二次創作小説(紙ほか)

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デュエル・マスターズ D・ステラ 【侵略世界編】
日時: 2017/01/16 20:03
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)

【読者の皆様へ】
はい、どうも。二次版でお馴染み(?)となっているタクと申します。今回の小説は前作の”デュエル・マスターズ0・メモリー”の続編となっております。恐らく、こちらから読んだ方がより分かりやすいと思いますが、過去の文というだけあって拙いです。今も十分拙いですが。
今作は、前作とは違ってオリカを更にメインに見据えたストーリーとなっています。ストーリーも相も変わらず行き当たりばったりになるかもしれませんが、応援よろしくお願いします。

また、最近デュエマvaultというサイトに出没します。Likaonというハンドルネームで活動しているので、作者と対戦をしたい方はお気軽にどうぞ。


”新たなるデュエル、駆け抜けろ新時代! そして、超古代の系譜が目覚めるとき、デュエマは新たな次元へ!”



『星の英雄編』


 第一章:月下転生

Act0:プロローグとモノローグ
>>01
Act1:月と太陽
>>04 >>05 >>06
Act2:対価と取引
>>07
Act3:焦燥と制限時間
>>08 >>10
Act4:月英雄と尾英雄
>>13
Act5:決闘と駆け引き
>>14 >>15 >>18
Act6:九尾と憎悪
>>19 >>21
Act7:暁の光と幻の炎
>>22 >>23
Act8:九尾と玉兎
>>25

 第二章:一角獣

Act1:デュエルは芸術か?
>>27 >>28 >>29
Act2:狩猟者は皮肉か?
>>30 >>31 >>32 >>33
Act3:龍は何度連鎖するか?
>>36 >>37
Act4:一角獣は女好きか?
>>38 >>39 >>41 >>42 >>43 >>44 >>45
Act5:龍は死して尚生き続けるか?
>>48

 第三章:骸骨龍

Act1:接触・アヴィオール
>>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55
Act2:追憶・白陽/療養・クレセント
>>56 >>57
Act3:疾走・トラックチェイス
>>66
Act4:怨炎・アヴィオール
>>67 >>68
Act5:武装・星の力
>>69 >>70
Act6:接近・次なる影
>>73

 第四章:長靴を履いた猫

Act1:記憶×触発
>>74 >>75 >>76 >>77
Act2:龍素力学×龍脈術=3D龍解
>>78 >>79 >>80
Act3:捨て猫×少女=飼い猫?
>>81 >>82
Act4:リターン・オブ・サバイバー
>>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90
Act5:格の差
>>91 >>92 >>93 >>104
Act6:二つの解
>>107 >>108 >>109 >>110
Act7:大地を潤す者=大地を荒らす者
>>111 >>112 >>113
Act8:結末=QED
>>114

 第五章:英雄集結

Act1:星の下で
>>117 >>118 >>119
Act2:レンの傷跡
>>127 >>128 >>129
Act3:警戒
>>130 >>131 >>132
Act4:策略
>>134 >>135
Act5:強襲
>>136
Act6:破滅の戦略
>>137 >>138 >>143
Act7:不死鳥の秘技
>>144 >>145 >>146
Act8:痛み分け、そして反撃へ
>>147
Act9:fire fly
>>177 >>178 >>179 >>180 >>181
Act10:決戦へ
>>182 >>184 >>185 >>187
Act11:暁の太陽に勝利を望む
>>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>193 >>194 >>195
Act12:真相
>>196 >>198
Act13:武装・地獄の黒龍
>>200 >>201 >>202 >>203
Act14:近づく星
>>204


『列島予選編』


 第六章:革命への道筋

Act0:侵攻する略奪者
>>207
Act1:鎧龍サマートーナメント
>>208 >>209
Act2:開幕
>>215 >>217 >>218
Act3:特訓
>>219 >>220 >>221
Act4:休息
>>222 >>223
Act5:対決・一角獣対玉兎
>>224 >>226
Act6:最後の夜
>>228 >>229
Act7:鎧龍頂上決戦

Part1:無法の盾刃
>>230 >>231 >>232 >>233 >>234 >>235 >>236 >>239
Part2:ダイチの支配者、再び
>>240 >>241 >>242 >>243 >>244 >>245 >>246 >>247 >>248 >>250
Part3:燃える革命
>>252 >>253 >>254 >>255 >>256
Part4:轟く侵略
>>257 >>258 >>259 >>260 >>261

Act8:次なる舞台へ
>>262


 第七章:世界への切符

Act1:紡ぐ言の葉
>>263 >>264 >>265 >>266 >>267 >>268 >>270
Act2:暁ヒナタという少年
>>272 >>273
Act3:ヒナとナナ
>>275 >>276 >>277 >>278 >>279 >>280 >>281
Act4:誓いのサングラス
>>282 >>283 >>284 >>285
Act5:天王/魔王VS超戦/地獄
>>286 >>287 >>295 >>296 >>297 >>298 >>301 >>302 >>303 >>304 >>305
Act6:伝説/閃龍VS獅子/必勝
>>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>323
Act7:青天霹靂
>>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331
Act8:揺らぐ言の葉
>>332 >>333 >>334 >>335 >>336
Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神
>>337 >>338 >>339 >>340 >>341 >>342 >>343
Act10:伝える言の葉
>>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351
Act11:連鎖反応
>>352


『侵略世界編』


 第八章:束の間の日常

Act1:揺らめく影
>>353 >>354 >>359 >>360 >>361 >>362
Act2:疑惑
>>363 >>364
Act3:ニューヨークからの来訪者
>>367 >>368 >>369 >>370 >>371
Act4:躙られた思い
>>374 >>375 >>376 >>377
Act5:貴方の為に
>>378 >>379 >>380 >>381 >>384 >>386
Act6:ディストーション 〜歪な戦慄〜
>>387 >>388 >>389
Act7:武装・天命の騎士
>>390 >>391
Act8:冥獣の思惑
>>392
Act9:終演、そして——
>>393


 第九章:侵略の一手

Act0:開幕、D・ステラ
>>396
Act1:ウィザード
>>397 >>398
Act2:ギャンブル・パーティー
>>399 >>400 >>401
Act3:再燃 
>>402 >>403 >>404
Act4:奇天烈の侵略者
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>411
Act5:確率の支配者
>>412 >>413
Act6:不滅の銀河
>>414 >>415
Act7:開始地点
>>416


 第十章:剣と刃

Act1:漆黒近衛隊(エボニーロイヤル)
>>423 >>424
Act2:シャノン
>>425 >>426
Act3:賢王の邪悪龍
>>427 >>428 >>429
Act4:増殖
>>430 >>431 >>435 >>436 >>438 >>439 >>440 >>441 >>442
Act5:封じられし栄冠
>>444


短編:本編のシリアスさに疲れたらこちらで口直し。ギャグ中心なので存分に笑ってくださいませ。
また、時系列を明記したので、これらの章を読んでから閲覧することをお勧めします。

短編1:そして伝説へ……行けるの、これ
時系列:第一章の後
>>62 >>63 >>64 >>65

短編2:てめーが不幸なのは義務であって
時系列:第三章の後
>>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103

