二次創作小説(紙ほか)
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- デュエル・マスターズ D・ステラ 【侵略世界編】
- 日時: 2017/01/16 20:03
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
【読者の皆様へ】
はい、どうも。二次版でお馴染み(?)となっているタクと申します。今回の小説は前作の”デュエル・マスターズ0・メモリー”の続編となっております。恐らく、こちらから読んだ方がより分かりやすいと思いますが、過去の文というだけあって拙いです。今も十分拙いですが。
今作は、前作とは違ってオリカを更にメインに見据えたストーリーとなっています。ストーリーも相も変わらず行き当たりばったりになるかもしれませんが、応援よろしくお願いします。
また、最近デュエマvaultというサイトに出没します。Likaonというハンドルネームで活動しているので、作者と対戦をしたい方はお気軽にどうぞ。
”新たなるデュエル、駆け抜けろ新時代! そして、超古代の系譜が目覚めるとき、デュエマは新たな次元へ!”
『星の英雄編』
第一章:月下転生
Act0:プロローグとモノローグ
>>01
Act1:月と太陽
>>04 >>05 >>06
Act2:対価と取引
>>07
Act3:焦燥と制限時間
>>08 >>10
Act4:月英雄と尾英雄
>>13
Act5:決闘と駆け引き
>>14 >>15 >>18
Act6:九尾と憎悪
>>19 >>21
Act7:暁の光と幻の炎
>>22 >>23
Act8:九尾と玉兎
>>25
第二章:一角獣
Act1:デュエルは芸術か?
>>27 >>28 >>29
Act2:狩猟者は皮肉か?
>>30 >>31 >>32 >>33
Act3:龍は何度連鎖するか?
>>36 >>37
Act4:一角獣は女好きか?
>>38 >>39 >>41 >>42 >>43 >>44 >>45
Act5:龍は死して尚生き続けるか?
>>48
第三章:骸骨龍
Act1:接触・アヴィオール
>>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55
Act2:追憶・白陽/療養・クレセント
>>56 >>57
Act3:疾走・トラックチェイス
>>66
Act4:怨炎・アヴィオール
>>67 >>68
Act5:武装・星の力
>>69 >>70
Act6:接近・次なる影
>>73
第四章:長靴を履いた猫
Act1:記憶×触発
>>74 >>75 >>76 >>77
Act2:龍素力学×龍脈術=3D龍解
>>78 >>79 >>80
Act3:捨て猫×少女=飼い猫?
>>81 >>82
Act4:リターン・オブ・サバイバー
>>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90
Act5:格の差
>>91 >>92 >>93 >>104
Act6:二つの解
>>107 >>108 >>109 >>110
Act7:大地を潤す者=大地を荒らす者
>>111 >>112 >>113
Act8:結末=QED
>>114
第五章:英雄集結
Act1:星の下で
>>117 >>118 >>119
Act2:レンの傷跡
>>127 >>128 >>129
Act3:警戒
>>130 >>131 >>132
Act4:策略
>>134 >>135
Act5:強襲
>>136
Act6:破滅の戦略
>>137 >>138 >>143
Act7:不死鳥の秘技
>>144 >>145 >>146
Act8:痛み分け、そして反撃へ
>>147
Act9:fire fly
>>177 >>178 >>179 >>180 >>181
Act10:決戦へ
>>182 >>184 >>185 >>187
Act11:暁の太陽に勝利を望む
>>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>193 >>194 >>195
Act12:真相
>>196 >>198
Act13:武装・地獄の黒龍
>>200 >>201 >>202 >>203
Act14:近づく星
>>204
『列島予選編』
第六章:革命への道筋
Act0:侵攻する略奪者
>>207
Act1:鎧龍サマートーナメント
>>208 >>209
Act2:開幕
>>215 >>217 >>218
Act3:特訓
>>219 >>220 >>221
Act4:休息
>>222 >>223
Act5:対決・一角獣対玉兎
>>224 >>226
Act6:最後の夜
>>228 >>229
Act7:鎧龍頂上決戦
Part1:無法の盾刃
>>230 >>231 >>232 >>233 >>234 >>235 >>236 >>239
Part2:ダイチの支配者、再び
>>240 >>241 >>242 >>243 >>244 >>245 >>246 >>247 >>248 >>250
Part3:燃える革命
>>252 >>253 >>254 >>255 >>256
Part4:轟く侵略
>>257 >>258 >>259 >>260 >>261
Act8:次なる舞台へ
>>262
第七章:世界への切符
Act1:紡ぐ言の葉
>>263 >>264 >>265 >>266 >>267 >>268 >>270
Act2:暁ヒナタという少年
>>272 >>273
Act3:ヒナとナナ
>>275 >>276 >>277 >>278 >>279 >>280 >>281
Act4:誓いのサングラス
>>282 >>283 >>284 >>285
Act5:天王/魔王VS超戦/地獄
>>286 >>287 >>295 >>296 >>297 >>298 >>301 >>302 >>303 >>304 >>305
Act6:伝説/閃龍VS獅子/必勝
>>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>323
Act7:青天霹靂
>>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331
Act8:揺らぐ言の葉
>>332 >>333 >>334 >>335 >>336
Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神
>>337 >>338 >>339 >>340 >>341 >>342 >>343
Act10:伝える言の葉
