二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
- 日時: 2013/04/14 15:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394
今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。
参照をクリックすれば前作に飛びます。
では、英雄達の新しい冒険が始まります……
皆様にお知らせです。
以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
となっています。
皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。
登場人物紹介等
味方side>>28
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624
目次
プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695
第十六幕 錯綜
一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756
第十七幕 決戦
零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕
>>774 >>812 >>818
最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851
2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825
あとがき
>>852
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——再びお知らせです—— ( No.660 )
- 日時: 2013/02/07 22:46
- 名前: プツ男 (ID: DN0pvQeX)
プラズマ団が撤退しましたね。アシドが持ってきた物はお馴染み(?)のあのアイテムですかね。そういえば、セイガイハに行ったフォレスと.....あと.....えっと....あの7Pの最強とか言う......!!ガイア!!....すいません、本気で忘れていました....それはさて置き、その二人は一体何をしていたんでしょうかね?
ガイアって本当、影が薄くなってしまっていますよね....前回登場したのは確か夢の跡地での戦いでしたよね....ケルディオポケ質事件や、いつぞやのPホームの話でも名前登場でしたし....もしかしたら、このまま解放せずに物語が終わってしまうなんてこと....ないですね(笑)
そして、....うわぁ.....予想はしていましたが、ホミカ戦ですか....彼女には嫌な思い出以外無いんですよね.....自分に急所、相手に外しが何回も起こり何連敗したことやら....本当に理性が吹っ飛ばされましたよ....僕の常識も覆されました。
ハブネークといえば、某ロケット団の彼女の印象が強いですね。▼ムサシのインファイト!ハブネークはボコボコにされた!
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——再びお知らせです—— ( No.661 )
- 日時: 2013/02/08 01:04
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
プツ男さん
アシドが持ってきたのは、知る人ぞ知る例のあれです。
ガイアは本当に空気ですね……一応、ガイアは解放する回を決めているのでそれまで解放させないことにしているのですが、そうするといざバトルになったら未解放最弱なので、流れに矛盾が生じて結果的にバトルがないという悲惨なことになっています。まあ、いずれ彼が大暴れする時が来るでしょう。
