二次創作小説(紙ほか)
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- デュエル・マスターズ D・ステラ 【侵略世界編】
- 日時: 2017/01/16 20:03
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
【読者の皆様へ】
はい、どうも。二次版でお馴染み(?)となっているタクと申します。今回の小説は前作の”デュエル・マスターズ0・メモリー”の続編となっております。恐らく、こちらから読んだ方がより分かりやすいと思いますが、過去の文というだけあって拙いです。今も十分拙いですが。
今作は、前作とは違ってオリカを更にメインに見据えたストーリーとなっています。ストーリーも相も変わらず行き当たりばったりになるかもしれませんが、応援よろしくお願いします。
また、最近デュエマvaultというサイトに出没します。Likaonというハンドルネームで活動しているので、作者と対戦をしたい方はお気軽にどうぞ。
”新たなるデュエル、駆け抜けろ新時代! そして、超古代の系譜が目覚めるとき、デュエマは新たな次元へ!”
『星の英雄編』
第一章:月下転生
Act0:プロローグとモノローグ
>>01
Act1:月と太陽
>>04 >>05 >>06
Act2:対価と取引
>>07
Act3:焦燥と制限時間
>>08 >>10
Act4:月英雄と尾英雄
>>13
Act5:決闘と駆け引き
>>14 >>15 >>18
Act6:九尾と憎悪
>>19 >>21
Act7:暁の光と幻の炎
>>22 >>23
Act8:九尾と玉兎
>>25
第二章:一角獣
Act1:デュエルは芸術か?
>>27 >>28 >>29
Act2:狩猟者は皮肉か?
>>30 >>31 >>32 >>33
Act3:龍は何度連鎖するか?
>>36 >>37
Act4:一角獣は女好きか?
>>38 >>39 >>41 >>42 >>43 >>44 >>45
Act5:龍は死して尚生き続けるか?
>>48
第三章:骸骨龍
Act1:接触・アヴィオール
>>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55
Act2:追憶・白陽/療養・クレセント
>>56 >>57
Act3:疾走・トラックチェイス
>>66
Act4:怨炎・アヴィオール
>>67 >>68
Act5:武装・星の力
>>69 >>70
Act6:接近・次なる影
>>73
第四章:長靴を履いた猫
Act1:記憶×触発
>>74 >>75 >>76 >>77
Act2:龍素力学×龍脈術=3D龍解
>>78 >>79 >>80
Act3:捨て猫×少女=飼い猫?
>>81 >>82
Act4:リターン・オブ・サバイバー
>>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90
Act5:格の差
>>91 >>92 >>93 >>104
Act6:二つの解
>>107 >>108 >>109 >>110
Act7:大地を潤す者=大地を荒らす者
>>111 >>112 >>113
Act8:結末=QED
>>114
第五章:英雄集結
Act1:星の下で
>>117 >>118 >>119
Act2:レンの傷跡
>>127 >>128 >>129
Act3:警戒
>>130 >>131 >>132
Act4:策略
>>134 >>135
Act5:強襲
>>136
Act6:破滅の戦略
>>137 >>138 >>143
Act7:不死鳥の秘技
>>144 >>145 >>146
Act8:痛み分け、そして反撃へ
>>147
Act9:fire fly
>>177 >>178 >>179 >>180 >>181
Act10:決戦へ
>>182 >>184 >>185 >>187
Act11:暁の太陽に勝利を望む
>>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>193 >>194 >>195
Act12:真相
>>196 >>198
Act13:武装・地獄の黒龍
>>200 >>201 >>202 >>203
Act14:近づく星
>>204
『列島予選編』
第六章:革命への道筋
Act0:侵攻する略奪者
>>207
Act1:鎧龍サマートーナメント
>>208 >>209
Act2:開幕
>>215 >>217 >>218
Act3:特訓
>>219 >>220 >>221
Act4:休息
>>222 >>223
Act5:対決・一角獣対玉兎
>>224 >>226
Act6:最後の夜
>>228 >>229
Act7:鎧龍頂上決戦
Part1:無法の盾刃
>>230 >>231 >>232 >>233 >>234 >>235 >>236 >>239
Part2:ダイチの支配者、再び
>>240 >>241 >>242 >>243 >>244 >>245 >>246 >>247 >>248 >>250
Part3:燃える革命
>>252 >>253 >>254 >>255 >>256
Part4:轟く侵略
>>257 >>258 >>259 >>260 >>261
Act8:次なる舞台へ
>>262
第七章:世界への切符
Act1:紡ぐ言の葉
>>263 >>264 >>265 >>266 >>267 >>268 >>270
Act2:暁ヒナタという少年
>>272 >>273
Act3:ヒナとナナ
>>275 >>276 >>277 >>278 >>279 >>280 >>281
Act4:誓いのサングラス
>>282 >>283 >>284 >>285
Act5:天王/魔王VS超戦/地獄
>>286 >>287 >>295 >>296 >>297 >>298 >>301 >>302 >>303 >>304 >>305
Act6:伝説/閃龍VS獅子/必勝
>>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>323
Act7:青天霹靂
>>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331
Act8:揺らぐ言の葉
>>332 >>333 >>334 >>335 >>336
Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神
>>337 >>338 >>339 >>340 >>341 >>342 >>343
Act10:伝える言の葉
>>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351
Act11:連鎖反応
>>352
『侵略世界編』
第八章:束の間の日常
Act1:揺らめく影
>>353 >>354 >>359 >>360 >>361 >>362
Act2:疑惑
>>363 >>364
Act3:ニューヨークからの来訪者
>>367 >>368 >>369 >>370 >>371
Act4:躙られた思い
>>374 >>375 >>376 >>377
Act5:貴方の為に
>>378 >>379 >>380 >>381 >>384 >>386
Act6:ディストーション 〜歪な戦慄〜
>>387 >>388 >>389
Act7:武装・天命の騎士
>>390 >>391
Act8:冥獣の思惑
>>392
Act9:終演、そして——
>>393
第九章:侵略の一手
Act0:開幕、D・ステラ
>>396
Act1:ウィザード
>>397 >>398
Act2:ギャンブル・パーティー
>>399 >>400 >>401
Act3:再燃
>>402 >>403 >>404
Act4:奇天烈の侵略者
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>411
Act5:確率の支配者
>>412 >>413
Act6:不滅の銀河
>>414 >>415
Act7:開始地点
>>416
第十章:剣と刃
Act1:漆黒近衛隊(エボニーロイヤル)
>>423 >>424
Act2:シャノン
>>425 >>426
Act3:賢王の邪悪龍
>>427 >>428 >>429
Act4:増殖
>>430 >>431 >>435 >>436 >>438 >>439 >>440 >>441 >>442
