二次創作小説(紙ほか)
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- デュエル・マスターズ D・ステラ 【侵略世界編】
- 日時: 2017/01/16 20:03
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
【読者の皆様へ】
はい、どうも。二次版でお馴染み(?)となっているタクと申します。今回の小説は前作の”デュエル・マスターズ0・メモリー”の続編となっております。恐らく、こちらから読んだ方がより分かりやすいと思いますが、過去の文というだけあって拙いです。今も十分拙いですが。
今作は、前作とは違ってオリカを更にメインに見据えたストーリーとなっています。ストーリーも相も変わらず行き当たりばったりになるかもしれませんが、応援よろしくお願いします。
また、最近デュエマvaultというサイトに出没します。Likaonというハンドルネームで活動しているので、作者と対戦をしたい方はお気軽にどうぞ。
”新たなるデュエル、駆け抜けろ新時代! そして、超古代の系譜が目覚めるとき、デュエマは新たな次元へ!”
『星の英雄編』
第一章:月下転生
Act0:プロローグとモノローグ
>>01
Act1:月と太陽
>>04 >>05 >>06
Act2:対価と取引
>>07
Act3:焦燥と制限時間
>>08 >>10
Act4:月英雄と尾英雄
>>13
Act5:決闘と駆け引き
>>14 >>15 >>18
Act6:九尾と憎悪
>>19 >>21
Act7:暁の光と幻の炎
>>22 >>23
Act8:九尾と玉兎
>>25
第二章:一角獣
Act1:デュエルは芸術か?
>>27 >>28 >>29
Act2:狩猟者は皮肉か?
>>30 >>31 >>32 >>33
Act3:龍は何度連鎖するか?
>>36 >>37
Act4:一角獣は女好きか?
>>38 >>39 >>41 >>42 >>43 >>44 >>45
Act5:龍は死して尚生き続けるか?
>>48
第三章:骸骨龍
Act1:接触・アヴィオール
>>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55
Act2:追憶・白陽/療養・クレセント
>>56 >>57
Act3:疾走・トラックチェイス
>>66
Act4:怨炎・アヴィオール
>>67 >>68
Act5:武装・星の力
>>69 >>70
Act6:接近・次なる影
>>73
第四章:長靴を履いた猫
Act1:記憶×触発
>>74 >>75 >>76 >>77
Act2:龍素力学×龍脈術=3D龍解
>>78 >>79 >>80
Act3:捨て猫×少女=飼い猫?
>>81 >>82
Act4:リターン・オブ・サバイバー
>>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90
Act5:格の差
>>91 >>92 >>93 >>104
Act6:二つの解
>>107 >>108 >>109 >>110
Act7:大地を潤す者=大地を荒らす者
>>111 >>112 >>113
Act8:結末=QED
>>114
第五章:英雄集結
Act1:星の下で
>>117 >>118 >>119
Act2:レンの傷跡
>>127 >>128 >>129
Act3:警戒
>>130 >>131 >>132
Act4:策略
>>134 >>135
Act5:強襲
>>136
Act6:破滅の戦略
>>137 >>138 >>143
Act7:不死鳥の秘技
>>144 >>145 >>146
Act8:痛み分け、そして反撃へ
>>147
Act9:fire fly
>>177 >>178 >>179 >>180 >>181
Act10:決戦へ
>>182 >>184 >>185 >>187
Act11:暁の太陽に勝利を望む
>>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>193 >>194 >>195
Act12:真相
>>196 >>198
Act13:武装・地獄の黒龍
>>200 >>201 >>202 >>203
Act14:近づく星
>>204
『列島予選編』
第六章:革命への道筋
Act0:侵攻する略奪者
>>207
Act1:鎧龍サマートーナメント
>>208 >>209
Act2:開幕
>>215 >>217 >>218
Act3:特訓
>>219 >>220 >>221
Act4:休息
>>222 >>223
Act5:対決・一角獣対玉兎
>>224 >>226
Act6:最後の夜
>>228 >>229
Act7:鎧龍頂上決戦
