二次創作小説(紙ほか)
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- デュエル・マスターズ D・ステラ 【侵略世界編】
- 日時: 2017/01/16 20:03
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
【読者の皆様へ】
はい、どうも。二次版でお馴染み(?)となっているタクと申します。今回の小説は前作の”デュエル・マスターズ0・メモリー”の続編となっております。恐らく、こちらから読んだ方がより分かりやすいと思いますが、過去の文というだけあって拙いです。今も十分拙いですが。
今作は、前作とは違ってオリカを更にメインに見据えたストーリーとなっています。ストーリーも相も変わらず行き当たりばったりになるかもしれませんが、応援よろしくお願いします。
また、最近デュエマvaultというサイトに出没します。Likaonというハンドルネームで活動しているので、作者と対戦をしたい方はお気軽にどうぞ。
”新たなるデュエル、駆け抜けろ新時代! そして、超古代の系譜が目覚めるとき、デュエマは新たな次元へ!”
『星の英雄編』
第一章:月下転生
Act0:プロローグとモノローグ
>>01
Act1:月と太陽
>>04 >>05 >>06
Act2:対価と取引
>>07
Act3:焦燥と制限時間
>>08 >>10
Act4:月英雄と尾英雄
>>13
Act5:決闘と駆け引き
>>14 >>15 >>18
Act6:九尾と憎悪
>>19 >>21
Act7:暁の光と幻の炎
>>22 >>23
Act8:九尾と玉兎
>>25
第二章:一角獣
Act1:デュエルは芸術か?
>>27 >>28 >>29
Act2:狩猟者は皮肉か?
>>30 >>31 >>32 >>33
Act3:龍は何度連鎖するか?
>>36 >>37
Act4:一角獣は女好きか?
>>38 >>39 >>41 >>42 >>43 >>44 >>45
Act5:龍は死して尚生き続けるか?
>>48
第三章:骸骨龍
Act1:接触・アヴィオール
>>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55
Act2:追憶・白陽/療養・クレセント
>>56 >>57
Act3:疾走・トラックチェイス
>>66
Act4:怨炎・アヴィオール
>>67 >>68
Act5:武装・星の力
>>69 >>70
Act6:接近・次なる影
>>73
第四章:長靴を履いた猫
Act1:記憶×触発
>>74 >>75 >>76 >>77
Act2:龍素力学×龍脈術=3D龍解
>>78 >>79 >>80
Act3:捨て猫×少女=飼い猫?
>>81 >>82
Act4:リターン・オブ・サバイバー
>>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90
Act5:格の差
>>91 >>92 >>93 >>104
Act6:二つの解
>>107 >>108 >>109 >>110
Act7:大地を潤す者=大地を荒らす者
>>111 >>112 >>113
Act8:結末=QED
>>114
第五章:英雄集結
Act1:星の下で
>>117 >>118 >>119
Act2:レンの傷跡
>>127 >>128 >>129
Act3:警戒
>>130 >>131 >>132
Act4:策略
>>134 >>135
Act5:強襲
>>136
Act6:破滅の戦略
>>137 >>138 >>143
Act7:不死鳥の秘技
>>144 >>145 >>146
Act8:痛み分け、そして反撃へ
>>147
Act9:fire fly
>>177 >>178 >>179 >>180 >>181
Act10:決戦へ
>>182 >>184 >>185 >>187
Act11:暁の太陽に勝利を望む
>>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>193 >>194 >>195
Act12:真相
>>196 >>198
Act13:武装・地獄の黒龍
>>200 >>201 >>202 >>203
Act14:近づく星
>>204
『列島予選編』
第六章:革命への道筋
Act0:侵攻する略奪者
