二次創作小説(紙ほか)

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デュエル・マスターズ D・ステラ 【侵略世界編】
日時: 2017/01/16 20:03
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)

【読者の皆様へ】
はい、どうも。二次版でお馴染み(?)となっているタクと申します。今回の小説は前作の”デュエル・マスターズ0・メモリー”の続編となっております。恐らく、こちらから読んだ方がより分かりやすいと思いますが、過去の文というだけあって拙いです。今も十分拙いですが。
今作は、前作とは違ってオリカを更にメインに見据えたストーリーとなっています。ストーリーも相も変わらず行き当たりばったりになるかもしれませんが、応援よろしくお願いします。

また、最近デュエマvaultというサイトに出没します。Likaonというハンドルネームで活動しているので、作者と対戦をしたい方はお気軽にどうぞ。


”新たなるデュエル、駆け抜けろ新時代! そして、超古代の系譜が目覚めるとき、デュエマは新たな次元へ!”



『星の英雄編』


 第一章:月下転生

Act0:プロローグとモノローグ
>>01
Act1:月と太陽
>>04 >>05 >>06
Act2:対価と取引
>>07
Act3:焦燥と制限時間
>>08 >>10
Act4:月英雄と尾英雄
>>13
Act5:決闘と駆け引き
>>14 >>15 >>18
Act6:九尾と憎悪
>>19 >>21
Act7:暁の光と幻の炎
>>22 >>23
Act8:九尾と玉兎
>>25

 第二章:一角獣

Act1:デュエルは芸術か?
>>27 >>28 >>29
Act2:狩猟者は皮肉か?
>>30 >>31 >>32 >>33
Act3:龍は何度連鎖するか?
>>36 >>37
Act4:一角獣は女好きか?
>>38 >>39 >>41 >>42 >>43 >>44 >>45
Act5:龍は死して尚生き続けるか?
>>48

 第三章:骸骨龍

Act1:接触・アヴィオール
>>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55
Act2:追憶・白陽/療養・クレセント
>>56 >>57
Act3:疾走・トラックチェイス
>>66
Act4:怨炎・アヴィオール
>>67 >>68
Act5:武装・星の力
>>69 >>70
Act6:接近・次なる影
>>73

 第四章:長靴を履いた猫

Act1:記憶×触発
>>74 >>75 >>76 >>77
Act2:龍素力学×龍脈術=3D龍解
>>78 >>79 >>80
Act3:捨て猫×少女=飼い猫?
>>81 >>82
Act4:リターン・オブ・サバイバー
>>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90
Act5:格の差
>>91 >>92 >>93 >>104
Act6:二つの解
>>107 >>108 >>109 >>110
Act7:大地を潤す者=大地を荒らす者
>>111 >>112 >>113
Act8:結末=QED
>>114

 第五章:英雄集結

Act1:星の下で
>>117 >>118 >>119
Act2:レンの傷跡
>>127 >>128 >>129
Act3:警戒
>>130 >>131 >>132
Act4:策略
>>134 >>135
Act5:強襲
>>136
Act6:破滅の戦略
>>137 >>138 >>143
Act7:不死鳥の秘技
>>144 >>145 >>146
Act8:痛み分け、そして反撃へ
>>147
Act9:fire fly
>>177 >>178 >>179 >>180 >>181
Act10:決戦へ
>>182 >>184 >>185 >>187
Act11:暁の太陽に勝利を望む
>>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>193 >>194 >>195
Act12:真相
>>196 >>198
Act13:武装・地獄の黒龍
>>200 >>201 >>202 >>203
Act14:近づく星
>>204


『列島予選編』


 第六章:革命への道筋

Act0:侵攻する略奪者
>>207
Act1:鎧龍サマートーナメント
>>208 >>209
Act2:開幕
>>215 >>217 >>218
Act3:特訓
>>219 >>220 >>221
Act4:休息
>>222 >>223
Act5:対決・一角獣対玉兎
>>224 >>226
Act6:最後の夜
>>228 >>229
Act7:鎧龍頂上決戦

Part1:無法の盾刃
>>230 >>231 >>232 >>233 >>234 >>235 >>236 >>239
Part2:ダイチの支配者、再び
>>240 >>241 >>242 >>243 >>244 >>245 >>246 >>247 >>248 >>250
Part3:燃える革命
>>252 >>253 >>254 >>255 >>256
Part4:轟く侵略
>>257 >>258 >>259 >>260 >>261

Act8:次なる舞台へ
>>262


 第七章:世界への切符

Act1:紡ぐ言の葉
>>263 >>264 >>265 >>266 >>267 >>268 >>270
Act2:暁ヒナタという少年
>>272 >>273
Act3:ヒナとナナ
>>275 >>276 >>277 >>278 >>279 >>280 >>281
Act4:誓いのサングラス
>>282 >>283 >>284 >>285
Act5:天王/魔王VS超戦/地獄
>>286 >>287 >>295 >>296 >>297 >>298 >>301 >>302 >>303 >>304 >>305
Act6:伝説/閃龍VS獅子/必勝
>>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>323
Act7:青天霹靂
>>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331
Act8:揺らぐ言の葉
>>332 >>333 >>334 >>335 >>336
Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神
>>337 >>338 >>339 >>340 >>341 >>342 >>343
Act10:伝える言の葉
>>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351
Act11:連鎖反応
>>352


『侵略世界編』


 第八章:束の間の日常

Act1:揺らめく影
>>353 >>354 >>359 >>360 >>361 >>362
Act2:疑惑
>>363 >>364
Act3:ニューヨークからの来訪者
>>367 >>368 >>369 >>370 >>371
Act4:躙られた思い
>>374 >>375 >>376 >>377
Act5:貴方の為に
>>378 >>379 >>380 >>381 >>384 >>386
Act6:ディストーション 〜歪な戦慄〜
>>387 >>388 >>389
Act7:武装・天命の騎士
>>390 >>391
Act8:冥獣の思惑
>>392
Act9:終演、そして——
>>393


 第九章:侵略の一手

Act0:開幕、D・ステラ
>>396
Act1:ウィザード
>>397 >>398
Act2:ギャンブル・パーティー
>>399 >>400 >>401
Act3:再燃 
>>402 >>403 >>404
Act4:奇天烈の侵略者
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>411
Act5:確率の支配者
>>412 >>413
Act6:不滅の銀河
>>414 >>415
Act7:開始地点
>>416


 第十章:剣と刃

Act1:漆黒近衛隊(エボニーロイヤル)
>>423 >>424
Act2:シャノン
>>425 >>426
Act3:賢王の邪悪龍
>>427 >>428 >>429
Act4:増殖
>>430 >>431 >>435 >>436 >>438 >>439 >>440 >>441 >>442
Act5:封じられし栄冠
>>444


