二次創作小説(紙ほか)
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- デュエル・マスターズ D・ステラ 【侵略世界編】
- 日時: 2017/01/16 20:03
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
【読者の皆様へ】
はい、どうも。二次版でお馴染み(?)となっているタクと申します。今回の小説は前作の”デュエル・マスターズ0・メモリー”の続編となっております。恐らく、こちらから読んだ方がより分かりやすいと思いますが、過去の文というだけあって拙いです。今も十分拙いですが。
今作は、前作とは違ってオリカを更にメインに見据えたストーリーとなっています。ストーリーも相も変わらず行き当たりばったりになるかもしれませんが、応援よろしくお願いします。
また、最近デュエマvaultというサイトに出没します。Likaonというハンドルネームで活動しているので、作者と対戦をしたい方はお気軽にどうぞ。
”新たなるデュエル、駆け抜けろ新時代! そして、超古代の系譜が目覚めるとき、デュエマは新たな次元へ!”
『星の英雄編』
第一章:月下転生
Act0:プロローグとモノローグ
>>01
Act1:月と太陽
>>04 >>05 >>06
Act2:対価と取引
>>07
Act3:焦燥と制限時間
>>08 >>10
Act4:月英雄と尾英雄
>>13
Act5:決闘と駆け引き
>>14 >>15 >>18
Act6:九尾と憎悪
>>19 >>21
Act7:暁の光と幻の炎
>>22 >>23
Act8:九尾と玉兎
>>25
第二章:一角獣
Act1:デュエルは芸術か?
>>27 >>28 >>29
Act2:狩猟者は皮肉か?
>>30 >>31 >>32 >>33
Act3:龍は何度連鎖するか?
>>36 >>37
Act4:一角獣は女好きか?
>>38 >>39 >>41 >>42 >>43 >>44 >>45
Act5:龍は死して尚生き続けるか?
>>48
第三章:骸骨龍
Act1:接触・アヴィオール
>>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55
Act2:追憶・白陽/療養・クレセント
>>56 >>57
Act3:疾走・トラックチェイス
>>66
Act4:怨炎・アヴィオール
>>67 >>68
Act5:武装・星の力
>>69 >>70
Act6:接近・次なる影
>>73
第四章:長靴を履いた猫
Act1:記憶×触発
>>74 >>75 >>76 >>77
Act2:龍素力学×龍脈術=3D龍解
>>78 >>79 >>80
Act3:捨て猫×少女=飼い猫?
>>81 >>82
Act4:リターン・オブ・サバイバー
>>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90
Act5:格の差
>>91 >>92 >>93 >>104
Act6:二つの解
>>107 >>108 >>109 >>110
Act7:大地を潤す者=大地を荒らす者
>>111 >>112 >>113
Act8:結末=QED
>>114
第五章:英雄集結
Act1:星の下で
>>117 >>118 >>119
Act2:レンの傷跡
>>127 >>128 >>129
Act3:警戒
>>130 >>131 >>132
Act4:策略
>>134 >>135
Act5:強襲
>>136
Act6:破滅の戦略
>>137 >>138 >>143
Act7:不死鳥の秘技
>>144 >>145 >>146
Act8:痛み分け、そして反撃へ
>>147
Act9:fire fly
>>177 >>178 >>179 >>180 >>181
Act10:決戦へ
>>182 >>184 >>185 >>187
Act11:暁の太陽に勝利を望む
>>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>193 >>194 >>195
Act12:真相
>>196 >>198
Act13:武装・地獄の黒龍
>>200 >>201 >>202 >>203
Act14:近づく星
>>204
『列島予選編』
第六章:革命への道筋
Act0:侵攻する略奪者
>>207
Act1:鎧龍サマートーナメント
>>208 >>209
Act2:開幕
>>215 >>217 >>218
Act3:特訓
>>219 >>220 >>221
Act4:休息
>>222 >>223
Act5:対決・一角獣対玉兎
>>224 >>226
Act6:最後の夜
>>228 >>229
Act7:鎧龍頂上決戦
Part1:無法の盾刃
>>230 >>231 >>232 >>233 >>234 >>235 >>236 >>239
Part2:ダイチの支配者、再び
>>240 >>241 >>242 >>243 >>244 >>245 >>246 >>247 >>248 >>250
Part3:燃える革命
>>252 >>253 >>254 >>255 >>256
Part4:轟く侵略
>>257 >>258 >>259 >>260 >>261
Act8:次なる舞台へ
>>262
第七章:世界への切符
