二次創作小説(紙ほか)
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- デュエル・マスターズ D・ステラ 【侵略世界編】
- 日時: 2017/01/16 20:03
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
【読者の皆様へ】
はい、どうも。二次版でお馴染み(?)となっているタクと申します。今回の小説は前作の”デュエル・マスターズ0・メモリー”の続編となっております。恐らく、こちらから読んだ方がより分かりやすいと思いますが、過去の文というだけあって拙いです。今も十分拙いですが。
今作は、前作とは違ってオリカを更にメインに見据えたストーリーとなっています。ストーリーも相も変わらず行き当たりばったりになるかもしれませんが、応援よろしくお願いします。
また、最近デュエマvaultというサイトに出没します。Likaonというハンドルネームで活動しているので、作者と対戦をしたい方はお気軽にどうぞ。
”新たなるデュエル、駆け抜けろ新時代! そして、超古代の系譜が目覚めるとき、デュエマは新たな次元へ!”
『星の英雄編』
第一章:月下転生
Act0:プロローグとモノローグ
>>01
Act1:月と太陽
>>04 >>05 >>06
Act2:対価と取引
>>07
Act3:焦燥と制限時間
>>08 >>10
Act4:月英雄と尾英雄
>>13
Act5:決闘と駆け引き
>>14 >>15 >>18
Act6:九尾と憎悪
>>19 >>21
Act7:暁の光と幻の炎
>>22 >>23
Act8:九尾と玉兎
>>25
第二章:一角獣
Act1:デュエルは芸術か?
>>27 >>28 >>29
Act2:狩猟者は皮肉か?
>>30 >>31 >>32 >>33
Act3:龍は何度連鎖するか?
>>36 >>37
Act4:一角獣は女好きか?
>>38 >>39 >>41 >>42 >>43 >>44 >>45
Act5:龍は死して尚生き続けるか?
>>48
第三章:骸骨龍
Act1:接触・アヴィオール
>>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55
Act2:追憶・白陽/療養・クレセント
>>56 >>57
Act3:疾走・トラックチェイス
>>66
Act4:怨炎・アヴィオール
>>67 >>68
Act5:武装・星の力
>>69 >>70
Act6:接近・次なる影
>>73
第四章:長靴を履いた猫
Act1:記憶×触発
>>74 >>75 >>76 >>77
Act2:龍素力学×龍脈術=3D龍解
>>78 >>79 >>80
Act3:捨て猫×少女=飼い猫?
>>81 >>82
Act4:リターン・オブ・サバイバー
>>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90
Act5:格の差
>>91 >>92 >>93 >>104
Act6:二つの解
>>107 >>108 >>109 >>110
Act7:大地を潤す者=大地を荒らす者
>>111 >>112 >>113
Act8:結末=QED
>>114
第五章:英雄集結
Act1:星の下で
>>117 >>118 >>119
Act2:レンの傷跡
>>127 >>128 >>129
Act3:警戒
>>130 >>131 >>132
Act4:策略
>>134 >>135
Act5:強襲
>>136
Act6:破滅の戦略
>>137 >>138 >>143
Act7:不死鳥の秘技
>>144 >>145 >>146
Act8:痛み分け、そして反撃へ
>>147
Act9:fire fly
>>177 >>178 >>179 >>180 >>181
Act10:決戦へ
>>182 >>184 >>185 >>187
Act11:暁の太陽に勝利を望む
>>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>193 >>194 >>195
Act12:真相
>>196 >>198
Act13:武装・地獄の黒龍
>>200 >>201 >>202 >>203
Act14:近づく星
>>204
『列島予選編』
第六章:革命への道筋
Act0:侵攻する略奪者
>>207
Act1:鎧龍サマートーナメント
>>208 >>209
Act2:開幕
>>215 >>217 >>218
Act3:特訓
>>219 >>220 >>221
Act4:休息
>>222 >>223
Act5:対決・一角獣対玉兎
>>224 >>226
Act6:最後の夜
>>228 >>229
Act7:鎧龍頂上決戦
Part1:無法の盾刃
>>230 >>231 >>232 >>233 >>234 >>235 >>236 >>239
Part2:ダイチの支配者、再び
>>240 >>241 >>242 >>243 >>244 >>245 >>246 >>247 >>248 >>250
Part3:燃える革命
>>252 >>253 >>254 >>255 >>256
Part4:轟く侵略
>>257 >>258 >>259 >>260 >>261
Act8:次なる舞台へ
>>262
第七章:世界への切符
Act1:紡ぐ言の葉
>>263 >>264 >>265 >>266 >>267 >>268 >>270
Act2:暁ヒナタという少年
>>272 >>273
Act3:ヒナとナナ
>>275 >>276 >>277 >>278 >>279 >>280 >>281
Act4:誓いのサングラス
>>282 >>283 >>284 >>285
Act5:天王/魔王VS超戦/地獄
>>286 >>287 >>295 >>296 >>297 >>298 >>301 >>302 >>303 >>304 >>305