短編:本編のシリアスさに疲れたらこちらで口直し。ギャグ中心なので存分に笑ってくださいませ。
また、時系列を明記したので、これらの章を読んでから閲覧することをお勧めします。

短編1:そして伝説へ……行けるの、これ
時系列:第一章の後
>>62 >>63 >>64 >>65

短編2:てめーが不幸なのは義務であって
時系列:第三章の後
>>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103

短編3:文化祭(と言えば聞こえは良いが要は唯のスクランブル)
時系列:第四章の後
>>120 >>121 >>122 >>123 >>124 >>125 >>126

短編4:十六夜ノゾムの災厄な一日
時系列:第四章の後
>>149 >>150 >>153 >>154 >>155 >>156

短編5:恋情パラレル
時系列:第四章の後
>>157 >>158 >>159 >>160 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>173 >>174 >>175 >>176

短編6:Re・探偵パラレル
時系列:平行世界
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422

エイプリルフール2016
>>299 >>300

謹賀新年2017
>>443


登場人物
>>9
※ネタバレ注意。更新されている回を全部読んでからみることをお勧めします

オリジナルカード紹介
(1)>>96 (2)>>271
※ネタバレ注意につき、各章を読み終わってから閲覧することをお勧めします。

お知らせ
16/8/28:オリカ紹介2更新

Re: 【銀賞】デュエル・マスターズ D・ステラ【感謝】 ( No.237 )
日時: 2016/01/31 23:25
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: 9Mczrpye)

 コメントまでの感覚が空くのは、言いたいことをストックしているからと考えたら、言葉の貯金をしているみたいでいい気分に浸れる。モノクロです。

 前置きをするのも面倒なので、いきなり本題から入りますが、サマートーナメント、来ましたね。
 久々に見た校長の姿にちょっと安心しつつ、フジパイセンがまた無茶苦茶なことを言い出すまでの流れは、もうお約束ですね。
 しかし、結局作品としては、ヒナタたちを的にする意味合いも兼ねての出場になりましたか。
 というか、他に邪悪龍の使い手がいる前提で話進んでいますけど、アンカ少年以外の存在を、ヒナタたちはいるものとして認知しているんですね。
 あと非常にどうでもいいですけど、コトハの兄貴の存在は出て来て思い出しました。そういえばいたな、そんなシスコンも。

 サマートーナメントの説明が終わり、ようやっと出番が増え始めて来たホタルと、ノゾム。いやぁ、青春だなぁ、ウブいなぁ。
 しかしホタルは押しに強い性格じゃないのか……最初の頃は自分からぐいぐい押してた気がしますけど、随分と大人しくなっちゃったようで。

 その後はフジパイセンによる特訓回ですか。まあ、大会という、目標と期間が分かりやすく設定されているものだからこそ、こういうところはきっちりやってほしいところですよね。特訓回をちゃんとやる少年漫画はいい作品。モノクロは好きです、特訓回。必殺技を習得した時とかは特に。いざ実戦となった時に、特訓の成果をどう描くかで、評価も大きく変わりますしね。
 そう考えると、特訓回っていうのも、一種の伏線みたいなもんですね。なにを得て、なにを学んだのかを、後の実戦で披露し、種明かしをするという点では。
 でまあ、特訓内容は、いつもと違うデッキを回しつつ色んなデッキと戦えということで。まあ、分かる話ですね。
 敵を知り、己を知れば、百戦危うからず。環境を知るためには、環境のデッキを実際に動かすことと、とにかく数と種類をこなすことが大事。それは当然のことですからね。フジにしては手堅い手法を取ってきたな。
 ざっと見た感じ、一番やりやすそうなのはレンですかね……速攻も速攻なりに頭は使いますけど、最近の速攻は早すぎて、殴るかどうかを考える機会なんてそんなにないですし、相手に仕掛けられる前に勝つ、をコンセプトにしているだけあって、攻めきるか攻めきれないかの二択ですし。
 逆に他三名は、コントロールデッキなだけあって、頭の使い方が半端ないですね。モノクロ個人としては、黒単が一番使いづらそうです。イメンループはループの手順さえ理解して、そのルートまでたどり着ければ、後は流れでやっちゃえますし。細かいミスとかをしないように気を付ける必要と、ループまでのルートを行かにスムーズにするか、というところがありますけど。
 しかし黒単は、どのタイミングで殴るか、とか、ハンデス優先か除去優先か、なにをリアニメイトするか、マッドネスを握っているかどうかなど、選択肢が多いだけに、なにが最善なのかを見極めるのが大変です。
 天門はループ型とかありますけど、もうそっちの方はモノクロ知らんです。あんま天門使いませんし。
 いやぁ……みんな大変ですね、これは。ホタルが一番苦戦しそう。
 そして実際、苦戦しているようですし……いやでも、黒単ビートだったのかあれ。ドラグナーっていうから、ヘルボか精々ウルボだと思ってた。ビートダウンならそんな難しくないだろうに……
 しかし、フジパイセンも無茶苦茶言いますね、今に始まったことではないですけど。一週間に百勝というと、一日平均15勝前後くらい……? 相手のAIとか、引きの強さとかにもよりますけど、思ったほど非現実的でもなさそう。籠って対戦し続けてれば、わりと達成できそうな感はありますね。
 もっとも、彼ら彼女らは思った以上に特定のデッキばかりを使っていたようなので、他のデッキについての知識はないようですが。使ったことがないのはともかく、授業とかでやらないのかな……それにしても、知識と経験の偏りが極端だなぁ。
 そう考えると、まさかのヒナタだけが環境を知って適応したガチ勢みたいなキャラってことになって、なんか面白いですね。別室受験の如く別メニューを課せられましたけど、まさかその辺に関係が? ない気はしますけど、ちょっと疑っちゃいますね。後のオーダーを決める際の台詞から、革命臭がしますけど。
 というか、別メニューなのにD・コクーン五つ用意してたのが、パイセン……なんのために。
 そして、実際に一番好調なのはレンですか。デッキの特徴的に数をこなしやすいってこともあるんでしょうが、流石はレンってところでしょうかね。
 一戦一戦を大切にする、ということも、当たり前ではありますけど、重要なことですね。自分の対戦を一戦ごとに振り返って、プレミがなかったかを確認、反省することも、強くなるためには必要なファクターと言いますからね。デュエマに限った話ではないですが。

