二次創作小説(紙ほか)

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デュエル・マスターズ D・ステラ 【侵略世界編】
日時: 2017/01/16 20:03
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)

【読者の皆様へ】
はい、どうも。二次版でお馴染み(?)となっているタクと申します。今回の小説は前作の”デュエル・マスターズ0・メモリー”の続編となっております。恐らく、こちらから読んだ方がより分かりやすいと思いますが、過去の文というだけあって拙いです。今も十分拙いですが。
今作は、前作とは違ってオリカを更にメインに見据えたストーリーとなっています。ストーリーも相も変わらず行き当たりばったりになるかもしれませんが、応援よろしくお願いします。

また、最近デュエマvaultというサイトに出没します。Likaonというハンドルネームで活動しているので、作者と対戦をしたい方はお気軽にどうぞ。


”新たなるデュエル、駆け抜けろ新時代! そして、超古代の系譜が目覚めるとき、デュエマは新たな次元へ!”



『星の英雄編』


 第一章:月下転生

Act0:プロローグとモノローグ
>>01
Act1:月と太陽
>>04 >>05 >>06
Act2:対価と取引
>>07
Act3:焦燥と制限時間
>>08 >>10
Act4:月英雄と尾英雄
>>13
Act5:決闘と駆け引き
>>14 >>15 >>18
Act6:九尾と憎悪
>>19 >>21
Act7:暁の光と幻の炎
>>22 >>23
Act8:九尾と玉兎
>>25

 第二章:一角獣

Act1:デュエルは芸術か?
>>27 >>28 >>29
Act2:狩猟者は皮肉か?
>>30 >>31 >>32 >>33
Act3:龍は何度連鎖するか?
>>36 >>37
Act4:一角獣は女好きか?
>>38 >>39 >>41 >>42 >>43 >>44 >>45
Act5:龍は死して尚生き続けるか?
>>48

 第三章:骸骨龍

Act1:接触・アヴィオール
>>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55
Act2:追憶・白陽/療養・クレセント
>>56 >>57
Act3:疾走・トラックチェイス
>>66
Act4:怨炎・アヴィオール
>>67 >>68
Act5:武装・星の力
>>69 >>70
Act6:接近・次なる影
>>73

 第四章:長靴を履いた猫

Act1:記憶×触発
>>74 >>75 >>76 >>77
Act2:龍素力学×龍脈術=3D龍解
>>78 >>79 >>80
Act3:捨て猫×少女=飼い猫?
>>81 >>82
Act4:リターン・オブ・サバイバー
>>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90
Act5:格の差
>>91 >>92 >>93 >>104
Act6:二つの解
>>107 >>108 >>109 >>110
Act7:大地を潤す者=大地を荒らす者
>>111 >>112 >>113
Act8:結末=QED
>>114

 第五章:英雄集結

Act1:星の下で
>>117 >>118 >>119
Act2:レンの傷跡
>>127 >>128 >>129
Act3:警戒
>>130 >>131 >>132
Act4:策略
>>134 >>135
Act5:強襲
>>136
Act6:破滅の戦略
>>137 >>138 >>143
Act7:不死鳥の秘技
>>144 >>145 >>146
Act8:痛み分け、そして反撃へ
>>147
Act9:fire fly
>>177 >>178 >>179 >>180 >>181
Act10:決戦へ
>>182 >>184 >>185 >>187
Act11:暁の太陽に勝利を望む
>>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>193 >>194 >>195
Act12:真相
>>196 >>198
Act13:武装・地獄の黒龍
>>200 >>201 >>202 >>203
Act14:近づく星
>>204


『列島予選編』


 第六章:革命への道筋

Act0:侵攻する略奪者
>>207
Act1:鎧龍サマートーナメント
>>208 >>209
Act2:開幕
>>215 >>217 >>218
Act3:特訓
>>219 >>220 >>221
Act4:休息
>>222 >>223
Act5:対決・一角獣対玉兎
>>224 >>226
Act6:最後の夜
>>228 >>229
Act7:鎧龍頂上決戦

Part1:無法の盾刃
>>230 >>231 >>232 >>233 >>234 >>235 >>236 >>239
Part2:ダイチの支配者、再び
>>240 >>241 >>242 >>243 >>244 >>245 >>246 >>247 >>248 >>250
Part3:燃える革命
>>252 >>253 >>254 >>255 >>256
Part4:轟く侵略
>>257 >>258 >>259 >>260 >>261

Act8:次なる舞台へ
>>262


 第七章:世界への切符

Act1:紡ぐ言の葉
>>263 >>264 >>265 >>266 >>267 >>268 >>270
Act2:暁ヒナタという少年
>>272 >>273
Act3:ヒナとナナ
>>275 >>276 >>277 >>278 >>279 >>280 >>281
Act4:誓いのサングラス
>>282 >>283 >>284 >>285
Act5:天王/魔王VS超戦/地獄
>>286 >>287 >>295 >>296 >>297 >>298 >>301 >>302 >>303 >>304 >>305
Act6:伝説/閃龍VS獅子/必勝
>>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>323
Act7:青天霹靂
>>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331
Act8:揺らぐ言の葉
>>332 >>333 >>334 >>335 >>336
Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神
>>337 >>338 >>339 >>340 >>341 >>342 >>343
Act10:伝える言の葉
>>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351
Act11:連鎖反応
>>352