>>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351
Act11:連鎖反応
>>352
『侵略世界編』
第八章:束の間の日常
Act1:揺らめく影
>>353 >>354 >>359 >>360 >>361 >>362
Act2:疑惑
>>363 >>364
Act3:ニューヨークからの来訪者
>>367 >>368 >>369 >>370 >>371
Act4:躙られた思い
>>374 >>375 >>376 >>377
Act5:貴方の為に
>>378 >>379 >>380 >>381 >>384 >>386
Act6:ディストーション 〜歪な戦慄〜
>>387 >>388 >>389
Act7:武装・天命の騎士
>>390 >>391
Act8:冥獣の思惑
>>392
Act9:終演、そして——
>>393
第九章:侵略の一手
Act0:開幕、D・ステラ
>>396
Act1:ウィザード
>>397 >>398
Act2:ギャンブル・パーティー
>>399 >>400 >>401
Act3:再燃
>>402 >>403 >>404
Act4:奇天烈の侵略者
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>411
Act5:確率の支配者
>>412 >>413
Act6:不滅の銀河
>>414 >>415
Act7:開始地点
>>416
第十章:剣と刃
Act1:漆黒近衛隊(エボニーロイヤル)
>>423 >>424
Act2:シャノン
>>425 >>426
Act3:賢王の邪悪龍
>>427 >>428 >>429
Act4:増殖
>>430 >>431 >>435 >>436 >>438 >>439 >>440 >>441 >>442
Act5:封じられし栄冠
>>444
短編:本編のシリアスさに疲れたらこちらで口直し。ギャグ中心なので存分に笑ってくださいませ。
また、時系列を明記したので、これらの章を読んでから閲覧することをお勧めします。
短編1:そして伝説へ……行けるの、これ
時系列:第一章の後
>>62 >>63 >>64 >>65
短編2:てめーが不幸なのは義務であって
時系列:第三章の後
>>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103
短編3:文化祭(と言えば聞こえは良いが要は唯のスクランブル)
時系列:第四章の後
>>120 >>121 >>122 >>123 >>124 >>125 >>126
短編4:十六夜ノゾムの災厄な一日
時系列:第四章の後
>>149 >>150 >>153 >>154 >>155 >>156
短編5:恋情パラレル
時系列:第四章の後
>>157 >>158 >>159 >>160 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>173 >>174 >>175 >>176
短編6:Re・探偵パラレル
時系列:平行世界
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422
エイプリルフール2016
>>299 >>300
謹賀新年2017
>>443
登場人物
>>9
※ネタバレ注意。更新されている回を全部読んでからみることをお勧めします
オリジナルカード紹介
(1)>>96 (2)>>271
※ネタバレ注意につき、各章を読み終わってから閲覧することをお勧めします。
お知らせ
16/8/28:オリカ紹介2更新
- Act1:揺らめく影 ( No.362 )
- 日時: 2016/08/28 02:06
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
***
デュエルはレンが勝利した。
圧倒的なステラアームドの力を前にして。それはもう容赦の無い屠り方であった。
ステラアームドを持っていない一般生徒相手にこれをぶつけるとは、流石レンである。
「くっ、そんな馬鹿な……この俺がいとも簡単に……良いだろう、負けを認めよう……」
言った彼は立ち上がる。
そして、ふらふらとその場を去ろうとする。かなり憔悴しているというか、大袈裟な仕草で明らかにダメージを食らったような表情で彼はコトハの方に向き直って言う。
「グッバイ、愛しのマイシスター……お兄ちゃんは、クールに去るぜ」
「……」
——一体、今ので何のダメージを食らったのだろう……。
——レン。お前は気にしなくて良いぞ。
——……。
しかし。そんな中、声を掛けたのは——
「ねえ、待ちなさいよ」
——意外にも、コトハであった。
駆け寄ると、兄に彼女は言い聞かせるように語る。
「確かに兄貴には酷いこと言ったりとかしたけど……それはあんたがやりすぎるからよ。いつも。ちょっと自重してくれればいいのに。兄貴が心配性なのは今に始まったことじゃないんだから、あたしはそれでいいわ」
「俺は……お前が心配なんだ。女の子のお前が、危ない目に遭わないか、それを考えると来る日も来る日も不安で……」
「もうあたしは、あんたが思ってる程子供じゃないわ。確かに、まだ中学生だけど。もう大きくなったんだもの。ヒナタもレンもいるし、あたしはもう大丈夫よ」
「……コトハ」
「だから安心して、距離を置いて見守ってくれれば——それでいいの。……後、他の人に迷惑を掛けさえしなければ」
がくり、と膝をつくとうっ、うっ、とシュウヤは溜飲を飲んで涙を流す。
「ちょっと、泣かなくてもいいじゃない」
「コトハ……大きくなって……去年くらいまでは口も利いてくれなくて、本格的に嫌われてると思ってて……やっとこの間から真っ当に口を利いてくれるようになった途端にお前が色気づいてたから……不安になって」
嫌ってばかりだった兄だったが、度が過ぎるだけで心配性なだけだったのだ。
コトハもまた、それを理解していた。
……理解していたからこそ、他人に迷惑を掛けるような真似は止めて欲しかったのであるが。
「だからさ。こういうことさえやめてくれれば、良いのよ。恥ずかしいし……普通に、兄として接してくれるならそれで良いんだってば」
頷くシュウヤ。
それに対し、微笑んでコトハは返してみせる。
「……だって、あんたは世界に1人しかいないあたしの兄貴なんだから」
「そうだな……そうするよ。今度から、愛の狩人としてお前を」
「兄貴」
「すいませんでした」
画して。
このシスコン兄貴が起こした一連の事件は一旦収束に向かったのである——
——いや、何か良い感じの話で締めようとしているが、この兄の処遇はどうするのだ。