>>207
Act1:鎧龍サマートーナメント
>>208 >>209
Act2:開幕
>>215 >>217 >>218
Act3:特訓
>>219 >>220 >>221
Act4:休息
>>222 >>223
Act5:対決・一角獣対玉兎
>>224 >>226
Act6:最後の夜
>>228 >>229
Act7:鎧龍頂上決戦
Part1:無法の盾刃
>>230 >>231 >>232 >>233 >>234 >>235 >>236 >>239
Part2:ダイチの支配者、再び
>>240 >>241 >>242 >>243 >>244 >>245 >>246 >>247 >>248 >>250
Part3:燃える革命
>>252 >>253 >>254 >>255 >>256
Part4:轟く侵略
>>257 >>258 >>259 >>260 >>261
Act8:次なる舞台へ
>>262
第七章:世界への切符
Act1:紡ぐ言の葉
>>263 >>264 >>265 >>266 >>267 >>268 >>270
Act2:暁ヒナタという少年
>>272 >>273
Act3:ヒナとナナ
>>275 >>276 >>277 >>278 >>279 >>280 >>281
Act4:誓いのサングラス
>>282 >>283 >>284 >>285
Act5:天王/魔王VS超戦/地獄
>>286 >>287 >>295 >>296 >>297 >>298 >>301 >>302 >>303 >>304 >>305
Act6:伝説/閃龍VS獅子/必勝
>>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>323
Act7:青天霹靂
>>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331
Act8:揺らぐ言の葉
>>332 >>333 >>334 >>335 >>336
Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神
>>337 >>338 >>339 >>340 >>341 >>342 >>343
Act10:伝える言の葉
>>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351
Act11:連鎖反応
>>352
『侵略世界編』
第八章:束の間の日常
Act1:揺らめく影
>>353 >>354 >>359 >>360 >>361 >>362
Act2:疑惑
>>363 >>364
Act3:ニューヨークからの来訪者
>>367 >>368 >>369 >>370 >>371
Act4:躙られた思い
>>374 >>375 >>376 >>377
Act5:貴方の為に
>>378 >>379 >>380 >>381 >>384 >>386
Act6:ディストーション 〜歪な戦慄〜
>>387 >>388 >>389
Act7:武装・天命の騎士
>>390 >>391
Act8:冥獣の思惑
>>392
Act9:終演、そして——
>>393
第九章:侵略の一手
Act0:開幕、D・ステラ
>>396
Act1:ウィザード
>>397 >>398
Act2:ギャンブル・パーティー
>>399 >>400 >>401
Act3:再燃
>>402 >>403 >>404
Act4:奇天烈の侵略者
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>411
Act5:確率の支配者
>>412 >>413
Act6:不滅の銀河
>>414 >>415
Act7:開始地点
>>416
第十章:剣と刃
Act1:漆黒近衛隊(エボニーロイヤル)
>>423 >>424
Act2:シャノン
>>425 >>426
Act3:賢王の邪悪龍
>>427 >>428 >>429
Act4:増殖
>>430 >>431 >>435 >>436 >>438 >>439 >>440 >>441 >>442
Act5:封じられし栄冠
>>444
短編:本編のシリアスさに疲れたらこちらで口直し。ギャグ中心なので存分に笑ってくださいませ。
また、時系列を明記したので、これらの章を読んでから閲覧することをお勧めします。