Act6:伝説/閃龍VS獅子/必勝
>>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>323
Act7:青天霹靂
>>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331
Act8:揺らぐ言の葉
>>332 >>333 >>334 >>335 >>336
Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神
>>337 >>338 >>339 >>340 >>341 >>342 >>343
Act10:伝える言の葉
>>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351
Act11:連鎖反応
>>352
『侵略世界編』
第八章:束の間の日常
Act1:揺らめく影
>>353 >>354 >>359 >>360 >>361 >>362
Act2:疑惑
>>363 >>364
Act3:ニューヨークからの来訪者
>>367 >>368 >>369 >>370 >>371
Act4:躙られた思い
>>374 >>375 >>376 >>377
Act5:貴方の為に
>>378 >>379 >>380 >>381 >>384 >>386
Act6:ディストーション 〜歪な戦慄〜
>>387 >>388 >>389
Act7:武装・天命の騎士
>>390 >>391
Act8:冥獣の思惑
>>392
Act9:終演、そして——
>>393
第九章:侵略の一手
Act0:開幕、D・ステラ
>>396
Act1:ウィザード
>>397 >>398
Act2:ギャンブル・パーティー
>>399 >>400 >>401
Act3:再燃
>>402 >>403 >>404
Act4:奇天烈の侵略者
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>411
Act5:確率の支配者
>>412 >>413
Act6:不滅の銀河
>>414 >>415
Act7:開始地点
>>416
第十章:剣と刃
Act1:漆黒近衛隊(エボニーロイヤル)
>>423 >>424
Act2:シャノン
>>425 >>426
Act3:賢王の邪悪龍
>>427 >>428 >>429
Act4:増殖
>>430 >>431 >>435 >>436 >>438 >>439 >>440 >>441 >>442
Act5:封じられし栄冠
>>444
短編:本編のシリアスさに疲れたらこちらで口直し。ギャグ中心なので存分に笑ってくださいませ。
また、時系列を明記したので、これらの章を読んでから閲覧することをお勧めします。
短編1:そして伝説へ……行けるの、これ
時系列:第一章の後
>>62 >>63 >>64 >>65
短編2:てめーが不幸なのは義務であって
時系列:第三章の後
>>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103
短編3:文化祭(と言えば聞こえは良いが要は唯のスクランブル)
時系列:第四章の後
>>120 >>121 >>122 >>123 >>124 >>125 >>126
短編4:十六夜ノゾムの災厄な一日
時系列:第四章の後
>>149 >>150 >>153 >>154 >>155 >>156
短編5:恋情パラレル
時系列:第四章の後
>>157 >>158 >>159 >>160 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>173 >>174 >>175 >>176
短編6:Re・探偵パラレル
時系列:平行世界
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422
エイプリルフール2016
>>299 >>300
謹賀新年2017
>>443
登場人物
>>9
※ネタバレ注意。更新されている回を全部読んでからみることをお勧めします
オリジナルカード紹介
(1)>>96 (2)>>271
※ネタバレ注意につき、各章を読み終わってから閲覧することをお勧めします。
お知らせ
16/8/28:オリカ紹介2更新
- Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神 ( No.337 )
- 日時: 2016/08/21 20:46
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
『——D・ステラ予選、対戦カードは鎧龍決闘学院と——零央学園となりました! 試合会場は此処、海戸マリンスタジアムです!』
会場は一気に沸き立った。
互いに二勝しているチーム同士の試合。
これで勝った方が間違いなく、日本代表としてD・ステラの本選へと進むことが出来るのだ。
『鎧龍決闘学院からは、前試合から引き続き、暁ヒナタ選手の姿があります! また、その相方となるのは、戦慄の古龍使い、通称・マナゾーンの魔術師、如月コトハ選手です!』
「あっ、ヒナタ先輩と如月先輩です!」
「やれやれ、これで最後か……」
ホログラムパネルを見て、はしゃぐノゾムに、うんうん、と頷くフジ。
どこか感慨深いものを感じているようだった。
「まだ予選ですよ武闘先輩」
「そうだがな……この短いうちに成長したもんだ」
「先輩も人間らしい面があったんですねぇ。大スクープです」
「ねえ、棒読みでそのセリフは流石に傷ついたんだが」
「まあ良い。対戦相手の入場だ」
『対する零央学園の選手は——純粋無垢に隠された信託の裁き、2年・有栖川ツグミ選手! そして、その相方となるのは3年の真胴ハツタ選手!! 両者、零央でもトップクラスの進学コースの選手だ!!』
現れたのは、ツグミと彼女に付き人のようにして付き添っている少年・真胴だ。