セイガイハでの一件は、どこかで回収できたらいいと思っていますが、どうなりますかね。話の流れ次第です。
とりあえず、白黒の今後の課題はガイアをどうするか、ですね!
ホミカ、というかBW2はわりと難易度高めでしたね。まあ、前作が簡単すぎただけなのかもしれないですけど。
ホミカはとにかくゴリ押しましたが、ベノムショックが意外と効いて、なかなか苦戦しました。コイルは意地になって使いませんでした。
たぶんチューブクイーンのアザミがハブネークの使い手なのでしょうが、彼女の方が印象深いですね。確かハブネークがインファイトされたのは、髪を食い千切られたからでしたっけ。
- Re: 458章 中毒 ( No.662 )
- 日時: 2013/02/09 04:57
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
ホミカはダイケンキの攻略法が分かったと豪語するが、しかしイリスはさほど気にしていなかった。ホなぜならミカは相手の弱点を突くスタイルより、パワーでゴリ押すか、自分の作戦に相手を引き込むスタイルとイリスは読んだからだ。
ホミカは自信満々な叫ぶと、すぐに行動に移った。
「ダストダス、ドレインパンチ、ラッシュ!」
ダストダスは両腕を伸ばし、四方八方から怒涛の拳を繰り出すが、
「シェルブレード!」
ダイケンキの操るアシガタナに斬られ、弾かれ、防がれ、絡め取られて、全ての拳は捌かれてしまう。
が、それでもダストダスは止まらなかった。ダイケンキがアシガタナを切り上げた、その時。
「そこだダストダス! 刀を奪い取れ!」
ダストダスの片腕がアシガタナに巻き付き、強引にダイケンキから奪い取ってしまった。
「なっ、しまった……!」
今までアシガタナを弾かれたことはあっても、ここまで露骨に奪われたことはなかった。取り落とさないように気を付けてはいたが、能動的に奪われるのは予想外だったので、対応できなかった。
「まだまだラッシュだ! ドレインパンチ!」
ダストダスは奪い取ったアシガタナを、ダイケンキから離れた場所に放り投げ、ラッシュを再開する。四方八方から行われる乱打は、アシガタナ一本では捌ききれず、何発かまともに喰らう。しかも、
「ほらそこだよ! もう一本貰いッ!」
ドレイパンチを警戒するあまり、アシガタナへの意識が薄れた瞬間、残る一振りもダストダスに奪われ、明後日の方向に投げ飛ばされる。
これでダイケンキの武器は全てなくなった。もうシェルブレードは使えない。
「くっそ……!」
ダイケンキのバトルにおいて中核をなすのが、接近攻撃かつダイケンキの技の中で最も応用と小回りの利くシェルブレード。それが使用不可となれば、ダイケンキはその力を半分も生かすことは出来ない。
ダストダス相手には有利なダイケンキだったが、これで形勢逆転されてしまった。
「猛毒もあるし、ガンガン攻めて決めるよ! ダストダス、ベノムショック!」
「ダイケンキ、吹雪だ!」
ダストダスの構えた指先から毒液が噴射されるが、ダイケンキは素早く猛吹雪を放って毒液を凍らせ、ダストダスも攻撃する。
ベノムショックはどうしたって喰らいたくない技なので、念のためにと吹雪も使えるダイケンキにしておいて正解だったと、イリスは胸を撫で下ろす。
だがベノムショックを封じたところで、ダストダスの攻撃は止まらない。
「ロックブラスト!」
照準をそのままに、ダストダスの指先から無数の岩石が射出される。アシガタナはないので、弾くことは出来ない。
「くっ、吹雪!」
またしても猛吹雪で岩石を押し返す。ダストダスへのダメージも見込めるが、決定打になるほどではない。
「ふぅん、刀なくてもそこまで戦えるんだ。だったこれでどう? サイコキネシス!」
今度は強力な念動力を、破壊力を持つ念波に変えて撃ち出してきた。流石にこれは、吹雪では打ち消せない。
「ダイケンキ、防御だ!」
体を屈めて姿勢を低くし、できるだけ鎧で体を隠すようにダイケンキは防御の態勢を取る。そのため、念波は直撃したがダイケンキへのダメージはある程度抑えられた。