——良いんじゃねえの? 別にさ。あいつも、向き合おうとしてるんだよ。
***
画して。負けを認め、コトハとも和解したような形になったシュウヤは先に帰り、3人はぎりぎりまでデッキ調整をしていたのだった。
「今日は皆に迷惑掛けちゃったわね。特にレン」
「僕は別に問題は無い。新しいデッキの調整が出来たので丁度良かった」
『流石黒鳥レン。実に素晴らしいデュエルでしたよ』
「僕はまだ未熟だ。そう褒めるな」
「だけど圧倒的だよなあ……ドラグハート。こっからさらに、相手が侵略なら革命も生きてくるわけだろ?」
「シールドが減るから、まあそうなるな」
彼のヘルボロフデッキは、チャージャーを積めばマナもある程度伸びやすいらしく、実戦での応用力はかなり高いらしかった。
「俺達もレンに負けないように頑張らねえとな、白陽!」
『全くだな。お前には絶対に負けんぞ、アヴィオール』
『クックッ、白陽。ボク達も更に強くなるのでそのつもりでお願いしますよ?』
『僕達も頑張らないと、ですにゃ! コトハ様!』
「そうね。ヒナタ! あたし達がライバルってのは、変わらないんだから!」
「ああ、それだけは絶対に変わらねえよ!」
「僕の事も忘れては困る。D・ステラで鎧龍が世界一になった暁には、貴様等も斃し、僕が頂点に立つ。闇の美学の下に、な」
少し、関係は変わったかもしれない。
しかし、この3人がライバル同士というのは3人がデュエリストである限り不変の事実だ。
案外——レンの心配は杞憂で終わったのである。
——やれやれ。僕もまだ未熟だな。
***
さて、レンとも別れて再び2人きりになる。
少し暗くなった空の下を、ヒナタとコトハは歩いていた。
「兄貴も根は悪い奴じゃないのよ……ちょっと色々拗らせてるだけで」
「分かってるよ。かなりアレだけど」
「……昔は仲良かったわよ。でも、年頃の妹に少し過干渉過ぎるんだもの」
と、そこで2人は立ち止まる。
夕暮れの小道で、2人は辺りを見回した。
「なあ、コトハ。少しおかしくねえか?」
「……奇遇ね。あたしもそう思ってた」
『気を付けてくださいにゃ……!』
『何かが、”来る”……!』
次の瞬間、空が斑に変わる。
そして——道行く人々の姿が消えた。
周囲は異様な空気に包まれており、自分たち以外がこの空間に居ないという事実が不安を煽りたてる。
「これって……!! 前にもあったわよね!?」
「周囲の空間と俺達のいる此処が分離してるって奴だろ!? 一体、どこのどいつが……!?」
「あ、先輩方!」
たったっ、と誰かが駆けてくる。
近づいて来る声、そして姿形から見るに——それはホタルのようだった。
「ホタル!」
「あんたも巻き込まれたの!?」
「そ、そうなんですよ……困っちゃいますよね、これ。いったい、どんなクリーチャーがこんなものを……」
『全く、怪しからんわい』
はぁ、と溜息を困ったようにつくホタル。どうやら彼女もいきなり巻き込まれた形になったらしい。ハーシェルも近くにいる。彼女を守るようにして傍にいた。
ヒナタのシャツの袖を掴むと続ける。
「……後、先輩。ノゾムさんは見ませんでしたか? いれば良かったんですけど……」
『全く何処に行ったのやら、じゃのう』
「? いなかったぞ。俺達は見てない」
「そうね。今日はまだ見てないわ」
そうですかぁ……と残念そうに彼女は言った。
そして——
「——それじゃあ、少し動かないでくださいね。先輩」
——次の瞬間。
ヒナタの肩を貫いていたのは、他でもないハーシェルの一本角だった——
- Act2:疑惑 ( No.363 )
- 日時: 2016/08/28 13:08
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
声にならない絶叫が響き渡る。
角が肩から抜かれると、同時にヒナタは地面で余りの痛みにのたうち回っていた。涙で顔が濡れ、気を失う程に強い激痛を無意識に抑えるためか、右腕を左手で掴んで悶えていた。
「ヒナタ!! ヒナタ!? 」
『じっとしていてくださいにゃ! ま、麻酔を! アスクレピオスの魔法陣!!』
言うと同時に製薬能力を使い、麻酔薬を精製しようとするニャンクス。そして、生み出されたそれを傷口へ直接魔力の弾として撃ち込んだ。
一方、
『おのれ貴様等……許さん!!』
飛び出したのは白陽である。
呪符を大量にばら撒き、それらがビットの如くハーシェルとホタルを追い越したかと思えば、背後から追尾していく——
「——ハーシェル」
『むんっ!!』
——しかし次の瞬間、障壁が現れる。
そして、地面を蹴ると同時に呪符が後ろから迫ってくるにも拘らず、その方向へ後退した2人は、それらを展開した障壁で全て跳ね返すと余裕そうな笑みを浮かべた。
『こいつ……流石ハーシェルだ。何と言う硬さ……!! 誘爆系の技ではやはり効果が薄いか!!』
「い、いつつつつ……ぎゃあああああ、肩にぽっかり穴が開いてるぅぅぅーっ!?」
ようやく痛みの引いたヒナタが、真っ青になって傷口を見て絶叫する。(かなり強い)局所麻酔と鎮静剤を使ったからか、冷静になったのは良いが、それと同時に自分の置かれている状況のヤバさを再確認した。
『僕はハーシェル様じゃないから、怪我を即座に治す事は出来ませんけど……』
ブレザーとシャツを脱がせ、傷口を露出させる。
ヒナタは再び驚くことになった。
骨が露出しており、血は噴き出し、とてもグロテスクになっている。
『動かないでくださいにゃ』
「や、やべえ、これ麻酔掛けてるんだよな? それでもじんじん痛みが……」
『……”白蛇の祝福”!!』
次の瞬間、傷口から肉芽が現れる。
白蛇の祝福は、ニャンクス曰くその生物の自然治癒力を早めるという魔力薬で、ハーシェルのように即効で治せるわけではないが綺麗に後遺症もなく怪我を治せるという優れものらしかった。
『後はそのまま、安静に!』
「いや、だけど——このまま奴らに1発……!!」
「駄目だからね!?」
「わ、分かったから……」
「麻酔で麻痺してるからしばらく右腕は使えないかもですにゃ」
『ニャンクス! ダメだ、こいつら……! 強い……!』
こちらへ引き下がってきた白陽が息を切らせながら言う。
ホタルとハーシェルは、表情を変えずに言い放った。
「……先輩方。くれぐれも私の邪魔はしないでくださいね? それだけ警告しておきます」
『さもなくば——今度は左胸を我が角が貫くだろう……』
そう告げると——深淵に包まれて彼らはその場から消失する。
同時に、空間も解除され、後には疲労で息を切らせるヒナタと、コトハの姿があった——
「な、何でホタルが……!!」
「分からねぇ……! 痛つつつ……傷がやっぱ、疼くな……」
もう、すっかり日も暮れていた。
周りには誰も居ない。此処から推測されるのは、あの空間を開いたのはホタルで、自分たちは彼女に警告されたという形になったこと。