Act1:紡ぐ言の葉
>>263 >>264 >>265 >>266 >>267 >>268 >>270
Act2:暁ヒナタという少年
>>272 >>273
Act3:ヒナとナナ
>>275 >>276 >>277 >>278 >>279 >>280 >>281
Act4:誓いのサングラス
>>282 >>283 >>284 >>285
Act5:天王/魔王VS超戦/地獄
>>286 >>287 >>295 >>296 >>297 >>298 >>301 >>302 >>303 >>304 >>305
Act6:伝説/閃龍VS獅子/必勝
>>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>323
Act7:青天霹靂
>>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331
Act8:揺らぐ言の葉
>>332 >>333 >>334 >>335 >>336
Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神
>>337 >>338 >>339 >>340 >>341 >>342 >>343
Act10:伝える言の葉
>>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351
Act11:連鎖反応
>>352
『侵略世界編』
第八章:束の間の日常
Act1:揺らめく影
>>353 >>354 >>359 >>360 >>361 >>362
Act2:疑惑
>>363 >>364
Act3:ニューヨークからの来訪者
>>367 >>368 >>369 >>370 >>371
Act4:躙られた思い
>>374 >>375 >>376 >>377
Act5:貴方の為に
>>378 >>379 >>380 >>381 >>384 >>386
Act6:ディストーション 〜歪な戦慄〜
>>387 >>388 >>389
Act7:武装・天命の騎士
>>390 >>391
Act8:冥獣の思惑
>>392
Act9:終演、そして——
>>393
第九章:侵略の一手
Act0:開幕、D・ステラ
>>396
Act1:ウィザード
>>397 >>398
Act2:ギャンブル・パーティー
>>399 >>400 >>401
Act3:再燃
>>402 >>403 >>404
Act4:奇天烈の侵略者
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>411
Act5:確率の支配者
>>412 >>413
Act6:不滅の銀河
>>414 >>415
Act7:開始地点
>>416
第十章:剣と刃
Act1:漆黒近衛隊(エボニーロイヤル)
>>423 >>424
Act2:シャノン
>>425 >>426
Act3:賢王の邪悪龍
>>427 >>428 >>429
Act4:増殖
>>430 >>431 >>435 >>436 >>438 >>439 >>440 >>441 >>442
Act5:封じられし栄冠
>>444
短編:本編のシリアスさに疲れたらこちらで口直し。ギャグ中心なので存分に笑ってくださいませ。
また、時系列を明記したので、これらの章を読んでから閲覧することをお勧めします。
短編1:そして伝説へ……行けるの、これ
時系列:第一章の後
>>62 >>63 >>64 >>65
短編2:てめーが不幸なのは義務であって
時系列:第三章の後
>>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103
短編3:文化祭(と言えば聞こえは良いが要は唯のスクランブル)
時系列:第四章の後
>>120 >>121 >>122 >>123 >>124 >>125 >>126
短編4:十六夜ノゾムの災厄な一日
時系列:第四章の後
>>149 >>150 >>153 >>154 >>155 >>156
短編5:恋情パラレル
時系列:第四章の後
>>157 >>158 >>159 >>160 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>173 >>174 >>175 >>176
短編6:Re・探偵パラレル
時系列:平行世界
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422
エイプリルフール2016
>>299 >>300
謹賀新年2017
>>443
登場人物
>>9
※ネタバレ注意。更新されている回を全部読んでからみることをお勧めします
オリジナルカード紹介
(1)>>96 (2)>>271
※ネタバレ注意につき、各章を読み終わってから閲覧することをお勧めします。
お知らせ
16/8/28:オリカ紹介2更新
- Act0:プロローグとモノローグ ( No.1 )
- 日時: 2014/05/23 23:06
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)
----------馬鹿な……王国は俺一人を殺めるためだけに、これだけの人々を犠牲にしたというのか!! こんな世にも禍々しい化け物を世に放ったというのか!!