 一方、実際に一番苦戦しているホタルは、結構参っている様子。
 ノゾムはノゾムで天然ジゴロな無意識系主人公の典型パターンを地で進んでますし、ある意味二重のダメージ喰らわせてどうするよ、こっちのダメージは後ですぐに回復するとはいえ。
 そしてこんな時でも冷やかさず、焦りもせず、冷静に主を宥めるハーシェルはイケメン。おじいちゃんみたいな安心感。でも、ハーシェルって確か若駒でしたよね……?
 しかし、ノゾムはよく女子の買い物に合わせられるな……モノクロは無理です。まあ、女子と二人で買い物に行くなんて機会が、まずないわけですが。でも母親と姉の買い物に付き合う時だって、口挟めないからなぁ……何気にノゾムの評価点が上がった瞬間である。女子の買い物に合わせられる男は凄い。
 いや、というか、ヒナタなんて目じゃないくらいラノベかギャルゲーの主人公やってるな、ノゾム。クレーンゲームの景品あげるとか、お約束中のお約束だよ。ヒナタの主人公味がどんどん薄れていくよ。
 そして最後はお約束のデュエマ。まあ、これは作品が作品ですし、当然の帰結ですね。ちょっと安心。
 水はそんなにハンデスのイメージないですけど……よほど《パクリオ》にやられたか。まあ、《パクリオ》はシールドという回収が難しいゾーンへの除去、というのが強いわけですからね。
 しかしことホタルに限れば、《ハーシェル》で味方を盾から引きずり出せる。《パクリオ》も効果薄いですか。
 そして、光の進化クリーチャーが増えたことで、《ハーシェル》の能力も奇襲性が高まりましたね。仕込まないと不安定になるとはいえ、《ミラクルスター》級のクリーチャーが何体も盾から飛び出すのは厄介……と思ったら、相手に与える打点を自分のシールドを割るために使ってるから、奇襲して攻めるより、制圧する方がいいのか。
 ノゾムも《クレセント・ベクトル》を出して抗戦。さらに、うちではお世話になりっぱなしの《キリコ3》まで登場ですか。
 少し文章で気になったのですが、《Q.E.D.+》で捲ったカードは一枚を除いてボトムに行きますし、トップのカードは分からないはず……カウントはしてませんけど、《Q.E.D.+》でボトムに置いたカードがトップに上がるほど山札も削れてないでしょうし、捲れるカードが分かっているかのような表現に、ちょっと違和感が。

 結局、やはりというか、ノゾムが勝利ですか。勝敗の如何が本意ではないですけど、これも当然の結果って感じですね。
 しかし、そんなメンタルトレーニングみたいな理由なのか、この特訓……
 もっと、あらゆるデッキへの理解、という方向で説明が入るのかと思いましたが、後からされたその説明は、思いのほかあっさりしてたな……ちょっと意外というかなんというか。押し引きの基準はいつでも悩みの種ですけど。

 日は改めて、サマートーナメント当日がやってきましたか。
 最初の相手として、リョウを持ってくるあたり、0・メモリーを思い出させますね……ああ懐かしい。
 それにしても、リョウも随分と成長したもんだなぁ。本当、見違えたというか、もはや別キャラになってね? と思うほど様変わりしてますね。とんだメタモルフォーゼだ。
 それと、この大会って、一戦ごとにオーダー変えられるんですよね……先鋒コトハからの、ホタル、レン、ノゾムにヒナタの順は予想ドンピシャでしたけど、それほどに“らしい”順番だったので、以降はこれが崩れると思うと、なんだかなぁ、と思わないでもないかもしれないです。

 なにはともあれ、一回戦開始ですか。きっと最初は相手がボコられて噛ませになるんだろうなと思いつつ見ると、噛ませでしたね、案の定。
 というか、D・ステラの環境は知りませんけど、この風間君という三年生。凄いビッグマウスでしたけど、マッハシュートで本気で勝てると思っていたのか? いや、自分も作品的には人のこと言えないようなデッキをキャラに使わせて、大言壮語を言わせてますけど……しかし直前に、環境とメタゲームを彷彿とさせる話があったから、どうしてもその辺と絡めて考えてしまう。
 まあ、《ザウルピオ》の能力も知らないようなクソにわかが勝てるはずもなく、あえなく敗北。にわかは相手ならんよ。
 対して二回戦は、ホタルが負けちゃうのかなー、と思ってたら、本当に負けてしまっていた……レンが負けるビジョンよりは浮かびやすかったですけど、まさか本当に負けて帰ってくるとは。
 しかも相手ドロマー超次元かよ、ガチガチじゃねーか。そりゃ、ホタルの白単じゃ勝てないわけだ。

 一勝一敗と、まだまだ先行きが不当目な状態で始まった中堅戦。ここを制したチームが流れを持って行ける展開ですね。
 相変わらず不運要素を抱えて事故ったレンの相手は、現代版手芸か……
 モノクロ、手芸はワンショットするという行為以外はあんまり知らないんですが、デアリよりも防御力高くて安定してそうですね、トリーヴァ手芸。サイキックに割く枠がなくなってしまうのは、従来までの手芸より劣る要素になりますが、《キリュー》がいなくても、ドラグナー飛ばせば《レッドゥル》でそのまま殴れるっていうのは悪くないですね。いざとなれば《ホワイティ》でフリーズ、《グリーネ》で5→7の動きもできますし。
 昔は手芸モルトとかいうデッキタイプも流行ってたそうですが、今ではそこまで強くないのかな……
 そんな手芸語りはさておくとして、《シューゲイザー》を止めた《ヤミカゼ・ドラグーン》がとても素敵ですね。こういうコンバット・トリック的な立ち回りは凄い好きです。有能なブロッカーの多い黒単だからこその選択肢ですね。
 レンもレンで、不幸と不遇とギャグ要素が抜けたらなんでこんな格好よくなるのか。闇を抱えているからこそ、彼の行いは映えますね。

 かくして中堅戦はレンが制して、副将戦に突入しますが……リョウ、本当キャラ変わってるなぁ。もはや昔の面影が全然感じられない……
 リョウのデッキはシールド・ゴーですか……天門ではないのですね。
 シールド・ゴーは《アレキサンドライト》で《パラノーマル》設置してウィニーを一掃するから厄介です。もたもたしてたら複数展開されて大型も持っていかれますからね。実際やられてますけど。
 ノゾムがフォートレスを使えて助かった形ですね、これは。《パラノーマル》の三枚がけとか、耐え凌げるのはコトハくらいでしょう。二枚がけだって、《5000GT》級の酷いロックになりますし、仮に生き残ってもパワーが貧弱だから、ブロッカーに阻まれるんだよなぁ……
 しかし、もう随分と語らい合いましたが、《Q.E.D.+》の利便性よ。これはもう、語る必要はないかな……
 あと、リョウのデッキには《クロムウェル》もいたのか。《パラノーマル》による制圧性能は高いけども、攻撃性能はいまいちだから、SA付加は微妙な気もしますが……
 今回はその攻撃性能の低さが、とどめを刺すまでに遅れを取った感じになるんでしょうかね。フォートレスを除去できないことも大きかったでしょうけど、
 ……そういえば、リョウの持ってたアウトレイジの中にいたよな、《アイアンローズ》……うん、忘れよう。

 結局、副将戦はノゾムの勝利で、ここで決着ですか。ヒナタの出番、本当に喰われましたね。ヒナタ、わりと本気でベンチウォーマーになっちゃってる……まあ、激流ランデスで詰ませるのがヒーローっぽいかと言われたら、モノクロは首を傾げちゃいますけど。
 このチーム戦はリョウがボスみたいなものっぽいですし、それを倒せば終わりというか、そこが実質的な最終決戦になるのは、分かるんですけど。
 ヒナタの主人公度がどんどん下がって、代わりにノゾムの主人公度がぐんぐん上昇している……!