短編1:そして伝説へ……行けるの、これ
時系列:第一章の後
>>62 >>63 >>64 >>65
短編2:てめーが不幸なのは義務であって
時系列:第三章の後
>>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103
短編3:文化祭(と言えば聞こえは良いが要は唯のスクランブル)
時系列:第四章の後
>>120 >>121 >>122 >>123 >>124 >>125 >>126
短編4:十六夜ノゾムの災厄な一日
時系列:第四章の後
>>149 >>150 >>153 >>154 >>155 >>156
短編5:恋情パラレル
時系列:第四章の後
>>157 >>158 >>159 >>160 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>173 >>174 >>175 >>176
短編6:Re・探偵パラレル
時系列:平行世界
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422
エイプリルフール2016
>>299 >>300
謹賀新年2017
>>443
登場人物
>>9
※ネタバレ注意。更新されている回を全部読んでからみることをお勧めします
オリジナルカード紹介
(1)>>96 (2)>>271
※ネタバレ注意につき、各章を読み終わってから閲覧することをお勧めします。
お知らせ
16/8/28:オリカ紹介2更新
- Act4:リターンオブ・サバイバー ( No.86 )
- 日時: 2015/05/23 11:17
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
***
ノゾムと流星魚αのデュエル。現在、ノゾムの場には《アクア操縦士 ニュートン》に《アクア・ガード》。
一方の流星魚αは、《威嚇するスマッシュ・ホーンα》をバトルゾーンに出していた。
威嚇するスマッシュ・ホーンα(アルファ) C 自然文明 (3)
クリーチャー:ホーン・ビースト[サバイバー] 2000+
SV−バトルゾーンにある間、このクリーチャーのパワーは+1000される。
サバイバー(このクリーチャーがバトルゾーンにある間、自分の他のサバイバーも上のSV能力を得る)
さらに、序盤からのマナ加速により、現在のマナのカードは4枚。
そして、今のマナチャージで5枚となった。
「敵影確認……現レヨ、《ツインヘッド・タートルβ》」
ツインヘッド・タートルβ(ベータ) UC 水文明 (5)
クリーチャー:ゲル・フィッシュ[サバイバー] 2000
SV−このクリーチャーが攻撃するとき、カードを1枚引いてもよい。
サバイバー(このクリーチャーがバトルゾーンにある間、自分の他のサバイバーも上のSV能力を得る)
「へっ、旧式種族なんざに負けてたまるかってんだぃ! 行くぜ、俺のターン!!」
『気をつけて、ノゾム! 油断は大敵だよ!』
「分かってらぁ! とっととぶっ倒してやるぜ!」
『それが油断って、何で分かんないかな……』
クレセントの心配をよそに、ノゾムも負けじとカードを引く。所詮、敵はパワーの低い雑魚敵である、という認識でしかなかったのだ。
事実、そうである。今は。
「オレは《アクア隠密 アサシングリード》を召喚! 《ツインヘッド・タートル》をバウンスするぜ!」
《アサシングリード》は現れた刹那、《ツインヘッド・タートル》の懐に切り込み、そのまま水流で押し流していく。
流星魚αの手札へ戻されたのだ。
だが、その程度で怯む敵ではなかった。
「敵三体、殲滅準備……! 呪文発動、《スーパー炎獄スクラッパー》」
「げっ」
今度は地獄の業火によって、ノゾムの《ニュートン》と《アサシングリード》が破壊される。
しかし、クリーチャー中心のデッキなのに、ブロッカーを何故破壊しなかったのだろう、とノゾムには疑問符が浮かんでいたのだった。サバイバー自体は知っている。しかし、余りにも古い種族でどんな効果のクリーチャーが居たかなんて知らないのである。ヒナタは知っていそうな素振りを見せていたが、これがやはり知識面における上級生と下級生の違いなのだろう。
それはともかく、ノゾムは守りを固めることにした。手札があまりよろしくないのである。
-----------畜生! 訳の分からん種族だ! 何してくるか、全く分からねぇ!