----------分かっている。分かってるわ。それでも、あたしは貴方が好きで仕方が無いの。たとえ、種族が違ったって、敵対していたって! だから……このまま貴方と一緒に死なせて!
----------それ以上、近づくな! こいつには指一本触れさせぬ!! この私を誰だと思っている? この猛々しき黄金の九尾が目に見えぬというのか!!
----------へへ、俺様も罪人だな。とうとう、天界にまで喧嘩売ることになっちまうたぁ、堕ちたもんだぜ。だけど気に食わない、気に食わないんだよ!! おめーら、口ばっかの天使のやり方はよォ!!
----------実に奇怪、面白い。ですが、これから起こる戦争には関係ないこと。そしてこの戦争、間違いなく我々は----------負ける。
----------裏切ったな、我に嘘をついたなあああ!! 散々馬鹿にしやがって、散々我を蔑ろにしやがって、もう許さんぞ人限共があああ!!
***
さて、これは一体なんだ? という顔をしていらっしゃいますね。まあ、当然でしょう。これらはクリーチャーワールドで起こった哀しき出来事の一部。しかし、全部が同じ世界で起こった出来事というわけではありません。
クリーチャーワールドとは、同じ時間に並行して幾つかの惑星として存在しています。それぞれの世界は、一見同じ世界に見えても、全く違う進化を遂げていたり、歴史が違っていたりするわけです。
さて。私の方が何者だ? という顔をしていらっしゃいますね。
私の名はテラ。なに、物好きなただの語り部です。今後また、お会いすることがあるかもしれません。ですから、そのときまでのしばしのお別れです-------------それでは。
- Re: デュエル・マスターズ D・ステラ 〜星々の系譜〜 ( No.2 )
- 日時: 2014/05/24 01:08
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)
コメント一番乗りぃ、と軽く弾けてみたモノクロです。あんま弾けてない気がしますが、気にしません。
遂に始まりましたね、D・ステラ。
初っ端からなにやら重い台詞が並んでおりますが……なんとなく、各文明のクリーチャーが言葉を発しているような気がするのは、気のせいですかね。単に罪人=闇文明と早とちりしてるだけな気もしますが。
まだプロローグ(とモノローグ)の段階なので、想像だけが膨らんでいきますが、本編がどのような話を展開するのか、そしてこれらとの繋がりについてが気になるところです。
星というテーマや、英雄の持つさらなる意味がなんなのか、ということにも着目しながら、更新を楽しみにしています。それでは。
- Re: デュエル・マスターズ D・ステラ 〜星々の系譜〜 ( No.3 )
- 日時: 2014/05/25 00:27
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)
モノクロさん
コメントありがとうございます。今後の展開に乞うご期待です。罪人=闇文明、ではないですね。また、しいて言うなら今作での月は闇文明ではなく、水文明になるということです。ほら、水文明も何かと月と関わりの深い文明ですので。
とにかく、更新をお楽しみください。
それでは、また。
- Act1:月と太陽 ( No.4 )
- 日時: 2016/10/22 21:41
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
「はあああ!?」
叫びを上げるのは、サングラスを髪に掛けた少年だった。