 リョウを撃破しましたし、次はテツヤあたりなのかな……次の相手にも期待大ですね。
 そして、次こそはヒナタも主人公らしいことできるのか……
 今回はこの辺にしておきましょう。やっぱり長くなっちゃったなぁ……5000文字強。
 ではでは。

コメ返し ( No.238 )
日時: 2016/02/03 00:45
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: S0f.hgkS)

モノクロさん


コメントありがとうございます。

まずはお詫びと見苦しい言い訳から。

実はですね、今回の一連の話。以前にメモ帳で書いていたところがあって、それを忘れたままもう1回書き直してしまったので、それが何を意味するのかと言うと——完全に抜けてるところがありました、すいませんでした!
他の邪悪龍についての注釈を書いたシーンを入れるのを忘れていたということです。何を言っているのか分からないと思うが、全部作者の落ち度です申し訳ない。
後、QED+の効果については作者が間違えていました。こっちも修正しておきました。

さらに、今回の特訓回も作者の設定のガバガバさが露呈——いや、これには少し訳があるんですよ。彼らの知識の偏りというか、これはちょっと書き方が悪かったなー、とタクも後悔しています。
何だよ。結局ただの落ち度じゃねえか。どうなってんだマジでこの小説。銀賞取り下げた方が良いんじゃねえか。AMに冗談抜きで渡した方が良いぞこれ。
こないだから落ち度と凡ミスとミスしかしてねえじゃねえか、自分の他の作品も。

というわけで、此処からは普通のコメ返しに入ります。

此処までの流れは最早お約束。
要は今回の小説、デュエマ界の表と裏のピンチに挟まれながら戦っていくことになるわけですね。
そんでもって、それらを相手にするならなるべく多くのデッキを実戦でさっさと叩き込む。それも集中的に。いや、今回はこの辺の書き方が悪かった所為で思わぬ穴が出来てしまったわけですが。おかしいなあ。
で、新たな試製カードだのが日常的に生まれているこのデュエル先進都市。だからここは、環境とか考えず、単純に強いデッキブチ当てただけ、ということですね。まず言えば、そっちの”ゲーム”と同じで多彩なデッキが存在するという訳です。現実では環境に入れないデッキが試製カードによって、先進都市では強力になっている、という裏設定。
それが侵略者によって、先進都市内どころか、全部のデュエル環境が破壊されそうだからやばいことになっているわけですが。という設定。

そんでもって、彼らはかなり苦戦する模様。
一応、小説の外では別のデッキも使ってますからね、はい。
ホタルもウルボやヘルボ、その他いろいろ使ってるわけです。
ノゾムはノゾムでテツヤが作るような鬼畜デッキ(純粋無垢な少年に何使わせてんだ、ああ俺か)、コトハは白単天門とかも使っていたという設定。
レンが結局一番楽だったのは言うまでも無く。
だから、実際問題かなり大変だと思いますよ。1戦1戦ごとにデッキ確認しなければいけないのだから。

さて、別室に連れていかれたヒナタ君。
というか、彼が一番この中で多くの種類のデッキを使っていますからね。前作から散々、天門からシューゲイザー、果てには今は亡きヒラメキスネークまで使えるという万能手設定。そのため、前作1話では青白のよくわからんデッキを使ってましたし(ガバガバすぎんだろ、当時も)

後は5個あるD・コクーンですが——何故、これを使うのが1回だけと錯覚していた? とだけ言っておきます。

この中でもっとも苦戦してるホタルですが——完全にダブルノックアウトです。ノゾム、お前ギャルゲーの主人公スキル高すぎだろ。と作者も思いましたが、実際問題ここは敢えてべったべたにしたからなあ。
色恋沙汰に疎い彼だからこそのシーンだったと思います。
ホタルもホタルで、最初のバリバリの取材者気質が完全に恋する乙女モードに。大丈夫か。光使いの少女は恋する乙女なのか……どこの作品でも。一部百合百合したのがいますが。
後、ハーシェルの外見と年齢の詐称疑惑。……そこに気付くとは、天才か。
というか、一回既に本来の姿は見せているのですが——それはまた後程。
とはいえ、英雄の中ではアヴィオール、ニャンクスと同じ常識人枠ですし——おい白陽、クレセント。結局お前らじゃねーか、いっつも。片やむっつりスケベ、片やラブ度MAXがレーティングに抵触するレベルってどういう了見だコラ。

話を戻し。
ノゾムの主人公度が此処に来て上がってきてますね。そりゃそうだよね、どっかのメンタル豆腐グラサンよりも、こっちの方がよっぽど良い活躍見せてるもんね。特にここ最近。
いや、というかホタルに対して無自覚なアプローチが多すぎるというか……はい、意識しました。だって、こういう主人公も良いじゃないですか、というか全くの無自覚ってわけじゃあないですし……。
クレーンゲームの景品あげるのも何番煎じか分かったもんじゃないですね。
だけど、このサイトじゃ割とこういう一連なベタ展開は珍しいんじゃないでしょうか。
だけどそれは何も捻ってねぇじゃねえかこのズブ野郎!! 脳みそ豆腐!! という反論を生むわけで。……精進だなあ。

そして、これが無いと始まらないデュエルシーン。これが無いとデュエマ小説じゃない!
というわけで、初のまともな対決のノゾム対ホタル。
パクリオは言うてかなり有名ですからね。水の唯一のまともなハンデスで、しかも厄介なので。まあ、ノゾムなら入れると思うでしょうね。
書いていて思いましたが、作ったのが去年の6月辺りのハーシェルの能力が時代遅れすぎて泣けてくる……。
エメラルーダが出ただけまだマシなんですけども。
そして、大展開するホタルに対して、《クレセント・ベクトル》による一斉バウンスで巻き返すノゾム。何かもうノゾムって水文明の中でもバウンスに特化してるんじゃないかと思い出した。何かこいついっつもバウンスしてんな。
と思ってたら、こっちの小説でもやっと出てきました《キリコ3》。実際に小説の中で動かそうとすると難しい。《ティラノ・リンク・ノヴァ》の1つでも打たせたいけど、デッキの都合上、それが出来なかったのがなあ……。
それのおかげで、ノゾムは勝つことが出来た、と。まあ、今回の場合勝敗を問うものではなかった、ということですけどね。
そんでもってホタルも、彼に対して着いて行く決意を固めたわけです。まあ、それがいつまでになるか……果ては一生か……はまだ分かりませんけどね。