Act5:封じられし栄冠
>>444
短編:本編のシリアスさに疲れたらこちらで口直し。ギャグ中心なので存分に笑ってくださいませ。
また、時系列を明記したので、これらの章を読んでから閲覧することをお勧めします。
短編1:そして伝説へ……行けるの、これ
時系列:第一章の後
>>62 >>63 >>64 >>65
短編2:てめーが不幸なのは義務であって
時系列:第三章の後
>>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103
短編3:文化祭(と言えば聞こえは良いが要は唯のスクランブル)
時系列:第四章の後
>>120 >>121 >>122 >>123 >>124 >>125 >>126
短編4:十六夜ノゾムの災厄な一日
時系列:第四章の後
>>149 >>150 >>153 >>154 >>155 >>156
短編5:恋情パラレル
時系列:第四章の後
>>157 >>158 >>159 >>160 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>173 >>174 >>175 >>176
短編6:Re・探偵パラレル
時系列:平行世界
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422
エイプリルフール2016
>>299 >>300
謹賀新年2017
>>443
登場人物
>>9
※ネタバレ注意。更新されている回を全部読んでからみることをお勧めします
オリジナルカード紹介
(1)>>96 (2)>>271
※ネタバレ注意につき、各章を読み終わってから閲覧することをお勧めします。
お知らせ
16/8/28:オリカ紹介2更新
- Act5:天王/魔王VS超戦/地獄 ( No.287 )
- 日時: 2016/03/30 11:02
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: AfTzDSaa)
2人で並んで、歩く。
集中的に特訓するために、デュエルテーブルの置かれている部屋に向かっているのだ。
「なあ淡島」
「……なんですか?」
「僕はそんなに怖いだろうか」
普段こそ無表情だが、今日のレンは少し落ち込んでいるように見えた。
昼休憩の時の話を気にしてるようだ。
ホタルとしては、そんなのつもりではなかっただけに取り乱してしまう。
確かに怖いというのはあながち間違ってはいない。
「そ、そんなことないです!」
「……まあ怖がらせてしまって当然だな。僕は——修羅なのだから」
彼は自嘲するように言うと目を伏せた。
「——僕は——僕自身が大切にしていた思い出に手を掛けたのだから」
ホタルは息を詰まらせる。
それが、レンの抱えている”闇”だと知ったから。
「僕は——強くなる。今度は教えるだけじゃない。貴様から教わる事もあるはずだ」
「私から——教わる事、ですか」
「……そんなものあるわけがない、と思っているだろう? だが、”学ぶ”ということはそういうことだ。この世で出会った全ての人物にはどんな形であれ学ぶところがあるはずなんだ」
「……で、でも」
「貴様はもっと自分に自信を持て」
そういうと、彼は部屋の扉を開けたのだった——
***
「タッグマッチのルールは理解したか?」
「はい。でも、この辺ややこしいですよね……」
「まあ、後は実戦次第だ」
さて、とデッキをシャッフルするとレンは言った。
「早速スパーリングといこうか」
「は、はい……」
***
何戦か終えた後だった。
彼女は口を開いた。
「私……黒鳥先輩に謝らないといけないことがあります」
「何だ?」
「アルゴリズムに操られていた時に、黒鳥先輩を引き込んでしまいました。より暗い深淵に」
「何だ。そんなことはもういいだろう。むしろ僕にとっても前進する良いきっかけになった」
ようやく、レンは解した。
彼女はまだあの時の事を気にしていたのだ。
だから、どこか彼女はおどおどとした様子をレンに見せていたのだろう。
ただでさえ気難しいレンだ。根に持っていないか心配で、上手く付き合えなかったのだろう。
「やはり、前向きに考えねばならないとつくづく思う。ヒナタを見ているとな。あの時の事は、誰も失われなかった。だからもう、貴様は心配することじゃない」
「……はい」
「良いか、ホタル。僕は”後輩”にもう辛い目に遭ってほしくは無いんだ」
レンは彼女の目を見つめた。
あの少女の面影を重ねながら。
「……そして、そのためには僕も強くなる必要がある。貴様は——何のために強くなりたい?」
「……私は——」
もう、ホタルに迷いは無かった。
この問いへの答えは決まっていた。
「——ノゾムさんを目指すために強くなりたい。いつか、あの人を倒せるくらい——それだけ大切な人ですから」
レンが相手だとしても、それは変わらなかった。
「……それが分かっていれば十分だ。より高みを目指すことも大事だが、目に見える目標を持っておくのもまた王道。僕は良いと思うぞ」
まあ、もっとも、とレンは続けた。
「貴様の場合は、十六夜ノゾム個人に執着しているところもあるだろうがな——どいつもこいつも色気付いて」
えっ!? と彼女は素っ頓狂な声で返した。
どうやらレンには完全に見抜かれているようだった。
ホタルがノゾムのことを、”男子”として意識していることを。
人の考えを読み、心理的に追い詰めることも得意とするレンからすれば朝飯前のことであったが。
「淡島。恋は時に人を成長させる。だが、時に狂わせる魔物だ。絶対に、どんなときにでもブレない軸を自分の中に持っておけ」
「どんなときにでもブレない——軸?」
「そうだ。さもないも——僕のようになるぞ。僕のように——修羅になってしまう」
「で、でも、どうしてそこまで」
「これでも色々、その手のことについては勉強しているんだ。それにだな、淡島。貴様の事が心配なのもある」
「……」
急に、ホタルは黙りこくってしまった。
そして、そのままゆっくりと口を開いた。
一言一言、言葉を選びながら——
「……それって、私がやはり未熟だからでしょうか?」
「未熟じゃないなら何だっていうんだ。貴様だけじゃない僕だってそうだ」
「……まあ、そうですけど……やっぱりそう言われたら焦っちゃうんです」
彼女は目を伏せた。
「……文明の力が一致しているのに、まだ私とハーシェルは武装が出来ないんです」
「……こればかりは……だが、ヒナタもそうだが、あいつも焦っているところがあるからな。あまり急ぎすぎるな」
「……はい」
こくり、と彼女は頷いた。
それでもやはり、不安は隠せないようだった。
だが、それはレンもそうだ。
幾ら力を持っていても、まだ見ない脅威への恐怖は簡単には消えるものではない。
だから——
「大丈夫だ。あまり気に病むな。お前たちはまだ1年だ。僕達に頼れば良い」
「……ありがとうございます」
「何。”先輩”として当然のことをやっているだけだ」
あの少女に誓ったことを、今自分はやれているだろうか。
自分では全力でやっているつもりだ。
それでも時折、自分が間違っているのではないかと責める時がある。
故に彼は悩むのだ。
自分が正しいかどうかを——
「先輩は、十分優しいと思います」
彼女の口からふと言葉が零れた。
「厳しさの中に優しさがあるっていうか、その言葉に重みがあるんです」
「……伊達に修羅場は潜り抜けていないがな」
「だからもう……自分の事を修羅だなんて言わないでください。先輩は……先輩ですから」
「……ありがとう」
その言葉だけで——救われた気がした——
***
刻々と近づいていく決戦の時。
そして——遂にその日が訪れたのだった。
- Re: デュエル・マスターズ D・ステラ【学校対抗予選編】 ( No.294 )
- 日時: 2016/03/29 07:51
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: Ak1jHfcH)
さーて、どんどん更新されると、定期的にコメントしていかないと追いつかなくなるので、ここいらでやっときますか。途中をすっ飛ばしてコメントするのは、モノクロの流儀に反しますしね。
キス魔との対戦が終わって、百合っぽくも見えるけど実態が全然そうじゃないから微塵も嬉しくないリップサービスを受けたコトハですが、キス魔のキス魔行為はなんか、意味があるっぽく思案してますね。
あれ、ただの癖じゃないのか。なにかに必要な行為だからキス魔になってるのか? 角質云々はわりと冗談で言いましたけど、それに近しいなにかは感じるぞ?