『侵略世界編』


 第八章:束の間の日常

Act1:揺らめく影
>>353 >>354 >>359 >>360 >>361 >>362
Act2:疑惑
>>363 >>364
Act3:ニューヨークからの来訪者
>>367 >>368 >>369 >>370 >>371
Act4:躙られた思い
>>374 >>375 >>376 >>377
Act5:貴方の為に
>>378 >>379 >>380 >>381 >>384 >>386
Act6:ディストーション 〜歪な戦慄〜
>>387 >>388 >>389
Act7:武装・天命の騎士
>>390 >>391
Act8:冥獣の思惑
>>392
Act9:終演、そして——
>>393


 第九章:侵略の一手

Act0:開幕、D・ステラ
>>396
Act1:ウィザード
>>397 >>398
Act2:ギャンブル・パーティー
>>399 >>400 >>401
Act3:再燃 
>>402 >>403 >>404
Act4:奇天烈の侵略者
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>411
Act5:確率の支配者
>>412 >>413
Act6:不滅の銀河
>>414 >>415
Act7:開始地点
>>416


 第十章:剣と刃

Act1:漆黒近衛隊(エボニーロイヤル)
>>423 >>424
Act2:シャノン
>>425 >>426
Act3:賢王の邪悪龍
>>427 >>428 >>429
Act4:増殖
>>430 >>431 >>435 >>436 >>438 >>439 >>440 >>441 >>442
Act5:封じられし栄冠
>>444


短編:本編のシリアスさに疲れたらこちらで口直し。ギャグ中心なので存分に笑ってくださいませ。
また、時系列を明記したので、これらの章を読んでから閲覧することをお勧めします。

短編1:そして伝説へ……行けるの、これ
時系列:第一章の後
>>62 >>63 >>64 >>65

短編2:てめーが不幸なのは義務であって
時系列:第三章の後
>>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103

短編3:文化祭(と言えば聞こえは良いが要は唯のスクランブル)
時系列:第四章の後
>>120 >>121 >>122 >>123 >>124 >>125 >>126

短編4:十六夜ノゾムの災厄な一日
時系列:第四章の後
>>149 >>150 >>153 >>154 >>155 >>156

短編5:恋情パラレル
時系列:第四章の後
>>157 >>158 >>159 >>160 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>173 >>174 >>175 >>176

短編6:Re・探偵パラレル
時系列:平行世界
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422

エイプリルフール2016
>>299 >>300

謹賀新年2017
>>443


登場人物
>>9
※ネタバレ注意。更新されている回を全部読んでからみることをお勧めします

オリジナルカード紹介
(1)>>96 (2)>>271
※ネタバレ注意につき、各章を読み終わってから閲覧することをお勧めします。

お知らせ
16/8/28:オリカ紹介2更新

Act3:龍は何度連鎖するか? ( No.36 )
日時: 2014/06/17 21:44
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)

「情けないわねぇ、それでアタシにデッキ改造の相談をしてきたわけ?」
「うっ……」

 翌日のカードショップ『WIN×WIN』。デュエルスペースをはさんで、ヒナタと会話している少女はさも呆れたように言った。

「分かったわ。アタシはD・ステラとかいうのには、はっきり言って興味ないけど、あんたがドンドン強くなるところを見るのは、面白いもの。今回だけ、その手助けをしてやってもいいわ」
「ホ、ホントか!?」
「勘違いしないことっ! アタシは別に、前に助けられた借りを返すためにやってるのであって!」

 少女は頬を少し紅くするとそっぽを向いて言い放った。
 少女の名は如月コトハ。凛とした瞳に、はつらつとした元気なものを感じさせるポニーテール、そして抜群のスタイルを見れば、大概の男子は彼女にハートを射抜かれてしまう。
 にも拘らず、なかなか彼女に男子が寄り付かないのは、ツンデレ、堅物の学級委員長という3拍子が彼女に揃っているからである。
 だが、そんなことは彼女は気にしない。持ち前のカリスマと人望はなかなかのものであり、責任感の強い性格からクラスメイトからは一目置かれているのである。
 そんな中、彼女と仲がいい数少ない男子が暁ヒナタ(と黒鳥レン)だった。ヒナタのデュエマでの強さに惹かれ、一緒に鎧龍サマートーナメントに参加しないか、と誘ったのが全ての始まりだったのである。以後、3人は共にいるのが普通になった。
 オラクルとの数え切れない戦闘を繰り返すうちに、彼を本当の仲間として受け入れていた。
 そして、ヨミとの決戦で危うくヨミの側室に迎えられようとされていたところを見事にヒナタに助けられたのだった。
 もっとも、それで何か2人の関係が変わったのか、というとそうではない。実際、コトハはヒナタの事を男子として意識しだしていたものの、肝心のヒナタが昔の死んだ幼馴染のことを未だに引きずっているのを気にして踏み出せないのが現状である。
 さらに追い討ちをかけるように、クラス代えが四月の最初にあった。ヒナタとレンは相変わらず一緒だったが、(もっともしょっちゅう喧嘩するため、周りからは”混ぜるな危険”と呼ばれている)コトハだけ別のクラスに行ってしまったのだった。
 さて今日、ヒナタが彼女を誘ってこのカードショップに訪れたのか。
 最初ヒナタから「ちょっと付き合ってくんねぇか?」と電話で連絡があったときには、とうとう彼からデートのお誘いかと歓喜しそうになったのだが、実際は違った。
 昨日、かつての仲間であるキイチに屈辱的な虐めともとれる負け方をしたヒナタに、特訓を申し込まれたのだった。
 無論、それで嬉しくなかった訳ではない。
 さっきのやりとりだって、照れ隠しでつい辛く当たってしまったのだ。ヒナタに非は無いし、自分の勝手な思い込みだ。更によくよく考えてみれば、ヒナタが豆腐メンタルの持ち主だったのを思い出し、反省した。
 だが、不安でもある。彼女は以前の《ドラゴンフレンド・カチュア》をメインにし、速さとビートを重視した”ニュー・カチュアシュート”から一転、動きは遅くなるものの、より勝手の利く普通の”カチュアシュート”に変えてしまっていた。以前のデッキの方が、キイチのデッキには近い。
 どこまで力になれるか分からない。
 しかし。