Part1:無法の盾刃
>>230 >>231 >>232 >>233 >>234 >>235 >>236 >>239
Part2:ダイチの支配者、再び
>>240 >>241 >>242 >>243 >>244 >>245 >>246 >>247 >>248 >>250
Part3:燃える革命
>>252 >>253 >>254 >>255 >>256
Part4:轟く侵略
>>257 >>258 >>259 >>260 >>261
Act8:次なる舞台へ
>>262
第七章:世界への切符
Act1:紡ぐ言の葉
>>263 >>264 >>265 >>266 >>267 >>268 >>270
Act2:暁ヒナタという少年
>>272 >>273
Act3:ヒナとナナ
>>275 >>276 >>277 >>278 >>279 >>280 >>281
Act4:誓いのサングラス
>>282 >>283 >>284 >>285
Act5:天王/魔王VS超戦/地獄
>>286 >>287 >>295 >>296 >>297 >>298 >>301 >>302 >>303 >>304 >>305
Act6:伝説/閃龍VS獅子/必勝
>>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>323
Act7:青天霹靂
>>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331
Act8:揺らぐ言の葉
>>332 >>333 >>334 >>335 >>336
Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神
>>337 >>338 >>339 >>340 >>341 >>342 >>343
Act10:伝える言の葉
>>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351
Act11:連鎖反応
>>352
『侵略世界編』
第八章:束の間の日常
Act1:揺らめく影
>>353 >>354 >>359 >>360 >>361 >>362
Act2:疑惑
>>363 >>364
Act3:ニューヨークからの来訪者
>>367 >>368 >>369 >>370 >>371
Act4:躙られた思い
>>374 >>375 >>376 >>377
Act5:貴方の為に
>>378 >>379 >>380 >>381 >>384 >>386
Act6:ディストーション 〜歪な戦慄〜
>>387 >>388 >>389
Act7:武装・天命の騎士
>>390 >>391
Act8:冥獣の思惑
>>392
Act9:終演、そして——
>>393
第九章:侵略の一手
Act0:開幕、D・ステラ
>>396
Act1:ウィザード
>>397 >>398
Act2:ギャンブル・パーティー
>>399 >>400 >>401
Act3:再燃
>>402 >>403 >>404
Act4:奇天烈の侵略者
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>411
Act5:確率の支配者
>>412 >>413
Act6:不滅の銀河
>>414 >>415
Act7:開始地点
>>416
第十章:剣と刃
Act1:漆黒近衛隊(エボニーロイヤル)
>>423 >>424
Act2:シャノン
>>425 >>426
Act3:賢王の邪悪龍
>>427 >>428 >>429
Act4:増殖
>>430 >>431 >>435 >>436 >>438 >>439 >>440 >>441 >>442
Act5:封じられし栄冠
>>444
短編:本編のシリアスさに疲れたらこちらで口直し。ギャグ中心なので存分に笑ってくださいませ。
また、時系列を明記したので、これらの章を読んでから閲覧することをお勧めします。
短編1:そして伝説へ……行けるの、これ
時系列:第一章の後
>>62 >>63 >>64 >>65
短編2:てめーが不幸なのは義務であって
時系列:第三章の後
>>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103
短編3:文化祭(と言えば聞こえは良いが要は唯のスクランブル)
時系列:第四章の後
>>120 >>121 >>122 >>123 >>124 >>125 >>126
短編4:十六夜ノゾムの災厄な一日
時系列:第四章の後
>>149 >>150 >>153 >>154 >>155 >>156
短編5:恋情パラレル
時系列:第四章の後
