二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
日時: 2013/04/14 15:29
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394

 今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
 今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。

 参照をクリックすれば前作に飛びます。

 では、英雄達の新しい冒険が始まります……

 皆様にお知らせです。
 以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
 投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
 となっています。
 皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。

登場人物紹介等  
味方side>>28  
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624

目次

プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695

第十六幕 錯綜

一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756

第十七幕 決戦

零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕 
>>774 >>812 >>818

最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851

2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825



あとがき
>>852

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171



Re: 535章 三日月 ( No.785 )
日時: 2013/03/22 00:49
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

 フォレスは他の7Pと違い、元々はただの下っ端だった。
 だが彼は、一人の女性を見て、決意した。その決意と覚悟があったからこそ、7Pという地位まで上り詰めることが出来たのだ。
 7Pは総じて家族がいない。それは離別したり、捨てられたり、元からいなかったりと様々だが、フォレスもその例に漏れず、プラズマ団に入る時には家族と別れていた。
 理由は、恐らく7Pの中で最もくだらないと言われるだろう。単なる家出だ。反抗期に家を飛び出したという、実に人間らしい理由だ。
 彼はそのまま無法者の街へと住み着き、なんでもない毎日を過ごしていた。そう、彼女を拾うまでは。
 彼女は捨て子だった。普通なら、その街で赤子なんてものは枷にしかならないし、彼もそれは分かっていたのだが、見て見ぬ振りは出来なかった。
 彼女は足の病気を患っていたようだ。捨てられた理由もそれだろう。
 だが彼は、彼女を捨てなかった。雑で不器用な彼だったが、彼女は彼女なりに育まれ、成長していった。
 それからというもの、フォレスの生活は豊かになっていった。一人増えるだけで、毎日は大きく変わる。彼は彼なりに、毎日を楽しんでいた。
 だが、その日々に亀裂が入る日が訪れる。
 プラズマ団なる組織が、街に侵入してきた。なんでも組織の戦力として、街の者たちを引き入れようというのだ。
 確かにこの街なら、大量の人間が失踪したとしても、世間的には何ともないだろう。この街を狙った理由には納得したが、同時にふざけるなとも思った。
 街の者は結託し、プラズマ団なる組織と戦うこととなった。フォレスは彼女が見つからないように隠し、プラズマ団に立ち向かった。
 だが、結果としてフォレスたちは敗北し、プラズマ団に取り込まれてしまった。
 それはからは、なんということのない日々だ。まだ本格始動はしていないようだが、プラズマ団の掲げる思想というものは理解できない。そのために働くなんて、馬鹿げている。
 そんな風に思っていた時に出会ったのが、あの人だった。
 後に7Pと呼ばれるようになった女性、レイ。
 最初に出会った時、彼女はまだその素性を明かしていなかった。ただの幹部に近い立ち位置だとしか、フォレスも認識していなかったし、彼女に対して特別な思いなどはみじんもなかった。
 けれど、

(あの目……)

 まるで世界に絶望したかのような、世を捨てたかのような冷たい眼差しを見て、フォレスはいてもたってもいられなくなった。
 最初に思ったのは、彼女がなぜあのような目をしているのか。彼はその理由を調べるべく東奔西走し、最終的にプラズマ団で最も忌み嫌われている科学者の所へと向かった。
 会ってみれば思ったほど悪い人間ではなかったが、それはさておき。フォレスは科学者から、レイの過去を知った。その瞬間、納得し、理解する。あの目の理由を、嫌でも思い知らされる。
 それがフォレスの転機だった。彼はとにかく彼女のために、その一心で行動をしていた。そのための手段として、彼はまず、彼女と同じ立ち位置に立とうとした。
 その結果が7Pなどという大仰な位になってしまったことと、別れたはずの幼い彼女と再会したのは予想外だが、それでも彼は、やっとスタートに立ったのだ。
 彼女を幸せにする、などとは言わなくても、せめて、彼女にこの世の幸せを教えたい。この世界は、それほど絶望することばかりではないと知ってほしい。7Pになってから、彼はその一心だった。
 だが英雄たちとの決戦を控えて、彼は悟る。彼女は、自分ではどうしようもないくらいに追い詰められてしまっていることを。自分ではもうどうしようもないことを。そしてもう一つの問題、再会した彼女との関係が曖昧になりつつある事を。
 悩む時には悩むフォレスだが、決心して、覚悟を決めてからはさっぱりしたものだった。あの人については、自分には手が付けられない。だから、あの人が静かに対抗意識を燃やしている英雄側の暴君に任せることにした。彼ならば、もしかしたら彼女が求めている何かになれるかもしれない。
 そしてフォレス自身がなんとかしなくてはならないのは、幼い彼女との関係だ。プラズマ団などという組織が絡んでしまい、歪で、あやふやで、曖昧模糊な関係を、きっちりと正さなくてはならない。
 それが、不器用な自分にできる、精一杯で最大限のことだろうから——