ついでに、なにやら口吸いで相手の能力分析とか、もしかしたら能力吸収とかもしてそうな感がありますけど。
しかし、目が覚めるまで面倒見るって。イベントシーン突入じゃねぇよ。もうイベントシーンだろ、それ。なぁ、パイセン。
今回のパイセンはなんか不調ですね。電話ではヒナタに押されて切られるし、機械の故障とか情けない理由で解析は止まるし、自分たちの研究機関の情報だだ漏れだし。大丈夫か、パイセン。
しかも、相手に押し付けられた試合の延期に対して、参った、だなんてパイセンらしくないなぁ。
だけどヒナタらからしたら、試合の延期よりもキス魔の調査の方が重要なのね。確かに不気味だけど。他校の生徒が自分の陣地で好き勝手に動かれるのが気分悪いっていうのはよく分かる。あんなキス魔なら尚更。
なにやらキス魔軍はなにか抱えてるようですけど、まあ、その辺はパイセンがなんとかしてくれると信じますか。泳がせる、なんて言ってるし、きっとなにか手は打ってるんでしょう。フジパイセンだし。
ところ変わって、コトハのストーキング。まあ、人間、人生で一回くらいはストーキングしますよね。
まあそこは、流石、腐っても発情しても、陰陽狐。白陽には見破られていたようですが。
そしてここから、過去編と称したヒナタの昔話、ですか。
正直、ヒナタがなにを引きずってるのかは、0・メモリーで概ね知ってるので、今更感があるんですけどね……コトハがなにか隠してる、とか言っても。読者との情報差を実感して楽しめばいいのだろうか。
新規の読者向けのエピソードと考えれば、まあ、納得できなくもないですけど。
で、始まった過去編ですが……リョウを思い出すなぁ、こういうの見てると。
そういえば、最初にヒナタが《5000GT》を見せたのも、リョウのカード巻き上げてた不良戦でしたっけ。懐かしい……
ナナカの言うことももっともですけど、一応不良の肩を持ってみると、窮鼠が猫を噛むことを恐れて、念には念を入れて弱者に対しても油断せず最大の戦力で向かって行くとも解釈できますが……まあそんなことは考えてないでしょうね。ああいう連中は、孤独に耐えられない人種みたいですし。
しかし武術の心得はともかく、小学四年くらいなら、男女間の体格差はそんなにないんじゃないかな……いや、モノクロの中でのタイセイ君は完全にジャイアンなので、普通に考えたら女子の方が不利に見えますけど。絵面は。だからこそ生きる武術かな。
でもナナカちゃん。空手と柔道と合気道を習ってるみたいだけど、やってることはテコンドーだよね。何者だよこの小四女子。
その後はデュエマ大会か……正直、この集められた面子にどれほどの意味があるのか疑問、というか測りかねてますが、とりあえず思うのは、ガチな子たちですね。
モノクロが小学生の頃は、デッキタイプの名前なんて言えなかったぞ……《ボルシャック・ドラゴン》の入ってるビートダウンを本気で速攻だと思い込んでたような時代だったぞ。
まあ連ドラはまだいいですけど、白黒イエスか……白黒イエスはわりと安く作れるから、まあ小学生らしいと言えばらしい、かな?
それにしてもこの……苗字なんて読むのかよく分からない景浦さんは、どこに燃えるスイッチがあったのか。謎だ。
気のいいショウゴ君を仲間にしたところでストップした仲間集めの旅。ラスト一名は……意外というかなんというか、どんなエピソードで最後の一人、という仲間集めの王道とも言える難題をクリアするのかと思ったら……流石にこれは予想してなかった。
遊戯王もあるんだなぁ、海戸って。もうこの地域のことがよく分からん。デュエマだけじゃないのか。だけど激しく推進されているのがデュエマ……? だったら他のTCGの居場所は……もういいや、考えるのはやめよう。
しおりだけ名前がカタカナ表記じゃないっていうのは、彼女がデュエマの方でないデュエリストだから、なんですかね。
まあ、デュエマはダメージ計算とかあんまり必要ないですし、相手のカードに対して能動的に処理を割り込むことも少ないですし、大抵は単純化されてますし、確かに簡単な方でしょうね。
もっとも最近のデュエマは、ストップウォッチや時計、未開封パック、QRコード読み取り機能付きの機器、年齢確認ができる証明書、気象情報の確認ができるものや、クロスワードの解答など、用意しておいた方が円滑に対戦を進められるというものが増えていますけど。
閑話休題。
こうして各々のキャラとの会話が繰り広げられていると、大会のこととか忘れそうになりますね。というか実際、ちょっと忘れてました。
しかも大会前に夏祭り、その前にカードショップの大会とか、どこが目的地なのか見失う……
とりあえずカードショップの方の大会は、ラムダビートのタイセイ君。
いやー、こういう中速ビートは見ててほっこりするなぁ。最近は3ターン目に除去しながらTブレイクしたり、手札根こそぎにしながら墓地から出てクリーチャー消し飛ばしてくる違反車両が増えてるので。
ガネージャービートも墓地ソとの折衷型でクローシスになってますし、減速気味。このくらいの速度で殴り合うのが気持ちいいですね、やっぱ。
互いにデッキの強みを生かしながら殴り合って、結果、大型を二連打できたヒナタに傾きましたか。まあ、ラムダもパワーゲームには脆い面がありますからね。仕方ないか。
と、優勝したのも束の間。ここでナナカの凶報か。
しかしショウゴ、ストレートに「死んだ」か。きついなぁ。
即死だったんだろうけども、病院には運ばれてるはずだし、トラックに撥ねられた、くらいの希望を持っても良かった気もしますが。
やはり危険運転はいけないですね。事故車は取締対象。バイクも危険ですし、はやめに規制した方がいいですね、うん。
それはそれとして、一人ふらっとどっかいくヒナタ。こいつのそういう癖はこの時からあったのか。
しかし、復讐心、か。
まあ、あって当然のことではあるんでしょうけど、ヒナタだいーぶ冷めてたからなぁ。あんまりピンとこないです。憎悪を見せることもなかったですし。
というかなんやかんやナナカに守られてたしなぁ、ヒナ君。
なんとなくしっくりこないも、とりあえず置いておいて。
ここでアウトレイジを封印して、初期も初期のドロマーの片鱗を見せますか。今回は赤抜き4cみたいですが、赤が入らない4cって珍しいな。ゼンアクぐらいしか知らないよ、モノクロ。