>>157 >>158 >>159 >>160 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>173 >>174 >>175 >>176
短編6:Re・探偵パラレル
時系列:平行世界
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422
エイプリルフール2016
>>299 >>300
謹賀新年2017
>>443
登場人物
>>9
※ネタバレ注意。更新されている回を全部読んでからみることをお勧めします
オリジナルカード紹介
(1)>>96 (2)>>271
※ネタバレ注意につき、各章を読み終わってから閲覧することをお勧めします。
お知らせ
16/8/28:オリカ紹介2更新
- Act3:焦燥と制限時間 ( No.10 )
- 日時: 2016/09/13 00:14
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
「おーくーれーるー!!」
ヒナタは叫びながら、家に駆け込み、テレビの電源をつけた。そして、チャンネルを合わせれば、そこからは軽快な音楽もとい——エンディングの音楽が流れていたのだった。
「ち、ちくしょぉぉぉ!!」
がくり、とヒナタは項垂れる。
自分の好きなアニメが……その最終回を見届けることが出来なかったとは。
こんなことならば録画予約しておけばよかったと後悔する。
そんな中——受話器が突如、けたたましく鳴り始めたのである。
***
時は6時28分。
「——貸してくれ、だと? 月神様をか? そんなこと、ワシが許すとでも思っていたのか」
重く、痛々しい言葉だった。古めかしい時代劇にでも出てきそうな服を着た祖父、十六夜龍三は、長い白髭を生やし、威風堂々と言った様子でノゾムの目の前に佇んでいた。
「じ、じいちゃん! お願いだよ! オレに《ルーン・ツールC》を貸してくれよ! 友達を助けるために必要なんだ!」
「ならぬ。これは先祖代々守ってきた札。わっぱに誰が渡そうぞ」
「分かってる! これを他の誰にも渡すつもりはねえ!」
常にノゾムには厳しい龍三だったが、このカードのことになると更に厳しくなった。
「この間の一件だけではない。ワシはお前の身を案じてのことなのだ」
「じいちゃん……そいつの声を聞いたこと……あるかよ」
ノゾムはふと言った。自分には分かったのだ。《ルーン・ツールC》の感情が。単に操られていただけではないのだ。
「声? カードの声が聞こえたというのか? 月神様の声が?」
「オレには聞こえた! 」
「お前如きがか? ハッ、にわかに信じ難いな」
「じいちゃんっ!」
「だが、その切羽詰った様子、やはり唯事では無いな?」
見透かすような目。
ああ、やはりこの人には敵わないや。
「オレは、絶対に勝ちたい相手がいるんだ! そして、今からそいつとの勝負がある。オレは、その戦いで絶対に負けるわけにはいかねえ!」
真剣な表情で訴えるノゾム。
龍三は何かを悟ったかのような表情を浮かべると、溜息をついた。
「勝負の基本はまず、弱き己を斬ることに在り」
「弱き己を」
斬る。
「それだけを理解すればよい」
「……分かったぜ、じいちゃん!」
「お前に託す。くれぐれも月神様に傷を付けるようなことがないようにな」
傷——それには、色々な意味があるとノゾムは察した。
表面的なものだけではなく、誇り、プライド、それに傷を付けることがあってはならないという意味なのだろう。
「オレは絶対に勝ってくる!」
——そして、あのローブのクソヤローをぶっ飛ばす!
部屋を出て、家から駆けていくノゾムを見て祖父はふと、呟いた。
「これでよかったのですな? 月神殿」
***
「おーい、ノーゾームー!」
ヒナタは涙目で後輩に電話を掛ける。もしかしたら、ノゾムが録画しているかもしれないという天文学的な確立に賭けて。
すぐさま、ノゾムの(怒)声が響いた。
『何やってたんだ、テメーはぁぁぁ!! オレが電話掛けても出てこないし、何やってたんですかぁぁぁ!?』
「もうさっきから無気力で何か鳴ってた気がするけど、全然気が付かなかったわ。お前アニメ録画してない? 最終回見逃しちゃってだな」
『してねーよ、このグラサン野郎!! ざっけんな!! それよか聞いてくださいよ!!』
ノゾムは、ことの経緯を話し始める。
昔、アウトレイジのカードを所持していた彼ならば、何かわかるかもしれないと確信していたのだろうが——
「すまん、知らねーわ」
そうヒナタはバッサリと返す。
『え、ちょ』
「警察にでも相談しな」
そして冷たく受話器を置いてあしらったのであった。
が、しかし。
ヒナタは何も彼を助けるまいと思っていたわけではない。
——不死鳥座、か。星のカードって言ったところか? ……こっちからもこっそり動き出すか。
***
——ク、クソっ!! やっぱそうなるよなぁ!!