「オレのターンだ! 《アクア・スーパーエメラル》を召喚し、俺の手札とシールドのカードを入れ替える! ターン終了だ!」
準備を着実に整えていくノゾム。
しかし、相手は更なる攻め手を用意していた。
「《流星魚α》召喚……! コレニヨリ、我ガサバイバーハ全テブロックサレナクナル!!」
「ブロックされない!?」
流星魚α(スターブルー・フィッシュ アルファ) C 水文明 (6)
クリーチャー:フィッシュ[サバイバー] 3000
SV−このクリーチャーはブロックされない。
サバイバー(このクリーチャーがバトルゾーンにある間、自分の他のサバイバーも上のSV能力を得る)
この能力は地味に厄介だ。ブロッカーが置物になってしまったのである。
「くそっ、ブロックされねえ、か! だけどな! こちとら、ボケッてしてた訳じゃねえんだぜ! 時間は稼げた!」
ノゾムの高らかな宣言と共に、ノゾムの手札から新たなクリーチャーが現れた。
「行け、《龍覇 ガンバライダー》召喚だ!」
ノゾムが繰り出したのは、低コストのドラグナーであった。
さらに、それだけではない。
「効果で、《立体兵器 龍素ランチャー》を超次元ゾーンより装備する!」
立体兵器 龍素ランチャー P 水文明 (2)
ドラグハート・ウエポン
これを装備したクリーチャーが攻撃する時、カードを1枚引いてもよい。
龍解:自分のターンの終わりに、これを装備したクリーチャーがタップされていれば、このドラグハートをフォートレス側に裏返してもよい。
《龍素ランチャー》は、装備者が攻撃するたびに手札を補充することが可能なドラグハートだ。
しかも、まだ”2回”の龍解を残している。
「ターン終了だ!」
「我ノターン……」
此処で、一気に流星魚αは動いてきた。
「……《ブレイドラッシュ・ワイバーンδ》、召喚……!! サバイヴ発動、我ガクリーチャーハ全テW・ブレイカートナル!!」
ブレイドラッシュ・ワイバーンδ(デルタ) VR 火文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ワイバーン[サバイバー] 5000
SV−W・ブレイカー
サバイバー(このクリーチャーがバトルゾーンにある間、自分の他のサバイバーも上のSV能力を得る)
これにより、《スマッシュ・ホーン》と《流星魚α》は打点が一気に増えた。
《ブレイドラッシュ・ワイバーンδ》は、自分のサバイバー全員にW・ブレイカーを追加するサバイブ効果を持つのである。
「いや、大丈夫だ!! まだこっちにはブロッカーがある!!」
『ダメだよ、ノゾム!! 相手の《流星魚α》の効果で、こっちのブロッカーはほぼ置物になっちゃってるんだよ!?』
「くそったれ! 此処でアンブロッカブルが生きてくるかぁ!?」
「行ケ、《スマッシュ・ホーンα》デW・ブレイク!!」
都合よくシールド・トリガーが来るわけも無く。
ノゾムのシールドはブロッカーをすり抜けられて、無防備に2枚叩き壊された。
さらに、今度は《流星魚α》がシールドを叩き壊す。シールド、残り1枚。
手札にシールドを加えていく。
「これがサバイバーの戦い方……! 打点と味方の能力共有で、低いパワーを補ってやがる!」
『どうするの、ノゾム!』
「オレに言われても困るっつーの! ブロッカーは役に立たねぇし、どの道、《スマッシュ・ホーン》のパンプアップが地味に厄介だ。小型クリーチャーじゃ、殴り返そうにも殴り返せねぇ!! だが……」
砕かれたシールドの破片が光の束になって集束した。
今、《流星魚》が殴ったのは、先ほどノゾムが《アクア・スーパーエメラル》で入れ替えたシールドであった。
「S・トリガー発動! 《幾何学艦隊 ピタゴラス》で、てめーのクリーチャー2体をバウンスするぜ! まずはタップされていない《ブレイドラッシュ・ワイバーン》、そして《流星魚α》をバウンス!」
敵の場から、2体が消滅した。さらに。
「オレのターン! 《アクア・ガード》を《超閃機 ジャバジャバック》に進化!! そして《スマッシュ・ホーン》を攻撃し、破壊する!」
流れが向いてきた。
これで、相手の場は全滅だ。
「《ガンバライダー》でシールドブレイク!」
「ギッ……」
「効果でカードを1枚引くぜ。そして、ターンの終わりに《龍素ランチャー》の装備主がタップされているため-----------」
《龍素ランチャー》が光り輝いた。それは、龍の魂を要塞へ閉じ込め、完全なる龍として復活させるための準備だ。
龍素を充填し切ったドラグハートは、要塞・フォートレスへと姿を変えるのだ。