(アシガタナがなくてもある程度はやれるけど、やっぱり攻撃に移りづらい……向こうが本格的に攻めて来る前に決めないと)
こちらには猛毒もあるので、手をこまねいてはいられない。攻める時は攻める。
「ダイケンキ、メガホーン!」
ダイケンキは法螺貝のような雄々しき角を構えて突貫する。
「ダストダス、かわしてサイコキネシス!」
対してダストダスは大きく跳躍し、ダイケンキの上を取る。そしてそのまま念波を放ってダイケンキの背中に直撃させた。
「ロックブラスト!」
「一か八か……シェルブレード!」
ダストダスは地面に降り立つと、今度は背後から岩石の射撃を行う。が、そこに水のエネルギーを纏ったアシガタナが飛び、その射撃を阻止する。
「な、なにこれ!?」
アシガタナはダイケンキの一部。ゆえにシェルブレードに反応して遠くからでも動かすことができる……が、あまりに使う機会が少ないため精密な動作は出来ず、たまに失敗するという欠陥のある技術だ。今回は運よく成功したが。
「よし、いいぞ。そのまま引き寄せろ!」
ダストダス突き刺さったものは置いておき、ダイケンキはもう一振りのアシガタナも操作し、自らの手中へと呼び戻すとするが、
「させないよ! ダストダス、食い止めろ!」
ダストダスは素早く腕を伸ばしてアシガタナを掴み取り、思い切り投げ飛ばして壁へと深く突き刺した。こうなってしまえば、簡単には呼び戻せない。
「もう一本も投げ飛ばしな」
さらに体に突き刺さっているアシガタナも引っこ抜き、投げ飛ばして遠くの地面に突き刺す。こちらも深々と刺さっており、そう簡単には抜けそうにない。
「く、失敗か……」
逆転に繋がる一手だったが、あと少しのところで阻まれてしまった。このダストダス、攻めるだけが脳かと思えば、意外と器用だ。
「もうそろそろネタ切れでしょ。決めるよダストダス、ドレイパンチ!」
「防御だ!」
ダストダスは全方位から怒涛の乱打を繰り出して身を縮こまらせているダイケンキを殴打する。そして、
「ベノムショック!」
足を払うようにして放たれた一撃で、ダイケンキの態勢が少しだけ崩れる。その隙を狙って指先から毒液を噴射し、ダイケンキへと浴びせた。
「しまった……ダイケンキ!」
ダイケンキは耳を塞ぎたくなるような声で絶叫し、完全に態勢を崩してしまう。まだ辛うじて体力が残っているようだが、もう放っておくだけで戦闘不能になるほど削られている。
「……あんたはかなり頑張った方だよ。あたしのガチメンバーがここまで追い込まれるなんて、過去滅多にない。猛毒状態の中、よくやったさ」
でも、とホミカは続ける。
「毒を受けたままじゃあ本気の超マックスのあたしたちは倒せない。それはしゃーないさ。さーて、今度こそ決めるよダストダス! ベノムショック!」
ダストダスはダイケンキに接近すると、至近距離から確実に決めるつもりなのか、指先をダイケンキに押し付け、毒液を発射する準備に入る。
回避も防御もできないこの状況。しかしそれでも、まだ突破口は存在する。最後の可能性に賭け、イリスはダイケンキに指示を出す。
「ダイケンキ、シェルブレード!」
刹那、ホミカとダストダスは驚愕しながらアシガタナが飛ばされた方向に振り返った。
「なにぃ!?」
あそこまで深く突き刺さったアシガタナが抜けるはずないと高を括っていたので、ここでシェルブレードが飛んでくるのはまずい。そう思ってちゃんと確認する前にダストダスは腕を伸ばしたが、
「え、あれ……?」
アシガタナは動いてなかった。水のエネルギーこそ纏っているものの、突き刺さった状態のままだ。
そこで遂に、ホミカはイリスの作戦に気付く。ダストダスと一緒に慌ててダイケンキの方に向き直るが、
「ハイドロカノン!」
ダイケンキは既に巨大な水の弾丸を生成し、発射準備を終えていた。
詰まるところ、ホミカの敗因はシェルブレードを意識し過ぎたことだ。ダストダスの技をほぼ全て防いでしまうのだから警戒して当然だが、警戒するあまり、ベノムショックを撃つのとシェルブレードが襲ってくるのと、どちらが早く、また優先度が高いかを、正確に判断できなかった。そこをイリスに狙われたのだ。