東京都の人工島に発展した都市、海戸区。その中央に猛々しく聳え立つが、今世界中で注目されている”頭脳スポーツの頂点”であるデュエル・マスターズ、のプロ養成学校、通称”鎧龍決闘学院”である。
鎧龍は中等制の学校で、学年が1年から6年まである。高校も含めて、中1から6年間此処に通うことになるのだ。
また、1つの学年につき、クラスは6つあるが、それぞれが20人という少人数クラスである。これは、1クラスの人数を減らすことで授業の効率を上げようとする教育方針ゆえである。
その中でもCに位置するこのクラス。そう、即ち2年C組だが、ここで早くも絶叫することになったのは、正しく彼である。
暁ヒナタ、それが少年の名前だった。部屋の中なのに頭にかけたサングラス、跳ねた天パ、痩せ型にすらりと伸びたシルエットが特徴的だった。
その姿を見て呆れた姿で返したのは、釣り目の中世的な容姿の少年である。
「貴様は昨日のニュースを何も見ていないようだな」
健康的なヒナタとは対照的に、この少年はやや痩せ細っており、ストレートな黒髪が目を引く。つり上がった目が、どこか冷然としていた。
「見ていねーもクソも、昨日は徹夜でゲームしてたからな」
「馬鹿か、貴様は」
ストレートに「馬鹿」と罵る少年・黒鳥レンと、ヒナタの間柄は、この程度の言い合いは慣れっこであった。
2人は同じ学年のライバルで、実力が拮抗していたのだ。
熱と冷を併せ持つ戦略家のヒナタと、徹底的に美学を追及するレン。何度かの小競り合いを繰り返すうちに、2人の間には良く分からない男子特有の絆が芽生えていたのであった。
***
事の発端は”数年前”の夜だった。巨大財閥、武闘グループ宇宙開発部は人工衛星で天体の監視を行っていた。しかし、その時だった。
突如、何も無い虚が裂けたのである。そこから、5つの武器——銃、剣、鎌、矛、槍——が音も立てずに大気圏へ突入。そしてそれらは色も褪せぬまま、そのまま地球の大地へ刺さったのだった。武器の大きさは平均的なもの。特に、日本に刺さったのは”剣”だった。
武闘財閥は即座にそれらを回収。今までそれを隠していたが、とうとう研究結果が出たのと、もう1つの悲報を”昨日”発表した。
それは、『5つの武器すべてに”生命反応”が確認されたこと、そしてそれら全てが突如消失したこと』だった。
武闘財閥は直ぐに消失した武器の捜索を開始した。しかし、見つからないのである。
そして分かったことが1つだけあった。
目撃証言によれば、武闘財閥の研究所から5つの光がそれぞれ各々の方向へ消えて行ったこと。そして、それらの光が武器の刺さっていたそれぞれの場所の方角だということ。しかし、もう一度そこに行っても、もう何も無かったのだった。
***
「というわけだ」
「ったく、フジ先輩なんでそんな面白そうなこと教えてくれなかったんだろうな」
フジ先輩とは、ヒナタの先輩の武闘フジのことである。この学院の理事長は実質武闘財閥の社長、武闘カゲトラになっている。というのも、武闘財閥がこの学院の建設に着手していたからである。
結構、フジはクリーチャーが住む異世界、クリーチャーワールドの事に詳しい。というのも、ヒナタ達よりも前に、異世界から来た”意思を持つカード”を手にしていたからである。そのカードを通じてクリーチャーワールドの情勢を常にチェックしているのだった。
「親父さんからも何も聞かされていなかったらしい」
「そうか」
ヒナタは唸った。もしも、その武器が”クリーチャー”だとすれば。
異世界から現れた怪物だとすれば。
と考えるのも、既にヒナタは何度もそのクリーチャー達と対峙しているからである。しかし、ヨミの一件は人々の記憶から消し去られ、竜神王の一件は日付の巻き戻しによって、無かったことにされたのだった。