『ともかく、応急処置を、ですにゃ!』
「うお、救急箱とか持ってたのかお前」
「許さない……ヒナタにこんなことを……」
「お、落ち着けってコトハ」
小さくなってきた傷口に、消毒液を付けたガーゼを押し当て、包帯を巻きつける。
後はこれで、さっきの白蛇の祝福もあって、2日もすれば完治するらしかった。
しかし、それでも収まらないのはコトハだ。
露骨に怒りを表している。
「……でも、信じられない。ホタルちゃんがこんなことをするなんて……」
「……様子がおかしかった。それに、マナの動きもあいつらとは若干違っていた」
『ヒナタの言う通りだ。”似て非なる”と言ったところか』
「だけど、それじゃああれは一体何!? ホタルちゃんとハーシェルの人格までそっくりに似せてたし……」
「どっちにしたって、仲間は疑えねえよ。幾ら目の前に居たのが瓜二つでも、魔力の動きがちょっとでも違えばそいつは別人だ。奴らは何かのクリーチャーだと俺は思ってる」
「……」
「どっちにしたって、俺は良かったよ。お前に怪我も何も無くてさ。代わりにお前に怪我があったりしたら、それこそ俺は、お前の兄貴に合わせる顔がねぇよ。だから、これで良かったんだ。2人共無事だった以上、後は犯人をとっちめればいい」
「……」
彼女は押し黙る。
そして、ヒナタの方を見据えた。
「——悔しいよ……それでも」
途中まで、完全に姿形が同じこと、喋り方が同じ事で気を許した。
本性を現した辺りでようやくマナの流れが微妙に違うと気付いた程だった。
「……あたしだって、そんなの同じ気持ちだよ。今ヒナタが受けた痛みを、あたしが代わりに受けてやれれば——」
「だけど、もしもお前が怪我なんかしたら——それこそ俺は——」
「分かってるわよ。……だから、あたしも守れる人になりたい。守られるだけじゃなくて——あんたみたいな人間に」
そう言うと、彼女は歩を速める。
「……ごめん。ちょっと疲れちゃった。変よね。頑張ったのはヒナタの方なのに。先に、帰るわ」
ふらり、と彼女はバス停の方まで駆けていく。
その後ろ姿を見るのは、とても辛かった——
***
「……一体、誰がこんなことを」
『分からない……今のままでは、さっぱりだ』
机に突っ伏しながら、ヒナタは言った。
上手く家族に完治するまでに怪我を隠し通せるだろうか。
ニャンクスの薬が効いたのは間違いないが。
「白陽……お前はどう思う」
『どう、とは何だ』
「もしもクレセントがお前を庇って傷ついた時は——どうするんだ。今日は、俺が一方的に狙われてやられたから少しちげーけど……」
『……分からない。死ぬ時は一緒だ、と決めた仲だ。それに、我々なら力を合わせれば大抵の敵は倒せる』
「……それもそーだったな」
『今までにそういう場面が無かっただけに、私でも分からんが』
しかし、どういうことだ、と白陽は言った。
『やはり私には、あの2人のマナがかなりホタルとハーシェルに似ていたことに違和感を隠せない。クリーチャーが化けていた可能性を考えることは出来るが、そうなれば奴は一体——? 幾らなんでも、あそこまで魔力の流れをコピーは出来ないはずだ。微妙には違うから偽物だとは分かったが……』
ともかく明日。
ホタルやノゾム、そしてレンも集めて話す必要がありそうだ。
後、余り呼びたくはないがフジも呼んで——
- Act2:疑惑 ( No.364 )
- 日時: 2016/08/29 07:21
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
「——私が先輩達を?」
翌日の放課後。武闘ビルにレンとノゾム、そしてホタルを呼び出すことになった。フジも勿論一緒だ。
そして早速、ヒナタは昨日の出来事をホタルに伝える。
それを一通り聞いた彼女はうんざりしたような表情で言った。
「……有り得ないです。言いがかりはやめてください」
「先輩も何言いだすんすか!! ホタルがそんなことをするわけないっすよ!」
「言いがかりってそんな。例えじゃねえ。本当に、お前とよく似た奴だって言っただろ。姿形、声も全く同じだったらしいけど、微妙に魔力の流れが違ってた。それに角で刺されたってのも事実だ。だけど、お前本人じゃねえってことも確かなんだ」
「な、何だ……そういうことだったんすか」
現に、と言ってヒナタはカッターシャツを脱ぐ。その下はランニングシャツで、肩が露出してるが——包帯とガーゼで巻かれていた。そこには、血がにじんでいる。
それを全て取って、ヒナタは傷口を見せた。
確かに両面貫通しており、形もある程度太くて先がとがったもので突き刺されたような形状だ。今はもう、ニャンクスの薬のおかげもあってか治りかけていたとはいえ、まだくっきりと跡が残っている。
更に、抉られたような傷の形も、螺旋状に渦を巻いているハーシェルの角で刺されたことをはっきりと示していた。
『むぅ……ヌシの言う事に嘘は無い。真実じゃろう。こんな傷は、ワシの角に突かれでもしなければ出来んだろうな』
「その言い方だと——」
『無論だ。ワシらが何故ヌシらを襲うのだ。理由が無いじゃろう』
「だよな。ちょっとでも疑うような言い方になったなら謝る。一応確認のために、な」
「……酷いです。私達の姿でそんなことをするなんて……」
「ああ。ぜってー許さねえ!」
悲しそうな表情を浮かべるホタルに、露骨に怒りを見せるノゾム。
当然と言えた。
さて、此処まで黙っていたフジがようやく口を開く。
「ヒナタ。如月。そいつらは何か言っていたか?」
「”先輩方、私達の邪魔をしないでください”ってところですね……気になるのは」
「邪魔って何の邪魔だろ。つか、呼び方まで同じって」
『それが分かれば、敵の目的も分かるのだがのう。残念じゃて』
「しかもマナの色、形も似ているのか……しかし、あくまでも似ているだけ程度らしいが。やれやれ。世界に行く前に、もう一仕事ってところだな。日本を離れる前に、今回の件は絶対に解決せねばならん」
「……ヒナタ先輩、如月先輩!」
必死な表情を浮かべて、名乗りを上げたのはホタルだ。
何をしようとしているのは、もう2人には分かっていた。
「——今回の事件、私が必ず真相を突き留めます!」
全員も、彼女の言う事には概ね賛成だ。
誰がどうしてこのようなことをしたのかは不明であるが——
「……勿論、オレも協力するよ、ホタル! オレだって、同級生に擦りつけるような真似をしたやつをぶっ飛ばさねえと気が済まねえ!」
「ノゾムさん……!」
どうやら、やる気らしい。
危険も当然伴うが、そんなことは今までもあったことだ。
——まあ、流石に本人の前で偽物が出てきて不意を突かれることはねーだろうし。
『肉弾戦のプロであるクレセントが居るならば、安心だな』