「じゃあまず、実戦あるのみ! やってみるわよ!」
「っしゃァ、そう来ないとな!」

 今まで散々助けられているのに、その恩をあだで返すわけにはいかないのだ。

「自分で頼んでおいて言うつもりはないが、勝つ気でいくぜ!」
「アンタらしいわ。だけど、全力で来て!」

 ***

「《結界の面 ブオン》召喚!」
「ビーストフォーク號か……クナイも使ってたな」

 ビーストフォーク號。ドラゴン・サーガで登場した新タイプのビーストフォークで、仮面に呪術を込めて使いこなす-----------と先にも述べたが、それらが本領を発揮するのは古代龍、ジュラシック・コマンド・ドラゴンを操る時。
 何せ、サポート種族だから当然なのだが。



結界の面(セイバー・スタイル) ブオン P 自然文明 (2)
クリーチャー:ビーストフォーク號 2000
セイバー:ドラゴン



「セイバー:ドラゴンか。まあいいや、俺のターンだ! 《メテオ・チャージャー》を使ってマナを加速だ! ターンエンド!」
「チャージャー……ねぇ」

 以前の彼ならばコスト軽減をメインに使っていた。しかし、最近ではマナ武装とかいうのもある。
 それで、止むを得ずにチャージャーに切り替えたのだろう。

(だけど甘いわよ、ヒナタ! 序盤を呪文だけで凌ぐなんて、アンタらしくないし、ましてこのアタシに通用するわけが無いって知ってるでしょ!)

 そう意地悪に頭の中で呟きながら、コトハはカードを引いた。

「《フェアリー・ライフ》でマナを肥やすわよ! ターンエンド!」

 これで、コトハのマナは4。次のターンに5となる。一方のヒナタも同じなのだが。
 両者の動きは、ここまでは互角だ。しかし、先にヒナタが動き出した。

「《熱血龍 バクアドルガン》召喚! スピードアタッカーだから即攻撃だ!」
 
 現われたのは、攻撃するたびに山札の一番上を捲って、ドラゴンならば手札に加えられるガイアール・コマンド・ドラゴン。
 しかし、来たのは不幸にも《めった斬り・スクラッパー》。山札の一番下へ。

「だ、だけどシールドは貰っていくぜ!」

 コトハの1枚目のシールドが割られた。
 だが、彼女は動じない。

「いいわよ。そっちがその気なら、アタシだって! アタシのターン、出てきて、《緑神龍 ドラピ》!」
「げっ!?」

 ヒナタの顔が青ざめた。
 ----------こ、こいつは-----------!!

「この子の効果は知ってるよね?」



緑神龍ドラピ R 自然文明 (1)
クリーチャー:アース・ドラゴン 15000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のマナゾーンにカードが9枚以上なければ、このクリーチャーを破壊する。
T・ブレイカー 



 《ドラピ》は、コスト1にして破格のスペックを持つと同時に、マナが9枚無ければ自壊してしまうという致命的な弱点を抱えている。
 だが、そんなことくらい彼女は分かる。
 分かるからこそ出したのだ。

「でもね。《ブオン》がセイバー:ドラゴンだから------------」
「《ブオン》を代わりに破壊すれば生き残る……!」

 ブオンを墓地に置くコトハ。セイバー能力はこのための布石だったのか。だが、代わりに嫌がらせとも言えるほどの巨大クリーチャーが顕現してしまった。
 《天守閣 龍王武陣》で破壊したいが、生憎ヒナタのデッキには、そこまで巨大なクリーチャーはいない。しかも、《めった斬り・スクラッパー》は既に山札の底にある。
 さらに、《エコ・アイニー》を召喚して、マナゾーンに置かれたのが《緑神龍バルガザルムス》だったため、もう1マナ加速するコトハ。これで、次のターン、8マナ-------------------

「どうしたの? 勝つ自身あるんじゃなかったの? つべこべ言わないで、かかってきなさいよ」

 彼女の威圧的な雰囲気が心なしか増していた。
 -----------やっべ、コトハのヤツ俺が知らないうちに強くなってやがる----------!!