デュエルテーブルに着くなり、手袋を嵌めたり、また常に背の低いシルクハットをかぶっている辺り、印象はよくある胡散臭い紳士であった。
そして、ツグミの方もコトハの方を一瞥するなりデッキを切り出す。
まるで、お嬢様と執事のような——そんな印象の2人だった。
コトハも、ツグミが現れるなりその顔を睨むと、食って掛かる。
「久しぶりじゃない。試合を延期してくれたおかげで、こっちはあんた達に勝つための特訓を十分に積むことが出来たわ」
「……ふうん。それはよかったかも」
「ツグミ様。準備が出来次第」
「わかっているかも」
歓声が上がり、最後の対決を見届けようとする観客達。
そして、レンも固唾をのんで今まで共に戦ってきた2人の背中を見ていた。
ホログラムパネルを展開し、今回の彼らの超次元カードを確認する。
「これはっ……」
「まあ、予想通りと言ったところだろうな」
・暁ヒナタ
爆熱剣 バトライ刃×2
銀河大剣 ガイハート
覇闘将龍剣 ガイオウバーン
将龍剣 ガイアール
龍魂教会 ホワイティ
龍魂遺跡 グリーネ
悪夢卍ミガワリ
・如月コトハ
邪帝斧 ボアロアックス
始原棍 ジュダイナ
恐龍界樹 ジュダイオウ
真聖教会 エンドレス・ヘブン
百獣槍 ジャベレオン
無敵剣 プロト・ギガハート
イオの伝道師 ガガ・パックン
勝利のプリンプリン
「むっ、コトハの方には違う色のドラグハートが散見するな……」
「あ、《ジャベレオン》と《エンドレス・ヘブン》は私が如月先輩に貸したんです。相性良さそうだったんで」
「……一体、どうやって出すんだ?」
「対してヒナタ先輩は——かなり今回は総力使ってる感じですね……」
「《バトライ刃》……コレが使われるのは確定だな。だが、あいつの構築でどうやって出すつもりだ……?」
「多分、レン先輩も知らないカードを入れてると思いますよ?」
「それは分かるが……」
超次元ゾーンは公開情報。
故に、デッキの考察が進んでいく。
それは相手側も同じであった——
「それでは、零央の方を見ていくか——」
***
「初めまして、暁ヒナタに如月コトハ。自分は、真胴ハツタ……今回、僭越ながらツグミ様の試合にお供をさせていただくこととなりました。以後お見知りおきを」
丁寧な態度の裏には、底知れないものを感じる。
外国人のような端正な顔立ちに、高い背。
切れ目のような瞳からは光が差していると錯覚した。
「御託は良いわ。さっさと始めましょう」
「そうだな。それに、お前らには色々聞いておきたいこともあるしよ。特に有栖川ツグミ!!」
「……ふぅん」
またも、眠たげに目を擦ると、彼女は爆弾を投下するように言った。
「——良いかも。そっちがかったら、あぴせりんのことをおしえてあげても」
2人は戦慄する。
この人前で、ましてやあの少年の隣で、臆面にも出さず英雄の事を告げた。
ということは——あの真胴も関係者なのだろう。
「コトハ。この試合、絶対に勝つぞ!」
「そうね。そんなこと、当の前に決めていたわ!!」
シールドが展開される。
そして、4人の顔写真のカードが大画面に映し出されて並べられた。
ターン順は、真胴→コトハ→ツグミ→ヒナタと決定される。
『それでは、デュエル・スタート!!』
***
「獅子怒さん……やっぱり見に来るんすね……」
「良くない空気が会場を覆っている……」
「だけどこの風、少し泣いてます」
「茶化すのは止めたまえ」
相も変わらず巌のような顔つきの獅子怒は、会場の中央——つまり、今まさに試合が行われようとしているところを見つめていた。
「君も感慨深くないか? かつてのチームメイト2人が共闘する姿は」
「別に。あいつらなら大丈夫っすよ。ヒナタに至っては、もう俺からは何も言う事はねぇし、コトハは元からメンタルぶっといし。問題は対戦相手でしょうよ」
「……やはり知っていたか」
「ええ、勿論っすよ。正直、この試合——何が起こるか分からねえっすわ。いや、正確に言えば——この試合の後、か」
「……零央は、何を企んでいるのだ——」
***
「……遂に始まったか。D・ステラ、学校対抗予選とやら……」
「コロナぁ。またあの暁ヒナタが対戦するんだ」
「それだけじゃない。会場に、英雄の適性を持つ者が3人も居る——だけど、1つはおかしい。何かがおかしい。英雄にしては、余りにも歪すぎる。まるで、継ぎ接ぎで合わせたかのような魔力……」
「ええ? そんなことどうだって良いじゃん」
「良くない。ビジョンが余りにも不正確で、マナが余りにも不安定で、何より可視出来る範囲でも力の経路が不正規過ぎる——何かがおかしい」
人影の居ない場所から、1人と1機が試合の行く末を見つめる。
もしも。もしも自分の予想が正しければ、とコロナは思案した。
それは最悪の結果であり、自分にも無関係ではない。
「——もしも、あのカードがこのままだとしたら。何かの拍子にあのマナの器は——壊れる」
- Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神 ( No.338 )
- 日時: 2016/08/22 03:04
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
——鎧龍と零央のデュエル。
序盤から、《フェアリー・ライフ》や《霞妖精 ジャスミン》でマナ加速の応酬を繰り返す真胴とコトハ、そして《メンデルスゾーン》を使って一気にマナを増やすヒナタ。先にコトハが《薫風の面 ニャス》を出したことで、それは打ち止めとなる。
対する真胴は《フェアリー・シャワー》で手札もマナも増やし、更に展開していく姿勢を見せた。更に次のターン、《飛散する斧 プロメテウス》を出してマナと手札を増やしている。
また、ツグミは此処までに大きく動いてこそいないものの、3ターン目にチャージャー呪文でマナを増やしたことで、次のターンに《オラクル・タクティクス零式》でコスト7のオラクリオンを出せる圏内となっていた。
此処まで睨み合いが続き、一歩も譲らなかったが——