やはり一般人に助けを求めたのが間違いだったのか。仕方なく、ノゾムは1人での突入を決行する。
4丁目ならば、すぐそこだ。
ほら、もう着いた。後は、廃ビル廃ビル——よし、ここだ。
駆け足で風を感じながら、ノゾムは廃ビルの中へと滑り込む。
薄気味悪いところではあるが、懐中電灯で辺りを照らしながら進んでいく。
だが、どちらに進めばいいのかわからない。
と、そのときだった。
『コッチダヨ……』
声だ。自分の持つ《ルーン・ツールC》から声が聞こえるのだ。
導いてくれるかのように、光が射出される。
「お前、オレを導いてくれるのか?」
心なしか、カードが温かかった。
足を踏み込み、コンクリートの床を感じながら駆けてゆく——
「関係ないのに巻き込んじまったんだ、絶対助けてやるからな!!」
ノゾムの心の中には、決意が篭っていたのだった。ヒナタへのある意味の反発もあったかもしれない。
そして、決闘の場所はすぐそこだ。
- Re: デュエル・マスターズ D・ステラ 〜星々の系譜〜 ( No.11 )
- 日時: 2014/05/28 23:55
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)
どうも、最近色々調子に乗ってるモノクロです。
さて、D・ステラの本編が始まりましたが……最初の武器の話はまだ謎が多すぎていまいちコメントしにくいのですが……その武器が銃、剣、鎌、矛、槍と、パッと見では龍解ガイギンガの五つのドラグハートをなぞっているように見えますが、何気に塊が矛になっていますね。槍が二つ……この二つは、二つでなにか関係あるんですかね。いつもの如くモノクロの深読みしすぎな気もしますが。
そしてもう一人の主人公というのは、十六夜ノゾムですか。ノゾムを望月の「望」だと考えれば、全体的に「夜」や「月」を想起させる名前で、ヒナタと対になっていますね。
そして使用文明は水ですか。確かに水にはサイバー・ムーンという種族がいましたね。流石にあんなマイナー種族は使っていないようですが、なんにしても彼が水文明の担当になるっぽいですね。
さらに気になるというか、注目すべきはやはり《ルーン・ツールC》、正式名称は《月英雄 碧鎧のルーン・ツールC》っていうんですね。一応、英雄サイクルの命名ルールには沿っているようですが、それでも異彩を放つネーミングで驚きです。能力はあえてなのか、まだちゃんと明かされていないようですが、作中での描写を見る限り、7コスト、パワー6000のブロッカーで、マナ武装7で《クリスタル・メモリー》を二回放つ、という感じですかね。《デカルトQ》がマナ武装とブロッカーの他にシールド入れ替えとかも持っていたので、まだ詳細が明かされていないことから、まだ他にも能力がありそうですが。
さてさて、ヒナタはノゾムに勝利し、先輩らしいところを見せてノゾムに懐かれたようですが……墓地ソースを使ってるだけでヒナタの真似事と言われるなんて……ヒナタって随分有名人なんですね。しかも墓地ソースで。
ノゾムが本格的にヒナタの仲間になり、この後どうなるのかなと思っていたところ、まさかのクナイ登場ですか。確か前作でもこのくらいの頃に出て来ていたような……なんにせよ、久し振りの登場ですね。忍者らしく身を潜めて修行でもしてたんですかね。
そして使用デッキは、雑談板でも言いましたが、マナの色数を参照するカードとシノビを組み合わせ、ヒナタの巻き返しを凌ぎつつ、最後にはヒナタが前作で散々助けてもらっていた《キューブリック》でとどめを刺すという、精神的にもかなりくる形で終結しましたね。正直、ここでクナイが勝つとは思っていませんでした。
そういえば、ふと気になったのですが、クナイって本物の忍者の血筋とか引いてるんですかね。ただ好きだから……なんて単純な理由でそれらしい言動をしているというわけではないと思うのですが……
少々順番が前後してしまいましたが、ノゾムの前には謎の(……ではないか)新聞部員、淡島ホタルが現れましたか。こちらも新キャラですね。
出て来て早々(こっちこそ本当に)謎の男に誘拐され、凄く悲劇のヒロインしてますね。
ヒナタの力を借りられず、なんとか《ルーン・ツールC》を持ち出せて、こっちもこっちで主人公っぽいです。一方ヒナタは、色々と考えた上でわざとボケているようでしたが、前作以上にボケ色が強くなっているように……まあ、なにかしらのサポートに回るような感じですが。