という訳で、遂にトーナメント開幕です。
本編では初登場のテツヤチームには、プレイヤーとしてクナイ、そしてコトハの兄である歪みないシスコンの姿が。忘れていた人も多いと思いますよ。
そして、ヒナタ達のチーム分けも、今回途中で変更可能というものです。
まあ、色々勝手が利きますしね。物語の中でも、作者的にも……いや、何でもない。いっそ固めた方が、とは思ったのですが。

というわけで第一回戦はリョウが居るチームB。いや、本当作者としても感慨深いですね。今作では初登場ですが。
そんでもって三年の風間君。敢え無くコトハにボコられて退場。
マッハシュート使って本当に勝てると思ってるかって? ……知らね。
《ザウルピオ》は鎧龍でも、まだ出たばっかで、外じゃ登場していないカードだし……。何か、アレですよ、アレ。まあ……それっぽく見えるじゃない?
そして、ヒナタとリョウが真剣極まりない挨拶を交わす間に負けるホタル。不憫。まあ、リョウのデッキビルディング能力の証明、と言ったところですね。まあ、そっちの言う通り、ドロマー超次元に勝てるわけもないわけですが。

しかし、此処で流れを巻き返すのがレン。
敵に回すと彼ほど恐ろしい相手はいないけど、仲間に着ければかなり頼もしい、を体言する正ライバルポジにようやく戻ってきたと思います。
あれ? こいつこんなにかっこよかったっけ? と思った読者はほかにもいるはず。
まあ、不運要素は相変わらずだけどな!
そんでもって、相手はトリーヴァ手芸。これは桜さんのデッキあってこそでしたね。本当感謝しております。でも……これしか思いつかなかったんだよなあ、本当。
だがしかし、最大の見所はやはり《ヤミカゼ・ドラグーン》。やっぱ、闇文明はこうでないと。此処はどうするかって、これ一択だったのもありますが、それを計算ずくめでやってのけたというのも、レンの実力の高さ、そして特訓の成果の現れですね。

さて、遂に現れたリョウですが、完全にお前どこの眼鏡だよ状態。
とはいえ、ここでは彼の成長した姿を見せたかったので、やはりかっこよくなって出てきてもらいました。
だが、それだけではありません。
3枚掛けパラノーマル、強力なブロッカー布陣、そしてオリカの使用。
お前みたいな一面ボスが居るか、というのがこの一連の戦いのコンセプトでしたからね。
まあ、《アイアンローズ》は……スペースが足りなかったんですよ。

しかし、ノゾムだからこそ、彼を撃破出来た、というところはやはりありますね。何よりもフォートレス。これが無ければ、彼は負けていた。今のところ、ドラグハートをかなり使いこなしているのはコトハとノゾムですが、コトハはパワーダウンで展開力潰されたら龍解出来たもんじゃないですしね。
最期は《Q-END》の逆流ランデスとバウンスでリョウを詰ませることで勝つことが出来ましたが、これで最終手段も同然ですからねノゾム。

さて。本格的なベンチウォーマーと化したヒナタとノゾムの主人公度。恐らく、今一番差がついてると思います。
今後、彼が主人公っぽくなる時は来るのか? W主人公の形を取ってるこの小説だけど、ノゾムだけがどんどんそれっぽくなっていってるぞ。
というわけで、次回以降にも期待です。ミスばんばんあげてる時点で、期待もへったくれもないかもしれないけども!

それでは、また。

P.S:また、対戦で違和感のあるところも多々直しておきました。ドロマー超次元とか。

Re: デュエル・マスターズ D・ステラ【鎧龍頂上決戦編】 ( No.239 )
日時: 2016/02/07 01:47
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: S0f.hgkS)

***



「——未だに戦っていないか、あの男は」
「ねーねー、コロナ—! 僕、早く戦いたいんだけどー」
「……仕方あるまい。あくまでも今回は”あいつ”自身の実力を計る挨拶のようなもの。それを失念するな、アマツカゼ」
「はいはーい!」
「言っておくが、”アレ”は貸さんぞ。余ったカードでお前がデッキを組め」
「分かってるてばー」

 軽い調子で返事を返すアマツカゼ。
 何か獲物を虎視爛々と狙う”2人”の視線は、会場にいる暁ヒナタに向けられていた——



 ***



「よーう、リョウ」
「……ヒナタ君」

 一回戦が終わった後。
 控室に戻ろうとするリョウを、ヒナタが呼び止めた。
 彼の顔は曇っていた。
 俯き加減の彼は、真っ先にその言葉を紡いだ。

「……ごめん」
「何で謝る必要があるんだよ」
「あんな大口をたたいたのに、結局僕はあっさり君たちに負けてしまった。これは……余りにも情けないと思いましたから」

 ”素”が出た。
 かつてのリョウは、敬語交じりのおどおどとした口調だったのだ。
 
「僕自身も相当追い詰められていたんです。周りの期待に応えよう、周りに合わせようって。それに反して恵まれない環境に勝手に苛立って……」
「……なーに、もう気にすることはねぇさ。気楽にやれよ。もっとな」
「……いつも、君はそうでしたね。楽観してるけど、何故か君の言葉には”重み”がある。……ありがとう。それに——」

 少し、自嘲気味の笑みを浮かべた彼は、つづけた。

「君の後輩の強さを改めて思い知った。それもこの身で。それだけで十分です」
「そか。ノゾムはつえーからな。ま、俺はもっと強いけどな!」
「はは……君らしいや」

 苦笑いを浮かべた彼の彼は、つづけた。
 どこか力んだ笑みをもう一度浮かべて。

「何故か、負けてももう一回戦いたくなっちゃうんです。君達とは。……何でだろう。また、デュエルしたいって、彼にも伝えて……くれますか?」
「……ああ。勿論だ」
「それじゃあ僕はこれで……」

 直接言えなかった理由は——零れそうな涙を、目の前の少年以外に見せたくなかったからだった。
 気付いてはいたが、敢えて声を掛けるのはやめにした。
 ——やっぱおめーは、変わってねぇよ。だけど、強くはなった。だからもう、無理して取り繕わなくて良いんだ。
 震える友の背を送り、ヒナタはその場から去ったのだった——