「2D龍解!! 《龍素戦闘機 エウクレイデス》!!」
- Act4:リターンオブ・サバイバー ( No.87 )
- 日時: 2015/06/01 01:44
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
***
場面変わり、ホタルとガリア・ゾールαのデュエル。現在、ホタルの場には《奇跡の玉 クルスタ》、《ピース・ルピア》の2体。
一方のガリア・ゾールαの場には《威嚇するスマッシュ・ホーンα》、《フウセンアワダケβ》の2体のクリーチャーが睨みを利かせていた。
ホタルの場にいる《クルスタ》は、新種族:ジャスティス・オーブ。ジャスティス・ウィングのオーブが意思を持ち、クリーチャーとなったものだ。
『編成がより攻撃的になっているな』
ハーシェルが自分の心に呼びかけてくる。
「はい、より攻撃的にしたんです」
『成る程。だが、奴もそう簡単に勝たせてはくれまい』
ガリア・ゾールのターン。現在、敵のマナは5枚溜まっていた。
「私ノターン、《鉄壁の守護者 ガリア・ゾールα》ヲ召喚」
来た。敵の分身となるクリーチャーだ。
次の瞬間、《ガリア・ゾールα》から透明な防御壁が現れる。それが全てのサバイバーを覆っていく。
「サバイヴ発動。サバイバーハ全テ、ブロッカートナル」
鉄壁の守護者ガリア・ゾールα(アルファ) C 光文明 (5)
クリーチャー:ガーディアン[サバイバー] 2000
SV−ブロッカー
サバイバー(このクリーチャーがバトルゾーンにある間、自分の他のサバイバーも上のSV能力を得る)
これは地味な被害だ。《スマッシュ・ホーン》で全員のパワーは+1000されている。
しかも、《フウセンアワダケβ》の破壊されたらマナに送られる効果も発動しやすくなったといえる。
「ターンエンドダ」
「私のターン!」
カードを引くホタル。今回はハーシェルが居るからか、より心持ちは強くなっていた。
「呪文・《ヘブンズ・チャージャー》! 《ガリア・ゾール》をタップします!」
そして、チャージャーの効果により、使ったカードをマナゾーンへ送るホタル。これで5マナだ。
「そして、《ピース・ルピア》で《ガリア・ゾール》を攻撃です!」
「《フウセンアワダケβ》デ、ブロック」
2体のバトルが始まった。しかし、《ピース・ルピア》の放った光弾で《フウセンアワダケ》は一瞬で塵と化す。
破壊されたときの効果で、《フウセンアワダケ》はガリア・ゾールのマナゾーンへ。
「ターン終了です!」
『《ピース・ルピア》は地味にパワーが4000と高い。今のは良かったぞ』
「しかも、破壊されても相手をタップできますから!」
得意気に言うホタル。
しかし、ガリア・ゾールは次なる手を用意していた。
「私ノターン。《ギガリングα》召喚」
今度は、場のサバイバー全員に黒い霧がかかった。
何やら怪しい雰囲気だ。
「サバイヴデ、場ノ全員ハスレイヤートナッタ」
ギガリングα(アルファ) C 闇文明 (5)
クリーチャー:キマイラ[サバイバー] 2000
SV−スレイヤー
サバイバー(このクリーチャーがバトルゾーンにある間、自分の他のサバイバーも上のSV能力を得る)
これによって、ガリア・ゾールの場のサバイバーは、ブロッカーを持つスレイヤーとなる。
これでは迂闊に攻撃できない。
「ターン終了ダ」
これでは、攻めづらい。攻撃しようとすれば、パワーかスレイヤーのどちらかの要因で破壊されてしまう。
「私のターンです! とりあえず、《ガガ・ピカリャン》召喚! 効果でカードを1枚引きます! ……ターン終了です」
《ピース・ルピア》は相手プレイヤーを攻撃できない。スレイヤーもいる今、ホタルは攻める手を止めてしまったのだった。
それを好機と見たのか。ガリア・ゾールはさらなる手段に出た。
「《光器ペトローバ》召喚。サバイバーヲ指定、サバイバーノ攻撃力ヲ4000アップ」
光器ペトローバ SR 光文明 (5)
クリーチャー:メカ・デル・ソル 3500
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、メカ・デル・ソル以外の種族を1つ選ぶ。その種族のクリーチャーすべてのパワーは+4000される。
相手がクリーチャーを選ぶ時、《光器ペトローバ》を選ぶことはできない。
自ら以外の種族をパンプアップするペトローバ。これにより、ガリア・ゾールの場のクリーチャーは完全にホタルのクリーチャーのパワーを上回った。
---------失敗しました……! もたもたしてる間に、手に負えなくなるほど強くなるなんて!