そしてホタルがヒロインと明言されて、コトハは解k……いやなんでもないです。ただヒナタを主人公として見るか、ノゾムを主人公として見るかでヒロインが変わっているだけかもしれないと予想しておきます。
そんなこんなで、ホタルの安否と謎の男、ノゾムが男にどう立ち向かうのかという表の面と、ヒナタがどう動きだすのかという裏の面で、次回も楽しみにしています。それでは。
- Re: デュエル・マスターズ D・ステラ 〜星々の系譜〜 ( No.12 )
- 日時: 2014/05/31 08:22
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)
>>11
モノクロさん、コメントありがとうございます。
ノゾムの名前の由来は、まあ仰せの通りです。とにかく、名前はヒナタと対照的にしたかったんですよ。
そして、《ルーン・ツールC》にはお察しの通り、まだ能力があります。
能力としては、水文明らしく堅実で強力(?)なものにしました。
ノゾムの過去に付いては、まあもう少しでちゃんと明らかになるかと。少なくとも、ヒナタよりはマシなはずです。
クナイは、今作ではもっと露出が増えると思います。
あとは、クナイが忍者の血を引いているか、ですか。ずばり言うとそれはまた後々明言するつもりです。
そして、”あくまでも”ノゾムサイドのヒロインである淡島ホタルですが、コトハと違って余り積極的にはデュエルに絡まないことになっています。
コトハは間違っても解雇にはなりませんよ。というか、彼女がいなくなったら、唯でさえ偏っている男女比率を更にどうしろと。
というわけで、続きをお楽しみください。それでは、また。
- Act4:月英雄と尾英雄 ( No.13 )
- 日時: 2015/04/29 21:14
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
「ちょっと! こんなことしていいと思ってるんですか! レディには優しくするって学校の授業で習わなかったんですか!」
「ちっ、ガタガタうるせー女だぜ。そうだぁ、助けに来たあいつが、ボロ炭になって横たわっているのを見たら、どう思うだろうなぁ」
「ひぃ……っ!」
厭らしい口調で男は答えた。
男とは述べているがるが、背丈的にはまだ少年であることには再三見てもう分かりきっている。
現在、ホタルは《サンダー・ネット》の檻によって捕らえられていた。
脱出しようとしても、電撃のネットから逃れることは出来ない。
さらに、明かりは男の背後にいる龍-----------全身がほのかに赤く光っている-----------のみ。
「はやく、早く誰か来て-------------」
「呪文、《ラディカル・バインド》」
男のカードが黄色に光り、直後何重もの光がホタルの身体を回って締め付けた。
そして、口も。
口を塞がれて、ホタルは何も言うことが出来ない。
「んー! んー!」
「む、誰か来たのか」
男はふと口にした。ホタルは思わず歓喜しそうになる。
だが、それとは裏腹に男は口角を上げた。
余裕たっぷりに、2枚のカードを見る。
「ほーう、少し遊んでやるか-----------なあ、《「白陽」》、《ソウルフェザー・ドラゴン》」
***
開けた部屋に来た。見れば、地下駐車場のようだった。辺りは薄暗く、埃が集っている。
コンクリートの床を踏みしめながら、ノゾムは確実に一歩、確実に一歩進む。
「たのもーう!! おい、人攫い! どこにいやがるんだ、鬼畜生が!」
彼は虚に向かって怒鳴った。刹那、赤い玉がこちらへ向かってやってくる。
なるほどなるほど、近づくにつれて玉はどんどん辺りを明るく照らし、そして肌をじりじり焦が------------
ここでノゾムはすべてを察した。
目の前から迫ってくるのは、間違いなく”火”ということに。
------------わわわ、わわわわ!!
ノゾムは若干パニックに陥りながら、咄嗟に《ルーン・ツールC》を取り出す。
普通に考えればそのままカードもろとも消し墨になってから塵になってしまうそうなものだが、そうはならなかった。
青いバリアが炎の玉を水飛沫とともに消し去ったのだった。
「う、うおおおお! すげえええ!」
ノゾムは、思わず歓喜の声をあげた。まさか、このカードにコンナ力があるとは誰も思わなかっただろう。
《ルーン・ツールC》の効果と関連付ければ、”ブロッカー”の能力でノゾムを守ったというのが一番しっくり来る。
----------はクよう、コこにイるノ?