『ですねえ。でも、どうしましょうか。ハーシェルの装甲はかなり堅牢なんでしょう?』
以前、話を聞いていたアヴィオールは言った。
クレセントの鉄槌を以てしても、ハーシェルの鎧を砕く事は敵わなかった、と。
振るえば空気が裂け、一瞬で相手を抉り消す彼女の鉄槌攻撃が、通用しなかったのだ。現に、障壁を張れば白陽の呪符攻撃も全く通用しなかったので、どんな攻撃に対しても高い耐性を見せている事は間違いない。
『本物に贋作が負けてたまるものか。ヌシなら出来る。それに、ワシも一緒じゃよ』
『そうだね。あたし達に任せてよ!』
「あたし達はどうする? ヒナタ」
「僕達だけが何もしないと言う訳にはいくまい」
「俺達も別方面から探りを入れてえな。クリーチャーが関係する事件が起こったとき、絶対に関連するように何か異変が起こっているはずなんだ。特に今回、向こうから忠告を入れてくれてるおかげで、それが分かりそうなんだよ」
「……此処最近の異変、か……それについては、俺様の方から調べてやろう」
「お願いします。フジ先輩」
「後は、引率で黒鳥が行け。ヒナタと如月は一回奴を見ている。そしてこいつら相手では少々光文明のハーシェル相手には厳しいだろう。リアルファイトに於いても、デュエルに於いても、な。少し、時間を置いた方が良いかもしれん」
「了解しました」
画して。
直接犯人を追う役目をホタルとノゾム、レン。
別方面から犯人が何をしようとしているのかを突き止めるのがフジとヒナタ、コトハの3人となったのである。
「つーわけでヒナタ、如月。お前ら2人は残って、ちと手伝ってくれ——野放しには、出来んのでな」
***
「新学期早々、こんなことになるなんてな……びっくりだ」
「……そうですね」
「ともかく、この辺りから探していくか。昨日、コトハ達が奴と出くわしたポイントが此処らしいが」
この地点自体は、人がそこまで通るわけではない。道が細く、いわばバス停までに繋がる小道だ。そこから、ノゾム達は犯人が再び此処を訪れていないか探していた。
しかし、この先を抜けると多くの通行人や通勤者が入り交う大通りに辿り着く。
「アヴィオール!」
「クレセント!」
「ハーシェル!」
3人のクリーチャーが姿を現した。
そして、辺りに怪しい気配が無いか、探し出す。
眼を閉じ、感覚のままに反応を探すが——
『……ダメですねえ。どうやっても何も出てきません』
『昨日此処に居たと言う形跡は確かにあるぞ。その後、何処に向かったのかは知らんが……』
『……ん? 何コレ』
突然、クレセントが耳を澄ませた。
そして——耳を塞ぐ。
『ああ、もうっうるさい!』
「どうしたんだ、クレセント」
『ついつい、ヒアリングの感度を上げすぎちゃった……なんか、ピーポーピーポーって音がするよ……これ、救急車ってやつのサイレンだよね?』
「救急車? まあ、最近熱中症患者も増えているらしいが……」
「水分補給はしっかりしねえと……あ、水筒のお茶切れてた」
「……熱中症、患者ですか……」
確かにこの夏は猛暑で、多くの熱中症患者が救急車で病院に搬送された、というニュースは聞いた。
今は9月。まだ暑さも残る時期。
しかし——それでも尚、増え続けているらしい熱中症患者の数。
「8月頃が最高38度くらいの日もあったからな……今は最高33度……十分に暑いが」
「最近、こういうので倒れる人更に増えてるみたいですよ。オレ達も気を付けないと」
「……そう、ですね……」
「取り敢えず、大通りの方を探してみるか——」
犯人は必ず此処に帰ってくる。
海戸で悪事を働いているならば猶更だ。
確証のない探索を、彼らは続けるのだった——
***
『ご案内申し上げます——』
そんなアナウンスを聞きながら、少女は久々に真っ当に日本語を聞けたことを実感する。
伸びをし、そして人込みの中を駆けて行った。
「もうすぐ、海戸か……頑張らないと!」
『……随分と浮かれているのね。マスター』
「当然でしょ。ひっさびさの海戸だよ? D・ステラが始まる前に、絶対に来ておきたいって思ってたんだあ」
『幾ら私達がいるからと言って、単身で日本に来るなんてクレイジーだわ。余程会いたかったのね、その暁って人に』
「私が明るくなったのは、その人が居たからなんだよ。小学校の最後まで一緒に居られなかったけど……日本(japan)よ! 私は帰って来た! ふふふ……」
『随分とまあ。ああ……今からアメリカが恋しいわ。後、その不気味な笑い方やめなさい』
「ごめんごめん。なかなか昔の癖で抜けなくって」
彼女は、海に浮かぶ人工島を見据える。
そして——言った。
「——燃えてきたわ! 滾ってきたわ! 待っててくださいね! 暁ヒナタ先輩!」
- Re: デュエル・マスターズ D・ステラ 【学校対抗予選編】 ( No.365 )
- 日時: 2016/08/28 22:18
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: ugLLkdYi)
PCとスマホの調子がおかしいモノクロです。オンラインになるためのツールが同時に異常の片鱗を見せ始めて、モノクロは戦慄しております。
前置きもそこそこに、本題に移りますけど……ヒナタは赤単メタビートのはずが、メタがまるで機能してませんね……《メガ・マグマ》は頑張ってましたけど。あいつ結構便利ですよね、小型掃除できて。今後、作中でたくさん使う場面が出てきそう。
それと、キイチのデッキはハンタービートとか、刃鬼とかじゃなくて、《トラマルGGG》で大型を踏み倒すデッキに見えてきますね。《刃鬼》はこの特殊ルールにおいて有用だから採用してたんでしょうけど、それにしても大型が多い。ステロイドの中速以上のビートダウンでここまで大型を入れるってのも変ですし、コンセプトがまず通常のビートダウンとは一線を画すと考えるべきか。
結局、聖羽衣戦は《ドギラゴン》逆転劇で終わっちゃいましたけど、ヒナタの《ドギラゴン》とノゾムの《プラズマ》の革命2が同時発動したところはよかったですね。まあ、《ドギラゴン》の革命2で負けないことは知っていたはずなのに、《プラズマ》の革命2をトリガーさせる《リュウセイ・カイザー》の攻撃殴は明らかに失敗ですが。
対戦が終わって、久々にアンカ少年が出て来たなぁ……こいつもこんなキャラだったっけ。
しかし、少年の方もステラアームドに星芒武装なのか……元がドラグハートだったし、英雄とは別種の力にすると思ってましたけど、合わせてきたかぁ……
聖羽衣戦が終わって、次は延期になってた零央戦。
の、前の特訓パート? がありますけど、何気にヒナタの家族が出たのって、父親以来か? 弟の存在はちょいちょい出てましたけど、名前出たのも初めてだな……
にしても、ニャンクスはいつの間にこんな、ダイナマイトでデンジャラスなレズになってたんだ?