「あたしのターン、《奇跡の面 ボアロジー》を召喚! その効果で、マナゾーンのカードに全ての文明が揃っていれば、あたしは山札からカードを2枚、マナに置ける!」
奇跡の面(ミラクル・スタイル) ボアロジー 自然文明 (4)
クリーチャー:ビーストフォーク號 2000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。その後、自分のマナゾーンにすべての文明が揃っていれば、自分の山札の上からさらに1枚、マナゾーンに置く。
現れたのは、5文明のマナを現した仮面を被ったビースト・フォーク。
地面に向かって祈りをささげると同時に、召喚者であるコトハのマナに恵みを齎す。
これにより、彼女は既にマナゾーンに7枚のカードを溜め込むことに成功する。
「ターンエンドよ! 早期に加速すれば、《戒・神聖騎 オルタクティス》だって怖くは無いわ!」
前回はそれにより、出鼻を挫かれたが、今回は次のターンでマナが8枚になる。
コトハは、もう遅れは取るつもりは無かった。
如月コトハ(鎧龍)
手札2
マナ3/7
墓地1
next turn:有栖川ツグミ(零央)
「——確かに。でも足は止められるかも——《オラクル・タクティクス零式》をとなえて、カードを引いたのちに次に出すオラクリオン、無色クリーチャーのコストを最大3下げるかも。私が出すのはこの子——」
言った彼女は、残る4枚のマナをタップした。
そして——目の前に神のコアが形成され、そこに凶悪で凶暴な神が凶兆と共に現れる。
神聖で邪悪な神の儀式の元に——
「それは完全にして不完全なタクティクス。降臨せよ、《戒・神聖騎 オルタクティス》」
——顕現した。
相手がマナゾーンの枚数以上のコストを持つクリーチャーを出すことを禁じる上に、バトルゾーンに出た時に相手クリーチャーを1体選び、パワーを-6000するという光文明らしからぬ効果を持った脅威のオラクリオン、それが《オルタクティス》。
その雷が、今度は《ニャス》を狙い、打ち滅ぼす。
「とーじょーじ効果で《ニャス》のパワーをマイナス6000し、破壊かも。ターンエンド」
有栖川ツグミ(零央)
手札3
マナ0/5
墓地1
next turn:暁ヒナタ(鎧龍)
「キツイなおい……!!」
「ヒナタも早くマナを溜めた方が良いわ! 行動を縛られるわよ!」
「分かってる! 何のために、さっきから《メンデルスゾーン》と《ミツルギブースト》でマナを増やしたと思ってんだ! このまま動きを縛らせて貰うぜ!」
カードを引いたヒナタは、そのまま6枚のマナをタップする。
《オルタクティス》の効果でマナと同じコストのクリーチャーも出せないが、此処までの過剰とも言えるブーストはそれも見越しての事だ。
カードを引いた彼は、迷わず6枚のマナをタップする。
「強欲な咎人に断罪の鎖を!! 振るうは刃、断ち切るは生命の根源!!
《メガ・マナロック・ドラゴン》召喚!!」
次の瞬間、現れたのは大剣を携えた巨龍であった。
それが一気に間合いを詰めると、真胴のマナゾーンへ大剣を突きさす。
「あんたのマナにあるのは、自然、水、火の3種類!! よって、《プロメテウス》と《ニヤリー》、《カツキングMAX》の3枚をフリーズする!!」
——この男のデッキ……!! 見たところ、シータカラーのビマナみたいだ……! 取り敢えず、次のターンが回ってくるこいつを封じておくか、と思ったけど有栖川ツグミの方を封じた方が良かったか……!? でも、これ以上野放しにするのは危険だし……!!
火でありながら、コントロール色の強いカード、《メガ・マナロック・ドラゴン》。前回現れてすぐさま破壊された鬱憤を晴らさんとばかりに咆哮する。
どちらを縛るかは正直迷ったが、すぐにターンが来る方を縛った方が相対的に有利にはなるはずだ。
——時間稼ぎにはなるはずだが……!
暁ヒナタ(鎧龍)
手札0
マナ1/7
墓地1
next turn:真胴ハツタ(零央)
「——ターンエンド」
「それでは自分のターンでございますね」
恭しく礼をした彼はカードを引く。
そのまま——5枚のマナをタップする。
「呪文、《伝説の秘法 超動》。その効果で2枚ドロー。ターンエンドです」
そのまま、彼はカードを引いただけでターンを終えてしまった。
ヒナタのマナロックが牽制になったのかは分からない。しかし——これだけは言える。
真胴ハツタ(零央)
手札4
マナ0/8
墓地3
next turn:如月コトハ(鎧龍)
「……手札も増やしてきたか……ターン中に合計3枚。なら、あんたのターン終了時にリベンジ・チャンス発動よ!」
宣言するコトハ。
次の瞬間、彼女の手札から糸が張られ、蜘蛛のようなクリーチャーが現れる。
「《ベニジシ・スパイダー》のリベンジ・チャンスは、相手がカードを3枚以上引いていた時に発動し、ターン終了時に場に出るわ!」
ベニジシ・スパイダー C 自然文明 (5)
クリーチャー:ジャイアント・インセクト 4000
W・ソウル
リベンジ・チャンス−各ターンの終わりに、相手がそのターン、カードを3枚以上引いていた場合、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
——ま、それでも蟲は苦手だからこれの造形はこないだの蟻獅子を思い出すけど——!
少し、背筋にぞっとするものを感じながらも彼女は自身の選択は間違っていなかった、と喜ぶ。
これで、準備は出来た。彼女はぐっ、と拳を握り、気合を入れる。
「とにかく、こっちもそろそろ仕掛けていかないといけないみたいね——!」
- Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神 ( No.339 )
- 日時: 2016/08/22 00:42
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
言った彼女も、7枚のカードをタップする。
ようやくこのターンで7マナのカードを使えるようになったのは大きい。
一気にエンジンを掛けることが出来る。
——今回も頼むわよ!