 ***



「どうだった」
「まぁまぁさ。あれなら大丈夫だろ。でも今回、何もしていない俺が行って、本当に良かったのかって思わないこともねぇが」
「さぁな。貴様が決めた事だろう」
「……そうだな」

 観客席で、席に座った彼はとため息をついた。
 ヒナタを除く全員が、激闘によって早速疲れていた。
 コトハの場合は、心臓に悪い試合を連続して見せられたのもあるが。

「そういや、一年の2人は?」
「相当落ち込んでたわよ、ホタル。それでノゾムが慰めに行ってるわけ」
「慰める(意味深)、か……厚くなるな」
「フジ先輩は黙ってろ、何が分厚くなるんだコラ」
「頭の中、中学二年生だなこの人」
「てめーらにだきゃ言われたくねえ」

 張りつめていた空気が一瞬でぐだぐだに。
 流石このクソ先輩と言ったところか。
 とはいえ、そんなことを言っていられる場合では無かった。
 次の試合の対戦相手になるかもしれないチーム——それが決まってしまったのだった。 



 ***



『えー、いよいよやって参りました、鎧龍サマートーナメント、準々決勝!! 盛り上がって参りました!! そんなわけで、学園一のド畜生の武闘フジ氏の指揮するチームF対っっっ!!』
「思いっきり俺様に対する風評被害だな」
「全部事実でしょーが」

 ぼやいたフジははぁ、とため息をついた。
 先ほどの試合を見ていたが、対戦相手は既に分かっていた。
 そのうえで、今並んでいるこの状況が非常にまずい。
 問題の相手は——

『智将・スプラッシュ天川氏率いる、ジェイコフ・クライニュー選手を大将にしたチームDっっっ!!』

 ——お前かよぉぉぉーっ!!
 さらりと流したが、相手の指導者は前大会でヒナタ達を指揮した天川スプラッシュ・ウェンディ—、通称・スプラッシュ天川。
 そして、色白の肌に薄い色素の髪を持つ、180程はあろうこの大男は、かつて幾度となく戦ったライバル。ジェイコフ・クライニューであった。
 ふっ、と気障な笑みを浮かべると「いやー、久しぶりだねぇ、ヒナタ君」とこれまた物腰柔らかーく言うが、どうも相変わらずキナ臭さの隠せない男であった。

「……まーたあんたと戦うのか」
「おやぁ? 随分な言いようだねェ。どっちにしたって、喜ばしいことじゃないか。また君と戦えるんだから」
「オイオイ良いのかよ、うちのメンバーは今回、俺の出番を乗っ取る気マンマンだぜ?」
「悪いけど、それはうちも同じさ」

 キッ、と2人の視線がカチ合った。

「まぁ良いさ。今度こそ、ダイチの怒りが君を飲み込むだろう」
「へっ、受けて立つ!!」

 こうして。
 鎧龍サマートーナメント準々決勝。
 再びここでも、因縁の歯車が回りだしたのだった——
 ——アレを使うのか——遂に。
 ヒナタの決意と共に。



 ***



 数日前。
 武闘ビルにて。

「で、何で俺だけ別室なんスか?」
「……ヒナタ。テメェらが何で英雄を味方につけることが出来たか分かるか?」
「え? そりゃ、各文明の適合者、だからですよね」
「ああ」

 珍しく、真面目な顔でフジは言った。
 
「実はデュエリストには、持つ力に法則がある。普通の人間は、”ノーマル”。まあ、これはクリーチャーと関わっていない人間に見られる普通のものだ。しかし——一度クリーチャーと関わった途端、その人間には”色”が現れる」
「色っすか」
「そうだ。大抵は、白、青、黒、赤、緑、斑。他にもあるぞ。だが、英雄に適合できるのは、その中でも純度の高い力の持ち主だけだ」

 とはいえ、と彼は続ける。

「中には黒鳥のように、純粋でクリアだった透明色が、漆黒に変化する可能性——いや、これはこれで黒鳥の奴が異端なんだが、要は文明の適合者というのはクリーチャーに関わっていさえすれば珍しい話じゃねえ」
「はぁ」
「問題は——」

 タブレットを操作していたフジは、そこでページを止めた。



「ヒナタ。テメェ、自分で分かってるのか? 自分が少なくとも、”火文明の適合者ではない”っつーことをな」

Act7:鎧龍頂上決戦 ( No.240 )
日時: 2016/02/15 20:28
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: S0f.hgkS)

「……えっ、どういう意味っすかそれ……?」
「お前、もう前から気付いてるはずだぜ、自分で。元はてめーに適合するのは文明だなんてチャチなくくりじゃねえんだよ」

 ふぅっ、と椅子に凭れ掛かってヒナタの瞳を見据えたフジは続けた。
 まるで、その奥を見透かすかのように。




「既存の法則を打ち破る無法の力……お前の色は言うなれば、斑というよりは文字通りの虹ということだ……!」



 既存の法則を打ち破る。
 だからこそ、今までアウトレイジとの相性は最高で、どんな敵とも戦えてきた。
 負ける気がしなかった。
 
「ともすれば、文字通りテメェは既存の法則を打ち破り、白陽を仲間につけることが出来たわけだが——お前でも打ち破れない法則がある。何でもかんでも無制限ってわけじゃねえんだ」
「と、と言うと……?」
「正直、言いたくはねぇんだがな……」

 少し間を置いた。
 何か致命的なことでもあるのだろうか、とヒナタと白陽の顔には既に焦りと不安が浮かんでいた。
 そして、それは最悪の形で的中することになる。




「——テメェらは——」




 ***



「——あのです……ねぇ?」

 彼女は言った。
 目の前の状況をしっかりと確認しながら。
 確かに。
 確かに、先ほどはチームに迷惑を掛けた。
 それは自分がパニくったのもあるだろう。
 だからと言って——



「何で私が先鋒なんですァ!?」
「てめーの心臓鍛えるためだろーが、逝って来い」



 無慈悲なフジの言葉と共に、彼女の運命は決定された。
 先鋒から鉄砲玉として飛ばされる役だ。
 しかも、この先の勝敗数に関わるので責任重大だ。
 それをさっき負けたばっかりの選手に任せるとか、どうかしているのではないかと思ったがフジ曰く

「良いかコノヤロー、次鋒なんぞに甘んじてるからいつまで経ってもてめーは眼鏡なんだ。眼鏡なら眼鏡らしく『アツメタ物資ハ……ヤラセハシナイ……』だとか『マタキタノカ……モウ、カエレヨッ……!』とか『ヤメロ! セッカク集メタ物資ガ、燃エテシマウ!!』とかかっこよく言えるくらいの気概をだな」
「酷い!! しかもそれ別のゲーム!!」
「さらに時事ネタだぞー。ともかく、逝って来い」