短編3:文化祭(と言えば聞こえは良いが要は唯のスクランブル)
時系列:第四章の後
>>120 >>121 >>122 >>123 >>124 >>125 >>126

短編4:十六夜ノゾムの災厄な一日
時系列:第四章の後
>>149 >>150 >>153 >>154 >>155 >>156

短編5:恋情パラレル
時系列:第四章の後
>>157 >>158 >>159 >>160 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>173 >>174 >>175 >>176

短編6:Re・探偵パラレル
時系列:平行世界
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422

エイプリルフール2016
>>299 >>300

謹賀新年2017
>>443


登場人物
>>9
※ネタバレ注意。更新されている回を全部読んでからみることをお勧めします

オリジナルカード紹介
(1)>>96 (2)>>271
※ネタバレ注意につき、各章を読み終わってから閲覧することをお勧めします。

お知らせ
16/8/28:オリカ紹介2更新

Re: デュエル・マスターズ D・ステラ 【侵略世界編】 ( No.432 )
日時: 2016/11/06 21:46
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: U7ARsfaj)

 一週間後に学祭だけど、やっとこさ色んな束縛から解放されたので、顔出しに来ました。
 ただ、かなり間が空いたうちに結構更新されてて、二日かけてだらだら書いてたら13000字とかになっちゃいました。文字数削ったりするのも面倒なので、申し訳ありませんが、三分割して投げます。流石に長すぎるんで、もう適当に流してもらっていいです。