「ターン終了ダ」
何とかして、攻勢に出たいところだ。
「どうにかしないと……! とりあえず、《クルスタ》を《聖球 リブリバリア》に進化!」
現在、これによってホタルの場のクリーチャーは《リブリバリア》(P6000)と《ピース・ルピア》(P4000)、《ガガ・ピカリャン》(P2000)の3体となった。
一方、ガリア・ゾールは《ガリア・ゾールα》(P7000)、《スマッシュ・ホーンα》(P6000)、《ギガリングα》(P7000)、《光器ペトローバ》(P3500)の4体。
純粋なパワー勝負でも、物量でも負けているのだ。
「私ノターン……。行クゾ、《スマッシュ・ホーン》進化ッ!! 《シータ・トゥレイト》ニ!」
シータ・トゥレイト P 自然文明 (6)
進化クリーチャー:サバイバー 3000
進化−自分のサバイバー1体の上に置く。
S・トリガー
このクリーチャーがバトルゾーンにある間、バトルゾーンにある自分のクリーチャーはすべて、それぞれの種族に加えてサバイバー種族を得る。
現れたのは、虎、カマキリ、植物がキメラのように合体したクリーチャーだった。
その効果により、《ペトローバ》の肉体が、ベキベキと音を立てて膨れ上がっていく。
『まずいぞ、ホタル! 《シータ・トゥレイト》の効果で、《ペトローバ》がサバイバーになってしまう!』
「え!? ってことは------------!!」
《光器ペトローバ》(P7500)、《シータ・トゥレイト》(P7000)。
このままでは、もうブロッカーでは凌ぎきれない。他のクリーチャーのパワーはそれぞれ1000下がったが、《スマッシュ・ホーン》はかなり軽量のクリーチャー。
つまり。
「《スマッシュ・ホーン》ヲ再ビ召喚。一斉攻撃ニ入ル……!!」
召喚しやすいということだ。これにより、全員のパワーが再び+1000された。もはや、ただのブロッカーで止められる量ではないのだ。
「《シータ・トゥレイト》デ、シールドブレイク!」
「くっ……! 《ピース・ルピア》でブロックします!」
破壊された《ピース・ルピア》だが、その能力によって《ペトローバ》を止める。
しかし、攻勢は未だ止まらず。
「《ギガリングα》デ、シールドブレイク!」
「きゃうっ!」
ついに、敵の侵攻はシールドに及び始めた。
シールド、残り4枚。
「ターンエンドダ……!」
最低限の守りは残したのか、自らは攻撃に出向かなかった、ガリア・ゾール。
しかし、この状況はかなりまずい。
「私のターン……! 引かないと……!」
怖い。この一手を引くのが。まるで、デッキが手から遠ざかっていくようだった。
「ドロー……!」
ぴん、とホタルは直感で感じた。
まだ、諦めるのは早い、と。
『俯くのはまだ早い! 真の救世主とは! 諦めなければ、必ずやってくるのじゃ! ワシはヌシの騎士(ナイト)になるのだと、決めたのだからな!』
「……ありがとう、ハーシェル」
まだ、ホタルは自分に希望が残されていることを確信した。
----------まだ、闘える!