 というやりとりの末である。
 智将・スプラッシュ天川率いるチームDは、いずれもムラ無く強いデッキの使い手達が揃っている。
 特に、大将・ジェイコフ・クライニューの王龍の強さは学園内でも折り紙付きだ。
 そして、そんなチームの先鋒がむしろ弱いわけがなく——

『先鋒戦!! チームFからは光文明の使い手にして、可憐なゴシップガール、淡島ホタル選手!!』
「あ、あはははは……」
『対するは——』

 ずーん、ずーん、とでも聞こえてきそうな足音と共に。
 現れたのは文字通りの巨漢であった——



『でかァァァァァい!! 説明不要ッッッ!! 二回生、安藤レイガン選手!! その戦法もダイナミックだぁぁぁーっ!!』



 ——って、えええええーっ!?
 にやあああ、と自信たっぷりなこの少年の笑みは、ホタルの闘争心を奪うのには十分過ぎた。
 スキンヘッド、プロレスラーのような体格。
 それらは相手を威圧するものを兼ね揃えていた。
 それだけではなく、この安藤という少年——いや男、マジもんのボクシング部の部員で、ホタルが震えあがったのは、彼女が新聞部でそのことを知っていたからだろう……。

「くーふっふっふっふっー……! この私の連鎖戦術は甘くは無いですよぉ……! ボクシング部で培われた伝統的な踏み倒し戦術、全力で叩きつけてやりましょう!」
「あ、あわわわ……」

 見かけによらず、性格、口調は紳士である。
 しかし。
 問題は顔だ。
 まるでどっかのグラップラーにでも出てきそうな皺だらけの強面フェイスが、彼女を委縮させる。コイツ本当に中学生か。てか東洋人か。
 本人にはその自覚が無いのだろうが、何をどうしたらそうなるんだという話である。恐ろしや。
 そして、会場の全員が内心で突っ込んだが、ボクシング部でデュエマの何を培ったというのか。伝統的とは何なのか。さっぱり謎である。

「安藤か……厄介な選手を先鋒で持ってきたわね。あいつはD・リーグでも、まさに激流の如き踏み倒し戦術を操ることで戦績を上げているわね」
「確か、ヒナタが鎧龍で最初に使っていたデッキに似ているという話だったな」
「ああ……聞いた話によればそうなんだが」
「あと、何で美術部が無くて人間大砲部やボクシング部があるんだ、改めて考えてもおかしいだろ」
「知らん」

 そんなこと言っている間に、試合はもうすぐ始まろうとしていた。
 既にガクブルしながらカードを並べるホタルと、余裕の笑みを浮かべながらカードを並べる安藤。
 その対照的な光景が既に哀愁を誘う。
 ——これ以上は負けられない……だけど、また上級生……仕方ないと言えば仕方ないけど、勝てる気がしない——




「ホタルーッッッ!! しっかりしろぉーッッッ!!」



 後ろ向きになっていく心に、一筋の光。
 刺すように響いた彼の声が、彼女を我に帰らせた。
 ノゾムだ。
 ノゾムが、一番近くから叫んだのだ。

「ノゾムさん……!」
「上を見ろ! 前を向くんだ!」
「……!」

 気付けば、視線が俯き加減に、首は垂れ気味になっていた。
 プレッシャーから、そして不安から逃げたいという気持ちがそうさせたのだ。
 思い切って対戦相手を見据える。
 ——!
 なんのことは無い。
 今まで、もっと危ない相手と戦ってきたではないか。今更、怯える必要は無かったことに気付く。

「気持ちで負けるんじゃねーぞ! ガッツだ! 魂が負けてなけりゃ、勝機はぜってーにある!」

 彼の言葉が胸の芯に直に響いていく。
 何故か、負ける気がしなくなってくる。
 後ろを向き、俯く者が前向きな言葉を発せられるわけがない。
 しかし。前を向き、常に諦めずに向かう者は泣き言も、弱音も吐かない。
 気持ちで負けるな、その言葉が彼女を奮い立たせた。

「……勝ちます!!」
「ほーう。あくまでも向かってきますか。面白い……」

 鉄槌のような片手でカードを持つ安藤にをようやく真っ直ぐ見据えることが出来たホタル。
 相手が何だろうが関係ない。
 ノゾムが前に言ったことを思い出す。
 ——今の私の最強を持って、全力でぶつかるだけ!!



『それではこれより、先鋒戦開始です!! デュエル、スタート!!』

Act7:鎧龍頂上決戦 ( No.241 )
日時: 2016/03/04 01:25
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: AfTzDSaa)

 ***



「私のターン! 《爆砕面ジョニーウォーカー》召喚!」



爆砕面 ジョニーウォーカー P 火/自然文明 (2)
クリーチャー:ヒューマノイド爆 2000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、このクリーチャーを破壊してもよい。そうしたら、次のうちいずれかひとつを選ぶ。
・自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
・相手のパワー2000以下のクリーチャーを1体破壊する。



「破壊して、山札の上から1枚をマナゾーンに。ターンエンド」

 ホタル対安藤のデュエル。
 カラーを見るに、相手のデッキには少なくとも火と自然が入っていると思われた。
 《ジョニーウォーカー》は登場時に破壊することで、1マナブーストか相手の軽量破壊のどちらかを選ぶことのできる優秀ないぶし銀だ。
 ——ステロイドカラーを基盤にした、ビートダウン? でも、話によれば大型を好んで使うみたいですし、やっぱりビッグマナみたいですね……。 ともかく、怖いのは《ミステリー・キューブ》などでいきなり大型が出てくることですから——!

「私のターン! 《制御の翼 オリオティス》召喚! ターンエンドです!」
「ほーう。これは邪魔なモノを……」

 ふふ、と不敵な笑みを浮かべた安藤はホタルの場を固める天翼の使者を見た。
 《オリオティス》は、相手が自身のマナゾーンのカードよりコストの大きいクリーチャーを出したとき、それを山札の一番下に強制送還するという踏み倒し規制能力を持つ。
 サイキック・クリーチャーや、キューブを扱うデッキなどではうっとおしいことこの上ないクリーチャーで、しかも自身もブロッカーなので徹底的に相手を邪魔することに長けた光の地盤だ。軽コストながら、侮れない。
 しかし。
 相手のマナゾーンに、今度は闇の《デス・ハンズ》が置かれた——

「私のターン。《ウソと盗みのエンターティナー》を召喚」
「!!」
「光も踏み倒すのが得意ですからねェ……《ヘブンズ・ゲート》だとか《ドラゴンズ・サイン》だとか」



ウソと盗みのエンターテイナー P 闇/火文明 (4)
クリーチャー:ヒューマノイド/ダークロード 4000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
バトルゾーンに自分の他のクリーチャーがあれば、このクリーチャーは攻撃されない。
相手がコストを支払わずにクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのクリーチャーを破壊する。