Act3:龍は何度連鎖するか? ( No.37 )
日時: 2014/06/19 00:44
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)

「くそっ、俺のターンだ! 《鬼カイザー「滅」》、来い!」



鬼カイザー 「滅」 SR 火文明 (6)
クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター/エイリアン 7000
スピードアタッカー
このクリーチャーが攻撃する時、バトルゾーンにある相手のサイキック・クリーチャーを1体選び、破壊する。
W・ブレイカー



 ヒナタがバトルゾーンへ繰り出したのは、レッド・コマンド・ドラゴンの中でも特に突破力の高いクリーチャーだ。
 何より、コスト6でパワー7000、W・ブレイカーは勿論のこと、さらにアタックトリガー能力付きという破格のスペック。(《GENJI》もスペックは同じだが、効果と種族が違うので使い分けは必須)
 他のコスト6パワー6000獣が泣いている。

「さあ行け! 《「滅」》でW・ブレイク!」

 ドドドドドド、と物凄い勢いでシールドが割られていく。
 コトハのシールドはこれで2枚になったが------------

「アンタの敗因はまさしく、その直ぐに攻撃するイケイケ戦法じゃないかしら?」
「あ?」
「今まではアウトレイジの馬鹿みたいなスペックとカードパワーに任せてガンガン殴れたかもしれないわ。特に、あいつらは出せさえすれば放っておいても仕事をするような輩がいるからね。でも、ドラゴンはアウトレイジと違う意味で、”持ち主を選ぶ”わ」
「どういうことだよ」

 コトハは未だに理解が出来ていない目の前のババロアブレーンを心底哀れに思った。

「分かって無いわね! ドラゴンの扱いは、アウトレイジ程容易くない! まず、《「滅」》の攻撃によるシールド・トリガー、《フェアリー・ライフ》でマナを1枚増やすわ」
「ここで殴らなきゃいつ殴る! 《バクアドルガン》でシールドブレイク!」
「本当に馬鹿ね!! S・トリガー、《王龍ショパン》で《バクアドルガン》を返り討ち!」
「だけど、《熱血龍 バトクロス・バトル》を手札に加えたぜ!」
「あんた、アタシの手札とマナを見てみなさいよ」
「……え?」

 見れば、コトハのマナは8。次のターン、9になる。
 しかも、自分が割った分のシールドで手札も大量に肥やされている。
 デュエマとは、単純にシールドを割って勝てるゲームではない。
 シールドを割る行為は即ち、相手に逆転手段を与えることになる。
 今までは、ドロン・ゴーや《5000GT》のロックによるS・トリガー獣封じ、そして《ザ・クロック》による一発逆転でヒナタは勝ってきたが、火単のドラゴンデッキを使う以上、それらに頼るわけにはいかないし、まして多くのアウトレイジがドラポンに超獣界へ持ってかれてる以上、アウトレイジを使おうにも使えないのである。

「……これじゃ負けるのも無理ないわ。逆転手段が少ないドラゴンは、”本当に勝てるときに一気に殴りきらないと勝てないし、一気に殴り勝てるのがドラゴンの強さ”だと思うの」

 一撃必殺。それがドラゴンの強さ。
 --------それを見せてあげる。
 と微笑んでコトハはカードを引く。
 そして--------------

「吼えろ大地、目覚めよ、恐竜のD・N・A!! 連鎖開始、《帝王類増殖目 トリプレックス》っ!」



帝王類増殖目 トリプレックス P 自然文明 (9)
クリーチャー:ジュラシック・コマンド・ドラゴン 12000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のマナゾーンから進化ではない自然のクリーチャーを、コストの合計が7以下になるように2体まで選び、バトルゾーンに出してもよい。
T・ブレイカー



 ジュラシック・コマンド・ドラゴン。それは、古代の化石から蘇った新たな龍だった。
 さらに、《トリプレックス》の咆哮で、新たなる古代龍が目覚める。

「《トリプレックス》の効果発動! マナからコスト7以下になるよう、2体までクリーチャーを呼び出す! 《牙英雄 オトマ・クット》召喚!」

 《オトマ・クット》はマナ武装でマナゾーンのカードを7枚までアンタップできる英雄だ。
 再び肥大した大地から、今度は何が生まれるのか?