なんか色々言いたいことある気がしますけど、自分の恋愛論とレズビアン論が色濃く出そうなので自嘲しとこう……でもこの猫、今までそんな盛りの気配を見せてなかったと思うだけど、突然だったな……
思ったほど引っ張らずに零央戦。
そういえばキス魔の付き人の名前はこれが初出か。真胴ハツタ……一人だけ苗字呼びされるのはいいとして、こいつの苗字「しんどう」って呼んでた……「まどう」なのか。
ヒナタはステロイドの連ドラというか、まあ連ドラっぽい動き。コトハは薫風武装っぽい。キス魔も依然と変わらず。ここまでは概ね予想通りで、まどー君がなにかと思ったら、アウトレイジのシータビマナ? ちょっと意外だけど思ったより普通……
で、ここで以前は不明だった《ニュークリア・デイ》の能力……コスト8以下のカード二枚を消し飛ばすのかぁ。普通に強い。進化クリーチャーにはいまいちだけど、範囲広めだし、カード指定除去だから汎用性高いし、なかなか堅実。エターナルΩの付与も、自身を無色化する零式とは噛み合ってますし。重いコストも、無色クリーチャーの一般的なコストが5〜7あたりなことを考えると、7マナ程度で出せるから気にならなさそう。《星域》で若干出しにくいくらいか?
ヒナタはファッキン《マナロック》に《ジャックポット》《サイクリカ》ぐるぐるでもはやモルネクの動きしてるし。《ドドフェル》さんが癒しに見える。
というか今回ヒナタ手札事故多いな。どんだけ事故って足踏みしてるんだ……いい流れをもうちょっと生かそうよ……
そんなんだから相手に切り札を出されてしまうんだ。という感じに、まどー君の切り札出ちゃったよ。《G・サファイア》なんて、物凄いセット感溢れる奴が出て来たよ。そういえば《ガイアール》は鎧龍のドラゴンだったな、ということを思い出しました。でも能力は《オレドラゴン》っぽいな……あいつも《ガイアール》と言えば《ガイアール》ですけど。でも《激竜王》の方じゃないのね……
そういや非常にどうでもいいですけど、ヒナタの《バーニング・銀河》は《ドギラゴン》verなんですね。小説形式でカードイラストが分かるのは珍しい。モノクロは《ガイギンガ》&《ガイラオウ》verが好きです。
ヒナタのデッキはモルネクというより、バトライ連ドラかな? アポカリセットされたけど。
で、返しの《鬼羅丸》。まどー君、アウトレイジのシータビマナじゃなくて、そんなものまであったのね……しかもヒナタ、またジャッジの相手させられてるし。ジャッジのサンドバックかよ。
でもこの場合、相手を選べるならコトハの方が良かったんじゃ……モルネクにしろバトライ連ドラにしろ、デッキ内のドラゴン比率が高そうだから、コストの高いカードも高いだろうし……基本的には《ボアロパゴス》で展開だろうから、小型〜中型が多いと思うのだけれども。
というかまどー君、捲り強いなぁ。《G・メビウス》に加えて、限定召喚ロックの《クロス・NEX》にアンブロッカブル&ドローの《アイアンズ》かよ。
まあ、コトハが《ベニジシ》のリベンジ・チャンスでカウンター展開したのがいい感じでしたけど。やっぱり《ベニジシ》いいですね。若干相手依存ですけど、ドローに反応して展開、マナ加速できるって。《ボアロパゴス》と合わせた相手ターンへの展開と、龍解の布石になるのは強いし面白い。
そして出て来るのは《ギョギョウ》。《プロト・ギガハート》からして《マリニャン》は予想してたけど、色々混ざってるなぁ、コトハのデッキ。薫風武装、イメン、サソリスか……まあそれぞれ繋がるところは結構ありますけど。でも全部同居させようとすると、超次元ゾーンが大変そう。
しかもヒナタはここでも事故ってるし。
しかもしかも、二体目の《鬼羅丸》でもガチンコ・ジャッジ仕掛けられて、三連敗してるし。切り札はそこまで残ってないはずだぜ、なんて大きいこと言ってるわりには、普通にフィニッシャークラスのクリーチャー並べられて爆アドだし。
あれ? この対戦のヒナタ、いいとこなくない……?
ヒナタ、《アポカリ》踏んで手札事故って、終わっちゃったよ?
と思ったら第二戦。バーサーカーキス魔と《ニュークリア・デイ》でまたタッグか。またタッグか。
そういえば指摘し忘れてましたが、No345の対戦開始直後。ニュークリア・デイが召喚したクリーチャー名が抜け落ちてますね。きっと《青銅の鎧》なんでしょうけど。
しかし、《デトロイド・テクノ》とは、なかなか渋いカードですね。モノクロはゼロ文明単色デッキとかで使ってましたけど、こいつ他にも面白いことできそうなんですよね。マナの数字書き換え系は貴重。
それはそれとして、《アピセリン》も《アピセリン・ホロウ》となっていますか……スリーピー・ホロウを思い出す名前ですね。元ネタの伝説はデュラハンだし、虚のホロウって気もしますが、一番近いと思われるのはセブンスドラゴン2020の敵ボス。あれは蛾だか蝶だかよく分からん虫でしたが。《アピセリン》も虫らしいけど、蠅だったよなぁ……
そういや色をゼロにするって、脱色って呼んでいいんですね。いや、モノクロはそう呼びましたけど。
《アピセリン・ホロウ》のマナ武装、自前でマナを脱色できるからか、大人しいですね。マナのカードを山札に返せるのは、地味ながらも嬉しいですけど。コンボ的には。
そして久々の《白陽》登場。ピーキーで使い難そうですけど、考えればそれだけ面白そうなんですけどね、《白陽》って。出た瞬間に勝負を決めかねないほどの馬鹿でかいカードパワーを持ってないのも、個人的には評価高い。懐かしのコピペを披露する姿はなかなかですが、《ガントラ・マキシバス》は笑う。しかも直後に槍で刺し貫かれてるし……いつもは槍を刺す側だけど。
お相手も星芒武装して、クリーチャーは増殖して、倒そうにも解除でマナも復活され、《ニュークリア・デイ》が働いて、上手いこと循環させてアド取ってるなぁ。
だけどここでニャンクスがもう一回強化かぁ……こいつ本当、何回強化、武装するんだってくらい形態変化してるよなぁ。一種は《アクロガントラー》だけど。
どうでもいいけど《ニャンクス・ガイアード》の能力。「クリーチャーを召喚した時、そのクリーチャーとコストが同じかそれよりも小さいクリーチャー」なんて回りくどい書き方しなくても、「そのクリーチャー以下のコストのクリーチャー」で通じるんじゃ?