クリーチャーは、この宇宙に確かに存在する異星人、異星獣である。クリーチャーワールドという星があり、そこで戦いを繰り返しているのだ。
それはカードゲームの中の世界と思われていたが、近年・この世界とパラレルワールドのような形で繋がっていることが、一部の研究者の間で分かってきたらしい。というのも、だ。何度もこの地球に、クリーチャーによる事件が起こっているからなのだが。
しかし、多くの大衆はそんなこと知る由もなく。
「んなこと言ったらよ、ドラポンさ。何か昨日、向こうに用事が出来たみたいで帰って行っちまったぜ」
「そうか」
「まあ、こりゃしばらく会えそうもねえわ」
ヒナタは思わずため息を漏らしたのだった。相棒、ドラポン。真っ赤な身体をしたチビ龍だが、ヒナタと共に戦った仲間である。
しかし、突然昨日、クリーチャーワールドへ用事があると言い、帰ってしまったのだった。
と、懐古していると突然教室の戸が開いて、男子生徒が叫び声を上げた。どうやら、ヒナタ達に用があるようだったが、かなりその様子は切羽詰っている。
「どうしたんだよ」
間を開けずに彼は言った。
「おい、大変だあああ! 今日新しく入ってきた1年が上級生をぶっ倒しまくってる!!」
***
「へっへっへー! これで99連勝ッ!」
グラウンドでは、ご丁寧に置かれたデュエルテーブルで1人の生徒が無邪気に笑いながら次々にデュエマを挑む上級生を次々にちぎっては投げ、ちぎっては投げ、していた。
生徒の姿は、ブレザーを開け放し、乱暴にくくった黒髪を後ろで大きく束ねている。それは若侍か悪く言えば不良か何かを連想させた。
だが、肝心の顔はやや幼く見える。
屍の山を踏み分けて——否、本当に踏みにじって進むヒナタとレンの姿ははっきり言って容赦等無いが、辺りを見回して呟いた。
「これは派手にやったな」
「確かにだ。上級生の面子は、ほとんどが戦意喪失しちまってる」
「お前が暁ヒナタだな! オレと勝負しろー!」
その生徒が声を上げた。生徒は不敵な笑みを浮かべると、すぐさまこちらへ駆け寄ってくる。
ヒナタは率直に感想を述べる。だれたような、呆れたような、そんな顔だ。
「チビが粋がって何やってるのやら……どうやら、自己顕示欲の塊みてーなチビらしいが」
「そうだな。全く面倒を」
「てめーみてーな奴だって言いてぇんだよレン」
「殺すぞ貴様」
「おい、聞いてるのかアンタら」
目の前の少年が煩わしそうに口を開いた。
「オレの名は、”十六夜ノゾム”だ!! 暁ヒナタ、お前に決闘を申し込む!! デュエル・マスターズでな!」
「るっせえなぁー、俺今日昨日徹夜で3DSやってた所為で眠いんだよ、寝かせておくれよー。ついでにさぁ」
ヒナタはデッキを取り出すと、にやり、と意地悪な笑みを浮かべた。
「カルシウムが足りねぇのか血の気に対してチビみてーだが、ああ可愛いこった」
ブチリ、と目の前の少年の米神に青筋が浮かぶ。挑発に乗りやすいタイプだろう。戦略家のヒナタの大好物である。
デュエルフィールドに2人が並んだ。決闘者独特の殺気を放ちながら。
周りにギャラリーも集まってくる。上級生を屠った新入生と、
「へへっ、減らず口もそこまでだ。アンタにこのカードの実力、思い知らせてやるぜ!」
ノゾムは意気込んで言う。
「あ? カード?」
「そうだ! 俺の切札、特と見やがれー!」
デュエルテーブルに並ぶ2人。と同時に立体幻像が浮かび上がる。所謂ホログラムのようなものだ。青い半透明の硝子状の物体、つまりシールドが並ぶ。
デュエルの準備は直ぐに出来てしまった。
『デュエマ・スタートだ!!』
2人の掛け声で、戦いの火蓋は切って降ろされたのだった。
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