しかも確実に決めようと接近したのも裏目に出た。目と鼻の先にいる相手に向けて放たれるハイドロカノン、特性、激流によって途轍もない威力となって、ダストダスに襲い掛かる。
「ダストダス!」
激流の弾丸に撃たれたダストダスは吹き飛ばされ、壁に激突。そして、戦闘不能になった。
バトルが終わると、しばしの間静寂に包まれる。が、
「オーマイガッ! ダストダス戦闘不能ッ! ダイケンキの勝ち! よって勝者、イリスだあぁぁぁぁぁぁぁ!」
審判のハイテンションな叫びに呼応するかのように、観客たちも沸き上がった。
その様子を呆然と見ていると、イリスのもとにホミカが歩み寄って来る。
「あーあ、負けちった。でもま、全力出し切って清々しーし、楽しかったよ」
「はい。僕も楽しかったです」
今までたくさんのバトルをしてきた。だがその多くは、負けられない戦い。しかし今の戦いは、心の底から楽しいと思える、そんなバトルだった。
「そうだ、これあげる。あたしに勝った記念さ」
そう言って手渡して来たのは、紫色の縁が縦に連なっていて、一番上の円には四つの白い指のようなもの。そして金色の真珠が埋め込まれている。
「トキシックバッジ。あんたには必要ないと思うけど、受け取って」
「……ありがとうございます!」
かくしてイリスは、ホミカに勝利し、九つ目のバッジを手に入れた。
そして、ポケモンバトルの楽しさを再認識し、プラズマ団と戦う決意を固めるのだった——
ホミカ戦、決着です。アシガタナを奪われて追い込まれたダイケンキですが、フェイントをかまして見事勝利を収めました。そしてこれでイリスのバッジは九個、まあ金銀では十六個あったので無問題です。では次回は、あの男登場です。お楽しみに。
- Re: 459章 青海波 ( No.663 )
- 日時: 2013/02/08 23:49
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「あ、そうだ。ねぇイリス」
「はい? なんですか?」
ひとしきり歓声を受け、熱狂が収まってきた頃、ホミカはイリスを呼び留めた。
「イリゼから色々聞いたけどさぁ、あんた、あんまあいつの言うこと鵜呑みにしない方がいいよ」
「え? はあ……」
あまりにも唐突に言われたので、なんのことだか分からず、曖昧に返事をしてしまうイリス。しかしホミカは構わず続けた。
「ここはこうする、こう動く、そういうの他人の意見で決めてない? それも悪いことじゃないけど、ポケモンもバトルも、そんでもって人生も、大事なのは自分がどうしたいか、なにをしたいかってこと。もっと自分のしたいように生きる方が断然楽しいし、後悔もしない。少なくともあたしはそうやって生きてるよ」
なにやら一つ二つ年上程度の少女に人生を説かれてしまったが、言いたいことは分かる。
そしてイリゼの名前が出たことで、イリスは一つ思い出した。
「あの、ホミカさん。僕も聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」
「んー? なに?」
「父さんがどこにいるか、知ってたりしませんか?」
ホミカはイリゼと連絡を取っていたようなので、もしかしたら知っているかもしれないと思って聞いてみたが、
「いや……確かにイリゼには世話になってるけど、特別親しいってわけじゃないしねぇ……」
どうも知らないようで、軽く肩を落とすイリスだったが、あ、でも、とホミカは続けた。
「前に連絡取った時は、セイガイハシティにいるって言ってたかな」
「セイガイハシティ……」
以前、イリスたちがヒオウギでプラズマ団と戦っていたが、それと同時進行でプラズマ団はセイガイハにも進攻していたらしい。ただ、大きな動きも見せずに撤退したようだが。
イリゼが今どこにいるのかは分からなかったが、手掛かりは見つけた。
イリスの次に向かう場所は、セイガイハシティだ。
セイガイハシティはサザナミタウンに次ぐリゾート地で、サザナミタウンがプラズマ団の襲撃を受けた今、暫定的なイッシュ一になっている。