「《龍覇 イメン=ブーゴ》召喚! その効果でコスト4以下の自然のドラグハート、《邪帝斧 ボアロアックス》を装備するわ!」
現れたのは仮面を被った邪悪なシャーマン。
そして、虚空が裂けて邪悪なる斧がその手に渡る。
「……やっとでてきた……あなたの、きりふだ」
「その効果で、マナから《電流戦攻 セブ・アルゴル》を召喚するわ! その効果で、《イオの伝道師 ガガ・パックン》を召喚!」
電流戦攻セブ・アルゴル UC 水文明 (5)
クリーチャー:アースイーター/サイバーロード/エイリアン 2000
ブロッカー
このクリーチャーは攻撃することができない。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト5以下の、光、水、闇いずれかのサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。
イオの伝道師ガガ・パックン UC 光文明 (4)
サイキック・クリーチャー:バーサーカー/エイリアン 3000
相手の呪文を唱えるコストは1多くなる。
覚醒リンク−自分のターンのはじめに、バトルゾーンに自分の《タイタンの大地ジオ・ザ・マン》があれば、そのクリーチャーとこのクリーチャーを裏返しリンクさせる。
今度は、不定形な電脳の異星獣が現れる。
それと同時に、虚空を裂いて更なる異星獣も姿を現した。
呪文の詠唱を制限する《ガガ・パックン》だ。
これでコトハの場のクリーチャーの数は4体に増えた。しかし——これだけでは終わらない。
「そして、場にあるクリーチャーのコストは《ベニジシ・スパイダー》と《セブ・アルゴル》の5×2で10、《ガガ・パックン》を足して14、そして——《イメン=ブーゴ》で計21になるわ! よって、ターン終了時に龍解条件達成よ!」
ゴオオオオオ、と命の源を取り込むように斧が唸る。
そして——《イメン=ブーゴ》がそれを大地へ突き立てる。
茨が生え、斧は肥大化した欲望と龍魂を取り込むように——遺跡となる。
「《邪帝遺跡 ボアロパゴス》、2D龍解完了!」
龍解したそれは、強大なる遺跡であった。
クリーチャーを出す度にマナからコスト5以下のクリーチャーを出せる繁栄のドラグハート・フォートレス。
これにより、コトハの布陣は盤石になる——そう思われた。
コトハ
手札0
マナ0/8
墓地1
next turn:ツグミ
「これでどーよ!」
「すげぇ! まさか、リベンジ・チャンスから繋げて一気に龍解させるなんて!」
「……甘いかも。あなたは前に、このこの事をすこししか見てないからわからないかもだけど——」
カードを引いたツグミは——1枚のマナをタップする。
「呪文。2枚目の《オラクル・タクティクス零式》。そのこーかでカードを1枚引き、次に出すオラクリオンのコストを最大3下げるかも」
「……?」
次は何を出すと言うのか。
彼女は握った1枚に軽く口づけすると——4枚のマナをタップした。
「そうぞうせよ、あんだーわーるど。じゅんかしたせかいに——戒めを——」
次の瞬間、《オルタクティス》の身体が神々しい光に包まれる。
「——”神化”、《神世戒 ニュークリア・デイ》」
ざわっ、と一際強大な風が2人を襲った。
それは、覇気だ。
一般のクリーチャーでは放て得ない強大な覇気なのだ。
現れたのは、天使の翼と悪魔の翼の両方を生やした、半人半獣の神であった。
腕も、顔も、既存の神を継ぎ接ぎしたかのようなイビツさだが、それが逆に不気味さを煽る。
「で、出たわね——!!」
「あれか、コトハ……!! 前にお前が言ってた、一番でかい奴……!!」
「そうよ。イマイチ、効果の詳細までは分からなかったけど……!!」
「こーか発動。じゅんかせよ、《ニュークリア・デイ》」
次の瞬間——《マナロック》と《ボアロパゴス》が消し飛んだ。
跡形も無く、光のように、消失したのだ。
手をかざしただけで、それをやってのけた目の前の神——まさに、格が違うとしか言いようが無い。
「《ニュークリア・デイ》のこーか——それは、相手のコスト8以下のカードを2枚まで選び、持ち主の山札の一番下にけしとばすことかも、だよ?」
神世戒 ニュークリア・デイ 光/闇文明 (14)
進化クリーチャー:オラクリオン零式 13000
進化--自分の無色クリーチャー1体の上に置く。
ソウルシフト
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手の場にあるコスト8以下のカードを2枚まで選び、持ち主の山札の一番下に置く。
自分の他の無色クリーチャーに「エターナル・Ω」を与える。
山札、バトルゾーン、マナゾーンにあるこのクリーチャーを無色クリーチャーとして扱っても良い。
T・ブレイカー
「ッ嘘でしょ!?」
「2枚も……!! カード除去ってことは、フォートレスだろうが何だろうが消し飛ばされちまうってことじゃねえか!!」
「それと、この子以外の無色クリーチャーは全て「エターナル・Ω」を得るから」
エターナル・Ω。それは、本来ならばゼニスにのみ許された特権のような能力。
しかし、一部の進化オラクリオンもこの能力を持つが——
——幾らソウルシフト持ちの進化クリーチャーだからって、やばすぎだ……!! 他の奴に除去耐性追加した時点で《レオニダス》の時とは訳がちげーぞオイ……!! 素人目に見ても、こいつが2体並んだら……!!
「ターンエンド」
ツグミ
手札2
マナ0/5
墓地2
next turn:ヒナタ
告げるツグミ。
その正面には、余りにも大きすぎる神の姿があった——
——どうする俺……!! 召喚さえも制限されてるし——ん? 待てよ、召喚?