声だ。
《ルーン・ツールC》から再び声がする。
だが、その声は以前よりも確かなものとなっていた。
一体、ハクヨウとは何のことなのか、全く分かりはしない。
「ちっ、まあ良いや。今のはちょっとした余興だ------------」
声が聞こえた。
低く、ぶっきらぼうで、それでも優しさの残る声------------
直後、部屋の中が明るく照らされる。
すべての光景が映し出される。
檻に囚われたホタル、巨大な鳥龍、そしてその声の主----------ローブを脱いだ男-----------の姿を見た途端、ノゾムの息は止まりそうになった。
「おいおい、ノゾム----------必死にここにやってくるお前の姿はお笑いだったぜ?」
声の主は卑しく笑った。
逆立った茶髪、前髪に掛けたサングラス。
まさしく、自分が尊敬する人物そのものだった。
「ヒナタ--------------先輩!?」
だが、即座に頭の中で否定する。
違う。
あの人はヒナタじゃない。
考えてみれば、さっきであったローブの男の声とは大きく違ったからだ。
「いや、違う。誰だ、アンタは!」
「分かってるようだなぁ、ククク」
直後、燃え盛る炎がヒナタ-------ではない誰か--------を包み込み、再びローブの男の姿を象った。
直後、燃え盛っていた炎は1つのクリーチャーを同時に象った。
その姿は、火文明のクリーチャーとしては極めて異型だ。平安時代の貴族を思わせる服装に、黄金の体毛、そして狐の体。
最後には、尻から伸びた九つの尾が特徴的だった。
そして、胴には赤い蛇のような生き物が絡み付いている。
しかし、蛇の首は2つに分かれていた。
それは、先ほどホタルを攫ったクリーチャーとは別物だ。つまり、敵は、あの鳥龍と狐の2枚を所持していることになる。
「素晴らしいだろう? この《尾英雄 開闢の「白陽」》の力は」
「やっぱり、クリーチャーの力を使ってたんだな! お前は一体、何者なんだ!」
「お前如きに名乗る名前など、無い。だが、お前の持っている《ルーン・ツールC》は貰う」
「ああ! そのつもりで来た!」
悔しいが、クラスメート1人の命が懸かっている以上は仕方が無い。
「ク、クカカ! 本当だぜ。”何も知らない”奴相手ってのはこんなにも簡単に事が進むもんなんだな!」
「ッ----------!」
------------ただ、気がかりなのは、あのノゾムって奴と《ルーン・ツール》の適合が思ったよりも早く進んでいることだ。奴らの意思が疎通できるようになる前に、引きはなさねえと--------------
ふと、男はノゾムの右手にあるカードを見た。《ルーン・ツール》だ。だが、様子がおかしい。青白く、まるで怪しく光る十五夜の満月のように光っているのだ。
『ハ、クヨウヲ-------------はくようを------------白陽によくもそんな真似を-----------!!』
どんどん、口調が饒舌になっていく。
そして---------爆ぜるようにして玉兎の武神はその姿を現した。
眩い水色の光と同時に、鉄槌を両手で抱え、蒼い装甲の纏わり着いた白いもふもふとした身体。
顔には先進技術を連想させるヘルメットが目を隠している。だが、うっすらと見える。ヘルメットのゴーグル部分から怒りに燃える赤い瞳が。
「え、えーっと? 《ルーン・ツール》さ----------」
「はぁぁぁあああ!!」
甲高い咆哮を上げた獣人は、鉄槌を振り回して羽ばたく鳥龍へ一気に振り下ろす。
振り下ろされた部分が一気に抉られた鳥龍は悲鳴を上げる。
「ッ、まずい----------何てな」
男はカードを再び鳥龍へかざした。
直後、鳥龍の抉られた部分がどんどん回復していき、再生した。
「こいつは、鳳凰座の力を持つドラグハートで、司るは不死だ! そして、そのドラグハートに選ばれた俺は、最強のデュエリストなんだ、ははははは!」
男は高笑いした後、自分の右手にある2枚のカードのうち、もう1枚のカードに目をやった。
「そして、こいつも手に入れた。これを英雄とか抜かしていたふざけた奴からよォ!!」
「だが----------」と男は視線をルーン・ツールへ向けた。
「俺の最強伝説を否定するってんなら、容赦はしないぜ、クソガキよぉ!」
「最強のデュエリストなんて存在しない。それを敢えて最強って言うなら、自分のデッキのカードを仲間として信頼できる奴のことだ! お前は何だ? こいつ欲しさにこんな卑怯な真似しやがって---------お前なんか、デュエリストの恥だ! とっとと此処から消えていなくなりな!」