 表れたのは、怪盗の姿をした紳士のクリーチャー、そして鬼の手が付いた棒を掲げた餓鬼の姿をしたクリーチャーだった。
 
「まぁ、1つ《オリオティス》と違うところを挙げるとすれば、コスト軽減にこいつの効果は使えないと言うことですがねェ」
「ッ……!」
「ターンエンド」

 思わず、睨んだ。
 光は除去手段に乏しい。
 厄介なシステムクリーチャーをどかしてしまうのが難しいのだ。
 ——しかも、《オリオティス》の効果はビマナ相手には早期の踏み倒しの牽制程度にしかならない……! マナを貯められたら腐ってしまう!
 カードを引く。
 此処は——これに賭けるしか無かった。

「呪文、《オリオティス・ジャッジ》! 効果で、互いのマナゾーンの枚数以上のコストを持つクリーチャーを全て山札の下に送還します!」
「……おうっ?」

 

オリオティス・ジャッジ R 光文明 (3)
呪文
S・トリガー
各プレイヤーは、自身のマナゾーンにあるカードの枚数以上のコストを持つクリーチャーをすべて、好きな順序で自身の山札の一番下に置く。




 不正は許さない。
 ただし。不正でなければ裁かないとも言っていない。
 一瞬で《エンターティナー》が山札の一番下に送られた。
 光りの数少ない除去呪文である《オリオティス・ジャッジ》の容赦の無さよ。
 どの道、本家と同じで相手のマナゾーンのカードが増えると腐ってしまうのは確かだが。

「ふむ、やはり握っているようですねえ、天門か龍印を……ならば、私のターン。そろそろエンジンを掛けていきましょう」

 次の瞬間——バッ、と安藤が制服を脱ぎ捨てる。
 反射的に目を背けてしまうホタルだったが、そこにはどこから出したのかは知らないが、グローブにヘッドギア、トランクスという完全にボクサーの服装に葉や着替えした安藤だった。ここまで常識を逸していると、最早突っ込むのを諦めたくなるところである。
 そしてどこからか「あーんどう!! あーんどう!!」という声援まで。色々おかしいだろ、というヒナタ達の突っ込みを他所に、デュエルは進められていく。
 ——いやいやいや!! おかしい!! やっぱりおかしいでしょう!?
 いや、一番突っ込んだのは対戦相手の彼女であっただろうが。

「ふははは、こちらにもボクシング部の誇りが掛かっているのですよ!! 覚悟!! 《無双竜鬼ミツルギブースト》召喚!」

 現れたのは、機械に覆われた身体を持つ龍——しかし、その両手にはグローブ、頭にはヘッドギアが。何故だ。
 そうして、相対する《オリオティス》もヘッドギア、グローブ、トランクス一丁とどこのどいつがどうプログラミングしたのかは知らないが、ノリノリであった。
 
「あー、これのプログラム組んだのうちの社員だからなー、遊び心満載だなー」
「やっぱり武闘財閥(あんたら)かよッ!! どうするんですかコレは!! ホタルの奴、完全にビビってるじゃないですか!!」
「何言ってる、これにどんだけ金掛けたと——」
「金の無駄遣いなんすよ!! 毎度毎度!!」

 いけしゃあしゃあと言い放つフジはさておき、グローブを掲げた《ミツルギブースト》が《オリオティス》にジャブを放つ。腰の回転を使わず、素早く、何度も。そして、真っ直ぐにストレートを《オリオティス》に突き、一発で木っ端みじんにしたのだった。
 おおおお、と歓声が上がる。
 すかさずレンが突っ込んだ。

「おい、死人が出たらダメだろうが、ボクシングで!!」
「何を言っている黒鳥。これはボクシングである以前にデュエマだ。それにクリーチャーで、死”人”じゃないから。何も問題は無いね」
「問題ありすぎでしょうが!! なんだよこれは!! あらゆる方面から怒られそうなコレは!! 最早デュエマでもボクシングでも何でもねーよ! どっかでプロレスネタやってたから、ぜってーこれがやりたかっただけでしょうが!! ホタルとか置いてけぼり食らってるよ!」

 そして見れば、《ミツルギブースト》は真っ白に燃え尽きていた。
 
「いや、力尽きるの早ッ!? まだジャブ数発とストレート1発しか打ってないでしょ、あしたのジョーも驚きだよ!!」
「そりゃ、自分をマナゾーンに置くのをトリガーに相手のパワー6000以下破壊だからな」
「再現率高すぎだろ、このプログラム!! これのためにどんだけの労力を要したんだよ!! つか、皆このノリに付いていけてねぇだろ!!」
「観客はノリノリだから問題ねぇんだよ」
「問題大ありだよ!!」

 しかし。これはカードゲームとして見ても、あまり良い状況では無かった。
 ホタルは相手を足止めできる(かもしれなかった)システムクリーチャー兼ブロッカーを破壊されてしまい、場は真っ新。
 一方の安藤もそれは同じだが、マナがかなり溜まっており、現在6枚。次のターンに7枚になる。

「私のターン……! 《エンジェル・フェザー》を唱えます! 効果で、山札から3枚を捲って、《ドラゴンズ・サイン》と《指令の精霊龍 コマンデュオ》を手札に! ……ターン終了」
「ほう。整えてきましたか。ではそろそろ——」

 安藤のマナに、カードが1枚置かれた。
 そして——

「そろそろ見せて差し上げましょう……これが侵略の力ですよ」
「……しん、りゃく? ——ッ!!」
「6マナをタップ——」

 以前、見たことがある。そして聞いたことがある。
 見たのは少しだけだったが、確かにその力の実態は聞いた。
 環境が壊れる程の加速をもたらすカード——




「出でよ、幻影の侵略者!! 《幻影 ミスキュー》!!」




 轟ッ!! と、一陣の風が吹いた。
 それと共に、幾つもの面を持ったクリーチャー、ミステリー・トーテムがその姿を現す。
 侵略者だ。
 既に、侵略はあの時から始まっていたのだ。
 ——星目先輩も使っていたカード——!! 

「そしてその効果により、こいつをマナゾーンに置けば——山札をシャッフルし、表向きにしたカードがクリーチャーならばバトルゾーンに出せる!!」

 ギラリ、と食い尽くすような眼で安藤はホタルを睨んだ。
 カードを捲る。
 そして——それを場に叩きつけた。

「そして今、お見せしよう!! 我が切札を!!」

 現れる。
 巨大な影が。
 激流と共に。
 今まで、不確かだったものが——今、此処に顕現した。




「ボクシング部で培われた踏み倒し戦術、今此処に極まれん!! 出でよ、《サイバー・G・ホーガン》ッッッ!!」


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