はっ、とヒナタは気付く。確かに敵の切札は強大で厄介だ。しかし、突破口はある、と。
胸を突き動かされるような感覚に任せてカードを引いた。
「呪文、《龍秘陣 ジャックポット・エントリー》!! その効果でマナゾーンのドラゴンの数6体分だけ山札の上から6枚を展開して、コスト8以下のドラゴンを場に出す!!」
「ヒナタ!?」
「よく考えてみれば簡単な話だったぜ! 進化したってことは、《オルタクティス》の効果も、もう気にせず戦えるってことじゃねえか!!」
「ッそこでそのカードを引くなんて——」
「行くぜッ!! 俺が出すのはコイツだ!!」
火焔の陣が現れる。
そこに召喚されるのは知識と呪文を司る秘術の結晶龍だった。
「《龍素記号Sr スペルサイクリカ》! こいつの効果で、俺はもう1回《ジャックポット・エントリー》を使える!」
「《サイクリカ》……!?」
おおっ、と目を輝かせたのはノゾムであった。
「すっげぇ! 先輩がこんな形で《サイクリカ》を使うなんて!」
「元は水使い、だからでしょうか……!」
「あいつは基本、どんな戦法もどんなデッキも、使いこなせるからな。そうやって対戦相手の良い所を吸収し、暁ヒナタは無限に強くなる。例えそれが、命を賭けて戦った相手のものだろうか、どんどん取り込む。そういう奴だ」
「ヘッ、流石ァ。我が後輩ながら怖いね」
現れた《サイクリカ》。この龍の力により、もう1度《ジャックポット》を唱える戦法は——アンカから流用したものであった。
——俺の方が、もっと使いこなせる!!
という対抗心から来たものでもあるが。
展開されるカード。そこからヒナタが選び取ったのは——
「俺が出すのはコイツ——《激龍剛撃 ドン・ドドフェル》だ!!」
- Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神 ( No.340 )
- 日時: 2016/08/22 02:53
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
現れたのは、火薬や武器を全身に装備した巨大なる龍。
火特有の手札交換に、自然のマナ加速が加わった形になったこのクリーチャーは、一度咆哮すれば大地を揺るがし、召喚者に大いなる知識も授けるのだ。
「《ドン・ドドフェル》の効果発動! ターン終了時に自分の手札全て——つまり、俺は《ジャックポット》を置けば、カードを3枚引く!」
激龍剛撃ドン・ドドフェル SR 火/自然文明 (7)
クリーチャー:メガ・コマンド・ドラゴン/ジャイアント 7000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
W・ブレイカー
自分のターンの終わりに、自分の手札をすべてマナゾーンに置いてもよい。そうしたら、カードを3枚引く。
「ターンエンドだ!」
ヒナタ
手札3
マナ1/8
墓地1
next turn:真胴
これにより、マナゾーンのカードが増えただけではなく、手札も一気に3枚ヒナタは増やしたことになる。
しかも毎ターン、要らない手札をマナに置けばまた3枚引ける——このアドバンテージは相当なものだ。
手札が切れやすいステロイドに於いては、特に重宝することになる。
「……良いでしょう。では、そろそろこちらも、エンジンを掛けていかねばなりませんね——」
続く真胴のターン。
《マナロック》によるマナフリーズが解除されたことにより、溜められたマナを彼が自由に使うことが出来るようになっていた。
そして、潤沢な手札からカードをマナに置き、5枚のマナをタップする。
「呪文、《超次元 フェアリー・ホール》。その効果で《魂の大番長「四つ牙」》をバトルゾーンに出させていただきます」
妖精の加護により、マナが増えると同時に、釘バットを掲げた四つ腕の獣人が姿を現した。
それが降り立つと同時に大地が震える。
しかし、それ自体はまだ脅威ではない。彼自身、まだ切札を出していないのだから——
「ターンエンドです」
真胴
手札3
マナ0/9
墓地4
next turn:コトハ
ごくり、とコトハは息を呑む。
貯まるマナ、消滅させられた自分のドラグハート。
一気に劣勢に陥ったように感じる。このままでは、ヒナタの足を引っ張ってしまう。
手札はもう、無いのだから——
「!」
——いや、まだ希望は残されていた。
手札が無いのならば——増やせばいいのだから。
「あたしのターン、7マナで今度はこの子を出すわ! 《理英雄 デカルトQ》召喚!」
「ッ……! そいつは!」
現れたのは、水文明の知識によって集積された強大なる英雄。
それにより、激流と共にコトハの枯渇した知恵が潤されていく。
マナ武装は既に、《イメン=ブーゴ》の染色によって達成されていたのだ。
「マナ武装7でカードを5枚、引くわ! そして、手札のカードを1枚シールドへ加え、シールドのカードを1枚手札に!」
「……ふぅん」
「そんなスカした顔してられるのも今のうちだわ! ターンエンド!」
コトハ
手札5
マナ0/8
墓地1
next turn:ツグミ
マナ武装の効果は絶大だ。
薫風武装を使うと、つくづくコトハはそう思う。
本来ならば、その文明のみのデッキで使うことを許された力を、自由に使いこなすことが出来るのだから。
「マナゾーンの魔術師だなんて勝手に仇名つけられたけど、悪くないじゃない!」
「いけるぞ、コトハ! このままもうひと押しだ!」
「勿論よ! あたし達ならいける! このまま勝てる——!」
ツグミのターン。
しかし、彼女は動揺した素振りも見せず——カードを引いた。
そして、迷わず5枚のマナをタップする。
「呪文、《デ・バウラ・チャージャー》。そのこーかで《オラクル・タクティクス零式》を手札に。チャージャーでとなえた呪文をまなにおくかも。ターンエンド」
ツグミ
手札2
マナ2/7
墓地1
next turn:ヒナタ
「クソッ、俺のターン……!!」
カードを引くヒナタ。しかし、手札が余り良くない。
ブーストカードをこんな時に限って引く羽目になってしまうとは。