part1

 既に別所で触れてますが、例の中間プロローグの一人はやっぱノアでしたか。
 ヒナタのことを先輩と呼ぶ人間なんて、ノゾムとホタルを除けば、他にいませんしね……しかも、暁先輩という呼称をするなら、もう一人しかいない。
 しかも復讐の侵略者を引っ提げて来るか。侵略者連中は国ごとに各文明の侵略者が割り振られてるっぽいですね。マカオに奇天烈、アメリカは復讐か……どっちもそれっぽいイメージがありますけど、だったら獣軍隊はドイツあたりかな? そしてその流れになると三界はどう考えても日本っていうね。仏教思想なら中国とかでも普通にあり得るけど。そもそも三界の影の薄さを考えると、スルーされる可能性の方が濃厚かな……あ、でもいつぞやの番外では出てたな、一応。
 それはそれとして、ここでステラアームドについて、ちゃんと言及され始めましたね。いやはや、《アグロガンドラー》とか《ドラドルイン》とか《アルゴリズム》とか、変なのがたくさんいてなにが正規でなにが不正規やらよくわからんかったので、そろそろちゃんとした説明が欲しかったところです。
 しかしハーシェル、本当に頼もしいなぁ……狐と兎は万年発情期だし、猫もその片鱗を見せ始めてるし、アヴィオールは意外とお茶目だったし、ひょっとして一番落ち着きがあって大人びてるのってハーシェルなんでね? この安心感は好感が持てる。
 あと非常にどうでもいいですけど、「これは予想外!!」と声を張り上げて言ってるのが、想像するとちょっと面白かったです。
 そのまま対戦突入ですけど、やっぱり《ハーシェル》の能力も、独特すぎて使いどころを選びますね。小細工はカードパワーに押し負けるのが常というか、純粋に強力な能力を持つ《ハーシェル・ブランデ》には太刀打ちできませんね。残念。
 そのまま偽ホタルに真ホタルは虐められてますけど、利己的じゃない人間なんていないと思いますね。ただ、自分のために行動を起こせるかどうかが、人としての本質なのかな、と。偽ホタルもその点を指摘して糾弾していますけど、果たしてそれは一概に闇と呼んでよいのか。仮にそれが闇だとすれば、人間はすべからく闇なのではないか。
 最近、ジャーナリストが主人公の小説を二冊ほど読んだりしましたが、どちらの作品もジャーナリストとしての姿勢が真逆でした。一つは、取材相手に敬意を払い、最大限に尊重するもの。もう一つは、利益のために致命的にならない範囲であれば躊躇いなく虚言虚飾を用い、取材対象や読者を道具としか見ていないというもの。どっちもジャーナリズムとしてのあるべき姿だと思いますけど、そう考えると、ジャーナリストって白い面もあれば黒い面も明確に存在するものなんですよね。
 大会中ですし、あんまりホタルが新聞部っぽいことしてる描写はないですけど、彼女の本質は、ひょっとするとそんなジャーナリストの姿そのものなのかもしれないな、と思ったり。
 という、最近読んだ本に影響されて少し考えてみた、安っぽい考察です。書きながら五秒くらいで考えた考察なので、雑ですがご容赦くださいまし。
 ハーシェルに戻りますけど、単身デッキから抜け出して特訓とは、健気だ……自分の弱さをちゃんと向き合って努力する姿勢は非常に好感が持てる。やっぱりモノクロはこのおじいちゃん好きですわ。
 いやでも……急にユニットによる遠隔攻撃とかし始めちゃいますか。そんなもん持ってたのかよこのおじいちゃん……今までにそんなの出て来てたっけ……
 と、ここいらでようやくステラアームドの、正確に言えば呪われたステラアームドの説明をしてくれるノアさん。
 ふむふむ。非正規の方法で生まれたステラアームドは例外的な存在であるがゆえに呪われていて、本人と成り変わることが目的なんですね。正規の方法で生まれたはずなのに、非正規扱いされてるアグロガンドラーは例外の例外みたいなややこしいことになってますけど。
 もはやステラアームドを生み出す方法は、なにが正規でなにが不正規なのかよくわからんですが、とにかく“本物”になろうとする影の存在であるということは理解した。
 でも、アグロガンドラーがニャンクス、アルゴリズムがアヴィオールになろうとしたのに対し、ドラドルインはハーシェルじゃなくてホタルになろうとするんですね。ハーシェルの方は、既にハーシェル・ブランデがいますけど、どう分離してるのだろう。それまでの二体とは対応関係がちょっと違う……アグロガンドラーも例外的な存在だし、この三体だけじゃ明確な規則性は導き出せないな。
 不良三銃士についてはとりあえず置いておくとして、ホタルとノアの対戦ね……ノゾムも言ってますけど、D・ステラ進出が決定しているアメリカ代表の一人と、先んじて対戦してますけど、これってルール的にはいいのかな? 普通に考えれば、代表選手同士の対外試合は禁止、とかありそうですけど。
 まあ、禁止されてたらやらないか。なんで禁止じゃないのかはちょっと謎ですけど。
 前にもちょっと言いましたけど、《ケルス》はケルベロスだったんですね。闇文明で犬ってなんだろうとずっと思ってましたけど、首が三倍になるか。能力面で、ちゃんと三回攻撃できるし。パワーは低めに設定されてますけど、武装条件が侵略を加味すれば簡単だから、仕方ないのかな?
 デザイン的には、侵略を前提として設計されているようにも見えますけど、侵略を度外視したら使える……か? どうだろう、流石に厳しいかな。仮に侵略を前提としていたなら、名前がバイクなのもなにか関係が?
 そのままホタルは圧倒され、ここでドラドルイン……? ちょっと急でビックリです。
 ですが、ドラドルインの「全部お前の妄想だった」という台詞は、ハーシェルの過去とも通ずるところがあって、なかなか深く食い込む言葉ですね。この夢のような一場面もある種の妄想とも言えるので、そう考えると笑ってしまいますが。
 とか思ってたら、ケルスは精神干渉なんてできるのか……ただの三面犬だと思ったら、そんなスキルを持ってたんですね。ハーシェルに治癒能力があるようなものかな……
 そこからはカウンタードラサイからの《ウルトラスター》で繋いで《ミラダンテ》ミラストのタイムストップデュエルで終了、と。タイムストップはカウンターで決められると非常に悔しい。
 流し流しで進めちゃいますが、ノア戦後はドラドルインと決戦。早いですね。
 しかし、太陽の化身たるメカ・デル・ソルも、とんだ悪者になったものだ……ここだと破滅ジャンヌの影響の強さを感じる。
 序盤の動きはまあまあですけど、ドラドルインは悪名高い呪文、どっちが不正だ《オリオティス・ジャッジ》。個人的には《オリオティス》よりもマシだと思いますけど、ふと撃たれるとなかなかウザいカードだと思います。