2人の視線がカチ合った。
と、そのときだった。
「あたし抜きで話を進めてない?」
女性の声-------どちらかと言えば、少女に近いほうだ。
しかし、ホタルではない。
ノゾムの隣に立っていたルーン・ツールだった。
「えっ、ルーン・ツール!?」
「あたしの力で、決闘空間を開く。そこであいつをブチのめせば、白陽も助けられる! 一緒にがんばろ!」
「いや、頑張れって言われても」
「それに、あたしの名前は”クレセント”! 《ルーン・ツールC(クレセント)》だよ!」
「あ、ソッチが本名?」
「もたもたすんじゃねえぞ! いいぜ、決闘空間で死ぬのがお望みなら、そうしてやる!!」
男は苛立ちながら叫んだ。
「行くよ! あたしのカードを持って、”決闘空間解放”って叫んで!」
「え、ええええ」
若干戸惑いながら、ノゾムはルーン・ツール改めクレセントのカードを掲げて叫ぶ。
「決闘空間解放ッ!」
カードが激しく光った。
直後、ノゾムと男の体が黒い霧に包み込まれた。
- Act5:決闘と駆け引き ( No.14 )
- 日時: 2014/06/07 14:00
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)
***
入り込んだ空間は、妙な歪み方をしていた。霧がたなびき揺らぎ、まるで虚無の中にいるようだった。
そして目の前には5枚の半透明で水色の盾があった。
目の前には自分が持っていたデッキ、そして手札が5枚回っている。
「こ、ここは---------」
「決闘空間。此処では、強力な力を持つカードを手にしたデュエリスト同士が戦うの」
「戦うって、まさかデュエマでか!?」
「まさかって、貴方達はそっちのほうが本業でしょ」
そういって、目の前の相手を見据えた。
「クカカ、これはなかなかの上玉じゃねえか」
「あたしの白陽を返して----------って言っても返すつもりはなさそうだね」
「へへへ、俺はケチじゃねえさ。良いぜ---------会わせてやるよ-----------敵としてな!」
「てめぇ、好い加減にしろよ。ケラケラさっきから笑いやがって。ホタルのことも忘れんな! ここで叩き潰してやらぁ!」
対峙する2人。デュエルは始まった---------------
***
「《アクア鳥人 ロココ》召喚!」
直後、水流が渦巻き、クリーチャーが現われた。ドラゴンに力を貸す鳥の能力を手に入れた水棲人が。
アクア鳥人 ロココ UC 水文明 (3)
クリーチャー:リキッド・ピープル閃 2000
自分のコマンド・ドラゴンの召喚コストを1少なくしてもよい。ただし、コストは1より少なくならない。
自分のドラゴンが破壊される時、墓地に置くかわりに自分の手札に戻す。
「すげぇ、本当に生きているようだ」
「いえ、本当に生きている。この空間では、カードの中のクリーチャーは初めて1つの生き物として生きることが出来るの」
「そうなのか? まあ、いい。デュエマなら負ける気がしないぜ!」
得意げに笑みを浮かべるノゾム。
しかし、このターンはもうすることがないので終えるしかない。
相手の男のターンだ。
「俺のターン、《コッコ・ルピア》召喚!」
コッコ・ルピア UC(C) 火文明 (3)
クリーチャー:ファイアー・バード 1000
自分のドラゴンの召喚コストを2少なくする。ただし、コストは2より少なくならない。
こちらも、龍を援護する鳥だ。しかし、こちらは”元祖”。コストを下げる数は”圧巻”の2。
は? 2? ふざけんな、しょぼいじゃねえかというビギナーの皆様。
この2という数値はコスト軽減クリーチャーの中で大きい。今、3マナたまった状態で《コッコ・ルピア》を召喚し、次のターンはチャージで4マナ。つまり、次のターンには、強力なコスト6級のドラゴンが現われてしまう。
コスト6のドラゴンにはスピードアタッカーで有名な《爆竜GENJI・XX》や《鬼カイザー「滅」》にドラゴンにスピードアタッカーを追加する《ガイアール・アクセル》、そして強力な登場時能力を持つクリーチャーが大量に存在するのだ。そして、ヒナタが進んで使うくらい強力な類が多い。
ならば、出た瞬間に除去してしまえばいい話なのだが。
「俺のターン! 龍素記号JJ解放確認、現われよ! 《龍素記号 JJアヴァルスペーラ》ッ!」
龍素記号JJ(ジェイジェイ) アヴァルスペーラ UC 水文明 (5)
クリーチャー:クリスタル・コマンド・ドラゴン 4000
ブロッカー