イッシュ地方でもかなり北に位置しているセイガイハシティへの交通手段は、かなり制限されている。ジャイアントホールを抜け、二十二番道路を通過するか、海辺の洞穴と二十一番水道をを北上するしかない。現在はマリンチューブという海底トンネルが設計されているらしいが、あと一、二年かかるとのことだ。
ジャイアントホールはキュレムの影響もあり、近づくの避けたいので、イリスは海辺の洞穴を抜けてセイガイハシティへとやってきた。
「ここが、セイガイハシティ……」
海面が太陽光を受けてキラキラと光り輝いている、どことなく南国の雰囲気が漂う街だった。特徴なのはやはり、桟橋の上に建てられた民家だろう。イリスからすれば、浅瀬になっているとはいえ、わざわざ海の上に家を建てる意味が分からない。
「とりあえず、父さんを探さないと」
とは言うものの、イリゼがここにいたというだけであり、今もいるかどうかは分からない。そもそもイリゼが真実を言っていたかどうかも疑わしい。
だがここに手掛かりがあると仮定しなければ始まらないのも確かだ。ロキはいつの間にか消えてしまい、前夜と今朝、二回ほどイリゼと連絡を取ろうとしたが、やはり繋がらなかったのだから、今はがむしゃらにでも探すしかない。
そう思って桟橋を歩いていたら、突如、海面からなにかが飛び出した。
「っ!?」
激しく水飛沫を立ててイリスの前に降り立ったのは、人だ。日焼けした褐色の肌に、青系統の色が基調の、ヒレが付いた水着。後ろに流れ気味に暗青色の髪には白い斑点があり、首からは水中用ゴーグルを下げている。
正に、海の男というような出で立ちの男だ。
「おはんがイリスか?」
「へ? えっと、はい……」
男は開口一番、そんなことを聞いてきた。イリスが困惑しつつ曖昧に返すと、男は快活に笑い、
「そうかそうか、おはんがイーちゃんの息子か。やっぱ似とる」
「……イーちゃん?」
イリスは首を傾げる。文脈から察するに、おそらくイリゼのことを指しているのだろうが、あの父親がそんな愛称で呼ばれているというのは少し意外だった。
それはともかく、この男はどうもイリゼの知り合い。そしてイリスのことも知っているということは、なにかイリゼに言われているのだろう。一体なんなのかと思えば、
「おいはイーちゃんから頼まれごとしとったい。いっとついてくるとえーよ」
と言って歩き出した。訛った言葉遣いなのでよく分からなかったが、ついてこいと言っているのだろう。
「あ、ちょっと!」
イリスのことなど気にもしていないような足取りでずんずん進んでいく男にイリスは必死でついて行く。しばらく歩くと、浜辺に出た。
「あ、あの……」
たまらずイリスは男に問いかけようとするが、その時、海面からぶくぶくと泡が立つ。
次の瞬間、水面からなにか巨大な生き物が浮上してきた。
「……!」
その生き物は、ポケモンだ。それもかなり大きい。ドランのドラドーンとタメを張れるほどの巨体だ。
「でかい……!」
「これでも普通のホエルオーにしてはこまんちろったい」
たぶん、普通のホエルオーよりも小さいと言いたいのだろう。しかし13m近くの巨大な生き物を小さいと言える感性は、残念ながらイリスは持ち合わせていない。
「ほな行こーかい」
男は見上げるほど巨大なホエルオーに足をかけると、そのままぴょんぴょんと跳ねるような動きでホエルオーの背に乗った。
「おはんもはよきぃ」
いやいや、無理だろ。と言うことすらイリスにはできない。
男は馴れているのだろう、軽快に上っていったが、イリスにそんなことができるはずもない。今まで長いこと旅をしていたので、体力にはそこそこ自信があるが、ホエルオーの湿った体をよじ登るなんて不可能だ。
「……無理ですよ」
辛うじてか細い声を絞り出したイリス。すると男は、
「? そーかい。ほなホエルオー、ブルンゲルを呼んできぃ」
ホエルオーは少しだけ体を沈ませる。すると数十秒後、水面から新しいポケモンが飛び出した。
ピンク色の海月のようなポケモン。浮遊ポケモンのブルンゲル、その雌個体だ。
「って、うわっ!」