 まあ、ホタルもホタルで《オリオティス》を並べていますけども。光はこういう規制合戦になるのがね。どっちが盤面の支配を維持できるか、という他の色ではなかなかない盤面の取り合いになるのが面倒くさいです。場は綺麗な方が好きなので、モノクロ。
 というのは半分冗談で、場がごみごみしてるのも嫌いじゃないです。《ブランノワール》が働いて、ホタルの展開を補助しているのとか、なかなかいい味出してますし。《ブランノワール》は白単ウィニーで使えるけど、ドラグナーの枠を割くほどでもないっていうのが残念です。出せれば強い分、こうして活躍しているのを見るのは嬉しい。しかも《ヴァルハラナイツ》のおまけつき。これはいいコンボ。
 ただまあ、攻撃はちょっと軽率だったか。天門ふんじゃったし。
 今更ですけど、ホタルの白単ウィニーは《クルト》採用か。ドレミ団型白青サザンっぽさがあるな。個人的に1コスウィニー入りのサザンはビートダウン色が強いと思ってますけど、どうなんだろう。《ブランノワール》や《ミラクルスター》のことを考えると、ビートダウン気味でも不思議はないんですけどね。
 と、《ハーシェル・ブランデ》の武装を目前にして、本家ハーシェルはやっと次の形態へ……いや、元の姿に戻れたって言ってるし、こっちが本来の姿なのか?
 細かいことは後で考えるとして、《ルミエル》の名前は、意外と普通というか、ジャスティス・ウイングの命名ルールのままか。ちょっと意外。
 で、肝心の《ハーシェル・シュヴァリエ》の能力は、要するにプレイヤーが殴られると起き上がるブロッカーか……なんか他にもいたな、そんな奴。だけどブレイク以外にも反応するから、意外と面白いコンボが組めそう? というか《ルミエル》とは普通にシナジーしてるな。
 そして武装するとハーシェルは《天命騎龍王》か……龍? 馬じゃないのか。いや、《ミラクルスター》や《ミラダンテ》がどう見ても馬なのにエンコマ龍だから、これでも間違いではない……?
 つーかコストめっちゃ重いな……15て。他の武装後のクリーチャーもこんなに重かったっけ? そもそも武装前を手出しするから、重さは関係ないけども。
 能力はテキストにまとめると、案外シンプル。相手二体をシールド送りと、コスト8以下の踏み倒しか。元祖ハーシェルのようなトリッキーさがないのがちょっと残念だけど、純粋に強いな。単純に強くて汎用性の高い能力の詰め合わせ。踏み倒しの方は進化問わずに出せるっぽいし、《ミラダンテ》も出せるね! 《カイザルバーラ》から連鎖すると楽しそう。
 まさか《スターリースカイ》が仕事して《ハーシェル・リダクション》でフィニッシュできたわけですけど……貴女も私の一部、ね。そう言われるとなんとなくそんな気がしますけど、発生の経緯が微妙に曖昧なので、本当にそうなのか疑ってしまう。まあ結局処理されてるから、結果としてはどっちでもいいようなもんですが。
 その処理役というか、ノアが本性表しましたけど……ここで暴露大会する必要あったのかな? まだ仲間の面を被る意義はありそうなもんですけど。それと、ノアはどうでもいいとか言って普通にホタル諸共攻撃してますけど、結果的に助かったからよかったものの、ここで仮にノアがホタルをやっちゃったら、それは大会的に非常にまずいのでは。「相手チームの一人を殺しちゃいました、テヘペロッ」なんてことがあったらどう考えても出場停止処分以上のペナルティがありそうですし、これが許されちゃったらお互いに相手チームの暗殺合戦になる。
 加えて弱ったステラアームドを捕食できるってことは、ノア自身が出向いてボコボコにすれば、完全に倒すまではいかなくても、弱らせて喰ってしまえそうな気がしますけど、どうなんだろう。その手間をホタルに押し付けたっていうのはわかるけど、にしてはちょっと方法が回りくどい気も。間接的とはいえ相手チームの強化に貢献しちゃってるしなぁ。最後にはホタルも消すつもりだった、というほど積極的に暗殺しようとしたわけでもなさそうだし。
 というかケルス、障壁まで張れるのか……性格自体はノアに比べて普通に見えたけど、スペックは凄いな。
 しかしノアさん、昔は結構いいキャラしてたけど、今やただただ不愉快なだけの奴に成り下がっちゃったな。裏切りというか、騙していたことがどうこうというよりも、手のひらの返し方がスマートじゃないし、言ってることも結局は「お前らムカつく」だけだし。かつての先輩を騙すような狡猾で謀略的なことができるんだから、もっと論理的なのかと思ってましたのに。
 けど、このノアの口振り、ひょっとして昔からヒナタには気に入らないところがあったのかな……もしそうならちょっと悲しい。
 と、まあ株が暴落したノアさんについてのガッカリ感はさておき、ここで《死神博士》の名前が出るのか……二重山括弧で表現されてるってことは、やっぱりクリーチャー?
 それとケルスはやっぱ他の英雄と比べて特殊な立ち位置なのか。どっかのツチノコみたいに他のステラアームドを捕食して強くなるなら、次はさらに強化された状態で出て来るのかな……
 わだかまりは残りますけど、一旦ことは収束……って、そうか。ヒナタのグラサンは彼女たちからの贈り物だったな……ノア一人からじゃないとはいえ、プレゼントを渡すくらいだし、やっぱり昔からの感情ではなく、昔とは変わった、ということなのかな。となるとなにがきっかけで、となりますけど……まあヒナタ有名人だし、ひょっとするとなにかしらのニュースで載ってて幻滅、とかだったりするかも。逆にそれ以外の要因があるだろうか……ヒナタが関わらない物事でヒナタに対する評価を下げるようなことはまずないはずだし。いや、そもそも、ノアの根本的な考え方が変わったから今のノアがあると考えれば、ヒナタは直接的に関係してなくてもいいのか……うぅむ、謎だ。情報が足りない。
 そしてノアがやりたい放題やった後に、頭を下げるヒナタは格好良かった。疎遠も疎遠で向こうは理不尽に嫌悪感剥き出しなのに、後輩の尻拭い……いい先輩過ぎでしょ。
 ただ、それが自分のせいみたいに考えるあたり、ヒナタは変わってないな……成長しきれてないとも言えるけど。あるいは、それがヒナタか?
 しかし個人的に気になるのは死神博士。ノアも追ってるっていうけど、決して死神博士を倒すことが目的とは限らないんだよな……それは鎧龍側としても同じですけど。だから、こと死神博士問題に関しては、ノアたちと結託する可能性も、対立する可能性も、どっちもあるわけか。ここまで両者の間で友好関係が荒れてて、結託するってなったらそれはそれで面白そうですけど。
 そしてその鍵となりそうなのは、ホタルっぽいなぁ。なんか、ノアの奥にあるなにかを察知してるっぽいし……因縁はこの二人かな。