このクリーチャーは攻撃することができない。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から5枚を見る。その中から呪文を1枚選び、相手に見せてから自分の手札に加えてもよい。その後、残りを好きな順序で自分の山札の一番下に置く。
「よし、こいつの能力で呪文、《幾何学艦隊ピタゴラス》を手札に! 次のターン、ドラゴンが来たってバウンスすれば怖くないぜ!」
「果たしてどうだかな」
不敵な笑みを再三浮かべる男。
「俺のターン、《ボルシャック・NEX》召喚!」
「やべっ、あいつは「ルピア」を踏み倒す能力を持つクリーチャー!?」
「ご名答!」
このように、登場時能力を持っていると非常に辛い。バウンスするのを躊躇ってしまう。
「さらに、効果で《スピア・ルピア》を召喚」
「くっそ、俺のターンだ!」
仮に男が何らかのシステムクリーチャーを召喚してきたとして、それごと《ピタゴラス》の効果でバウンスしてしまえばよかったのだが。バウンスしてもこれでは意味がない。
さらに次のターン、男のマナは5。今度はコスト7のドラゴンが出てくる頃だろう。
コスト7になると、フィニッシャー級のクリーチャーが出てくるため、非常に辛い。
相手のデッキは火のドラゴンに、妨害の水、そして加速の自然を加えたようなものだ。しかも、マナゾーンのカードを見るに、ビートダウン重視で、重いドラゴンを入れるのが余り好きではないヒナタとは違い、重量級が入っているようだった。
「オレのターン! 《ピタゴラス》で《NEX》に《コッコ・ルピア》をバウンス! ターンエンドだ!」
「無駄無駄!! 俺のターン、《NEX》を出して、効果で《コッコ・ルピア》も山札から出す!」
「--------だよなぁ」
残念な声を漏らすノゾム。だが、自分のターンに来たカードで、僅かながら勝機を見出したのだった。
「来た! 《龍覇 メタルアベンジャー》召喚! 効果で超次元ゾーンから《真理銃エビデンス》を出す!」
龍覇 メタルアベンジャー R 水文明 (6)
クリーチャー:リキッド・ピープル閃/ドラグナー 4000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト2以下のドラグハート1枚、または、コスト4以下の水のドラグハートを1枚、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。(それがウエポンであれば、このクリーチャーに装備して出す)
呪文の効果で相手がバトルゾーンにあるクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーを選ぶことはできない。
「そして、装備! 龍素充填完了だ!」
真理銃 エビデンス ≡V≡ 水文明 (4)
ドラグハート・ウエポン
このドラグハートをバトルゾーンに出した時、または、これを装備したクリーチャーが攻撃する時、カードを1枚引いてもよい。
龍解:自分のターンの終わりに、そのターン、自分の水のクリーチャーまたは水の呪文を合計3枚以上、召喚または唱えていれば、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。
「ドラグハートか」
ドラグハート。それは、超次元ゾーンからドラグナーという種族のクリーチャーが呼び出して装備。
そして、その状態で条件を満たせば強力なドラゴンとなるのだ。
しかし、ドラグナーが場を離れるとドラグハートも場を離れてしまう。しかし、一度龍解してしまえば話は別。
その圧倒的な力で場を蹂躙してくれる。
「いっけえ! 《ロココ》でシールドブレイク!」
シールドが割れた。仮に次のターン攻められても《アヴァルスペーラ》で守るだけの話だ。
しかし。
「お前など、マナ武装と龍解を使うまでも無い! 俺のターンだ」
星だ。星達が見える。星はラインを結び、1つの動物を象った。
狐だ。
あれは、星座の子狐座なのだ。
「来る、来るよ、ノゾム!」
「来るって何が来るんだよ、クレセント!」
「あの人が-------私の愛しい、でも今は変わってしまったあの人が」
次の瞬間、バチバチと音を立ててクリーチャーの姿が現われる。
黄金に輝く九尾が陰陽師の服を纏い、胴に巻きついた2股首の赤蛇、そして手には火焔の槍を握っている。
「華やかに舞い降りし、黄金の九尾よ! 今、その力を星に向かって解き放ちたまえ! 《尾英雄 開闢の「白陽」》!!」
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