「行くよ」
言葉を紡いだ彼女の瞳は、輝いていた。
なぜなら、手札に来たのは-----------
「天を突け! 純潔と純粋を司るユニコーンよ、天命に誓って私を護りなさい! 《麟英雄 一角のハーシェル》召喚です!」
- Act4:リターンオブ・サバイバー ( No.88 )
- 日時: 2015/05/23 19:19
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
***
場所変わり、ヒナタとブレイズザウルスαのデュエル。
現在、ヒナタの場には懐かしのアウトレイジ、《一撃奪取 トップギア》が1体。一方のブレイズサウルスαは、自分自身・《ブレイズザウルスα》に加え、《威嚇するスマッシュ・ホーンα》を出していた。地味にパンプアップが(以下略)
「とりあえず、俺は《ジェット・ポルカ》を召喚! ターン終了だ!」
ジェット・ポルカ UC 火文明 (4)
クリーチャー:ファイアー・バード炎 2000
自分の進化クリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーをアンタップする。
《ジェット・ポルカ》は、このままではスペックの低い唯の焼き鳥だ。
そして、パンプアップ効果で殴り合いにもこのままでは不利。
このままでは、だが。
「ギッシャアアアアアアアアア!!」
知能は低いのか、叫びを上げるのみの《ブレイズサウルスα》。
しかし、カードゲームできるだけの知能はあるってどういうことだよ。
それはともかく、《フェアリー・ライフ》でマナを加速したのみに留まったのが幸いか。
『ゲホッ、ゲホッ』
「無理すんな、白陽」
『だが、気をつけろ……私でも何が来るか、さっぱり分からん』
「オーケー、気をつけるぜ」
落ち着いた態度でデュエマに臨むヒナタ。そのまま、新たにカードを1枚手札に加えた。
が、しかし。あまりよろしくはないようだ。
----------ちっ、肝心のあいつが来ないと、全く意味がねぇじゃねえか。まあ良い、ここはコイツで決める。
「俺は《鬼切丸》を召喚! 効果で、パワーは4000になるぜ!」
それだけではない。召喚酔いをしない、スピードアタッカーだ。何をするか分からないなら、何かされる前に止めを刺す。それだけだった。
「行け! 《鬼切丸》でシールドブレイク!」
そう思い、迂闊に手を出したのが運の尽き。
割られたシールドが光の束となって集束する。
S・トリガーに見事に当たってしまったようだった。
次の瞬間、《鬼切丸》と《トップギア》は一瞬で炎に包まれ、燃えカスとなって消滅する。
《めった切り・スクラッパー》。敵の合計コスト6以下になるように破壊する呪文だ。恐らく、現時点で手が付けられない《鬼切丸》と、システムクリーチャーである《トップギア》を狙い、破壊したのだろう。
『場には非力な《ジェット・ポルカ》のみ、か』
「くそっ、確実に殺せる奴だけ残してきたか」
しかし、《ジェット・ポルカ》を出しているのに意味が無いわけではない。このデッキに組み込まれた、とあるギミックのために入れているのだから。
「ターン終了だ」
さて、ヒナタはサバイバーについての知識は、ある程度あった。
デュエル・マスターズが始まった頃、第四弾に収録されたのが始まりで、味方と自分の能力を共有し、強くなっていくのが特徴だということ。
つまり、数を並べられるのが非常に厄介だということだ。
いや、そんなことは分かりきっている。
問題は、更に”根底”に存在するのだ。単純明快な問題である。
「ギッシャアアアアア」
叫びを上げた《ブレイズサウルスα》。そのとき、新たなサバイバーが現れる。
次の瞬間、要塞のようなクリーチャーが空中に現れた。
これは、先ほど目にしたものと全く同じだ。ブレイズザウルスの手札に、山札から《ギガリングα》が加えられる。