part2へ続く

Re: デュエル・マスターズ D・ステラ 【侵略世界編】 ( No.433 )
日時: 2016/11/06 21:50
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: U7ARsfaj)

part2

 そんなこんなでドタバタした前哨戦を終えて、やっと世界か……瓜生崎校長、久しぶりだな。台詞ないけど。
 ノゾムのじっちゃんと、ヒナタの弟君は……こっちは久しぶりでもないな。でも再登場おめでとう。
 再登場と言えば、クナイがまた出て来た。嬉しい。だけど不穏。
 D・ステラに相応しくないと言ってるけど、今ここで参加メンバーの入れ替えが起こるとは思えないし、大会に直接的な関係はない? 加えてカードを渡されてるところを見ると、本当に不穏な空気しか感じない。
 加えてクナイの夢って……? 何気に一番気になるぞこれ。

 それはそれとして、最初の相手は中国、マカオですか。
 カジノつったらラスベガスのイメージの方が強いですけど、貪欲の国、中国の中にあると考えれば、こっちもこっちでなかなかか。なによりラスベガスだったらアメリカ被り起こすか。
 そのことはひとまず置いておいて、コロナとアマゾカゼ、もといアマノサグメ……お前ら飛行機にしがみついてまで偵察かよ。思ったより強引というか、そんな移動方法でいいのか?
 ……まあいいか。マゾに常識を求めてはいけない。マイノリティにはマイノリティなりのなにかがあるんだろう。
 マカオに到着して、奴さんのヘッドがいきなりご登場か……使いの者とか、校長とかではないんだね。
 ジンリュウのリーダーはテイシュウ君ね。中国って苗字の数が日本と比べてすこぶる少ないらしいですけど、流石海外のに苗字と名前の普遍性はわからない。
 前哨戦と言えばこここそ前哨戦と言えるのかな……本当にここでの対戦は余興っぽい感じだけど、なんでテイシュウ君はコトハにコスプレさせたがるんだろう。ただの趣味か。ホタルちゃんがダメだったのかな。
 でも、ヒナタがメイドコスするほうが面白そうとか言っちゃうあたり、ただの快楽主義者なのかも。面白ければそれでいい精神? その考え方は嫌いじゃないけど。
 あとどうでもいいですけど、「ズヴァリ」とかいう絶妙に日本語とずれた発音がなんか面白いですね、テイシュウ君。
 とにもかくにも、互いの名誉と沽券とプライドと……とりあえずメンタルヘルス的に悪そうな色んなものを賭けた前哨戦が始まっちゃいましたね。
 テイシュウ君は青単リキピー速攻。リキピーは侵略のおかげで速攻が強くなりましたね。それ以上に早い剣は許せないでづけど。
 一方、ヒナタは0・メモリー初期を彷彿とさせるカラーで、天門かぁ。上手くエンコマ展開できれば《バロンスペード》も怖くないけど、仕込んだ盾を《ラスト》で消されるのは痛い。というか、これはテイシュウ君が上手いな。天門で《エメラル》って個人的には微妙というか、同じ用途で使うなら《エメラルーダ》だろうと思ってますけど、そこを読み切って《ラスト》を投げられるのは強い。
 結局、なにもできずに侵略でボッコボコにされてしまったか、ヒナタ。防御に重きを置いた天門でもこの様とは。ヒナタは実は侵略と相性が悪い?
 ゆってここまで何度ボコされてきたかわからないヒナタですし、お遊びでやった一戦くらいで致命的にへこむこともないか。逆にノゾムのテンションがおかしいけど。まあ、メイド服なんて一生に一度くらいは誰だって着るよね?
 ただ、そこから、いつかお流れになったヒナタとノゾムの対戦が見れるとは思わなんだ。せっかくなら中身が重かった大阪の時に見たかったけど……まあいいか。
 まあまあ概ね普通の展開ですけど、《パクリオ》で得た情報アドバンテージを《ネクスト・チャージャー》で打ち消す動きは、地味ながらもいいですね。《ネクスト・チャージャー》の手札交換効果があまり使われないことも加味して、なかなか上手い使い方。、
 しかも続けて《シューマッハ》か。懐かしいな。火文明の貴重な手札補充で、ドロー過剰な青単コントロール相手だと変化球なハンデスみたいになったりもしますけど、今回のヒナタは手札の入れ替えが激しいなぁ。
 レンも墓地を確認しているし、ヒナタ本当になにを考えてるんだろう。更新時期的にはあり得ないけど、《無限超邪 クロスファイア》を大量展開してワンショットしたら燃える。
 まあ、結局は《トリガラ・ダシッチ》からの連ドラコンボだったわけですが。
 連ドラはコンボに頼らず、構築の運に任せてぶん投げる派ですけど、こうやって火文明同士で意外なシナジーを見せてくれると面白い。特に、アウトレイジがそれを仲介しているのとか、ヒナタのかつてのメイン種族がそうであったことも考えると、最高ですね。
 だけどそこから投げられるのは覇ァ! かぁ。コンボ自体はいいんですけど、頭脳の格闘技をされると若干萎える。すべては《「覇」》が悪い。
 と、スパを終えて決戦当日。
 どうにも大会の方針がよくわからんのですが、校内のサマートーナメントがきっちり五回戦って、国内がタッグマッチで、世界がその場で順番決めて三回デュエるマッチ戦ってどゆことなんでしょう? 方針に一貫性がないというか、普通は校内、国内、世界とグレードが上がるごとに方式も重厚で厳格になるものでは。校内戦が今のところ、一番形がしっかりしているように感じる……
 とか考えててふと気になりましたけど、D・ステラの運営委員会とかってどうなってんだろう。純粋な疑問。誰が運営しているのかちょっと気になったのです。
 先鋒はノゾムで、相手さんは……リンユーさんね。
 見た感じ、普通のマジコマ侵略っぽい。《シャッフ》を使うあたり、もう既に強者感が漂っている。
 しかしリンユーさん、トップデックを知っているかのように《ベガス》投げてるけど、流石にハッタリだよね? 闇眼なんて使えないよね?
 マジックマジックと連呼する対戦ですけど、高度に発達した科学は魔法と同じ、というスタンスがノゾムから見て取れてて、たい肥のようで面白いですね。もっとも、リンユーさんのマジックは魔法というよりは手品の意味っぽいですが。手品なんて科学の集合体だし、そう考えるとこれは科学と科学の対決か?
 《プラズマ》からの《Q.E.D.+》龍解というゴールデンムーヴメントでノゾムが盛り返してきたところで、リンユーさん覚醒。こんな性格だったんだね。
 でも、淑女を装ってたって、リンユーさん……お言葉ですが、淑女は声を荒げたり、張り上げたり、ましてや舌打ちなんてはしたない真似はしませんのよ? しかも轢き殺すって、それバイク……
 ただまあ、フィニッシュが《ベルセブン》になったっていうのは、個人的には良かったですね。何気に好きなですよね、あいつ。わりと堅実なスペックで、かつ詰めの一手としては強力。クリーチャーのトリガーが増えたことと、アドが取りやすい《マスターG》や《ガチダイオー》が優先されがちなのが向かい風なのが残念。《ガチダイオー》のお陰で侵略モードを達成しやすくなったのは追い風ですけど。
 初戦が敗戦と幸先悪い鎧龍。次はコトハと……なんか鬱な人。グエン君? 《タイム・パラドックス》が似合いそう。
 しかしグエン君、テイシュウとの賭けでマジコマ全部取り上げられたのか……賭けに乗った奴も悪いとはいえちょっと可哀そう。
 でも、切り札を奪われても中堅戦に出してもらえるだなんて、よっぽど優秀だったんだな……グエン君、何気に凄い奴なのか。
 《ジャバン》なんて不思議なカードを使うからなにをしてくるかと思えば、《サイバークーン》か。そしてやっぱり《ホーガン》か。捲るのが好きなのかな? ギャンブルしたいならキューブを使えばいいと思うの。
 でも採用カードはなかなか不思議だな。《ラブリー・ハート》って……《トワイライトΣ》はわかるけど。
 とか思ってたら《蒼炎》か。成程なぁ。《ホーガン》では投げられないけど、《サイバークーン》での踏み倒し候補か。《Σ》はサブプランかな?
 グエン君、マジコマを取り上げられても中堅を任される理由がわかった気がする。なかなかよく考えられてて面白いな。素出しも考慮して《チックチック》採用というのも良い。
 なのにコトハ、お前あんな啖呵を切ったわりには無策かよ……ど根性精神論かよ。これが理不尽って奴か……しかも最後は《ガイグレン》だし。
 スマートに展開していたグエン君が可哀そうになって来たな……展開上仕方ないとはいえ。
 とりあえずこれでイーブン。最後は当然、ヒナタとテイシュウ君ですよねー
 テイシュウ君はリンユーさんと似たり寄ったりのマジコマの侵略。《シャッフ》は出さないのね。
 代わりと言わんばかりの早さ重視の《チャンG》ちゃん。まあ、《マスターG》だよなぁ、《ベガスダラー》に続くとしたら。《ガチダイオー》って線も見てたけど。
 さらりと《ベガスダラー》を雑魚呼ばわりするテイシュウ君。まあ確かに運任せすぎるけど、確実にアド取れる《ベガスダラー》も捨てたもんじゃないと思うんですけどね。cipが多い奇天烈侵略は一度に連続して侵略することが多いから、青単でも意外と手札枯れるし。
 とにもかくにも、《マスターG》が出たとなると、競争だなぁ。
 どっちが殴り切るのが早いか。もしくは、殴り切られる前に《マスターG》を倒せるか。
 と言ても、奇天烈だって腐っても侵略者。ビートダウン能力は高いわけですし、《マスターG》でポカスカ殴られてすぐに王手になりますよね。
 綺麗に《ドギラゴン》の革命メタされて、殴り続けて破壊することもできないからどうするのかと思いましたが……久しぶりだな、《ドラッケンA》。サマートーナメントの、ジェイコフ戦以来か?
 結局は最後まで運任せで処理することになりましたけど、ある意味、奇天烈の侵略者らしい最後か。とか言って。まだ対戦自体は終わってませんけども。
 盤面がひっくり返って攻守が逆転し、ヒナタが一気に畳み掛けますけど……テイシュウ君、前情報になかったって、超次元ゾーンくらい見ておこうよ、公開情報なんだからさ……《モルト「覇」》だって捲れてたし。
 互いにシールドが削り取られて、チキンレース染みてきましたが……テイシュウ君、《シャッフ》いたのね。まあ当然か。
 どころか《アクア・ガード》に《ディオーネ》まで……《アクア・ガード》は《コイコイ》の進化元、《ディオーネ》は対ヒナタ用のメタカードと見れば、まあわからんでもないか……? S・トリガー《ドギラゴン・エントリー》よりは辻褄が合う。
 最後は革命の《グレンモルト》で、攻撃を止めつつフィニッシュか。土俵際のせめぎ合いとしては、最高の一枚で終わったなぁ。
 長かったようで短かったですけど、これでD・ステラ世界戦の初戦は終了かぁ。
 そういや、テイシュウ君、コトハにコスプレさせようとしてたけど、あれは本当になんだったんだろう……まあ、ここでコトハを取り合うみたいな陳腐な展開にならず、しっかり熱い対戦見せてくれたのは良かったですけど。