「取り敢えず、《ドン・ドドフェル》の効果で全部マナに置いて、カードを3枚ドロー! ターンエンドだ!」
ヒナタ
手札3
マナ12/12
墓地1
next turn:真胴
「それじゃあ、まどう。たのんだかも」
「了解しました、ツグミ様。客人には全力で持て成さなければいけませんからね」
任されたように真胴は恭しく礼で返す。
次の瞬間、《「四つ牙」》の効果でマナが増加する。
そして——
「それでは、ご両人方——今宵の龍は、オラクル特製の神光縛具を帽子として被っておられるが故、少々狂気(マッド)にイカれてやがります——骨の髄までお楽しみくださいませ——」
——10枚のマナをタップした。
「——神の力は真実か偽りか。絶望と敗北の伝説を焼き付け——今、召喚されたまえ。
《戒・神聖輝 G(ガイアール)・サファイア》」
その名を聞いた途端、会場の全員が、そしてヒナタ達までもが戦慄した。
ガイアールとサファイア。
かつて、違う種族の者同士として争った二体が——アウトレイジとオラクリオンとして戦った二体をあたかも融合させたかのようなその名の前に、彼は戦慄する。
そして、火のマナを食らい尽すようにして咆哮する。
「伝説の龍、と言いましたか。それは我々、零央にも伝わっておりまして——いわば、これはオラクル教団が作り上げた紛い物という設定ですがね」
その曲がりくねった角と、Vの字の立物こそガイアールのものだが、背中に取り付けられた主砲や巨大な腕、そして機械のようなパーツはサファイアのものだ。
何よりも、その背中には偽りの神を意味するかのように羽毛の生えた翼が別のユニットのようにして浮かんでいる。
「では、やりなさい。《G・サファイア》」
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
全てを震わせ、内側から崩してしまえる程の絶叫だった。
それと同時に、タップされていないはずの《イメン=ブーゴ》に向かって炎が吐き出される。
「こいつ、アンタップキラー持ちなの!? でも、サファイアの名前を冠すならシールドにさえ干渉させなければ! 《セブ・アルゴル》でブロック!」
身を挺して、電脳の住人が《イメン》を守り切る。
しかし——次の瞬間、コトハのシールド2枚が——焼け落ちた。
「えっ……?」
彼女は突如起こった光景に目を見張る。
シールドは攻撃されていないはずだ。にも拘らず——シールド2枚は手札にも送られず、墓地へ直接叩き込まれた。
「おい、コトハ……!」
「うん……やばいよ、このサファイア——今までのそれとは完全に別物だわ!!」
「失礼。彼の効果を説明するのを忘れていました」
至って、表情を崩さずに真胴は言い放った。
あらゆる敵に絶望と、敗北をもたらす伝説の正体を。
「《G・サファイア》は、相手クリーチャーとバトルに勝ったときのみシールド2枚を焼き尽くし、そしてアンタップしているクリーチャーを攻撃することが出来るのです——」
- Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神 ( No.341 )
- 日時: 2016/08/24 08:09
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
戒・神聖輝 G(ガイアール)・サファイア 火文明 (10)
クリーチャー:オラクリオン零式 11000+
このクリーチャーは相手のタップされていないクリーチャーを攻撃することが出来る。
このクリーチャーがバトルに勝ったとき、相手のシールドを2枚選び、持ち主の墓地に置く。
パワーアタッカー+3000
スピードアタッカー
山札、バトルゾーン、マナゾーンにあるこのクリーチャーを無色クリーチャーとして扱っても良い。
T・ブレイカー
「バカな……! 鎧龍の伝説の龍が……!」
その姿を見て、一番驚いたのは自身が取り込まれた事があり、今も尚オリジナルを所持しているレンであった。
その龍の頭には、まるで帽子のようにして拘束具が取り付けられている。それによって瞳を見ることは出来ないが、相当凶暴化しているということになっているのだろう。
「おのれ、美しくない……! 何でもかんでもくっつければいいと言うものではないのだぞ!」
「そこかよ。だが、スペック的にはやべーな。敵を焼き払いながらシールド焼却か……! 間違いねえ、《ニュークリア・デイ》に並ぶ零央の切札だ——!!」
「ちょっ、武闘先輩!?」
冷や汗を垂らしながら、フジは答えた。握っている紙コップをジュースごと震えた手で握り潰している程動揺している。
いや、少しは落ち着けよと方々から突っ込まれていた。敢えて口には皆出さなかったが。
「何動揺ししししししてんすか、ヒナタ先輩が、如月先輩が、こんな奴に負けるわけがありません! 武闘先輩は、落ち着いてくださいいい」
おめーもか、とレンとホタルは突っ込む。
しっかりしろ常識人枠。
「べ、別に動揺とかオレはしてないから! うん!」
「ノゾムさんも何でジュース握り潰してるんですか、芸ですかもうそれは」
「ち、ちげーし! これは武者震いだし!」
「てか、戦ってない皆さんの方が緊張してどうするんですか! ああ、こんな時に如月先輩がいてくれれば……」
「こうもヤバいの続け様に出されたら胃も痛くなるがな」
「だが——実際、そうでもないみてーだな。あいつら」
え? と全員はホログラムパネルでヒナタとコトハの顔を見る。
その表情は——闘志で燃えていた。
「とにかく、私達も応援しないと!」
「そうだな。奴らはまだ諦めていないのに、僕たちが諦めてはあいつらに悪い」
「せんぱぁぁぁい!! がんばってくださぁぁぁい!!」
***
真胴のターンは終わり、コトハへと移った。
真胴
手札2
マナ0/10
墓地4
next turn:コトハ
鎧龍シールド8:コトハ(3) ヒナタ(5)
ブロッカーを削られたばかりか、シールドも2枚墓地へ叩き落された。
仕込んでいたS・トリガー諸共。つまり、奴にはもうトリガー等という甘い希望は通用しない。
しかも、エターナル・Ωを付与されたがために手札以外の場所へ送ることも出来ない。
——ならば、上等!!
