その場トルで俺の闘志に火がつき、また燃え上がった。久々の、熱く燃えるバトルだった」
デンジは一見クールな印象だが、実際は熱い心の持ち主なのだと、イリスは理解した。
「あのトレーナーには感謝している。俺の闘志に火をつけ、熱く燃えるバトルを繰り広げた。……そして君は、そのトレーナーと似ている」
デンジはイリスの顔を見て言う。
「……そういえばあの娘もイッシュから来たって言ってたっけ? ……ちょっと探してみるかな」
デンジの呟きは、イリスには聞こえなかった。
「イリス、お願いがある」
「……何でしょうか?」
イリスは何を言われるか、大方予想していたが、それでも一応聞いてみる。
「俺とバトルしてくれないか?」
やっぱり。



「勝負方式二対二のシングルバトル、勝ち抜き戦でいいね?」
「構いません。何でもいいです」
イリスとデンジはカゴメタウン西に設置されていた屋外バトルフィールドに立ち、ボールを構える。
「それじゃあ俺から行くよ。出て来い、スミロドン!」
デンジが繰り出したのは、水色の体に黄色くて鋭く長い牙を持つ獣のようなポケモン。サーベルポケモンのスミロドンだ。
「化石から復活したポケモンなのか……タイプは岩と電気。珍しい組み合わせだな」
イリスは少し考え、ポケモンを選ぶ。
「ブイゼルだと電気で弱点を突かれるから、やっぱこいつかな。頼むぞ、リーティン!」
イリスが繰り出すのは草タイプのリーティン。スミロドンは岩タイプを持つので、草タイプのリーティンなら闘いやすい。
「いくぞリーティン、マジカルリーフ!」
リーティンは葉っぱを振って念力を帯びた葉っぱを無数に飛ばす。念力を帯びた葉っぱは相手を追尾し、確実に仕留めるのだ。
「スミロドン、シャドークロー!」
スミロドンはマジカルリーフに向かって走り出し、影で作り出した爪で葉っぱを全て切り裂いてしまう。
「スミロドンは攻撃型っぽいな、なら接近戦はまずい。リーティン、かまいたち!」
リーティンは周囲に空気の渦を作り、葉っぱを振って風を切り裂く真空の刃を飛ばす。
「スミロドン、構わず炎の牙!」
スミロドンはかまいたちに切り裂かれながらもリーティンに接近し、炎を纏った牙で噛み付く。
「ヤバイ……リーティン、燕返し!」
リーティンは急いで葉っぱを振って隅ロドンを切り裂き、引き剥がす。
「スミロドン、マッハボルト!」
スミロドンは高速で電撃を撃ち出し、リーティンを攻撃する。効果いまひとつだが、結構効いている。
「リーティン、グラスミキサー!」
「スミロドン、かわして炎の牙!」
リーティンは葉っぱを高速で回転させて木の葉の渦を作り出し、スミロドンをそれに巻き込もうとする。しかしスミロドンは素早い動きで渦をかわし、炎の牙でリーティンに噛み付く。
「くっ、燕返し!」
リーティンは再度燕返しで引き剥がし、スミロドンと距離を取る。
(……あれ? あんまり効いてない……?)
勿論これはスミロドンの事ではない。岩・電気タイプのスミロドンに燕返しがあまり効かないのは百も承知だ。だからスミロドンではなく、リーティンの事である。
見ればリーティンは効果抜群のスミロドンの炎の牙を食らったというのに、そこまでダメージを受けていない。むしろ、さっきの効果いまひとつのマッハボルトの方が効いていたようにも思う。
(どういう事だ……? いや、考えても仕方ないかな)
イリスは気のせい、決まりが浅かったか深かったかの違いだと判断し、バトルに戻る。
しかし、その認識が誤っていたと判断するのは、もう少し先のことである。



今回はデンジとのバトルです。そして初っ端から化石から復活するポケモン、スミロドンが出てきました。僕、実はスミロドンの進化系好きなんですよ。芯構えのスミロドンから既に格好良いし、進化すればさらに……。まあ、一つだけ欠点というか、意外なところがありますがね。それは次回、明らかになるでしょう。では、次回もお楽しみに。

Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 オリキャラ・オリ技、募集 ( No.57 )
日時: 2011/08/01 21:57
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: cebg9jtM)

デンジさんだー!
ダイヤモンドではディアルガ、プラチナではギラティナがいたから強かったイメージが無いです…。
スミロドン確かにカッコイイですよね。進化後もカッコイイのも同感です。
ジンオウガに見えたのは自分だけでいい

Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 オリキャラ・オリ技、募集 ( No.58 )
日時: 2011/08/01 22:20
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

パーセンターさん

僕もダイヤモンドではドダイトスがいたので電気タイプなんて楽勝、とおもいきやエテボースとか使ってきてびっくりしました。
しかもエテボース、高速移動と悪巧みした後にバトンタッチしてオクタンと交代して、タイプ相性で4倍になったオーラビーム喰らって酷い目に合いました。
まあ、最終的にはディアルガの時の咆哮で一掃しましたが。
スミロドン進化系統はやっぱり格好良いですよね。ただ、能力面でちょと意外なとこがありますが……
ジンオウガ……

Re: 23章 誤認 ( No.59 )
日時: 2011/08/01 23:13
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「スミロドン、マッハボルト!」
スミロドンは高速で電撃を撃ち出し、リーティンを吹っ飛ばす。
「くっ、リーティン、グラスミキサー!」
リーティンは空中で体勢を立て直し、葉っぱを高速回転させて木の葉の渦を作り出す。そしてその渦をスミロドンにぶつけようとするが
「スミロドン、かわせ!」
スミロドンは獣のような俊敏な動きで木の葉の渦をかわす。
「逃がしませんよ。リーティン!」
リーティンは葉っぱを動かして渦を操作し、スミロドンを追う。スミロドンはそれを避けていくが、最後には避けきれずに渦に巻き込まれ、地面に叩き溶けられる。
「今だ、マジカルリーフ!」
リーティンは念力を帯びた葉っぱを無数に飛ばし、スミロドンを切り裂こうとする。しかし
「スミロドン、ダイヤブラスト!」
スミロドンは宝石のように光り輝く白色の光線を放ち、マジカルリーフを全て薙ぎ払う。そしてそのままリーティンにもヒットさせ、吹き飛ばす。
「なんて威力だ……」
イリスは戦慄する。スミロドンは攻撃だけでなく特攻も高いのか。そう思ったが
「君はどうやら誤解……いや、誤認しているようだな。スミロドンの牙は鋭く硬い。故に攻撃型だと思われがちだが、このポケモンは特攻の方が高い」
「な……!?」
イリスの疑問はそれで解決された。効果抜群のはずの炎の牙があまり効いていなかったこと。効果いまひとつのマッハボルトが効いていたこと。つまりそれは、炎の牙が物理技で、マッハボルトが特殊技だったという事。
(完全に認識を誤っていた……!見かけだけで攻撃型だと思ってしまった……!でもこのポケモンは、実際は特攻の方が高い……!)
「君は俺のスミロドンを引き剥がしていたけど、あれは俺とスミロドンにとっては好都合な事だった。じゃあ行くぞ、スミロドン。マッハボルト!」
スミロドンは高速で電撃を連射し、リーティンを襲う。いくら効果いまひとつでも特攻が高いので結構ダメージが蓄積するのだ。
「くっ、燕返し!」
リーティンは今更ながらスミロドンに接近し、葉っぱを振るって切り裂くが
「ダイヤブラスト!」
スミロドンは素早く切り返し、宝石のように輝く白色の光線でリーティンを吹き飛ばす。
「リーティン!」
見ればリーティンは目を回して戦闘不能になっていた。
「戻れ、リーティン……」
イリスは悔しそうにリーティンをボールに戻す。先の闘いはどう見てもイリスの失態だ。イリスがスミロドンの能力を誤認したためにリーティンは負けたといっても過言ではない。
「でも、ここで嘆いている暇はない。リーティンの分も頼んだぞ、メリープ!」
イリスが次に繰り出したのはメリープだ。弱点を突けるブイゼルにしなかったのは、マッハボルトを恐れての事だ。
「メリープ、電撃波!」
メリープは波状の電撃を放ち、スミロドンを攻撃。スミロドンは必中技だと知っているのか、それを避けようとはしなかった。
「俺は電気タイプ使いだからね。電気タイプ技は熟知している」
つまり、イリスがブイゼルを出さなかったのは正解と言えよう。電気タイプ使いなら、この後に控えているポケモンも電気タイプである確率は高いので、水タイプのブイゼルでは不利になる。
「今度はこっちの番だな。スミロドン、シャドークロー!」
スミロドンは影の爪を作り出し、メリープに向かって走り出す。そしてメリープに接近すると、その鋭い爪を振りかぶり
「メリープ、コットンガード!」
メリープを切り裂く事はできず、その爪はメリープを包む綿に阻まれる。
「電撃波!」
そして綿の中から綿を散らすような波状の電撃が放たれ、スミロドンを襲う。
「続けて体当たり!」
そしてメリープはいきなり電撃を喰らって怯んでいるスミロドンに、思い切り体当たりをする。効果いまひとつだが、虚を突かれたスミロドンは結構なダメージを受ける。
「くっ、スミロドン、ダイヤブラスト!」
「遅いですよ!メリープ、電撃波!」
スミロドンは口をあけて宝石のように光り輝く白色のエネルギーを溜めるが、それを撃ち出すより早くメリープは波状の電撃を放ち、スミロドンを攻撃。そして溜め切れていないダイヤブラストのエネルギーも暴発し、スミロドンは爆発する。
「スミロドン!」
見ればスミロドンは倒れ、戦闘不能になっていた。
「戻れ、スミロドン」
電磁波スミロドンをボールに戻し、次なるポケモンが入ったボールを取り出す。
「次はこのポケモンだ。出て来い、ボルトック!」
デンジの次に繰り出すポケモンは電撃ポケモンのボルトック。黄色と紫の体毛を持つ、狐のようなポケモンだ。
「如何にも手強そうなポケモンだな……先手必勝、一気に攻めるぞ。メリープ、電撃波!」
メリープは波状の電撃をボルトックに放つ。ボルトックはスミロドンのように動かず、電撃波を受ける。しかし、行動はスミロドンと同じだが、決定的にスミロドンと違うところがあった。