「7マナで、今度は《連鎖類覇王目 ティラノヴェノム》を出すわ。効果で、《龍覇サソリス》召喚」



連鎖類覇王目 ティラノヴェノム VR 自然文明 (8)
クリーチャー:ジュラシック・コマンド・ドラゴン 7000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、またはこのクリーチャーが攻撃する時、コスト6以下の、進化でも多色でもない自然のクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
W・ブレイカー
このクリーチャーが、このクリーチャーよりパワーの大きいクリーチャーとのバトルに負けた時、相手クリーチャーを持ち主のマナゾーンに置く。



「さらに、《サソリス》に《始原塊 ジュダイナ》を装備!」

 ドラグハート・ウェポン、《ジュダイナ》が《サソリス》に装備された。
 さらに、コトハの場にいるドラゴンは、5体。

「はぁ、全くこんなに増やす必要あったのかしらね?」
「どういう意味だ!?」
「このターンはまだアンタに止めを刺さないわ。だけど、《ジュダイナ》の龍解が発動するけどね!」
「龍……解?!」

 思い出せば、5月の半ば頃。丁度、『龍解ガイギンガ』の発売日だった。
 ノゾムが当たったレアカードを見せてきた。

『先輩! オレ、SRで《聖霊龍王 ジーク・キャバリエ》とビクトリー・カードで《龍素王 Q.E.D.》が当たったんですよ!』
『ノゾム……前者は明らかにハズレだぞ?』
『えっ、でもエクストラターン能力が……あ(察し)』

 龍解にはあまり興味を示していなかった。少しだけ、《銀河剣プロトハート》を使っていた時期もあるが、出した次のターンに除去されるのがうざったくなって、使うのをやめた。
 その龍解を彼女が使うというのだ。
 


始原塊(ジュラシック・ハンマー) ジュダイナ  ≡V≡  自然文明 (4)
ドラグハート・ウエポン
自分のターン中、ドラゴンを1体、自分のマナゾーンから召喚してもよい。
龍解:自分のターンの終わりに、バトルゾーンに自分のドラゴンが3体以上あれば、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。



「《ジュダイナ》龍解条件クリア!」

 使ってこそいないが、情報は調べていたので分かる。
 《ジュダイナ》の龍解条件は、自分のドラゴン3体以上が場にいること。
 先ほども述べたが、コトハの場にいるドラゴンは5体。
 古代の王が今、怒りの咆哮を上げんと鉄槌を下すときが来たのだ。
 首に嫌な汗が伝う。
 そして、ビリビリとした覇気とともに、《ジュダイナ》が裏返され、その本来の姿を現した。


「爆・誕!! 古代の力をその鉄槌に! 今、ここに現われなさい! 目覚めて、《古代王 ザウルピオ》!!」

Act4:一角獣は女好きか? ( No.38 )
日時: 2014/06/26 07:36
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)

「で、出てきやがったか……だけど、俺にターンを与えたのは間違いだぜコトハ! このターンで、勝つ!」

 《古代王 ザウルピオ》が現われたところで、所詮龍解タイミングはターンの終わり。
 これはもう勝ちゲーだとヒナタは思っていた。

「俺のターン! 《怒英雄 ガイムソウ》召喚! んでもって、マナ武装7で《尾英雄 開闢の「白陽」》をバトルゾーンへ!」
「何そのカード……ヒナタ、もしかして------------」

 -----------アンタまた、変なことに首突っ込んだんでしょ。
 と言い掛けた声はヒナタの気合の入った声にかき消された。

「《白陽》はこのターン、スピードアタッカーだ! 行け、最後のシールドをブレイク!」

 コトハの最後のシールドが消し飛んだ。
 しかし。
 彼女は全く動じる気配が無い。

「んでもって、《鬼カイザー「滅」》でダイレクト------------------」
「無駄よ。《ザウルピオ》の効果発動。その攻撃は受けない」
「は? はぁぁぁぁぁぁぁ!?」



古代王 ザウルピオ  ≡V≡  自然文明 (7)
ドラグハート・クリーチャー:ジュラシック・コマンド・ドラゴン 12000
T・ブレイカー
自分のシールドが1枚もなければ、自分は相手のクリーチャーの攻撃を受けない。



 これが、《ザウルピオ》の効果だった。シールドが1枚もなければ、自分は攻撃を受けないのだ。
 龍解前に比べると若干見劣りするが、弱い能力ではない。

「そ、そんな、チート性能じゃねえか」

 にも関わらずこの馬鹿の頭には早速チート性能と刷り込まれてしまっていたようだった。

「馬鹿ね。除去されればそこで終わりよ。ま、火みたいに除去手段の乏しいデッキには効果覿面だけど?」
「だ、だけど《「白陽」》はドラグナーとドラゴンの攻撃を無効化する効果を------------」
「《ガイムソウ》の効果で出てきたクリーチャーは、ターンの終わりに手札に戻るんじゃなくて?」
「あ」

 こ、こんなのあんまりである。と自分勝手だとは思うが、ヒナタは感じる。
 もうお分かりだとは思うが、所詮火力呪文で彼女の軍勢を止められるわけも泣なく、結果---------------


「《ザウルピオ》でダイレクトアタック!!」


 コトハの勝ちが決まったのだった。


 ***

「どう? これがカードパワーに頼ってきた、アンタのプレイングよ! 今までが今までだけあって、アグレッシブに動きすぎるのがそもそもの欠点!」
「う、うぅ……そーだよなぁー」

 説教タイムスタート。しかし、全部ごもっともなので仕方があるまい。
 他にも、リスクの高いデッキ構築やカードチョイスを指摘。そのたびに、即デッキを改造しているヒナタの態度は、ある意味向上心の塊と言えるか。
 とりあえず、マナカーブをよくするために、ガイアール・コマンド・ドラゴンを抜いて、アンノウンの連ドラに近いものにしたのだった。《「白陽」》は無論入れたが。