そして対戦相手はショウゴか。こいつ、一番ヒナタに向き合って、言葉も投げかけて、対戦もして、物語のキャラとして一番働いてるな。流石最年長。オールイエス! オールイエス! って感じ叫んでるイメージしかない最年少の景浦さんは結局、白黒イエスを披露することはなかったか。
珍しく緑入りで加速するヒナタが《シャイニー・ホール》《時空の不滅ギャラクシー》から繋げたのは、懐かしの今は亡き《アマテラス》ですか。こいつも懐かしいな……青赤速攻になっても入れてたくらい気に入ってるカードみたいですが、《5000GT》とかよりも、なんで《アマテラス》が新たな切り札になったのかのほうが気になるな。ヒナタが《アマテラス》を梳いてる理由の方が謎。
《アマテラス》からの《ヒラメキ・プログラム》の王道パターンに入って、ワンショットキルの打点を揃えるヒナタが勝利。ショウゴ、ガチンコ・ジャッジ五連勝なのに負けるって、悲しいな。
それにしても、小学生が送る品がサングラスか。いや、ナナカのこともあったんだろうな。普通なら思い出させるからといって敬遠しそうなものですけど、そうしないってことは、ヒナタなら大丈夫と思ってのことですか。
んー、この過去編は0・メモリーを知ってるモノクロからすれば、ヒナタの過去が具体化されただけでそのまで大きな発見とか驚きはなかったですけど、気になる点があるとすれば、やっぱ大会のために集まった面子ですかね。
結局大会には出ませんでしたし、対戦描写があったのもショウゴだけ。ヒナタと一番対話してるのも彼ですし、ショウゴについてはもういいとして、他の二人は大してなにもせずに終わってるのが、気になります。
しおりは遊戯王と満足ネタがやりたいがために一発キャラとして見ることも可能かもしれませんが、景浦さんはあれだけオールイエス! オールイエス! って言ってたのだから、なにもせずに終わるとは思えないというか、なにもせずに終わったら、なんのために出て来たんだってなりますし、D・ステラの予選か、もしくはどこか違うところで出てもおかしくなさそう。わざわざ転校したと言及するほどですし。
それとこの過去編の一連の雰囲気、やはりというかなんというか、0・メモリーのノリを感じますね。最近はよく思いますが、この過去編は特に。
で、過去編終わって蓬莱戦に向けて、ですね。
この回は結構わくわくなんですよね。特殊レギュレーションでのデュエマってなかなか見ないですし、レンとホタルっていう珍しい組み合わせですし、またレンの活躍回ですし。
フジパイセンいわく、蓬莱はドラグハート特化なのかぁ……ドラグハートのオリカとか出るかな、と期待してました。後から出るのかな? 後があるのか知りませんけど。
そして、今回からレンは超次元解禁。マジか。
従来のは黒単進化ビートで、超次元は別にいらないデッキでしたからねぇ……特にシナジーするわけでもないですし、コンセプトを維持するなら、無理に投入する必要はなかった気がしますけど。
まあ、ドラグハートのカードパワーはわりと本気で頭おかしいので、カードパワー同士の対決になったら、コスト論が色々おかしなサイキックを使っていたほうが有利になるかもしれない、という考え方は理解できるか。
しかし、隠す気がないんでしょうけど、もうなにをするのか丸わかりですね、この二人。
光と闇の革命0……まあどちらも、前評判以上に強いカードではありましたね。
そして《クロック》は止めるというか、能力的にはすっ飛ばすという方が正しい気が。
言うなれば、タイムストップデュエルはザ・ワールドで、《クロック》はキング・クリムゾンのような。
しかしレンはそんな鬼軍曹みたいな設定があったのか。ぬるいやり方で優しく教えるような奴ではないでしょうけど、心を折るってそんな。
ホタルとの対話では、自分を修羅と皮肉るあたりが、なんとも言えない。《修羅丸》のことを考えると。
やっと来た対抗予選。なんか凄い長かったな。
対戦相手は双子らしいですが、名前の共通点が見いだせない。片方は赤い請負人みたいだけど普通だし、片方は新世界の神になりそうな名前してるし。
双子は息ピッタリか常喧嘩してるかのどっちかがテンプレですが、正確真反対だけど息は合うタイプか。共通の敵を見いだせれば強くなる奴ですね。
さて、今回の特殊レギュレーションによるタッグマッチですけど……既に結構言いましたが、改めて見るとこれ、凄いですね……はっきり言って、だいぶ欠陥ルールだと思います。
シールド追加なんて、ボーナスルールのはずなのに革命使いにとってはデメリットでしかないとかいう鬼仕様ですし、そもそも、目の前の相手しか攻撃できないんじゃ、プレイヤーを倒してシールド追加しても意味ないですし……
それに、対角線上のプレイヤー同士が生き残ったらどうするんだろう。互いに攻撃できず、LO待ち? その時は流石に互いに攻撃OKか?
タッグマッチとは、なかなか見ない特殊レギュレーションですので、わりと期待していたんですが、急ぎだったんでしょうか。ルールに粗が結構見えますね。
これが予選とはいえ全国大会にのルールとしてまかり通っていると思うと、ちょっと……
実際の対戦はまあ、まあまあ、ルールの把握に気を取られますが、特にミスはない、かな? ルール説明を、もうちょっと大事なところを印象付けられるようにして欲しかった、というのは無きにしも非ずですけど。
ただ残念なのはやっぱり、タッグマッチなのに連携が薄いところですかね。ルール的に連携がしにくいようにはなってますけど、ならなんでタッグなんだよとツッコミたい。
レンの超次元も、なんか妙に匂わせた発言をしておきながら、大して使ってないですし。緑を足した意義があまり感じられない。超次元を見る限りでは、黒緑確定。《次元流の豪力》だけでなく、《フェアリー・ホール》を採用してそうな超次元ですけど、黒単進化ビートなのか、黒緑次元なのか、祝門なのかなんなのか、よく分からないですし。これならまだ《魔狼月下城の咆哮》が使える黒単の方がよかったんじゃ。
龍門寺兄弟はそれぞれ準赤単モルトNEXTと黒単ヘルボロフですか。赤単ドラグナー、黒単ドラグナー、という方が公式的かな?