メリープの電撃波が吸収されているのだ。

「俺のボルトックの特性は避雷針。ダブルバトルなんかで電気技を引き寄せるのは有名だけど、実は電気技を受けたとき、特攻が上昇する効果もある」
イリスはダブルバトルをほとんどした事がないので、その事を知らなかった。これはジムリーダーとしても経験豊富なデンジに一日の長があったためだと解釈できるだろう。
「さて、ここからが本番だ。ナギサのデンジの力、見せてあげるよ!」
デンジは電気のように静かだが、炎のように闘志を燃やす。



僕はこの前Wi‐Fiのランダムマッチでトリプルバトルをしていてとても強いトレーナーと戦ったんですよ。ドーブルのダークホールと滅びの歌、ソーナノの影踏みを使ってきて、苦戦しました。その時僕はドーブルを雷で倒そうとしたら、一緒に出ていたアズマオウの特性避雷針で攻撃は当たらず、特攻は上げられ、波乗りで流されと散々でした。最後には僕の切り札、こだわりスカーフを持たせたウォーグルで敵をソーナノ一匹まで追い詰めましたが、そこで電源切られました。後味は悪かったですが、良い経験になったと思っております。ではあとがきが長くなった所で次回予告。次回はイリスvsデンジ、決着です。お楽しみに。

Re: 24章 麻痺 ( No.60 )
日時: 2011/08/02 11:47
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「ボルトック、帯電!」
ボルトックはメリープの電撃を吸収した後も、自らの体に電気を帯びさせ、攻撃力を高める。
「十万ボルト!」
そして避雷針と帯電で威力が膨れ上がった超高圧電流をメリープに向けて放つ。
「メリープ、コットンガード!」
メリープは綿に包まってその電撃を防御しようとしたが、綿は電撃が当たると弾け飛んでしまった。
「コットンガードは物理攻撃を防ぐ技だ。特殊技にはほとんど効果はないよ。ボルトック、ラスターカノン!」
ボルトックは口内に銀色のエネルギー溜め、それを凝縮して放つ。
「かわせ、メリープ!」
メリープは横に跳んでそれをかわそうとするが、ラスターカノンは思いのほか速く、直撃は免れたもののメリープは銀色の球を喰らってしまう。
「ぐぅ、メリープ、スピードスター!」
メリープは無数の星を飛ばし、ボルトックを切り刻む。しかしボルトックにはあまり効いていないようで、平然としている。
「ボルトック、辻斬りだ!」
ボルトックはメリープに向かって走り出し、通り過ぎ間際に鋭い爪で切り裂く。
辻斬りは相手の虚を突いて切り裂く技なので、コットンガードに類する防御技は使えない。というか使う前にはもう切り裂かれているのだ。
「ラスターカノン!」
「相殺だメリープ。電撃波!」
電気技は避雷針で吸収されてしまうので、技の相殺としてメリープは電撃波を放つ。しかしラスターカノンの威力は凄まじく、電撃波を貫いてメリープを襲う。
「追撃だ、十万ボルト!」
ボルトックは超高圧電流を放ち、メリープを攻撃する。効果いまひとつといえど、能力が二段階上がっているボルトックの十万ボルトはかなりの威力だった。
「さらに辻斬りだ!」
そしてボルトックはメリープの脇を通り過ぎ、その間際に切り裂く。
「流石ジムリーダー……強い……!」
メリープはボルトックの猛攻を喰らい、かなりダメージを受けている。あと二、三発ほどまともに攻撃を喰らえば、倒れるほどに。
「ボルトック、ラスターカノン!」
ボルトックは銀色の光を凝縮したエネルギー弾を口内より発射する。
「コットンガード!」
メリープは綿に包まり、その球を防御するが、綿は弾け飛んでしまった。特殊技も防御はできるが、すぐに弾けてしまうので持続性がない。
「十万ボルト!」
「もう一度コットンガード!」
ボルトックの放つ超高圧電流を、メリープは綿に包まって防御。しかし綿は弾け、メリープの防御技は消えてしまう。
「ラスターカノン!」
ボルトックは銀色の光を凝縮したエネルギー弾を口内より発射。メリープは今度はそれを防御する事も避ける事もできず、直撃を喰らってしまう。
「くっ、メリープ……!」
メリープはもうかなり疲弊している。避ける力どころか、攻撃する力も残ってはいないだろう。
「さて、動けないポケモンに攻撃するのは気が咎めるが、それも勝負の定め。止めを刺すよ。ボルトック、十万ボルト!」
ボルトックが超高圧電流を身に纏い、それをメリープに標準を合わせ、放つ。
「メリープ!」
これを受ければメリープはやられる。イリスがそう思った、その時