 ヒナタらが熱戦を繰り広げている間、よそでは案外あっさり終わってるD・ステラ。三界はタイだったのね。あそこって仏教圏だっけ。
 イギリスが強いのはなんとなく予想内ですけど、ブラジルかぁ……確かに意外というか盲点だった。仮面とか如何にも怪しすぎるけど、ダークホースとしては期待できる。

part3へ続く

Re: デュエル・マスターズ D・ステラ 【侵略世界編】 ( No.434 )
日時: 2016/11/06 21:52
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: U7ARsfaj)

part3

 途中で挟まれる番外編は……なんか超常設定が追加されてるけど、やっぱり探偵好きだなぁ、という感想が真っ先に出て来る。
 でも今回は何気にオールスターですね。キイチに獅子怒さんまで出て来るとは。
 しかし、後のイギリスでもちょっと思いましたけど、ここらからFateネタ多いな……
 あとヒナタの推理は推理でもなんでもなく、ただの記憶力と観察眼って言うね。地味に伏線回収になってるのは変に感心しましたけど。

 本編に戻ると、次はイギリス戦ね。
 王立という日本じゃお耳になれない枕詞が如何にもイギリスらしい。
 して三界仏教徒集団を完封したらしいコーネリアさんは、『遊撃調査隊クリーガー』の一員?
 そういやそんな話をしてたなぁ……忘れてた。
 てことは、D・ステラでは敵だけど、対邪悪龍に関しては味方……という認識でいいのかな?
 彼女を態度を見ていると、フジとはビジネス上の付き合いで、それ以外は無関心だと思えるくらいにドライな性格だと感じますけど。
 だけど、学校紹介をしてくれるコーネリアさん優しい。まあ優しさでやってるとは思いませんけど。
 マカオはギャンブルわっしょいでなんだかんだ楽しげでしたけど、イギリスは厳格だなぁ。
 レンはコーネリアさんと対立起こして、なんだかんだ、両者の仲介役を担ってるフジパイセンの気苦労が絶えなさそうだ。
 ちなみにモノクロはコーネリアさんの意見には反対派。勝つためにやるならゲームじゃなくて戦争ですよ。より抽象化するなら、戦い、ですね。
 本気で戦えばそれだけガチな楽しさというのは生まれますけど、その楽しさの部分を抽出したのが、いわゆるゲームとして発展したものなのかな、と思ってます。楽しいからゲームであって、単純に勝ちたいだけなら勉強でも戦争でもしてろって感じです。
 もっとも、ゲームも根底として、勝利という目標が確固なものでなければ、楽しくないですけど。最初から負けてもいいとか、捨て打つような姿勢でゲームに向かわれると萎えるし面白くない。お互いに勝利に対して真摯であるからこそ面白い、というのは確実にあると思いますね。
 だからコーネリアさんの言うことも、一概に全否定できるわけじゃないんだよなぁ。どっちが正しいというより、正しさの要素はどっちも含んでる、って感じかな。
 まあ、相手を蹂躙しなければならないっていうのは全面的に否定しますけど。ゲームは相手がいないとできないだから、対戦相手には敬意を払わないと。だから今回のモノクロはレンに肩を持ちますよ……あ、いつものことか。
 あぁでも、そうか。邪悪龍の存在も考えると、敬意もクソもないし、それこそ戦争染みてるか……そちらも加味すると、難しい問題だな。分けて考えるっていうのが一番だけど、そんな単純でもないしなぁ。
 そういえば、コーネリアさんはパイセンのことを「フジ先輩」って呼ぶんですね。直接同じ学校の先輩後輩でもないのに。
 しかしパイセンはリトルコーチという立場上もあるから、気を揉むことも多いし、気を遣うこともあるし、本当に気苦労が絶えないな……モノクロ、初めてパイセンに同情したかもしれない。
 それとコーネリアさん口悪いよ! 極東の黄ザルって。黄ザルって聞くと強そうに聞こえるけど。
 今回は対戦までに時間が開くのか……それだけに、途中でなにかある予感しかしない。なんか『ロックマンエグゼ4』を思い出す。
 休憩時間、レンはロンドン市内を散策か。優雅ですね。
 だけど訪れるのはカードショップ。しかもすぐさま闇のカードに目を走らせるあたり、もう黒く染まってんな。
 黒く染まったレンとは逆に、ライトレイに染まってないシャノンちゃんとの邂逅。染まるとか聞くと、ライトレイは生徒を洗脳してるように聞こえて物騒ですね。
 こうして改めてレンの会話を聞くと、なんていうか、レンってお喋りはあんまり得意じゃないですよね。特にデュエマから外れた話題になると。美学美学うるさいだけあって、持論を述べる時は滔々と語りますけど、普通に会話するのはなかなか下手くそ……レンらしいですけど。
 そういやシャノンちゃんがドラゴン格好良いって言ってますけど、西洋だとドラゴンはむしろ、邪悪な象徴なのではないでしょうか……伝説、神話においては少なくともそうであるはず。現代のイギリス人がどう思ってるかは知らんですが。
 こういう楽しいお喋りタイムはなかなか新鮮でしたけど、妨害入ったかぁ。こいつが今回の敵なのかな。
 賢王と言うから、時期的にもなんとなく《サファイア・ウィズダム》を想起しましたが、中身は全然関係ねーな。ドロマーのナイトコンか。ナイトメアコンじゃなくて、純正のナイトコン。
 とか思ってたけど天門じゃん。これネロ天門じゃん。珍しい。
 邪悪龍の連中は友好色サイクルになってる様子で、アンカ少年の《ソウルフェザー》が赤緑。キングはケフェウス座の《ケフェウス・ウィズ》で、白青かぁ。
 《ソウルフェザー》がどことなく《ソウル・フェニックス》を意識したスペックだったのに対し、《ケフェウス・ウィズ》は別段《スターマン》染みた能力があるわけではないんですね。まあ、《バジュラ》にリベンジされた《スターマン》は昨今、縁起が良いとは言えませんが。
 ネロ天門と対応するその能力は呪文関係か……というかこいつ、コマンドついてるけどサイバー・ドラゴンか。それにコラプサーってなんだ……ブラックホール? ドキンちゃんみたいに宇宙でも破壊するつもりか?
 コラプサーについてはよくわからないけど、《ケフェウス》は《ロマノフΖ》を小型にしたみたいに、墓地の呪文を戻して武装か。下手に最速にしようとしても墓地に呪文は溜まらないし、五枚という数は調整としては妥当なのかな。
 しかし、武装後の呪文連打はなかなかえげつないな……運任せとはいえ、コスト6以下なら最大五枚までタダで詠唱か。《ジャスティス》《ロマノフⅡ世》もびっくりだな。アドの取り方が半端ねぇ。
 肝心の《ウツセミヘンゲ》も破壊じゃなきゃ耐性を生かせないし、バウンスからのハンデスは言うまでもなく強力というか、実質的な確定除去だし。
 場を壊滅された上に三体目の《ネロ》とか悪夢以外のなにものでもないですが、ここで中断か。なんか《クラベリオンCep》にはまだ他の能力があったっぽいですけど……
 こうして止めに入ったり、アンカ少年について言及しているあたり、邪悪龍の使い手たちも個々で動いてるわけではなく、徒党を組んでるっぽいですね。
 というかアンカ少年は仲間にも狂人と呼ばれてるのか……やっぱ狂ってんのな、彼。
 対戦が中断されて現実に引き戻されたわけですけど、シャノンちゃんとトレードか。レンが渡しておきたいと言ってここで交換に出したカードが気になりますけど、逆にシャノンからトレードで貰ったカードも気になる。レンとコーネリアさんで対立フラグ立ってるし、後のシャノンちゃんとコーネリアさんのやり取りを見ても、ここでトレードに出したカードが、二人の因縁の鍵になりそうな予感。
 しかし、コーネリアさんの義妹って、シャノンちゃんのことなのかなぁ……そう考えるのは早計な気もするけど、それ以外に思い当たる節はないしなぁ。
 コーネリアさんもコーネリアさんで、英雄のカードかなにか持ってるっぽいし。イギリスだし、エクスカリバーとかラグナロクとか出てきそう。Fateネタがなんか多いのも、アーサー王物語を絡めたフラグだったりするのかな。

 随分と長くなったなぁ……冗長にだらだら書きすぎたのもあるけど、このくらい話が進んだら、流石にこのくらいは触れるところがあったり、感じたり思うところもあるということで一つ、許してくださいなんでもしますから。
 三回に分けてコメント投下なんてモノクロ史上初めてですし、いくらなんでも長いので、最初に言ったように流してもらっても結構です。
 ではでは。

Act4:増殖  ( No.435 )
日時: 2016/11/06 22:32
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)

「——で、済ますと思ってんのかオイ」
「何でこうなるんですか……」
『またもや悪用される隠蔽呪文……』
『今回は私の幻術もあるから更に強化されているな』
「悪質なストーキングスキルの類っすね……」
「ひっどいわね! 能力は使い手次第だわ!」
「ああ、すっげー説得力があるな」
「これは、潜入取材に使えそうなスキル! ハーシェルも、何かやってみてください!」
『無理じゃ』
『即答だね!』