モルネクのワンショット性能を如何なく発揮する脳筋兄貴に、手堅く立ち回る弟君ですけど……ヘルボの方は、なんというか、地味だな……器用万能と言えるほど多彩な戦術、多彩な動きができるヘルボの動きにしては、大人しいというか。《ボーンおどり・チャージャー》採用型ってことは、《タイガニトロ》もいそうですけど、出しませんでしたし。まあ、タッグマッチで《タイガニトロ》は処理面倒そうですが。
最近、こういうデッキよく見るなぁ、と思いつつ兄貴のモルネクは、ホタル相手でもワンショット仕掛けに来るのかぁ。ここはいつものタクさんみたいに、《バトライ閣》で待っても良かった場面ですかね。トリガー仕込んでいるのは見え見えですし。
弟君の方は《月下城》で兄貴のワンショットを支援してましたが、一方レンとホタルはスパーリングの成果が出ているようにも見えない……一応、《ミラダンテ》のロックを継続させて、1ターンの隙を作りましたけど。
しかし《デスゴロス》で《ローゼンスター》を破壊したのはいいものの、《キラード・アイ》は破壊できないのか……全体除去でない複数のクリーチャーを除去する場合は、プレイヤー一人に対して、そのプレイヤー盤面にのみ作用する、ってことなのかな。
兄貴の方は二体目の《モルトNEXT》で《バトライ閣》を出して殴るかぁ……殴るかぁ。
弟君が盤面制圧してからって言ってるのに、肝心の《ウルトラスター》を残したままで殴っちゃうのか。まあ、脳筋に相応しい片腹大激痛なおめでたい脳みそによるプレイングというか、迂闊ですね。シールドの中身が誰にも分からない以上、押し切れることもなくはないので、間違いとまでは言えませんが。でも兄貴の脳筋らしさは出てるな。
これこそ自分が言えた義理ではないですけど、革命0カードを消化してる感が結構ありますね。時間が止まったって、正直あっさり言われても、あんまりしっくりこないですし。
ただまあ、レンがホタルを奮わせる役になるというのは、なかなか面白かったですね。闇に魅せられた者同士、というフジの言い回しも嫌いじゃない。あまりいいものではないとはいえ共通項がある二人が、こうして手を組むのはなかなか面白いですね。
さて、レンは《ゼクシィ》で革命の準備をしているようですが、本当、どんなデッキだ……? 黒緑祝門ではないようだし、《ジャスティス》もいないから黒緑次元ではない。本格的に緑と次元を入れた意義が分からない。謎だ。《ゼクシィ》自体は、革命と相性いいですけど。
《ミラダンテ》と《ロッキンスター》のロックで時間を稼いで、《ザ・ロスト》から《デス・ザ・ロスト》に繋げ、次に続く、と。
今更ですけど、中途半端なところでコメしちゃったな。
それと……なんか今回、随分と辛口になってますね、モノクロ。
過去編については既知のことを具体的にされただけなので新たな衝撃が薄かったっていうのがあり、タッグマッチについてはルールとか諸々が……言いすぎると悪いので、この辺にしときますが。
お節介かもしれませんが、あんまり急ぎすぎない方がいいですよ。筆が乗ってるのと、急ぎ足で進めるのは、わけが違いますからね。下手に急ぐと、粗が大変なことになります。
まあ、こんなブーメランにもなりかねない戯言説教は、鬱陶しければ聞き流してもらっても結構なのですが。自分の指摘もすべてが正解だなんてことはないですし、個人的な感想込みですし。
とりあえず、このくらいでしょうか。今回はこの辺で……げ、7000文字あるし、やべ。
ではでは。
- Act5:天王/魔王VS超戦/地獄 ( No.295 )
- 日時: 2016/03/30 13:44
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: AfTzDSaa)
『遂に始まろうとしています! D・ステラ、学校対抗予選、鎧龍対蓬莱が此処、海戸マリンドームで行われようとしております!』
海戸マリンドーム。海戸ニュータウンの海沿いに位置する巨大な名前通りのドーム状の建物だ。
此処は野球、サッカー、テニス、陸上競技などの屋外スポーツは勿論のこと、バスケットボール、バレーボールなどの屋内スポーツも行うことが出来る万能施設である。
しかし、その最大の特徴は国内最大規模のホログラムエンターテイメント施設でもあるということだ。
それをドヤ顔でフジは自慢するのだった。正直うざい。
「設計、計画は武闘財閥がやった。褒めて良いぞ」
「うわー、すごいっすねー」
「はいはい本当、武闘先輩は凄いですねー」
「かがくのちからってすごいわねー」
「泣いて良いか俺様」
棒読みの一同。
いつも行っている所業からすれば当然の結果であるといえばあるのだが。
才能と財力の無駄遣いをダイナミックな規模で行う、それが武闘財閥のやばいところであるが、今回ばかりは無駄遣いとも言えないだろう。
東京ドーム規模の建造物に最新技術を詰め込んだ、まさに文明を一歩先取りした施設と言えるだろう。
そして今回、ヒナタ達はその選手用特別観客席に座り、観戦をすることになったのだった。
「あ、ホタルとレン先輩っすよ!」
「おうマジか。そろそろだな」
ノゾムの指の先には、ホタルと並んで入場するレンの姿があった。
手前に出て来たホログラムパネルで、2人の姿がより近くで確認できる。
これにより、試合の状況も詳しく見ることが出来るのであるが——ホタルの顔は引き締まっており、緊張した様子は見られなかった。
「あいつは今日は、お前の声を受けるまでもないってところだな」
「そ、そうですね……なんつーか、真剣そのものっていうか」
「レンの方はいっつも通りの仏頂面だから分からないけど」
「まあ、2人共覚悟完了ってところだな」
フジはパネルで2人の顔を見ながら、そう言ったのだった。
「革命も無事手に入れられたしな。後は実戦でその成果を見せてくれればいいんだけどよ」
「大丈夫っすよ、先輩! ホタルとレン先輩ですから!」
「レンはとことんツイてないからねぇ……ここぞというときに不運でポカしなければいいんだけど」
「なーに心配するなよコトハ。幾らレンでも最初に手札にS・トリガー全部引いて負けるような事はそうそうねぇだろ」
——前回それで1回負けてるんだけどね……。
この間の鎧龍サマートーナメントで、レンはロマノフサイン相手に絶望的な引きを見せてそのまま負けている。
彼の不運はいつ出るのか分かったもんじゃないので、不安を抱えるのは仕方がないと言えるだろう。
「だけど、あいつはそれ以上に高い実力を持っている! やれるさ!」
「運も実力のうちって言葉があってね、ヒナタ」
「それ以上はやめてやれ」
「後はホタルも緊張でテンパらなければ良いんすけど……あああー!! 心配だぁぁぁーっ!!」
「ノゾムが珍しく取り乱してる!?」
「まあ、仕方ないわよね……」
「おいコラ、そろそろ相手選手が出てくるぞ」
見れば、レンとホタルの向かい側には2人の少年が入場してきた。
黒髪の少年と、赤毛の少年だ。
しかし、両方とも背丈はほぼ同じ、顔もほぼ同じだった。
「これって……」
「ホタルとレンの相手は、龍門寺ライトと龍門寺ジュン……双子の兄弟だ」
「双子!? それじゃあコンビネーションばっちりってことじゃないっすか!!」
「いや、どうか分かんねーぞ、あれ見たら……」
ヒナタはホログラムのパネルを拡大する。
するとそこからは——
『何やってんだ、テメェがちんたらしてるから遅くなってんじゃねぇか!』
『ふん。たんぱら兄貴に合わせられる奴の方が少ない。先輩も兄貴が問題児だから俺に任せたのだろうよ、蓬莱の恥晒しめ』
『んだと、ゴルァ!! 文句あっか!! ぶん殴るぞ!!』
『どーぞ、お好きに。人前で社会的に終わる兄貴の泣き面をぜひとも拝んでみたいものだ』
——双子の罵り合いが繰り広げられていたのだった。
「あの気性が荒くて髪が赤い方が兄のライト。気が短く、喧嘩っ早く、そしてデュエルでは速さとパワーを突き詰めた脳筋」
「同じ火文明使いでもこんなに違うんだよなぁ」
「こないだドギラゴンで無限攻撃しまくってたのが言う言葉かしら」
「まあ、言いたい事は分からんでもない」
フジは解説するように言った。
「ヒナタが直感と閃き、そして戦略で相手を追い詰めるタイプに対し、こいつはもう殴る事しか考えてねぇからな。逆に言えばそれだけパワーに特化していると言える」
「性格がそのままデッキに直結してるってどんだけ脳筋なんすか……」
「一方、黒髪の方が弟のジュン。頭が切れ、皮肉と文句を言わせれば右に出る者はおらず、そのねちっこく嫌味ったらしい性格は使っている黒単デッキにも表れている」
「こっちもこっちで厄介だなぁ……」
そんな事を思いながら、ヒナタはモニターを見たのだった。
——頼むぜー、レン、ホタル。お前らが頼みの綱だからよ……!