メリープは力を振り絞って起き上がり、輝く光に包まれる。

「な……これは……!」
デンジはその光を見て、驚きの表情となる。いや、驚いているのはイリスも同じだ。
「進化……!」
イリスがそう呟いたとき、メリープはその姿を変えていた。
その姿はメリープのように羊のようだが、羊毛のような毛は減っており、頭と首周りだけとなっている。そして二本足で立っており、皮膚はピンク色で角と尻尾は黒い縞模様、尻尾の先端の球体は水色っぽくなっている。
メリープの進化系モココ。分類は綿毛ポケモン。電気タイプだ。
「メリープ……モココに進化したのか!」
メリープの進化により、イリスの焦りは吹き飛ぶ。かわりにデンジがやや苦しい表情となる。
「まさかこの局面で進化とは……いや、でもモココのステータスはさほど高くない。ボルトック、十万ボルト!」
ボルトックはさっき中断した超高圧電流を再び放つ。狙いは勿論モココだ。
「モココ、コットンガード!」
モココはメリープの時よりも量の多い綿に包まり、十万ボルトを完全にシャットアウトする。
「進化して綿の質も変わったんですよ。モココのコットンガードなら、特殊技だって防ぎます。それだけじゃありませんよ、モココ、スピンテール!」
モココは回転しながらボルトックに接近し、回転で威力が上がった尻尾をボルトックに叩きつける。
「進化して新しい技も覚えました。モココ、アクアボルト!」
次にモココは電気を帯びた水を放ち、ボルトックを攻撃。
「くっ、ボルトック、反撃だ。十万ボルト!」
ボルトックは超高圧電流を放とうとするが、放てなかった。何故なら
「な……麻痺状態……!?」
ボルトックは体が麻痺していたからだ。
「特性避雷針でも、麻痺を吸収する事はできない。そしてアクアボルトは相手を麻痺状態にする事のある技。さて、これで止めです。モココ、アクアボルト!」
最後にモココは最大出力のアクアボルトを放ち、ボルトックを押し流す。
「ボルトック!」
見ればボルトックは目を回し、戦闘不能になっていた。



「負けたよ。あそこで進化するのも驚きだが、それ以上に君とポケモンの固い絆に驚かされた。君とのバトルは楽しかった、次会った時もバトルしよう。次は負けないよ」
デンジはバトル終了後、そう言い残して去っていった。
「……なんだか、デンジさんとバトルするとバトルの楽しさを改めて感じるな」
イリスはそう呟くと、近くにあったベンチに寝転んだ。
とりあえず……激しいバトルで電磁波による体調不良が悪化したっぽいので、休眠する事にしたのだ。



今回はデンジとのバトル、決着しました。そしてメリープもモココに進化しました。僕思うんですが、メリープの進化系統ってどんどん毛が刈られていってますよね。最終的にはなくなるし。まあ、そんなどうでもよさげな話は置いときまして。次回は特に決まっておりませんが、まあカゴメタウンから出るのは確かです。では、次回をお楽しみに。


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