「にしても、《尾英雄 開闢の「白陽」》……さっきも言いかけたけど、アンタまた厄介なことに巻き込まれてるんでしょ」
「いや、別に隠すつもりはねぇよ。お前だしさ」

 ヒナタは今まであったことを全て、コトハに話した。
 ほぼ、レンに話したことと変わらないが。

「ふぅん。面倒ね。折角、あのお騒がせな居候がいなくなって、せいせいしていたところなのに」
「ところが、そういう訳にはいかねーんだ。どうも、例の”武器”の件が絡んでるみたいだからな」
『私自身が何故此処にいるのかも知りたいしな』

 同調するように白陽が続けた。

『今のところは全く、分からんが』
「それも気になるわね。後は、その男が宇宙(ソラ)から降ってきた”武器”と関係が?」
「そうだ。あの男は、見たこともねぇドラグハートと、この《「白陽」》を使っていた」

 そう言って、《「白陽」》のカードを差し出すヒナタ。

「逃げ際に、こいつを一時的に野放して俺達を殺ろうとしたんだろうが、結局暴走していたこいつは無作為に人々へ攻撃を仕掛けた」
「そういえば4区で連続放火事件みたいなのがあったわね」
「ああ。誰も死んでいなかったのが、唯一の救いだぜ」
「こいつの能力だったのね。しばらくして火が消えたのは。本物の火じゃないってことだったの」

 納得したように彼女は呟いたのだった。

「後輩のノゾムも、こいつに関係したカードを手に入れた。だけど、この異常事態の連鎖-------------どうも引っかかるんだ」

 そのとき、ヒナタは自分がバッグに入れていたスマホが『笑点』の音楽を鳴らしたことに気付く。

「何で着メロが『笑点』なのよ……」
「ん? もしもーし?」

『先輩ィィィ!! ニュース見ていないんですかァァァ!?』

 いきなり後輩の怒声。
 若干ヒナタは引き気味だったが、あくまでも落ち着き払った声で答える。

「あー? 一体何があった、コラ」
『知らないんですか。何もテレビを視ていないんですか』

 軽蔑したような声に憤りを覚えるヒナタだが、あくまでも抑える。

「うっせ、とっとと教えろ」
『馬が……』
「は?」

 馬がどうしたんだよ、と続けようとした時だった。
 隣で同じくスマホを確認していたコトハが、「えぇぇ!?」と素っ頓狂な声を上げた。

「た、大変よヒナタ……」
「何だよ」

 だが、今はノゾムと通話している最中である。その前に、ヒナタの鼓膜へノゾムの大音量のシャウトが響いたのだった。


『女好きで、頭に角1本生やした馬が、新宿を爆走してるんっすよ!!』


 傍から聞けば、訳の分からないワードが陳列しているだけである。
 だが、その声は最後までヒナタは聞き取れなかった。
 それは、あまりの大音量に、ヒナタが気絶してしまったからであったからだ。
 泡を吹いて机に突っ伏している目の前の友人を見て、コトハは溜息をつく。

「声でかすぎでしょ、アンタの後輩……」
「ブクブクブク……」
『あれ? 先輩? まぁとにかく、俺1人でも調査開始するんで、それでは!』

 
 ***

 ネットのニュースを纏めると、こうだった。
 事件は、海戸競馬場で起こった。今年の海戸ダービーも、何千単位の人がやってくるほどの大盛況だった。
 そんな中、優勝したのは「ブラックパラディン」とかいう、いかにもこれ厨二病が名前付けたんじゃね? みたいなかんじの名前をした黒馬だった。しかし、その名前のかっこよさと、見た目のかっこよさ、だけではなく速さは本物で、今回のダービーでも優勝し、これに賭けた人々に富を与えたのだった。
 しかし、異変が起こったのは表彰式の最中だ。
 突然、何かの光がブラックパラディンに降ってきたと思えば、たちまち白馬へと姿を変えていく。
 それだけでも異常事態だが、さらに名馬の額からは角が生え、付けていもいないプロテクターがあちこちに装備される、という現象が。
 間もなくブラックパラディンは爆走をはじめ、そのまま安全ネットやその他色々を突き破り、外へ。
 ……そのまま爆走してるだけなら良かったのだが……。
 あちこちでその後、通報があった。

『角を生やした変な白馬に「お茶しない?」とナンパされた。横っ面をひっぱたいたら逃げていった』
『角を生やした変な白馬が、どういうわけだか前足伸ばして体を触ってきた。横っ面をひっぱたいたら(以下略)』
『角を生やした変な白馬が、(以下略)』

 いずれも、都内の10代20代の女性からだった。
 つーか、普通そんなのに出くわしたら逃げるくね? というヒナタの突っ込みはゴミ箱に放り投げられるかのように無視された。
 ----------結構、最近のギャルの肝は太いのか?
 とヒナタは感じていた。

 ***

「何だよ、その馬……」
『私には感じる。光文明の力をここからでも強烈に感じるぞ』
「光文明ェ!? ナンパ馬が!?」
「そいつが新宿にいるから良かったわ。海戸を飛び出して、色んなところに出没してるみたいだから。しばらくこっちも形勢を立てられるし」