 走馬灯のように流れた記憶を振り払い、フォレスは手にしたボールを雨中へと放り投げる。
「出番だ、アルデッパ!」
 フォレスの最後のポケモンは、水草ポケモン、アルデッパ。
 水生植物のような体を持ち、足は何本もの触手。腕は細いが手が大きく伸びている。何より目を引くのは大きな頭部と、ガバッと開いている大きな口。全体的に怪物のような恐ろしい意匠をしている。
「アルデッパかぁ。マイフィアンセには有利なポケモンだと思うんだけど、今まで出さなかったんだねぇ」
「まあな。こいつじゃなくても倒せるだろうとは思っていたし、なによりお前の最後のポケモンが分からない以上、エースは取っておきたい」
「ふぅん、まあいいけどね。キングドラ、クリアスモッグ」
 キングドラは口先から透明な煙を放つ。が、それはアルデッパへと放たれたものではなく、キングドラ自身を覆った。
「…………」
 フォレスはジッと、その様子を見つめている。
「ふふふ、こうすれば多少ダメージは受けちゃうけど、流星群で下がった能力値も元通りだ。というわけで、一気に決めさせてもらうよ。キングドラ、流星——」
「パワーウィップ」
 キングドラが暗雲にエネルギーを撃ち込むより早く、アルデッパの触手がキングドラを絡め取った。
「引き寄せろ!」
 そして思い切り引っ張り、キングドラはアルデッパの下まで引き寄せられた。
「アルデッパ、噛み砕く!」
 アルデッパは大口を開けて、引き寄せたキングドラに鋭い牙を喰い込ませる。
「パワーウィップ!」
 一度キングドラを解放するが、アルデッパはすぐに触手を叩き込んでキングドラを吹っ飛ばす。木の幹に叩き付けられたキングドラは、戦闘不能となっていた。
「……驚いた」
 ロキはキングドラをボールに戻しつつ、本当に驚いたような声を上げる。
「まさか、マイクイーンがこんなにも簡単にやられるなんて。これは真面目に謝らないと、どうやらボクは、君のことを舐めていたようだ」
 キングドラを戻したボールを仕舞い込むと、迷いなく最後のボールを取り出した。
「さっきはああ言ったけど、君がアルデッパを出した時、ボクはロズレイドを出すつもりだった。相性的にもそっちが有利だからなんだけど、それじゃあダメそうだ」
 取り出したボールを構え、ロキはまっすぐにアルデッパと、フォレスの姿を見据える。
「ここは君に対する礼儀と、ちゃんと勝つために、ボクのエース——マイエンプレスを呼ぶ必要があるみたいだね」
 そしてロキは、手にした最後のボールを、放り投げる。