しかしこいつ、能力が凄い《ボアロパゴス》や《ギョギョウ》染みてて、いつか裏切りそうなにおいがするんですけど……染色するし。
なんとなく今後の展開が恐ろしい。
その後に待ってる告白は、モノクロからしたら予定調和というか、消化試合のような感覚でしたね。
なにかもっと、混乱と騒乱と動乱をちょっと期待しましたが、早く終わらせたかったんですかね。
ここで中間プロローグ的な区切り。
獅子怒さんやキイチ、コロナなんかはいいとして……ヤーパン。ドイツ語か。
ここで軍艦を持ち出すのはまるで関係ないだろうというツッコミは置いておくとして……こいつデュエマする奇あるのか?
こいつ最初の「ヤーパンのデュエリストだ」以外、デュエマに関係すること一言も言ってないじゃん。普通に軍艦引きつれてガチの戦争仕掛けに来るんじゃね?
まあ、問題というか、特に気になるのは、ヒナタを知ってるらしい女の子かな。
先輩という呼称。日本国外の者であろう少女。口振りからして、ヒナタの過去に関係する人物っぽいですけど、誰……ん? ヒナタの過去?
……なんとなく、目星ついた。
あと付き合いだしたヒナタとコトハがめっちゃウザイですね。やっぱりリア充って苦手ですわ。
コトハが可愛すぎて辛いって、お前はどこのエロゲの主人公だ。そんな感想は脳みその中だけにしまっておけ。あ、しまってるのか。
レンの崩れかけたキャラはひとまず置いておいて、出たかコトハ兄貴。正直、忘れてました。
まあでも、出て来るよなぁ、こうなったら……兄貴の存在を覚えていれば、この展開も読めたはずなのに、無念。
しかし意外というか理解が追いつかないのは、レンの代理参戦。どう考えても兄貴の眼中にないだろ、こいつ。でもいいんだ、兄貴。
というか、そういえば兄貴も生きたカードのこと知ってたんだっけ……えーっと、なんだっけ。《瀧》だっけ、兄貴が持ってたの。
超次元は……レンはわりと普通の黒単ドラグナー。兄貴は《キル》の位置がずれているのが気になる、普通の超次元。青黒ハンデスみたいだけど、でも《ラスト・ストーム》ないのは珍しいな。打点ばら撒いて殴る型? ならアナ廃車とかもあり得るか。あ、でも《ジオ・ザ・マン》いないからそれもない? 分からん……兄貴も黒単? 旧型の黒単コントロール?
とか思ったけど、やっぱ青黒ハンデスっぽい。普通のデッキだ。
しかも、《ブレイン・タッチ》一枚使うだけで、どんだけ大仰なんだ……いや確かに強いけどさ、《ブレイン・タッチ》。
でも黒単には《ヴェイダー》という優秀な置きドロソがあるんだよなぁ。こいつの有能さは頭おかしい。アドになることしか書いてないもん。
加えて下火になりつつあった《タイガニトロ》でハンドアドの差を一気に埋める。これは上手いし気持ちいい。《タイガニトロ》はタイミングさえ合えばめちゃくちゃ強いしウザいからなぁ。ハンドキープをさせにくくするあたり、ガンヴィシャチホコロックと同じ、ハンデスコンの本質的なところを突いてくるカードですよね。
でも兄貴は《ブラックサイコ》で切り返す。侵略に汚染されてるなぁ……モノクロは《ブラッドレイン》《解体人形ジェニー》《ブラックサイコ》の狂気的かつ狂喜的な流れが大嫌いだけど大好きです。
だけど《ヘルボロフ》からの《ウェルカム・ヘル》で再展開、しかも……お、《リュウセイ・イン・ザ・ダーク》だ。
途中からあまり使われなくなりましたけど、タップインによる制圧性能、詰め性能はなかなかで、一時期黒単ヘルボのフィニッシャーとして採用されていたとか。
《アヴィオール》も出て来て、いよいよ兄貴も終わりに近づいていますね。
ヘルボは一回龍解するだけで、色々起るのが面倒だけど楽しいし強いんですよね。特に《ミガワリ》を《ウツセミヘンゲ》まで龍解させる挙動は頭おかしいと思いました。
《デスゴロス》で盤面崩壊、《アヴィオール・デスロード》で盤面支配。これで決着ですね。
……あれ? 《リュウセイ・イン・ザ・ダーク》は?