 光文明らしからぬ行為を働く一角馬だと思ったが。恐らく、実態を上手く保てないクリーチャーが、自分に似た生物である馬に憑依したのだろう、というのが見解だった。

「とにかく、ほっとけねぇよ-------------!」

Act4:一角獣は女好きか? ( No.39 )
日時: 2014/06/22 01:19
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)

 元々---------ユニコーンという生物は、荒々しく縄張りに入った不届きな輩を見境なく突き殺す凶暴な性格だが、純潔の女の前のみ大人しくなるという。
 そして今東京を爆走しているこのクリーチャーは、純潔の乙女を傍に置くため、ギャルを探してナンパを仕掛けているというのがヒナタの仮説だった。
 2時間経過。標的はどんどん海戸へと近づいているのがワンセグの中継の情報から確認できたところで、ヒナタが口を開いた。

「つー訳だ。作戦がある。コトハが水着になって道の真ん中に立つ。そして向こうから近づいてくる。名づけて、『ドキッ! 美少女だらけのお色気作戦』だ」
「それって、美少女だらけって言っておきながら、結局色仕掛けすんのはアタシだけよね? 殺すわよ」

 下心丸見えの作戦に、コトハの制裁が下った。
 手の平が、ガッとヒナタの頭をロックオン。
 --------------痛いイタイイタイイタイタイタダダダダ!!
 指が頭にめり込んで、すごく痛い。

「くそっ、分かったよ! ”お前を使った”お色気以外で何とかするってば!!」
「どーすんのよ」
「他の女子に頼む」
「ああ、アタシとしたことが迂闊だったわ……”お前を使った”を見逃していたわねー」

 ポキポキ、と彼女の拳が鳴る。
 しかし、蛇に睨まれた蛙のように動き出すことが出来ない。
 あっけらかんで悪びれずに懲りない目の前の思春期真っ盛り男子の頭は彼女の5本の指でひしゃげそうになった。
 そして、とびっきりの笑顔(と黒いオーラ)で彼女は言う。

「他の子に手ェ出したら 殺 す わ よ ?」
「おー、こええ、レンと同じ表現技法使うなっての」

 頭がひしゃげそうだというのに、逆に反応が薄くなっているのはどうしてか。
 よく考えてみれば、災難の中でも(自業自得)冷静でいられるのは自分の長所だと気付いた。
 と、ここでケータイの着信。ノゾムからだ。

『先輩、大変っす! 今、ワンセグの中継を見てるんですけど、ブラックパラディンは今現在、渋谷を突っ走って、そのまま橋を渡って海戸1区を爆走してます!』
「1区?! どの辺りだ!?」
『鎧龍の前を通り過ぎて、カードショップ「WIN×WIN」を通り過ぎて、フードコート街を走り荒らした後、多分2区------------先輩の家辺りに向かってると思います!!』
「最初っからそう言え!! 結論を先に述べろ! こんなとこでぐだってる暇ねぇだろ、それじゃあよォ」

 と、会話している間に、ブロロロロロロとヘリコプターの音。
 恐らく、ブラックパラディンを追ってきたニュースの中継用のものだろう。
 ん、待てよ? ということはもう馬は俺らのところまで迫ってるんじゃね?
 とか思ってるうちに、こちらに向かって爆走してくる影。
 見れば、その影は確かに馬でありながら異形の姿をしていた。
 全身にプロテクターがついており、頭には雄々しく尖った一本の角、そして純白の体毛、全貌の姿はケータイで調べたブラックパラディンとそう変わらないが、やはりクリーチャーに憑依されている影響か、憑依元のクリーチャーの特徴を受けているようだった。

『どけどけどけどくのじゃー!! そこの乙女をよこせぇぇぇー!!』
「え!? アタシ!?」

 一角馬の声は、まだ声変わりしていない少年のようなものだった。
 ヤツの狙いは間違いなく、コトハに定まっているようだった。

「ぎゃああああ!! 来やがったぁぁぁ!? 仕方ねえ、頼むぜ白陽!」
『承知!!』

 黒い霧が辺りに充満する。そして、1人と1頭は空間の中へと引きずり込まれたのだった。

 ***


「正体を現せ、化物が!」

 吐き捨てるように問うヒナタ。
 すると、着ぐるみを脱ぎ捨てるかのように、ブラックパラディンから光が抜け落ちた。黒馬は力が抜けたように横たわる。
 光は、実像へと変わっていく。
 その姿は、先ほどよりもより龍に近いものだった。馬の胴体、牛の尾を持ち、額に肉の鞘で覆われたツノを1本生やしている。そして、クリーチャーらしい要素は、全身に、さっきよりも多いプロテクターで覆われていた。
 しかし、その風貌は”子馬”といった感じだった。
 まだ幼い。
 だが、目は野心で濁っている。

「ふははは! 我と対等に決闘を申し込むとは、なかなかじゃな、人間の少年! 我が名は”ハーシェル”。由緒正しき一角獣よ!」

 一角獣のクリーチャー、か。
 確かに、周りの装飾は何か神聖なものを感じさせる。
 やっていることは不純極まりないが。

「白陽、こいつ知ってるか?」
「知らん。私の居た世界に居るクリーチャーではない」

 白陽は淡々と答える。
 確かに、彼やクレセントが平安時代のような衣装(に近代的な装甲)と古めかしい雅なイメージなのに対し、今目の前に居るハーシェルは西洋の神話に出てくるような姿だった。
 