「さぁ、出て来てくれ、マイエンプレス——クレセリア」

 ロキの最後のポケモンは、三日月ポケモン、クレセリア。
 流線型の体に三日月の衣装を取り入れた姿。脚部がなく、光の粒子を放っているベールのような薄紫色の羽を持つ。尻尾からは伸びるオーロラは長く、グラデーションのように煌めいており、三日月の化身を象徴している。
「伝説のポケモン、クレセリアだと……っ!?」
「まあね、ボクの最愛の人の忘れ形見ってところかな」
 驚愕するフォレスに対し、ロキは静かで、落ち着いていた。いつもの胡散臭い雰囲気はそこにはなく、むしろ神秘的で神々しさすら感じる。
「伝説のポケモンを持っていたのは驚きだが……クレセリアは、雨の中じゃあむしろ不利だろ」
 クレセリアは三日月の化身と呼ばれ、非常に守りの堅いポケモン。その守りの手段の一つには、月の光といった回復技も含まれているので、月と地上の間に雨雲を挟んでいる今、月の光はあまり届かない。
 つまり、不利とまではいかないまでも、雨を軸としたパーティーにクレセリアは合わないと、フォレスは指摘する。しかしロキは、
「いいんだよ、これは元々ボクのポケモンじゃない。だからボクの基本戦術から逸れていてもノープロブレムさ。マイエンプレスっていうのも、実はボクが勝手に言ってるだけだ。それに、彼女は月が隠れていても十分強いんだ。見てみなよ。彼女の光を」
 言ってロキは、クレセリアの尻尾から伸びるオーロラに視線を向ける。長くアーチを描くようなオーロラは、光り輝き、煌めいていた。
「雨が降ろうと風が吹こうと、嵐が巻き起ころうと、彼女はボクにとって、最強の女帝さ。それに、ボクら家族を象徴するものでもある」
「家族……」
 その単語に反応し、復唱するフォレス。何か思うところでもあるのかもしれない。
「ふふ、話が逸れてしまったというか、バトルが止まってしまったね。愛しのエンプレスを戦場に駆り出すのは心苦しいけど、さっきも言ったようにこれがボクの、君に対する敬意だ。全力以上で戦わせてもらうよ」
「……ああ、望むところだ」
 ロキとフォレス、両者のポケモンはそれぞれの相手をジッと見据え、静止したまま動かない。そんな時間が続き——
「クレセリア——!」
「アルデッパ——!」
 ——やがて、その時が動き出す。

Re: 536章 親友 ( No.786 )
日時: 2013/03/22 01:03
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

 ザキとミキ。セッカ支部を実質的に管理するこの兄妹がプラズマ団と戦う理由は、はっきり言って成り行きのようなものだった。
 そもそもこの二人がプラズマ団と戦う理由。それは、母親を見つけるというものだ。ロキの話によると母親は生きている。今は別の場所に姿をくらませているだけ。
 プラズマ団によって引き離された母親とは、プラズマ団と関わっていけば、その居場所が掴めるかもしれないと思い、今まで彼らは戦ってきた。だが、その必要はもうない。あとは母親を探せば、彼らの目的は達成されるのだ。
 だが一度始めた戦いだ。そんな簡単に投げ出すことは出来ない。だから成り行き、もしくは義理や筋と言ってもいいかもしれない。
「……だからさっさとお前らぶっ飛ばして、母さんを探しに行かねぇとな」
「なんですか? 何か言いましたか?」
「何もねぇよ。ちょっと家族について考えて他だけだ」
 家族、という単語に、レイは眉根を寄せる。非常に不愉快そうな眼差しで、ザキを睨み付けた。
「家族なんて……言ってしまえば他人です。いればいいというものではありません」
「そうかよ。だが俺は、母親を探さなくちゃならねぇんだ。それが俺の役目で、妹や、親友への償いでもある」
 言ってザキは、思い返す。母親を失った後の自分を。セッカの暴君と呼ばれていた時代を——



 ザキは一人、セッカの湿原で黄昏ていた。いや、荒れていたと表現すべきだろう。
 先日、プラズマ団という組織がセッカシティを襲った。まだあまり活動を見せない組織だったが、その時期にしては大規模な活動で、セッカシティを蹂躙していった。
 セッカシティは大きな損害を受け、町のいたる所は壊れたり崩れたりしている。町の住民は、皆その復旧作業に取り掛かっているところだ。
 だがザキはその活動に加わらず、一人でセッカの湿原を訪れている。なぜこの場所なのかというと、静かで誰も来ないからだ。ザキは毎日この場所を訪れては、一人でただぼうっとしている。何もせず、神経だけを尖らせて黄昏ていた。
 プラズマ団による騒ぎが収まった後、ザキは父親であるロキから一つの知らせを聞いた。
 母親は——ユキはプラズマ団との交戦中に、行方不明になったと。
 飄々としてふざけたところのある父親はあまり好いていなかったザキだが、母親は別だった。昔から粗野だったザキも、穏やかで優しい母親に対してだけは態度を軟化させていた。ザキだけではなく、ミキもそんなユキが好きだった。
 しかし、ユキは行方不明。まだ幼いザキとミキにとって、その事実は受け止めがたいものだった。絶望したと言えば簡単だが、実際はもっと様々な感情が、彼らの中には渦巻いていただろう。
 ユキが失踪してから数日。ミキはユキの代わりにと、家事をするようになった。ユキがいないから、代わりに自分が頑張るんだと、幼いながらも立派な振る舞いを見せた。
 対してザキは、荒れた。復旧作業も手伝わずに一人でぼうっとしている彼を諌める者には、容赦なく彼の拳が飛んできた。今の彼からは想像も出来ないだろうが、この頃のザキは、日常的にミキに暴力を振るっていたくらいだ。
 その荒れっぷりはセッカの暴君とまで呼ばれ、この時は誰も彼に近付こうとはしなかった。
 ただ、一人の少年を除いては。