「ぶっちゃけ、革命0が通用するかどうかも分からねえ。奴らの使うドラグハートは業界でも屈指の一品。鎧龍が開発したものをそのまま発展強化させた最強と最凶のドラグハートだ」
「……革命を、起こせるかしら」
「何、俺様が信頼した後輩だ。そうそうヘマはしねえはずだぜ。俺様が革命0を渡したってことはそれなりの実力あり、と判断したということだからな——」
***
いがみ合いながらもデュエルリングに上がってきた2人。
そのまま、各人の位置に立つ。
そして、2人で10枚のシールドが展開されたのだった。
「頼むから、試合中に余計な喧嘩をしてくれるなよ。迷惑だ」
レンがさっきの言い争いを見兼ねていたからか、きつく言う。
——仲の悪い双子か。コンビネーションはガタガタ、そっちの方面では恐るるに足らんな。
「おい、ジュン。聞いたか今の。あいつ生意気だぞ」
「潰そうぜ、兄貴。俺達の喧嘩に口を出すなんて、命知らずも良いところだ」
——え?
ギラリ、と4つの目がレンを睨んだ。
『テメェは潰す!! 俺達龍門寺兄弟が!!』
——成程、理解した。
レンはこの時、冷や汗をかいていた。
この2人、確かに普段は仲が悪いのだろう。
しかし、共通の敵を見出した途端に結束するタイプなのだ。
「黒鳥先輩、大丈夫です!」
「淡島……ああ、慄いている暇は無いな」
『それでは、初っ端から剣呑な空気になってしまいましたが、これよりタッグマッチのルールを改めて会場の皆様に解説します! お手元のホログラムパネルをご覧ください!』
次の瞬間、会場のホログラムパネル、そして選手の手元にもそれが現れる。
ルール説明にページが出現したのだ。
一応、確認の意味も兼ねてだろう。
タッグマッチルール
・プレイヤー2人と2人に分かれて対戦を行う。
・シールドは共有。各自で5枚ずつを並べて10枚で行い、ダイレクトアタックを受けた瞬間、チームで敗北となる。
・ターン順は、味方A→敵A→味方B→敵Bといった感じに味方と敵で交互になるように行う。
・バトルゾーンは共有で、1つとして扱う。味方のクリーチャーの攻撃に対するブロックも可能。
マナのカードは各自管理。
自分のクリーチャー、呪文の効果は味方のクリーチャーに使うことが出来ても、味方に使うことは出来ない。
『それでは、これより試合を開始します! デュエル・スタート!!』
こうして、史上初となる公式戦のタッグデュエルが始まったのだった——
- Act5:天王/魔王VS超戦/地獄 ( No.296 )
- 日時: 2016/03/31 23:52
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: AfTzDSaa)
ターン順はライト→ホタル→レン→ジュンで決まった。
そして、遂にデュエルが始まろうとしていたのだった。
そしてレンは今回、初めて超次元ゾーンを本格的に使用する事になったが、その内容は——
《タイタンの大地 ジオ・ザ・マン》
《イオの伝道師 ガガ・パックン》
《時空の凶兵 ブラック・ガンヴィート》
《激天下!シャチホコ・カイザー》
《ヴォルグ・サンダー》
《魂の大番長 「四つ牙」》
《勝利のプリンプリン》
《超時空ストームG》
——正直、かなり反応に困るものであった。
ハンデスなのか、それともブーストを中心にした超次元なのか判別がつかないからだ。
《ガンヴィート》と《シャチホコ・カイザー》と《特攻人形ジェニー》のロックコンボのギミックも入っているが、こちらがブラフの可能性は高いか。
それでも、何度もこれに苦しめられていたノゾムはこの並びを見た途端に取り乱す。
「うわあああ!! これですよこれ!! 何度《ガンヴィート》と《シャチホコ》のハンデスコンボにやられたと思ってるんですか!!」
「お得意のバウンスでどうにかすればいいだろうが」
「《バトウ・ショルダー》の効果でハンデスされた墓地の呪文の数だけ呪文を唱えるコストも高くなって……」
「それは……ご愁傷さまだったな……」
そして、ホタルも今回、超次元を投入していたのだった。
《革命槍 ジャンヌ・ミゼル》
《不滅槍 パーフェクト》
《百獣槍 ジャベレオン》
《龍魂遺跡 ホワイティ》
《神光の龍槍 ウルオヴェリア》
「ん? 少ないわね?」
「8枚入ってないな」
「これはどうなるかは見モノね……」
「ああ、超次元入り乱れる戦いか……」
***
デュエルは最序盤。
まずは、互いのマナチャージの応酬から始まるのだった。
「俺のターン。《熱血龍バトクロス・バトル》をチャージしてターンエンドだ!」
ライト
手札4
マナ1/1
墓地0
next turn:ホタル(鎧龍)
《バトクロス・バトル》はS・トリガーのドラゴン。此処から推測できることは、ライトがドラゴンを中心にしてデッキを組んでいるということだった。
——ってことは、相当攻撃力が高いってのは伊達じゃないってことですか……。
「私のターン、ドロー! 《マスター・スパーク》をチャージしてターンを終了します!」
ホタル
手札5
マナ1/1
墓地0
next turn:ジュン(蓬莱)
「俺のターン。《凶殺皇デス・ハンズ》をマナに置いてターンを終える」
ジュン
手札5
マナ1/1
墓地0
next turn:レン(鎧龍)
一方のジュンはまだ、闇中心のデッキだろう、ということしか判別がつかない。
流石に汎用のS・トリガーからデッキを割り出すのは難しい。
——僕のデッキとどう違うのか……。そして、そこが勝負のポイントになってくるな。
「僕のターン。《白骨の守護者 ホネンビー》をマナに置き、ターンエンド」
レン
手札5
マナ1/1
墓地0
next turn:ライト(蓬莱)
とはいえ、最序盤も最序盤なので、本当の速攻でなければ此処で動くことは少ない。
——相手のドラグハートを見るに、出させた時点で終わったと思った方が良いかもしれない。
——うええ、そこまで強いんですかぁ!?