ブルンゲルは出て来るや否や、触手をイリスの体に巻きつける。何事かとイリスは抵抗するが、ブルンゲルは意に介さずふわふわと浮き上がり、イリスをホエルオーの背に乗せる。
「よーし、出発進行じゃあ!」
そしてホエルオーは、沖に向かって進みだした。一体どこに行くというのだろうか。
それよりも前に、イリスはこの男に聞きたいことがあった。
「あの……あなたは、誰なんですか? 父さんの知り合いのようですけど……」
「ん? おお、悪いな! おいの名前はシズイ、イーちゃんの親友じゃい。そんで、セイガイハジムのジムリーダーでもある」
「えっ? ジムリーダー?」
イリゼの親友というのはともかく、ジムリーダーというのは意外だった。そして、ということはいま向かっている先は——
「お、見えてきやったよ。あれがセイガイハジムじゃ」
視線の先には沖が広がっている。が、その中にどんとそびえているのが、一つの建造物。ポケモンリーグ公認のシンボルの付いたジムだ。
「海のど真ん中にジムがあるなんて……」
内装がジェットコースターだったり、大砲が置いてあったり、ライブハウスがジムを兼ねていたりというのも大概だが、海のど真ん中にあるというも驚きだ。
「ほい、到着じゃ」
ジムの周りは桟橋に囲われており、ホエルオーの体を滑り降りて桟橋へと降り立つ。
ホエルオーはまた海中に潜っていった。シズイは桟橋をスタスタを進んでいき、建物の中に入る。イリスもそれにつられ、ジムの中に入った。
ジムの中はかなり広い。普通のものよりも遥かに大きなバトルフィールドは海水で満たされており、水面には蓮のような葉っぱがいくつも浮いている。
「ほいじゃージム戦、始めよーかい」
「……え?」
どういうわけか、イリスとシズイはバトルをすることになった。
使用ポケモンは五体で、他は一般的なジム戦ルールと同じく、イリスは入れ替え可能、シズイは不可というものだ。
シズイはどこからかいくつものモンスターボールが入った網を取り出すと、その中の一つを手に取った。
「まずはおいからポケモンを出させてもらうったい。気張ってけー、ママンボウ!」
シズイの一番手は介抱ポケモン、ママンボウ。ピンク色のマンボウのような姿のポケモンだ。
「やっぱり水タイプ。なら最初はこのポケモンかな。出て来て、デンリュウ!」
イリスの初手は、電気タイプのデンリュウ。デンリュウは蓮の上でバランスを取りつつ、戦闘態勢に入った。
イリス対シズイのバトルが今、始まる——
はい、今回はシズイ登場です。彼は鹿児島弁らしいのですが、かの地の方言はわざと分かりにくい構造になっているようですね。つまり白黒がなにを言いたいかというと、シズイの方言が上手くかけていないかもしれませんがご了承くださいということです。一応、調べながら書いているのですが、それでも限界があるもので……それはともかく、シズイ戦が始まりました。イリスにとっては初めての水中フィールドですかね? では、次回もお楽しみに。
- Re: 460章 イリスvsシズイ ( No.664 )
- 日時: 2013/02/09 21:40
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
シズイとイリスのバトル。先に動いたのはイリスのデンリュウだった。
「先手必勝だ! デンリュウ、雷!」
デンリュウは超高電圧の稲妻をママンボウへと落とす。
水中のフィールドだと、どうしたって陸上のポケモンよりも水棲のポケモンの方が有利。
ならばとイリスが取った作戦は単純明快。即ち水中で有利に立ち回られる前に勝負を決めることだ。電気技なら水中にいるポケモンだと電気伝導によってかわすのが難しい。弱点も突けて一石二鳥の作戦である……と、イリスは思っていたが、相手はジムリーダー。一筋縄でいく相手ではない。
ママンボウは雷の直撃を喰らって大ダメージを受けた。そして、
「ママンボウ、ミラーコートったい!」
ママンボウの体が光に包まれる。そして次の瞬間、光りは幾重もの光線となり、一斉にデンリュウに襲い掛かった。
「! デンリュウ!」
無数の光線に貫かれたデンリュウは蓮の葉の足場に倒れ込む。早くも戦闘不能だ。