「あれ? 君、こんなところでどうしたの?」

 突然、声をかけられた。もう誰も来ないと思っていたので少々驚き、ザキは後ろを向く。
 そこにいたのは、ザキと同い年ぐらいの少年だ。灰色のショートヘアーで、人の良さそうな凛々しい顔立ちをしている。
「って、よく見れば君、ザキ君じゃないか。僕のこと、覚えてる?」
「……誰だよ、お前」
 見たことがあるような気はするが、思い出せない。
「覚えてないかー。僕はキリハ。小さい頃、君とは家が隣同士だったんだよ。少し前に引っ越したんだけど、またこの町に戻って来たんだ」
 気さくにザキの隣へと腰かける少年、キリハはそのまま話を続けた。
「でも驚いたよ。まさかこの町がこんなことになってるなんて。僕も復旧作業を手伝ってるんだけど——」
「……消えろ」
「ん? なに?」
「邪魔なんだよ、お前。俺のことなんかほっといて、復旧作業でもなんでもして来いよ」
 今は一人にしておいて欲しい。その一心で、ザキは邪険な言葉を吐いた。
 すると、キリハはスクッと立ち上がり、
「うん、そうだね。じゃあ行こうか」
 手を差し出して、そんなことを言うのだった。
「どうしたの? 早く行こうよ」
「……お前、人の話聞いてたか? 俺のことなんてほっとけつってんだよ」
「いやいや、君もセッカシティの住民でしょ? だったら町の復旧作業くらい、手伝わないと。僕らはまだ子供だけど、出来ることだってあるはずだよ」
 どうやら、キリハはザキのことを知らないらしい。セッカの暴君のことを知らないがゆえに、こんなことが言えるのだろう。今や誰も、ザキに復旧作業を手伝えなどと言う者はいない。
「俺は行かねぇ」
「なんで? どこか具合でも悪いの?」
「そういうわけじゃねぇよ」
「だったら行こうよ。今は一刻でも早く町を元に戻さないと」
 キリハの言うことは正論なのだが、ザキとしてはその正論が酷く腹立たしく聞こえた。
「……警告は一回だからな。痛い目見たくなければ、もう俺に関わるな」
「いや、でもさ——」
「警告は一回っつったよな!」
 次の瞬間、ザキの拳が、キリハの顔面に向けて繰り出される——

パシィッ!

 ——が、寸でのところでその腕は掴まれた。
「っ!」
「——暴力はいけないよ、ザキ君。暴力でものを解決するのは、この街を襲ったプラズマ団と同じじゃないのかな?」
 キリハは強くザキの腕を握っている。二人はしばし睨み合ったが、やがてザキがキリハの手を振り払う。そして、立ち上がって踵を返した。
「どこ行くの?」
「帰るんだよ。お前みたいなやつとは、付き合ってらんねぇ」
 そう吐き捨てるように言って、ザキは歩を進めた。後ろからのキリハの声は、すべて無視だ。
 道中で天才などと呼ばれる少女に声をかけられたが、これも無視し、ザキはまっすぐ家に帰る。
 無言で扉を開くと、そこにはピンク色の髪をした小柄な少女。妹のミキがいた。
「あ……お兄ちゃん、お帰り……」
 ビクビクと、怯えたようにザキを見上げるミキ。ザキは睨むように彼女を一瞥すると、自室へと向かった。
「あ、あの。ご飯、出来てるよ……」
「いらねぇ」
 バタンッ、と拒絶するかのように強く扉を閉める。それっきり、ミキの声は聞こえなくなった。
(なんなんだ、あの野郎は……!)
 湿原で出会った少年の顔を思い浮かべ、腹立たしく思いながら、ザキはベッドに体をうずめた。