——まだ見たことのないドラグハート……恐らくフォートレスだろう。
小声で話しながら、2人は相手を見た。
恐ろしく殺気立っている。
「それじゃあ行くぜ。此処からな!! 俺のターン、ドロー! 《メンデルスゾーン》を使う! 効果で山札の上から2枚を表向きに!」
ライトのターン。
彼が唱えたのは、山札を2枚捲ってそれがドラゴンを持つクリーチャーならばタップしてマナに、それ以外ならば墓地に置くドラゴンデッキ御用達のブーストカード。
もしも2枚とも墓地に置かれた場合、順当にブーストすれば次のターンにライトのマナは5枚になる。
そして捲れたカードは——
「よっしゃ、ツイてるぜ! 《フォーエバー・プリンセス》と《ニコル・ボーラス》をマナに! ターンエンドだ!」
「っ……ダブルヒット……次のターンに5マナか」
「丁度、《ミツルギブースト》が出せますね……」
「そうなれば次のターンに7マナか」
ライト
手札3
マナ0/4
墓地1
next turn:ホタル
こうしてみると、相手の動きはかなり速い。しかも、強力なドラグナーをそのマナで呼ばれたら大変なことになりかねない。
——さあどうしたものか……今回のは余りハンデスを使うデッキじゃないからな……。
冷や汗が既に額を伝う。
嫌な予感がさっきから止まらないのだ。
それを見兼ねたか、ホタルが声を掛けた。
「……安心してください、先輩。私が守ります。先輩は存分に攻めてください」
「……淡島」
「私は光使い——相手が鋼の剣で攻めてくるなら、ダイヤモンドの盾で守るまでです! 私のターン!」
カードを引いたホタルは、マナにカードを置き、2枚をタップしてカードを出す。
そして——繰り出した。
「《時の玉 ミラク》を召喚です!」
時の玉 ミラク C 光文明 (2)
クリーチャー:ジャスティス・オーブ/革命軍 1500
ブロッカー
このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
エスケープ
現れたのは、球体の身体に龍の角が付いたクリーチャーだった。
それがホログラムとして実体化する。
くりっとした愛らしい目玉に、時計のような盾を身体に付けている。
「何だ? そのチビは。ブロッカーなんざ並べて、ビビってる証拠だな」
「チビだからって嘗めてたら痛い目見ますよ? ターンエンドです」
強かに言い返す彼女の眼に、かつてのような怯えは無かった。
彼女が精神的にも成長した証拠だろう。
ホタル
手札4
マナ0/2
墓地0
next turn:ジュン
「俺のターン。《特攻人形ジェニー》召喚」
ハンデスデッキの優秀な尖兵、《特攻人形ジェニー》。
現れるなり、自身の身体を巨大なカッターでバラバラにしてしまう。しかし、それでもなお不気味に笑っている。そのまま爆発して果てた。
「ッ……!」
「タダで死んだと……思うなよ? 効果で貴様の手札をランダムに破壊する」
「っ!」
その身を犠牲にすることで、相手の手札を破壊することが出来るクリーチャーだが、それによってホタルは手札から《エンジェル・フェザー》を落としてしまう。
「ターンエンドだ」
ホタル
手札4→3
ジュン
手札4
マナ0/2
墓地1
next turn:レン
光のデッキはハンデスに弱い。
厄介なクリーチャーは出てくる前に対処すればいい上に光はロクな墓地回収手段が無いからだ。
今回もドローソースを落とされてしまった。
「成程。如何にも闇らしい戦い方だ。美しいな」
「お褒めに預かり、光栄だ。エセ美学野郎、黒鳥レン」
「聞いてはいたが、貴様も兄貴と同じで口が悪いな」
殺意の眼差しを向け、ジュンは言った。同族嫌悪というべきか、レンの事が気に入らないらしい。
「俺はお前のように、さも悟ったかのように持論を語る奴が気に喰わないんだよ。そして、この脳筋と一緒にするな、反吐が出る」
「何だとコラ」
「しかしまあ、どいつもこいつも、エセ美学エセ美学とうるさいな。僻みか? まあ良い。僕には関係ない話だ」
「……何だと」
「僕のターン。《ダーク・ライフ》を此処で使わせて頂く」
此処で、レンはマナに自然のカードを置いて多色のカードを使ったのだった。
その効果で山札から2枚を見て《凶殺皇 デス・ハンズ》をマナに置き、《トリプルマウス》を墓地に置いたのだった。
——わざわざ自然のマナ加速を使った? 闇単使いじゃなかったのか?
そんなジュンの疑問を他所にレンはターンを終える。
レン
手札4
マナ0/3
墓地2
next turn:ライト
「んなことはどうだって良い!! 俺のターン、ドロー! 《永遠のリュウセイ・カイザー》をマナに置いて、《フェアリー・ライフ》を2マナで使用!」
更にマナを加速するライト。
——運が良かったってところでしょうか。《ミツルギブースト》じゃなかったのはどう転んでも正解でしたね……!
「おい、兄貴。加速するのは構わないが、アレを使って殴るのはもう少し待て。俺が制圧してからじゃないと光と闇使いに不用意に殴るのは危険だ」
「へっ、分かってらあ」
次のターン、ライトのマナは7枚になる。
手札の消費も同時に大きいが、何が出てくるのか分からない。
「ターンエンドだ」
ライト
手札2
マナ4/6
墓地2
next turn:ホタル
——速すぎる……!
渇いた口の中を舐めながら、彼女はカードを引いた。
——ここは——!
「《信頼の玉 ララァ》召喚です!」
信頼の玉 ララァ UC 光文明 (3)
クリーチャー:ジャスティス・オーブ 2000
自分の光のコマンドの召喚コストを1少なくする。ただし、コストは0以下にならない。
マナ武装3−自分のマナゾーンに光のカードが3枚以上あれば、自分の光のドラゴンの召喚コストを1少なくする。ただし、コストは0以下にならない。
再びジャスティス・オーブを召喚するホタル。
現れたのは光のコマンドとマナ武装で光のドラゴンのコスト軽減をするクリーチャー、《ララァ》だった。
これで次のターン以降、ホタルはコストを2軽減して光のコマンド・ドラゴンを出すことが出来るようになったのだ。
ホタル
手札2
マナ0/3
墓地0
next turn:ジュン
そして、ジュンのターン。
先ほどのターンはハンデスを行った彼であるが——
「俺のターン、《ボーンおどり・チャージャー》で山札の上から2枚を墓地へ。ターンエンド」
——今度は妨害ではなく、墓地肥やしとチャージャーによるマナ加速のみにその行動はとどまった。
とはいえ、余り闇のデッキに好き勝手させることは出来ないというのがレンとホタルの正直な感想であったが。
ジュン
手札3
マナ1/4
墓地3
next turn:レン
——ならば僕からも仕掛けていこう……僕の方にハンデスを撃たなかったことを後悔させてやる。
4枚のマナをタップするレン。
そして唱えたのは——
「僕のターン。呪文、《カラフル・ダンス》を唱える」
カラフル・ダンス UC 自然文明 (4)
呪文
自分の山札の上から5枚を、マナゾーンに置く。その後、自分のマナゾーンのカードを5枚、墓地に置く。
※殿堂入り
「それは……!」
「効果で山札の上から5枚をマナゾーンに」
これで、一気にマナの数は9枚に。しかし、それだけではない。
レンは此処から5枚を選んで墓地に置く。
「《暗黒鎧ザロスト》、《デス・ハンズ》、《ダーク・ライフ》、《ジャスミン》、《ホネンビー》を墓地へ」
「……貴様は一体何を狙っている? 黒鳥レン」
「さあな?」
あくまでも自分のペースを崩さないレン。
ホタルが自分を守ると言ってくれた事を信じているからだろうか。
——いや、信じるしかないのだ。今は、今はただ——
レン
手札3
マナ3/4
墓地8
next turn:ライト
これにより、レンは墓地の準備は整ったと確信した。
残るはマナだけだ。
しかし。
「——まあ、残念だったとしか言いようがねぇな」
ライトは嫌な笑みを浮かべて言った。
「俺のターン、ドロー——マナチャージ」
タップされる龍の炎を含んだ7枚のマナ。
これこそが、蓬莱の最強の一角。
比類無き強さを誇る超戦の龍が現れようとする——
「銀河と羅王、2つの炎! 今こそ合わさって超戦せよ、《超戦龍覇 モルトNEXT》ッ!!」
- Act5:天王/魔王VS超戦/地獄 ( No.297 )
- 日時: 2016/03/31 16:55
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: AfTzDSaa)
超戦龍覇 モルト NEXT ≡V≡≡V≡ 火文明 (7)
クリーチャー:ガイアール・コマンド・ドラゴン/ヒューマノイド爆/ドラグナー 9000
マナ武装 5:このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のマナゾーンに火のカードが5枚以上あれば、火のコスト5以下のドラグハートを1枚、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。(それがウエポンであれば、このクリーチャーに装備して出す)
龍マナ武装 5:各ターン、このクリーチャーがはじめて攻撃する時、自分のマナゾーンに火のドラゴンが5体以上あれば、攻撃の後、このクリーチャーをアンタップする。
W・ブレイカー
現れたのは、火のドラグナー《グレンモルト》の最終形態、《モルトNEXT》。黄金の鎧に身を包んだ拳士は、その両手を突き上げて龍の要塞を呼び出す。
超次元の穴が今こそ開く——
「マナ武装5によってコスト5以下の火のドラグハート、《爆熱天守 バトライ閣》を2D龍解状態でバトルゾーンへ!」
そして、現れたのは龍の天守閣。
以前ヒナタも使っていたドラグハート・フォートレスだが、ヒナタ同様要塞のままバトルゾーンへ繰り出す。
その効果はレンもホタルも知っていたため、戦慄した。
自分のドラゴンが攻撃する時、山札の上を捲ってそれがドラゴンならばバトルゾーンに出せる事、そして自分がドラゴンを出したときにそれがターンに初めて出したものでなければドラゴンの姿へと成り、《爆熱DX バトライ武神》となるのだ。
——ヒナタ先輩と同じカードをこの人も持ってるなんて——!