- Re: デュエル・マスターズ D・ステラ ( No.366 )
- 日時: 2016/09/04 12:29
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
モノクロさん
体育祭で実行委員やら何やらやってたので、かなーり身体が辛い、どうもタクです。遅ればせながらコメ返しといきます。
まず、キイチのデッキは以前のものとは打って変わって、完全なトラマルGGGになっています。ガチンコ・ジャッジに重点を置いており、切札をトラマルで早期に踏み倒す、というのがコンセプトになっていますね。
そのため、今回キイチの踏み倒しの形と、メタを獅子怒に潰される形になったヒナタは余り良い所が無い感じですね。序盤は。
一方のノゾムも、エビデゴラスを出して手札を揃えていきますが、それでもなかなか動けない状態。
獅子怒の使う蟻獅子は、キマイラの癖の強さこそありますが、展開力と粘り強さは自慢なので、キイチの大型展開と合わせて詰ませにかかっているわけですね。
最も、この後ノゾムのプラズマにカウンターされ、ドギラゴンに致命傷を入れられて倒されたわけですが。
結構自分は、プラズマは好きなんですよね。リキピー閃の掲げていたようなヒーローっぽい意匠がノゾムにぴったり。後、1発でエビデゴラス龍解も出来ますし、此処で出しておきたかった。
終盤で師弟コンビの連携が目立った試合だったのではないでしょうか。
さて、此処で久々登場のアンカ。大会パートが続いて星のカードのことをすっかり忘れている読者も多いかもしれませんが、彼らの敵はこの世界のデュエマを取り巻く表と裏の勢力にあることを此処で再認識できたはず。そして、獅子怒も決して無関係な人物ではなかったということも。彼らの因縁がどうなるかは、また描くことになるかと。
というわけで、次いで零央戦編。此処でいよいよ列島予選編(後付けの名前)のラストになるので気合入りまくってました。
ヒナタの家族が明らかになって、彼を取り巻く環境も見えてきたかもですね。弟も名前出したのは初めてです。
後、ニャンクスがこの時だけ盛っていた理由は——たまたま発情周期だったから、としか。何であれコトハは運が悪かった。
彼女の場合、コトハに心酔してるところがありますし、結構そこらで伏線は張ってたんですけどね。
さて、対戦パートですが今回の注目株はやはりニュークリア・デイとG・サファイア。
特に後者は、オラクリオン零式の既存のオラクリオン+既存の他のクリーチャーという法則が出来たきっかけですね。作ったのはこいつが最初です。確か。能力のイメージはまさにオレドラ+ボルメテ系統ですね。激竜王の方は強すぎたので没りました。
零央が模倣した切札という設定ですが、更新したオリカ紹介のフレーバーテキストにはデザインと真胴の関係をうかがわせることも書いてあるのでご確認を。まあ、相方のツグミの苗字が有栖川だから、というのが理由であると先に言っておきます。
ニュークリア・デイの方も、なかなかきつい能力ではあるはず。エターナル・Ω付与は強い。8コス以下2枚除去も強いはず。フォートレスもどかせますし。
まあ、結果的に今回の対戦ではヒナタはあんまり活躍できませんでしたね。マナロックで補助したり、展開してシールドを削ったり、はしましたけども。事故が多かったのは……うん。
後、真胴が最初に捲ったのはG・メビウスじゃなくてG・サファイアですね。此処最近、かなーりヒナタがガチンコ・ジャッジのサンドバックにされてるけど気にしない。
この対戦の主役はコトハみたいなもんだし……。リベンジパートですからね、一応。
そんなわけで第二回戦。ここでラブコメ入ると思った? ざーんねん、まだまだ続くよと言わんばかりの乱入。恐らく、この小説で書く最後のタッグマッチだと思いたい……これ書くの結構きつかったです。
てわけで、ミスの指摘もありがとうございます。あかんなあ…やっぱ集中更新は。
そんなわけで、立ちはだかるのはアピセリン・ホロウ。まあ、ホロウは虚のホロウですけど。後、マナ脱色が公式になりつつある。
武装後のゼブルビュートも、1度のカード使用で何度もアドを取れるというのがポイントで、単純にこれはきついはず。その代わり、召喚ではないのでゼニス等を出してもあまり旨味はありませんがね。てかあったらぶっ壊れだわ。
今回久々の登場の白陽も、相手が相手なのであまり機能せず、早々に退場。こんなずさんな扱いの主人公機もそうそうない。
というわけで、今回現れたニャンクス新形態、ニャンクス・ガイアード。能力のデザインは、まさにボアロとギョギョウのミックス。
まあ、最近のコトハのデッキに合わせた感じはありますけども。
後、今回の注目は、コトハがガイグレンを使ったこと。鬼丸と対応しているらしいグレンモルトですが、これで互いのそれぞれ2弾での姿を交換して使ったことになりますね、ヒナタとコトハは。
てわけで、ガイグレンで致命傷を与えて、ガイアードでダイレクトアタック、と。
さて、結局ツグミが何者だったのか、といったことについてはまた後々。いずれにせよ、まだこれで終わった訳ではないですからね。
さて、コトハも今までヒナタへの思いを溜めに溜めていましたからね。流石にクレセント程とはいかなくとも、これからは結構積極的になるかと。まあ、あれですね。彼女の場合、今まで無意識に誰かに甘えたいという思いがあった、と言う感じで描写もしてますし。羞恥が落ち着いた自己の維持を優先していた、というか。それが吹っ切れた後はどうなるか……?
ヒナタの方はまだまだそこまで気持ちが吹っ切れてるわけではないですけどね。
というわけでそんな矢先に中間プロローグ。まあ、これについてはそこそこ語ったと思いますし、いう事は無いのですが、やはり注目は一番最後の少女。まあ、もう誰かは分かるかもしれない。
てなわけで八章突入。やきもきしているヒナタと、相変わらずのコトハの2人——と後ろから付き纏う1人、そして更にその後ろから付き纏う1人。まあ、此処までの流れは少しギャグ入ってるんでそこまでですが。ぶっちゃけ、この流れがやりかたった。
後は、レンの新デッキのお披露目ですね。はい、完全に兄貴のことなんかアウトオブ眼中です。単にデッキの力試したかっただけですね。兄貴の方は頭の中が幸せなんで、そんなことはつゆ知らず。ともかく、邪魔するならぶっ倒すだけ、ですが哀れこれが後のボロ負けに繋がるとはこの時には勿論思うまい。一応実力者なんですけどもね。相手が悪かったとしか。
というわけで、レンのデッキはヘルボロフ。これですよ、これ。やっぱ闇使いはこういうムーブじゃないと。
結構、今回キレッキレだったと思いますねレンは。一方の兄貴は青黒ハンデスですが、ブラックサイコ登場で早速侵略に汚染されてます。一応、瀧の能力に似てるんですけどねブラックサイコ。だから今回採用したわけですが。
逆にレンも焦らずに切り返していくと言う。カードゲームは互いにラリーのように仕掛けていって、先に返せなくなった方の負け、とツイッターでありましたけど、まさにそんなデュエルじゃなかったんじゃないですかね、フィニッシュのデスゴロスとデスロードと言い。
……リュウセイは、うん。犠牲になったのだ。一応、メテオレインとデスロードがその意匠を継いではいるので、そういう意味での演出だったんですけどあれだけ溜めてこれは今更ながらねーわ、やったの作者だけど。
さて。ホタルの偽物が登場したり、アメリカから謎の少女()が訪日したりとD・ステラも激動。
ようやく忙しさからも解放されそうなので、執筆が出来そうです。そっちにもコメしにいかねば……それでは、また。
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