 翌日。ザキは湿原でキリハと出会い、復旧作業に誘われた。
 さらに翌日、家の前にキリハが待ち構えており、復旧作業に誘われた。
 そのさらに翌日、キリハがザキの家を訪ね部屋の中まで入られ、復旧作業に誘われた。
 そしてさらにまたその翌日。
「いい加減にしろよお前!」
 セッカに湿原にて、ザキはキリハを怒鳴りつけていた。
「なんでそんなにしつこく俺に付きまとうんだよ!」
「だって、ザキ君がなかなか復旧作業を手伝ってくれないから」
「俺はそんなもんには加わらねぇ! 何度も言っただろうが!」
「なんで?」
「なんでって、そりゃぁ……」
 しかし、言葉が続かなかった。だがキリハは、質問を押してくる。
「君が参加しない理由は聞いてないよ。それを聞かないと、僕も納得できないなあ」
「……なんだっていいだろ、んなもん」
 吐き捨てるようにザキは言う。それに対してキリハは、言葉を返す。
「良くないよ。何も言わないのは、復旧作業を手伝わないことにしてもそうだし——君についてもそうだ」
「あ?」
 予想外の言葉に、ザキは呆けたように口を開く。
「君は、何かを一人で抱えているよね。復旧作業を手伝ってくれないのも、それが理由かな。聞けば君、ここ何週間か、ずっとこの湿原に一人でいるみたいじゃないか。一人いつまでも抱えていられるのならいいけど、話を聞く限り、そういうものじゃなさそうだね」
「……お前には関係ない」
 キリハの言葉に対して、ザキは反論できなかった。だからせめてもの抵抗として、拒絶の意志を表す。
 だが、キリハはそんな拒絶をものともしなかった。
「そうだね、関係ないよ。でも、君が話してくれればそれは僕に関係のある話になる。君の力になりたい、なんて流石に人が良すぎるけど、僕は君のことが知りたいんだよ、きっと」
「……!」
 その言葉に胸を打たれた、などと表現するほどザキは乙女チックではないだろう。だがそんなキリハの言葉が、彼を変える契機になったのは確かだ。
 ザキはしばらく黙り込み、そして、
「……ムカつく野郎だ。分かったよ! そんなに知りたきゃ教えてやる!」 
 自棄になったかのように、キリハに自分の全てを話す。自分のこと、妹のこと、父親のこと——そして、母親のことも、全部。
 キリハは滅茶苦茶で支離滅裂で荒唐無稽なザキの言葉を、黙って聞いていた。



 その日、ザキとキリハは湿原で一夜を過ごした。話の内容は、他愛もないことばかり。どうでもいいことばかりだ。
 だが、この一夜が、セッカから一人の暴君を変える出来事となった。それを知る者は、その場にいた二人だけだ——

Re537章 研究者 ( No.787 )
日時: 2013/03/22 15:34
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