「まさか、こんなに早く電流がやられるなんて……!」
完全に予想外だった。確かに雷の直撃でママンボウは致命傷を負ったのだろうが、それにしても反射のダメージが大きいように感じる。体力を削りきったダメージ分を反射されるならともかく、まだママンボウは倒れていないのだ。そうイリスが思っていると、
「ママンボウは体力がうけ、そう簡単には倒れなか」
どうもママンボウは体力の多いポケモンのようだ。だからこそデンリュウの雷を耐え切り、その上でミラーコートの反射ダメージも大きかったのだろう。
「戻れデンリュウ。君はよくやってくれた」
そう、デンリュウもただではやられなかった。雷のダメージは決してママンボウに大打撃を与え、さらにママンボウを麻痺状態にした。
「とにかく、ママンボウはもう少しで倒せる。となると、ここでデンチュラやリーテイルはもったいないな……」
シズイが後にどのようなポケモンを控えているかは分からないが、瀕死寸前のママンボウにタイプで有利なポケモンを出して倒しても、次にこちらに有利なポケモンを出されるだけだ。だったらここは、有利不利のないポケモンで仕留め、後続の様子を見るべきだとイリスは判断。「この悪い足場。でも、君ならそんなことは関係ないよね。頼んだ、ディザソル!」
イリスの二番手は、高い攻撃力と機動力を備え持つディザソル。ディザソルの身のこなしがあれば、この悪い足場でも十全に戦えるはずだという判断からのチョイスだ。
「相手は麻痺状態だ。速攻で決めるよ。ディザソル、神速!」
ディザソルは神がかったスピードでママンボウに突撃し、吹っ飛ばす。直撃したが、ママンボウはしぶとく、まだ戦闘不能ではない。どころか、
「ママンボウ、リフレッシュ」
ママンボウは体を光で包み込み、麻痺を回復させる。しかもそれだけでは飽き足らず、
「アクアリング」
今度は水の輪を身に纏い、今まで負った傷を少しずつ癒していく。
だがアクアリングの回復量はたかが知れている。ディザソルの攻撃に回復が追いつくはずがない。
「もう一発、神速!」
「アクアジェットじゃ!」
ディザソルは再び超高速で駆け、ママンボウもそれに合わせて水を纏い、高速で特攻をかける。
しかしアクアジェットのスピードでは神速には追いつけない。ママンボウはディザソルを捉えることができず、側面から神速を受けて吹っ飛んだ。
そしてその一撃で、ママンボウは戦闘不能となった。
「やられてちょっしもた。戻っとき、ママンボウ」
シズイはママンボウをボールに戻し、網の中に放り込んだ。そして新しいボールを網の中から引っ張り出す。
「そいじゃあ、おいの次のポケモンはこいつじゃ。気張ってけー、オクタン!」
シズイの二番手は真っ赤な体色に半眼が特徴のタコのようなポケモン。噴射ポケモン、オクタンだ。
オクタンは水中には入らず、足場の上に吸盤を引っ付けて体を固定する。
それを訝しく思い、イリスは尋ねた。
「……? そのオクタン、水に入らないんですか?」
「そうじゃ。おいのオクタンはこっちの方がよか。ほいじゃあ行こーかいな、オクタン砲!」
オクタンは口から真っ黒な墨を噴射した。技名とビジュアルからしてほぼオクタンの専用技だろう。
そんなことはともかく、ディザソルは墨を跳躍してかわし、足場を乗り換えてオクタンへと接近していく。
「ディザソル、辻斬りだ!」
そして漆黒の鎌を振るい、オクタンを切り裂く。だが吸盤で固定した体はまったく揺らがず、態勢も崩さない。
「チャージビーム!」
オクタンは砲口をすぐさまディザソルに向け、口から電撃の光線を発射。ディザソルを吹っ飛ばす。
「ディザソル! 大丈夫か?」
足場に着地したディザソルは、軽く頭を振って頷きを示す。ダメージはあまりないようだ。
「よし。なら次は神速だ!」
今度も足場を伝ってオクタンに急接近し、神がかった速度で突撃する。
だがやはり、オクタンの態勢は崩れない。
「もういっぺんチャージビーム!」
オクタンも先ほどと同じように電撃の光線を発射してディザソルを引き剥がした。
「厄介だな、あの吸盤」