 背後に群がる4人の影。
 言うまでも無く、ヒナタにコトハ、ホタル、ノゾムである。
 悪質なストーキングスキルである隠蔽呪文と幻術の組み合わせによって、彼らはレンにもアヴィオールにもよほど接近しない限り気付かれる事は無い。
 加えて——

「俺達は変装までしているんだぜ! バレるわけがない!」
「あ、あははは……良いのかなコレ……」

 ヒナタとコトハは、片や厚手のコートにどっから持ってきたか分からないアフロの鬘にグラサン、片や帽子にグラサン、そしてマスクとどっからどう見ても露骨で怪しい変装に身を包んでいたのだった。

「あの、ヒナタ先輩……それはいくら何でもバレバレというか」
「黙れノゾム。今の俺はグラサンキッドだ、偽りの名(コードネーム)で呼びたまえ、OK?」
「お、OK……」
「き、如月先輩も……少し悪乗りが過ぎるというか」
「いやあ、何か……後悔はしてる」
「それよりもターゲットBB(ブラックバード)、バスをこのバス停から降りたぞ。お前らも、他人のフリをしておりろ」
「ら、らじゃー?」
「そこも乗るんですね、如月先輩……」

 しかし隠蔽と幻術が功を奏したか、気付いた素振りも見せず、レンはバスを降りていく。
 どうやら今回は本当に気付いていないようだった。
 1人で行動するレンを放っては置けない。万が一、彼に何かが起こっても大丈夫なように始めた今回の尾行であるが——好奇心と個人的な興味の方が勝っていたのは言うまでも無い。



 ***



「……だけどよぉ、俺らにも黙っていくような用事なんてあるか?」
「まさか、現地で出会った女の子と会う約束をしてるとか?」
「あのレンよ? 絶対ないわよ、ホタルちゃん。レンはタダでさえ堅い性格で、しかもあの事件があったのよ? そう簡単には——」
「散々な言い分だが、かってぇ所はおめーも人の事言えねえからな?」

 ——何でヒナタ先輩の周りには堅物な人ばっか集まるんだろ……。
 正直、ヒナタ、レン、コトハの3人組は、良い感じにヒナタがムードメーカー兼纏め役をやっていて初めて機能しているのではないか、とノゾムは思う。
 ホタルもそれには同感だったらしく、頷いた。

「ま、でも気になるよなあ、此処まで来たら」
『しかし、だからと言って他人のプライベートを侵害するのは良くないのう』
『一番他人のプライベートを侵害し得る能力を持っているお前が言うか、ハーシェルよ』

 しばらく黙っていた彼だが、一瞬だけ目を瞑ったのちにボソッ、と吐いた。

『……ふむ、この間も終始クレセントの主導権だった、か』
『やめろォ!! 私が悪かった!! そんなところの記憶を読むな!!』
『んー? 何の話をしてるのー?』
『別に何でもないわい』
『呆れてモノも言えないのですにゃ』
「あ、レンが喫茶店に着いたわよ」
「まさか呑気に紅茶でも飲みにか? あいつコーヒー派ってイメージが」
「ちょっと待ってください、先輩!」

 おぶっ、と漏れたヒナタの声を無視し、アフロを押しのけてホタルは身を乗り出す。
 レンの前には、少女の姿があった。
 それも、金髪碧眼が目を引く愛らしいコーカソイドの少女だ。
 しかも嬉しそうに、彼と何かを話しているようだった。

「……まさか本当に女の子に会いに、ですかぁ!?」
「うっそだろ、オイ!?」
「ど、どうするの?」
「そ、そうだよなあ……言えるわけねえよなあ、俺らに。向こうで、現地の女の子とデキちまったなんて」

 うんうん、と頷くヒナタ。
 コトハも半信半疑ではあるが、一応レンのフォローだけしておく。

「いや、まだそうとは限らないでしょ。……アレ、何だろうこの状況、すっごい既視感があるんだけど……もしかしてあたし達、あのバカ兄貴と同じ事やってる?」
「あ、店内に入っていきました」
「取り敢えず、これ以上はよすか」
「そ、そうですね……近くをぶらぶらでもしておきますか」
「クレセントはロンドン市内にクリーチャーの反応が無いかだけ頼む。一番サーチの範囲広いのお前だしな」
『うええ、すっかりかろーしたんとーだよぉ……まあ、仕方ないけどさあ』

 


 ***



「それでね、それでね——この紅茶とかどうかな?」
「……ふむ。これは良い香りだ。それに、ジャムと合うな」
「でしょ?」

 屈託のない笑顔で話をするシャノン。
 紅茶を手に、互いの国の事や、デュエマの事を話す。
 この時だけは、邪悪龍の事も、D・ステラの事もレンは忘れる事が出来た。
 ——何だろう。癒される。普段が、あのグラサン共と付き合ってるからというのもあるが。いや、胃が痛い原因は、ほぼグラサンオンリーだけども。
 此処までまともに純真な少女に出会うこともなかなかない。
 特に、最近出会った女連中が揃いも揃ってまともではなかったのを見るに、まさに癒し。まさにオアシスであった。
 
「それじゃあ、そろそろデュエルしよっ、レン!」
「そうだな。僕も君の実力を見てみたいところだ」

 席を立つ2人。
 勘定を払い、そのまま店を出る。
 そして、カードショップに向かうことにしたのだった——



 ***



 昨日のカードショップのデュエルスペースの一角で、対峙する2人。
 デッキをシャッフルし、シールドを展開する。
 今回、レンが使うデッキは大会で使うものではないが、それでも完成度には自信がある。相手は仮にもライトレイの生徒。気は抜けない。

「やるからには、手加減なんかしないでよね、レン!」
「ああ、勿論だ。全力で行かせて貰おうか」

 この時。
 レンは決して彼女を侮っていたわけではない。
 だが、イギリス戦前の前哨戦のような形で挑んでいたのは確かだ。
 しかし——



「——」



 彼は後に嫌という程理解することになる。
 彼女の背後に潜む影と共に、彼女の持つ力を。
 この時はまだ、知る由も無かった——

Act4:増殖 ( No.436 )
日時: 2016/11/26 16:53
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)

「スペル、《メンデルスゾーン》を唱えるよ! その効果で、山札の上から《偽りの王 ヴィルヘルム》と《墓標の悪魔龍 グレイブモット》をマナに置くよ!」

 先攻2ターン目。早速、シャノンは連ドラご用達のブーストカードの《メンデルスゾーン》を使い、マナのカードを4枚に増やした。
 ——ふむ。闇交じりのドラゴンデッキ……。
 レンは、早速そう分析した。となれば、昨日自分が渡したカードも使ってくるかもしれない、と予想する。
 だが、それ以外のカードをレンは知らない。

「なら、僕は2マナで《オタカラ・アッタカラ》を召喚だ。山札から2枚を墓地に置き、ターンエンド」
「それじゃあ、アタシのターン!」

 カードを引くシャノン。
 そのまま、カードを置き、5枚のカードをタップした。

「《龍神 ヘヴィ》を召喚! その効果で、自身を破壊して、そっちも1体破壊してね!」
「《オタカラ・アッタカラ》を破壊だ」
「そして、アタシは1枚カードをドローするよ! ターンエンド!」