 イリゼの最後のポケモンは、火口ポケモン、ヒードラン
 トカゲのような姿に溶岩を思わせる体色と特徴的な斑点模様。体の各所には、溶けているものもあるが金属的な装甲がいくつも見て取れる。
「ヒードラン……!」
 アシドはイリゼの最後のポケモンを見て、眉根を寄せた。
「ああ、悪ぃな。本来ならガンガン殴り合いたいところだが、スモーガスの攻撃はヒードランには届かねぇぜ」
 ヒードランは炎と鋼の複合タイプ。加えて特性は貰い火だ。そのため、スモーガスの覚えているアシッドボム、毒煙幕、噴火……この三つの技は、ヒードランには完全に無力化されてしまう。
「ケヒャハハハ……こりゃあ詰んだな。ま、前代英雄のエースがお披露目になっただけでもいいとすっか」
 いつもよりも力なく笑い、アシドは諦めたように肩を竦める。
「にしても、流石に驚いたぜ。まさか伝説のポケモンを持ってやがるとはな……本来なら日本晴れで噴火を強化するつもりだったのに、この様だしよ。結局、僕は最弱のままってわけか」
「そう自分を卑下すんな。お前は十分強いっつってんだろ。三対三じゃなければ、もっといいバトルができたかもしれねぇぜ」
「どうだか」
 攻撃手段がなくなってしまったスモーガスも目を瞑り、降参と言いたげな様子だ。
「……無抵抗の奴を攻撃するのも気が引けるが、しゃーねぇ。ヒードラン、マグマストーム!」
 ヒードランは溶岩の嵐を放ち、スモーガスを閉じ込める。
「マグマアクセル!」
 そして今度は灼熱の炎を身に纏って、高速で動き回り、スモーガスに突撃。スモーガスはマグマストームの継続ダメージを受けながら、壁に叩き付けられた。
「スターダスト!」
 直後、虚空から何発もの鋼鉄の隕石が降り注ぐ。マグマストームに拘束され、まともに動けないスモーガスは、全弾漏らさず直撃を喰らった。
「ソーラービームだ!」
 砂煙が舞い、それを突き抜けてスモーガスを狙い撃つのは、太陽の光を吸収した光線。効果は四分の一だが、ヒードランの特攻が高いため、ダメージはそこそこ。
「マグマアクセル!」
 炎を纏い、ヒードランは室内を縦横無尽に動き回りながらスモーガスに突撃。四方八方からスモーガスを襲う。
 そんな状態のスモーガスを見て——いや見ずに、アシドは部屋の奥、一つの机へと歩を進めた。
 かなり散らかっている机上をがさごそと探り、一つの球体を掴む。それを白衣のポケットに押し込んで、踵を返した。
「ヒードラン、マグマストーム!」
 アシドが戻った時には、決着が着いていた。
 煮え滾る灼熱の溶岩の嵐を受け、スモーガスは吹き飛ばされる。
 地面落下したスモーガスは、戦闘不能となっていた。
「……実験失敗。戻れスモーガス」
 アシドはスモーガスをボールに戻し、そのボールを白衣のポケットに押し込んだ。
「あーあ、負けちまった。もうこりゃ、僕はプラズマ団にいられねーなー」
 わざとらしく、アシドは大きな声でそんな事を言う。イリゼはヒードランをボールに戻しながら、それを聞いていた。
「それに、どうせキュレムを復活させようとさせまいと、英雄が止めちまうんだろ? なぁ、前代英雄」
「……そうだな。俺の息子が、なんとかするはずだぜ」
「ならいいんだ……出て来い、ジバコイル」
 アシドは白衣のポケットから違うボールを掴み、ジバコイルを出した。そしてどこからか鉄の棒を二本取り出すと、磁力でそれをジバコイルへと取り付ける。三対三のバトルにしたのは、ジバコイルに乗って消えるためだったようだ。
「……お前は、僕のこと捕まえたりしねえのか?」
 ジバコイルに乗ると、振り向き様にアシドはそんなことを言った。意イリゼはそれに対して首を縦に振り、
「あぁ。お前が国際警察に捕まったら、再戦できなくなっちまうだろ? それにお前のことだ。どうせ逃げ切る算段でも立ててんじゃねぇのか?」
「初対面だってのに、全部お見通しかよ……流石は真実の英雄だ。前代でもその力は健在ってか」
 呆れたように溜息を吐くアシド。彼は一旦イリゼから視線を外し、目の前の壁を見据える。
「……ジバコイル、ロックオン」
 そうジバコイルに指示を出し、ジバコイルも壁の一点に狙いを定める。そして、