「《モルトNEXT》はスピードアタッカーじゃないからターンエンドだ」
ライト
手札1
マナ0/7
墓地2
next turn:ホタル
「……私のターン」
幸い、ドラグナーの方がスピードアタッカーではなかったので攻撃はしなかった。
それに、今回のルールだとシールドが10枚あるので、叩き割りきれないと判断してのチョイスか。
——蓬莱の最強のドラグハートは《バトライ》じゃないはず……! 正体が分からないカードがまだある……!
ともかく、出されたものは仕方ない——そう判断した彼女は次の一手に移る。
「《ララァ》でコストを2下げて、3マナで《音感の精霊龍 エメラルーダ》を召喚です」
現れたのは音感を司る天使龍。その効果により、ホタルはシールドを1枚手札に加える。
そして、手札から1枚をシールドに置いた。
——頼みました……!
「レン先輩。あれを使います」
「……よし、心得た」
「ターンエンドです」
ホタル
手札1
マナ1/4
墓地1
next turn:ジュン
「何だぁ? 何を仕込んだ? まあ、関係ねえか」
「油断するな、兄貴。幾ら1年と2年と言えど、相手には黒鳥レンがいるんだ。注意しろ」
「あの暁ヒナタと同率か。くだらねぇなあ。暁ヒナタなんざ、俺のモルトNEXTの前で瞬殺よ」
「それを世間は驕り高ぶっているというんだ」
「黙れ。俺に勝てない道理はねぇ」
「とにかく、兄貴はもう少し待て。完璧な場を俺が作る」
言ったジュンはカードを引いた。
そして、5枚のマナを全てタップする。
呼び出すのは、闇に染まった漆黒のドラグナーだ。
「《龍覇 ニンジャリバン》召喚! その効果で、《龍魂遺跡 グリーネ》をバトルゾーンへ!」
「またフォートレス……!」
「その効果で山札の上から1枚をマナに!」
忍び装束の人形が呼び出したのは、巨大な大地の遺跡。
そして、そこから恵みがもたらされた。
これでジュンのマナは6枚、次のターンに7枚になる。
こちらも準備を進めているということなのだろうか。
——まずいな……カードパワーの頭がおかしいドラグハートをこれ以上出されるのは危険……だからと言って、何か手段があるわけでもない……!
妨害の手段を持たないレンは思考する。
此処は——自分に出来ることをやるしかないのではないか、と。
「ターンエンドだ」
ジュン
手札2
マナ1/6
墓地3
next turn:レン
レンは考えた。
自分がやるべきことを。
ホタルは必死で自分を守ろうとしている。
——僕がそれに応えないでどうするというんだ!!
「僕のターン、ドロー!」
迷わずカードを引いた。
自分が今出来ることは——
「《超次元 フェアリー・ホール》! 効果でマナを1枚増やす!」
——こっちも超次元への扉を開くことしかない。
「《魂の大番長 「四つ牙」》をバトルゾーンへ!」
超次元の扉が開き、レンの背後に刀を得物として振り上げた4つの腕を持つ大番長が現れる。
「ターンエンドだ」
レン
手札2
マナ1/6
墓地9
next turn:ライト
ライトのターン。
此処で殴ってくることは流石に明確——しかし、下手に手札を与えるのも悪手と言えるこの状況。
カードを引いたライトは——笑むと言った。
「《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》を召喚——ターンエンドだ」
ごくり、と生唾を飲むホタル。
まだ攻撃しないようだった。
しかし、除去不可能の《バトライ閣》がある以上は油断が出来ない。
ライト
手札0
マナ0/8
墓地2
next turn:ホタル
「私のターン……呪文、《エンジェル・フェザー》を使って山札の上から3枚を捲り、その中から光のコマンドと呪文を手札に加えます」
表向きになるのは《提督の精霊龍 ボンソワール》と《フリーズ・チャージャー》、《ドラゴンズ・サイン》。
そして、彼女はその中から《ボンソワール》と《フリーズ・チャージャー》を手札に加えたのだった。
「……ターンエンドです」
ジュンからのハンデスを牽制しながら、手数を増やすホタル。
そのまま、レンに繋げていきたいところであるが……そこに、やはり双子の片割れが立ちはだかる。
ホタル
手札3
マナ2/5
墓地1
next turn:ジュン
「お遊びは此処までだ。そろそろ見せてやろう。我が蓬莱の開発した最凶のドラグハートを」
淡々と言ったジュンは、手札から1枚をマナに置くと、合計7枚となった闇一色のマナゾーンのカードを全てタップした。
どす黒い瘴気がそこから現れる。
「極限の地獄を耐え抜きし我が下僕よ……今こそ復活の時。さあ、見せてみろ、貴様の力を!! 《極・龍覇 ヘルボロフ》召喚!」
極・龍覇 ヘルボロフ R 闇文明 (7)
クリーチャー:デーモン・コマンド・ドラゴン/ファンキー・ナイトメア/ドラグナー 7000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト3以下のドラグハートを1枚、またはコスト5以下の闇のドラグハートを1枚、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。(それがウエポンであれば、このクリーチャーに装備して出す)
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から2枚を墓地に置いてもよい。
W・ブレイカー
現れたのは、チャンピオンベルトを腰に巻き、煉獄の鎌を両手で掲げた狼の縫い包み。
その正体は、デーモン・コマンド・ドラゴンの力さえもとうとう取り込んだファンキー・ナイトメア、《ウルボロフ》の成れの果てだ。
「その効果により、山札から2枚を墓地に置く。そして——」
そして、地獄の鎌を掲げる《ヘルボロフ》。
最凶のドラグハートを呼ぶために——
「成れの果てと書いて成果と読むとは、誰が言ったことかは忘れたが——これが俺の蓬莱で得た成果。効果により、コスト5以下の闇のドラグハートである《極魔王殿 ウェルカム・ヘル》をバトルゾーンへ!」
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