「あたしのターン、《イメン=ブーゴ》をもう1体召喚! その効果で、超次元から《ボアロアックス》を出すわ! そして、効果で《ボアロジー》をマナから召喚! そして、その効果でマナを2枚チャージ!」
再びクリーチャーを展開していくコトハ。
そして——多くの命の声に反応し、《ボアロアックス》が二度目の龍解を果たした。
「龍解——《邪帝遺跡 ボアロパゴス》!!」
轟!! という音を上げて、コトハの背後から巨大な遺跡が聳え立つ。
そして、巨大な咆哮を上げるのだった。
コトハ
手札4
マナ2/9
墓地4
next turn:ツグミ
「——わたしのターン、かも」
再びコトハは《ボアロパゴス》の龍解に成功するも、油断はできない。先ほどのような除去や、クリーチャーの全体除去は何時でも有り得ることだ。
彼女がカードをタップすると次の瞬間、今度は闇の布陣が敷かれる。
混濁とした漆黒のマナがあふれ出し、祭壇の魔物を呼び出した。
「それは破滅から生み出される新たな命。降臨せよ、《戒・神聖斬 アシドミラ》」
次の瞬間、力士像のような神が姿を現す。
そして、長刀で《プロメテウス》と自身の首を撥ねた。
よりによってその2体——と思ったヒナタとコトハであったが、思い出す。
《ニュークリア・デイ》の効果で他の無色クリーチャーは全て「エターナル・Ω」を持っているのだから。
「《プロメテウス》と自身を破壊して——山札から《オルタクティス》2体を召喚かも。その効果で《ドン・ドドフェル》をパワーマイナス6000×2して破壊。でも、《アシドミラ》はエターナル・Ωで手札に戻るかも」
「ッ……!!」
再び現れたのは、戒めの神聖騎。
それにより、2体のクリーチャーが雷に打たれて破壊される。
「ターンエンドかも」
ツグミ
手札2
マナ0/8
墓地1
next turn:ヒナタ
「成程ね……エターナル・Ωの使い方がこんなところにもあるなんて——!!」
「そうだな、コトハ。だけど——活路はもう拓いた!!」
ヒナタはカードを引く。
「おい、コトハ。この程度の逆境なら、今まで何度も一緒に潜り抜けてきたよな!!」
「……そうね。あんたとなら、何処までも行ける気がする」
「こっからは本格的に、俺達の無双だ!! 置きドローの《ドドフェル》は破壊されたけど、このまま攻め勝つ!!」
そして——5枚のマナをタップした。
「呪文、《英雄奥義 バーニング・銀河》!! その効果でコスト5以下のカードを1枚、そしてマナ武装7でコスト12以下のカードをそれぞれ破壊する!!」
次の瞬間、カードから《ドギラゴン》が姿を現す。そして、その剣を振り下ろし、《オルタクティス》1体を薙ぎ払った。
エターナル・Ωで手札には戻されるが——
「今度は《怒英雄 ガイムソウ》召喚!! そのマナ武装で——手札から《王・龍覇 グレンモルト「刃」》をバトルゾーンに出す!!」
「《グレンモルト「刃」》——!?」
王・龍覇 グレンモルト「刃(やいば)」 R 火文明 (9)
クリーチャー:ガイアール・コマンド・ドラゴン/ヒューマノイド爆/ドラグナー 9000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト3以下のドラグハート・フォートレスを2枚まで、または、コスト5以下の火のドラグハートを1枚、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。(それがウエポンであれば、このクリーチャーに装備して出す
スピードアタッカー
W・ブレイカー
「その効果で俺が出すのは、《爆熱天守 バトライ閣》だ!!」
次の瞬間、ヒナタの背後に巨大な龍の顔を携えた天守閣が聳え立つ。
有り余る龍魂を封じ込めるため作られた要塞、ドラグハート・フォートレス。しかし、それはその中でも有数の存在感を放っていた。
「スピードアタッカーの《グレンモルト「刃」》で有栖川、お前のシールドへ攻撃だ!! そして《バトライ閣》の効果で——山札の一番上のカードを表向きにし、それがドラゴンなら——バトルゾーンに出せるんだ!!」
コオオオオ、と低い音を立てて龍の天守からドラゴンが姿を現す。
「俺が出すのは——《永遠のリュウセイ・カイザー》だ!!」
現れたのは、何よりも速き流星の如き龍。
「そしてこのターン、俺はドラゴンを出すのが初めてではないから——そのまま《バトライ閣》は龍解する!!」
カッ、と龍の瞳が光った。
《バトライ閣》を背にして、火柱が上がる。
城郭は龍の胴を成し、最強の武神へと昇華した。
「時は加速する、新たな明日の太陽が昇るまでに——3D龍解!!」
——轟!! と、炎が爆ぜ、彼の者は立ち上がった。
そして、今此処に。熱き魂と、時空をも切り裂く大太刀を手にした最強の龍が現れた。王を超えた、武神へと成るべくして成った龍が現れた。
その名は——
「《爆熱DX バトライ武神》!!」
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