「電磁砲」

 直後、研究所の壁が吹き飛んだ。
 ロックオンで壁の最も脆い部分に狙いを定め、その一点に向けて最大火力の電磁砲を撃ち込む。その一連の動作で、研究所の壁は跡形もなく崩れ去ってしまった。
「そんじゃー僕はもう行くけどよ、一つ、お願いしてもいいか?」
「……? なんだ?」
 いつもは命令口調のアシドが、お願いと言うのだ。よっぽどのことなのだろうと思い、イリゼは問い返す。
「キュレムの封印は絶対に解くな。あいつが復活したら、冗談抜きで世界は終わるぞ」
 至極真面目な眼差しを、アシドはイリゼに向ける。
「僕もプラズマ団だった頃は、キュレム復活のために色々なことをしたさ。キュレムっつー存在も、僕にとってはいい研究対象だったしな。だが、あいつの存在はマジでやばい。地上最強のドラゴンポケモンっつー肩書は伊達じゃねぇ。あんなのがゲーチスに利用された日には、世界なんて三日で征服されちまう」
「…………」
 いつになく真剣で、どこか必死さを漂わせるアシドの言葉を、イリゼは黙って聞いている。
「正直、僕は世界を一度征服した方が、どんなものでも研究しやすいと考えていた。けどな、最近気付いたんだ。誰にも支配されていないからこそ、この世界は面白いし、研究のし甲斐もあるってな」
 だから、とアシドは繋げ、
「絶対にキュレムの復活を止めろ。そうすれば、再戦でもなんでも受けてやる。だから頼む、前代英雄——いや、イリゼ」
 まっすぐにイリゼを見つめるアシドに対し、イリゼは、
「……んなこと、言われるまでもなく分かってるっつーの。キュレムの復活は止める。絶対だ」
 と、返した。
 その返しに、アシドはいつものように笑う。
「ケヒャハハハ! それは良かった。ま、お前や英雄なら止められるんだろうが、念のためだ。こいつを持ってけ」
 アシドは白衣のポケットから、机にあった球状の物体を取り出してイリゼに投げ渡す。イリゼはパシッとそれをキャッチし、
「っ!?」
 刹那、その顔が驚愕の表情へと変わる。
「な、なんでお前がこんなもん持ってんだよ……」
「ケヒャハハハ! 言ったろ、僕はグレイトでジーニアスな科学者だってよ。設計図と材料があれば大抵のものは作れら。シルフカンパニーのデータをハッキングして、なんかあった時のために作っといたんだが、こんな場面で使う可能性が出て来るとはな。ケヒャハハハ!」
 驚くイリゼに対して、愉快そうに笑うアシド。いつもの調子が出て来たのだろうか。
「ま、それは保険みてーなもんだ。使わずに済むならそれでいい。じゃぁな、前代英雄」
 そう言って、アシドはジバコイルと共に研究所から飛び出してしまった。恐らく空中都市から——いや、ひょっとするとイッシュからも出て行ってしまうつもりなのかもしれない。
「キュレムの復活を止める、か……任されたぜ」
 イリゼは渡された球体をポケットの中に押し込み、踵を返す。
 英雄としての役目は終わったと思っていた。だが、まだ続けられることがある。なら、最後まで続けるべきだ。
 そう思いながら、イリゼは研究所から出た。多くの戦いが巻き起こり、殺伐とした空中都市だが、空には平和な青空が広がっている。

「にしても、研究者か……ああいうのも、面白そうだな」

 今から別の道を歩むのもいいかもしれねぇ、とイリゼは小さく呟いた。

Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ( No.788 )
日時: 2013/03/22 12:29
名前: 大光 ◆HynV8xBjBc (ID: sGOoTy5n)

欠点を一つ取ったものの、留年の危機を免れて進級することができた大光です。
それぞれの者たちが因縁の戦いを繰り広げられていますね。しかし、ガイアがまさかの女で、解放も今回で二回目とは。頻繁に解放をするとよからぬ噂がたってしまいそうですね。キュレムの刻印で性転換が起こるのは凄いですが、黒い任天堂名高いポケモンならば、ありかなと思ってしまいました。
7Pの過去が明かされ始めましたが、フォレスは昔からめちゃいい人じぁないですか。一体どこで一旦ヘタレになってしまったのでしょうか。しかし、仏心でフレイを救ったとはいえ、血縁者でもないのに十歳近く歳の離れた少女の世話をするのとは....。
ザキの「セッカの暴君」は、心が物凄く荒れていたときのザキのことをさす言葉なんですか。軽い気持ちで使うべき言葉ではありませんね…。

Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ( No.789 )
日時: 2013/03/22 19:03
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

大光さん


 おめでとうございます。白黒もなんとか進級(仮)にはならず、普通に進級できました。
 ガイアは役割上、解放することがほとんどないため、今回で二回目です。一回目は刻印が刻まれた時ですね。
 しかし、解放したら名前はザートなので、結局ガイアはガイアとしては最後まで活躍せずに終わりましたね。
 確かに、こうしてみるとフォレスがどこでヘタレになったのか疑問ですね。それでも、主人公よりよっぽど主人公染みていますが。
 最初は蔑称だったけど、途中から愛称として定着させるのもありかとは思います。まあ、ザキ自身はいい顔はしないでしょうが。


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