「だが、今のヤツからは凄まじい邪気を感じる。恐らく、この星の邪念で汚染されているのだ。以前の私のようになともかく、やつを倒せば浄化できると思う。多分」
「ああ、だけど改造したこのデッキなら、勝てる! 多分」

 不安なコンビの2人だが、さあどうするか。

 ***

「俺のターン! 《メッサダンジリ・ドラゴン》召喚だぜ!」

 現われたのは、頭に結晶を持つ装甲竜。ヒナタとハーシェルのデュエルだが、現在は中盤戦。互いにマナは6つ溜まっており、場にはヒナタが今だした《メッサダンジリ・ドラゴン》に対し、ハーシェルが《不屈の翼 アンドロム》2体に《導きの精霊龍 サリヴァン》の2体だった。
 というのも、序盤に踏んだ《ドラゴンズ・サイン》で《サリヴァン》と同時に、その効果に引っ張られてやってきた《聖歌の翼 アンドロム》2体の所為で《コッコ・ルピア》や《マッハ・ルピア》がタップされた後、そのまま殴り返しを受けて破壊されてしまったのだった。



聖歌の翼 アンドロム C 光文明 (3)
クリーチャー:ジャスティス・ウイング 3500
ブロッカー
このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
マナ武装3:このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のマナゾーンに光のカードが3枚以上あれば、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選び、タップしてもよい。そのクリーチャーは、次の相手のターンのはじめにアンタップされない。



導きの精霊龍 サリヴァン R 光文明 (6)
クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン 6000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、各プレイヤーはそれぞれカードを2枚引いてもよい。その後、自分はコスト3以下の光のクリーチャーを2体まで、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
W・ブレイカー


「ターンエンドだ!」

 ジャスティス・ウィングとエンジェル・コマンド・ドラゴンに阻まれて、なかなか攻撃が出来ない。しかも、相手のデッキは光単色なので、マナ武装は容易に発動してしまう。

「さあ、我の手番じゃ!」

 殺気。
 小さな身体に込められた、威圧的なオーラがヒナタを焼いた。
 そして、肥大する大地と共に、一角座の化身が降臨する。
 眩いほどの光が、辺りに満ちた------------------
 

「我が分身、《麟英雄 一角のハーシェル》召喚!!」

キャラクター名鑑3:黒鳥レン ( No.40 )
日時: 2016/02/07 13:45
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: S0f.hgkS)

「犯した罪には相応の”罰”が必要だがな」

黒鳥レン 男 

年齢:14歳

容姿:中世的な顔に混じりけのない美しい黒髪を持つ。その上色白で痩せ型の美少年。だが、目つきが悪く威圧的。そのため、こぞってモテるというわけでもない。また、後述の性格が災いしているのもある。

性格:クールで、冷静かつ的確な司令塔タイプ。上から目線の物言いが多く、そのくせ自分の戦法やデッキ、あげくには芸術作品にまで自画自賛して自分で褒め称えるところがあるところ、ナルシストの気があり。
根は生真面目で常識人。
しかし、最近は不遇な立ち居地になったり、ツッコミキャラとしての側面が強くなっていたり、果てにはキレキャラとしても立ってきている。

解説:ヒナタの鎧龍でのライバル1号。最初は無色カードを中心に使っていたが、文明を持たないそれらのクリーチャーを惹き付けるといった能力をオラクルに目をつけられた所為で囚われ、精神のみの状態となったヨミの媒体となってしまう。
そういった経緯で、自分が無色カードを使うことで皆に迷惑を掛けているのではないか? と考えていたが、相棒のクリーチャーだったスミスが死んだため、今まで使っていた無色を捨て、闇文明へと完全に転向した。

備考:鎧龍決闘学院2回生

デュエリストとしての特徴:手札破壊による妨害で相手の動きを封じつつ、《コッコ・ドッコ》でコスト軽減したデーモン・コマンド・ドラゴンを召喚して攻め込むというのが基本戦法。それも、採用しているのは他の悪魔龍よりもファンキー・ナイトメアと相性が良かったり、一癖ある能力を持っていたりなど、《憤怒の悪魔龍 ガナルドナル》を初めとした”大罪龍”ばかりである。
さらに、墓地回収やリアニメイトなど、墓地に突っ込んだ千歩を使う。
仲間のクリーチャーの骨でさえ、彼の前では全て大いなる芸術作品のパーツに過ぎないのだ。
また、途中からダーク・ナイトメアを軸にした進化ビートに切り替えている。墓地を徹底的に使うスタイルは変わらず、墓地のクリーチャーから進化したり、墓地から進化するなど、より柔軟な戦い方を華麗に披露する。

切札
・憤怒の悪魔龍 ガナルドナル
・悪魔龍王 ドルバロムD
・コッコ・ドッコ
・悪魔龍王 デストロンリー
・暗黒鎧 キラード・アイ
・悪魔龍王 キラー・ザ・キル


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