ぼそりとイリスは呟く。
このオクタンの最も厄介な点は、体をがっしりと固定する吸盤だ。その吸着力はかなり強く、生半可な攻撃ではびくともしない。なので大抵の攻撃では態勢を崩さず、すぐに反撃できるようだ。
「となると、ディザソルじゃ分が悪いか。出て来て早々悪いけど、戻ってくれ」
ここでイリスはディザソルをボールに戻す。まだほとんどダメージを受けていないが、いずれオクタンに大打撃を喰らわないとも限らない。この不安定な足場でも不自由なく動ける機動力を持つディザソルは、後々役に立つだろう。そしてなによりオクタンとの相性が悪い。物理技ばかりのディザソルでは、オクタンにダメージを与えられてもすぐに反撃されて痛み分けになるのが関の山だ。
「オクタンはチャージビームも覚えてる。となるとこいつか……頼んだよ、デンチュラ!」
イリスが繰り出したのはデンチュラだ。ディザソルほどではないが高い機動力に加え、電気技でオクタンの弱点も突ける。
「デンチュラ、まずは帯電。攻撃力を高めるよ」
デンチュラは体に電気を帯び、攻撃能力を高める。それと同時に、オクタンも動いた。
「オクタン、アシッドボム!」
口からいくつもの酸性の爆弾を飛ばし、デンチュラに命中させる。ダメージはあまりないが、アシッドボムは特防を大きく下げる技。あまり何度も喰らいたい技ではない。
「これは一気に決めた方がいいな……デンチュラ、雷!」
デンチュラは高電圧の電撃を空中に放ち、轟く稲妻をオクタンに落とそうとする。しかし、
「水ん中潜れ、オクタン!」
オクタンはあっさり吸盤を剥がし、水中に潜る。そして次の瞬間、オクタンがいた足場に雷が落ち、大きく足場を揺らすが、それだけだ。雷が止むとオクタンはまた足場に戻って来た。
「吸盤はオクタンの一部じゃ、付けるも剥がすも自由自在ったい。オクタン、アシッドボム!」
足場に戻ったオクタンはすぐさま酸の爆弾を連射してデンチュラを攻撃。やはり威力は低いが、特防を大きく下げられた。
「くっ、だったらこれだ! エナジーボール!」
「オクタン砲!」
雷が効かないと見て、デンチュラは自然のエネルギーを凝縮した球体を発射するが、オクタンも勢いよく墨を噴射して球体を相殺した。
「チャージビームじゃ!」
続けてチャージビームも放ち、デンチュラを攻撃。アシッドボムの影響でダメージはやや大きいが、それでもまだ決定打にはならない。
「デンチュラ、シグナルビーム!」
今度はカラフルな光線を発射するデンチュラだが、当然の如くオクタンはそれを撃ち落としに来る。
「オクタン砲じゃ!」
墨で消される光線というのも奇妙だが、実際シグナルビームはオクタン砲で相殺された。
「エナジーボール!」
「もういっぺんオクタン砲!」
デンチュラは続けてエナジーボールを発射。しかしオクタンも素早く墨を噴射して相殺する——ことはなかった。
なぜなら、オクタン砲がエナジーボールを突き破り、デンチュラに襲いかかったからだ。
「!? デンチュラ!」
特防が大きく下げられているデンチュラにとって、その攻撃はなかなかの威力だ。軽視できないほどの体力を削られてしまう。
が、それよりも妙なのは、オクタン砲がエナジーボールを相殺したこと。先ほどの撃ち合いでは、相殺されていたのに、今度はオクタン砲が突き破っていた。
「これは……!」
戦慄しつつ、イリスはオクタンと、その先のシズイの姿を見据えるのだった。
シズイ戦、その二です。いや、一かな? ……やっぱ二で。ともかくセイガイハジム戦、開始です。まさかのデンリュウが開始1ターンでKO。ゲームならよくあることです。そしてママンボウもディザソルに倒され、二番手はオクタンです。僕はずっと鉄砲魚が蛸になることに納得がいかなかったのですが、あれって鉄砲から大砲に進化したってことなんですね。最近知りました。ともあれオクタンは口から色々噴射します。次回はその噴射物でデンチュラを追い詰めるでしょう。いや、冗談ではなく。それでは次回をお楽しみに。
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