 あまり、これは美味しくなかった。
 次のターン、レンはコスト4のクリーチャーを召喚できなくなってしまうことになる。
 しかし、彼も負けてばかりではない。

「では、僕のターンだ。3マナをタップして、《ザビ・バレル》を召喚する」
「うっ……」
「手札を選んで捨ててくれ」

 レンもハンデスで、こちらもテンポを奪っていくプランだ。
 落ちたのはコスト6、《熱血龍 バトラッシュ・ナックル》だ。
 それを見て、レンは徐に呟く。

「……日本のカードか」
「え、えへへ……よく怒られるんだけどね。やっぱり、かっこいいドラゴンに憧れちゃうんだよね、アタシ。昔、テレビで見た試合に見惚れちゃって……」
「いや、悪くないぞ。己の信じたカードを信じるんだ。貴様の選択は間違っていない」

 ターン終了だ、と告げる。
 かああ、とシャノンの頬が少し赤くなった。

「でもね、このデッキを使うのも後少しなんだよね」
 
 カードを引くと、彼女はそのままターンを終える。
 このターンに使えるカードが引けなかったのだろう。

「アタシは、もっと強くなりたいし、周りもそう言ってる。次の試験で合格したら、ライトレイの最新カードをもらえるんだけどね、それを使うデッキに切り替えろって言われてるんだ」
「デッキまで縛られるのか? ライトレイというのは」
「一部の人だけ、だよ。アタシみたいな一部の、ね」

 レンはカードを引く。
 ——一部、か……。
 そう、考えた。彼女のその言葉が何を意味しているのか。成績がそれほどに良好なのだろうか。

「やれやれ、本当におかしな話だ」
「そう思う、かな」
「まるでそれでは——」

 それ以上は何も言わなかった。
 ——まるで、都合のいい操り人形だ、と。
 ライトレイの、イギリスの名声を上げ、それらに都合のいい、イメージの良いデュエリストをこうして養成していくのだろう。
 上から指定されたデッキを使い、淡々と、そして黙々と作業のように相手に勝つ。
 そんな光景がすぐに浮かんだ。そういったうわさは、以前からイギリスのプロデュエマグループで沸いていた話だ。
 競技としては、それが正しいのかもしれないが——
 ——……何の為のトレーディングカードゲームなのか分かったものじゃないな。

「シャノン」
「? 何?」
「君は何の為にデュエルをしている?」
「……」
「答えられるか?」

 そのまま、彼は4枚のマナをタップする。

「——試合で、極めに極めた高みで相手に勝つためか? それもいいだろう。素晴らしいじゃないか。”ライトレイの言う”競技として自分が極めたいと思っているならな」

 そして、1枚のカードを置いた。

「——《暗黒鎧 ヴェイダー》召喚。ターン終了時に、山札の上から1枚を墓地に。それがクリーチャーの《革命魔龍 キル・ザ・ライブ》だったので1枚ドローだ」
「……アタシのターン」

 そのまま、彼女は口を噤んでしまった。
 7枚のマナをタップする。

「——《邪蹄の悪魔龍 ベル・ヘル・デ・リンネ》召喚」

 現れたのは、邪悪なる蹄を持つ悪魔龍であった。
 相手のクリーチャーが破壊されるたびに、ドラゴンを場に出す強力なクリーチャーだ。
 ——ふむ。まずいな……《リンネ》連ドラ、か……。
 レンは思い返す。以前、自分がヒナタに牙を剝いた時に使っていたデッキだ。

「——わかんないよ。そんなの……アタシには、デュエマしか、無いのに……」
「何故、そんなことを言うんだ。世の中は何も——」
「無い、んだよ……アタシには、これしかね、ふふっ。おかしいでしょ?」
「……」

 この少女の口振り。
 笑顔を浮かべているが、余りにもそれは切ないものだった。
 何かを、隠しているような、そんな表情だ。
 これ以上は、レンの良心が痛んだ。申し訳ない気持ちが込み上げてくる。

「……いや、済まなかった。問い詰めるような真似をして。僕は、君が自分で望んだ道に進んでくれるならそれでいいんだ。自分と相談して、自分の納得したがままのデュエルをしてくれれば、それでいいんだ」
「ううん、良いんだよ! レンがそんなに気にしなくたって。じゃあ、進めちゃお?」
「ああ。そうしようか。では、僕のターン」

 再び、4枚のマナをタップする。

「《不吉の悪魔龍 テンザン》召喚!! こいつは、パワー13000のT・ブレイカーだ」
「うええ!?」

 一気にシャノンは驚いたような表情を見せた。
 これはまずい、と彼女も思ったのだろう。
 コスト4で現れる普通のクリーチャーの中では最大クラス。
 攻撃するたびに山札を13枚墓地に置いてしまうというデメリットこそあるが。
 そのまま、《ヴェイダー》の効果を発動し、レンはターンを終える。

「う、アタシのターン——それじゃあ、《偽りの名 ヤバスギル・スキル》召喚! その効果で、墓地から《ヘヴィ》を回収して《テンザン》を破壊するよ!」



偽りの名(コードネーム) ヤバスギル・スキル SR 闇文明 (8)
クリーチャー:ドラゴン・ゾンビ/アンノウン 8000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、またはこのクリーチャーが攻撃する時、ドラゴン・ゾンビまたはコスト7以上のクリーチャーを1体、自分の墓地から手札に戻してもよい。そうした場合、相手のコスト6以下のクリーチャーを1体破壊する。
W・ブレイカー




「相手のクリーチャーが破壊されたから、《リンネ》の効果発動! これで、山札をシャッフルして、それがドラゴンなら場に出すよ!」

 相手のクリーチャーが破壊される、というトリガーで《リンネ》の効果が発動した。
 捲られた山札のカードは——

「うっ……《メンデルスゾーン》——」

 ——非情にも、ドラゴンではなかった。

「じゃあ、効果で手札を捨ててね!」
「《鎧亜の咆哮 キリュー・ジルヴェス》を墓地に置く」
「むう……何だろ、このもやもや」
「……さて、僕のターンだな」

 カードを引くレン。
 そのまま、4枚のマナを再びタップした。
 まだ、余裕はある。焦らずに準備するだけだ。

「呪文、《リバース・チャージャー》。その効果で、《リュウセイ・イン・ザ・ダーク》を手札に加える。《ヴェイダー》の効果で、山札の上から1枚を墓地に置いてターンエンドだ」
「……それじゃあ、行くよ」

 結局増えたのはマナと手札のみ。
 ブロッカーが2体いるとは言え、これでは貧弱だ。
 このターンで攻め落とす。確固たる理念を以て、シャノンは詰めに入った。

「アタシのターン、ドロー」

 そして、6枚のマナをタップした。

「《爆竜 バトラッシュ・ナックル》召喚! その効果で《ヴェイダー》を破壊! そして——《ベル・ヘル・デ・リンネ》の効果発動!」

 来るか、とレンは身構えた。
 そして——山札がシャッフルされ、一番上のカードがシャノンの手によって捲られる。
 ぐっ、と一度目を祈るように瞑ると、彼女はそれを開示してみせた。



「出てきて!! 紅蓮の皇帝龍(モナーク)、《インフェルヌス・イモーレイター》!!」


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