《シェル・ファクトリーγ》。その効果は、バトルゾーンに出た際に山札からサバイバーをサーチすることができるというもの。
そして、最も恐ろしいのは、それをサバイバー全体で共有することができるということだ。
クリーチャーを出したら、普通手札が1枚減る。が、しかし。これによって、手札は減らなくなるのである。
お分かりだと思うが、その際の展開力はマナ尽きぬ限り、だ。並べてナンボのサバイバーに、これ以上増殖されたのでは溜まったモンではないのである。
「くそったれ! 自分が出てきた要塞まで使うのかよ、こいつら!」
悪態を付くヒナタ。既に、先ほどのスクラッパーを食らって、クリーチャーは全滅状態だというのに。
しかし、これだけ展開したにも関わらず。ブレイズザウルスは自らターンを終えるのだった。
「……あまり殴ることには積極的じゃねえみたいだな」
単なるビートダウンではないのか。確かに、此処までのクリーチャーは、殴ったらすぐに返しのターンで死んでしまいそうなほど、貧弱であった。
殴りあうのには向いていないのだろう。
「なら、こっちも好きなだけやらせて貰うぜ! 俺は《エヴォル・メラッチ》召喚!」
今回、ヒナタは今までのデッキに更なる改良を加えた。
その要因が、”ファイアーバード炎”であった。
今までの大型を出すことも出来るデッキは魅力的ではある。しかし、大火力を”手軽”に、もっと”早く”使えないものか、と模索した結果。
新たなる種族に行き着いたのだ。
「《エヴォル・メラッチ》の効果で山札から4枚を見て、その中から進化クリーチャーを選んで手札に加えるぜ」
カードを4枚捲り、その中から目当てのカードを選ぶ。
---------来た!
「俺は、《ゴウ・ブレイクドラゴン》を手札に加える!」
エヴォル・メラッチ P 火文明 (3)
クリーチャー:ファイアー・バード炎 1000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から4枚を見る。その中から進化クリーチャーを1体、相手に見せてから自分の手札に加えてもよい。その後、残りを好きな順序で自分の山札の一番下に置く。
新たなる熱血の炎を宿す龍。それが、《ゴウ・ブレイクドラゴン》だった。しかし、このターンはこれ以上、動くことは出来ない。
そのくせ、まだ相手は秘密兵器を隠しているやもしれないのだ。油断はならない。
見えない敵に警戒を向けつつ、ヒナタはターンを終えた。
ブレイズザウルスのターン。手札を引いたブレイズザウルスは、先ほどと同様、クリーチャーを並べると思われた。
「ギッシャアアアア!!」
次の瞬間だった。
場にある《ブレイズザウルスα》の体が光り輝く。
それは、まさしく----------
『---------あれは、進化か!?』
「おいおい、うそだろ、冗談じゃねえぜ!!」
ベキベキ、と音を鳴らし、現れたクリーチャーの名を幸か不幸か、ヒナタは知っていた。
「あいつは------------《シグマ・トゥレイト》!?」
- Act4:リターンオブ・サバイバー ( No.89 )
- 日時: 2015/06/01 01:47
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
***
「《龍素戦闘機 エウクレイデス》、龍解完了!!」
2D龍解を果たしたノゾムは、何とか次のターン、耐えしのげるか心配になった。
手札は4枚。《エウクレイデス》の龍解条件は、手札がターンの始めに5枚以上あることであるが、十分に条件は達成できるはずだ。
「マダダ……我ガターン……ドロー」
しかし、相手も諦めるつもりは毛頭無いらしい。完全にこのターンで攻めきるつもりなのである。
ノゾムは冷や汗が垂れるのを感じた。このターンは、何が何でも耐え凌がねばならない。
「《スフィンティラノスβ》、《流星魚α》、召喚……!! 効果ニヨリ、両方共スピードアタッカー、アンブロッカブル……!」
「げっ」
まずい。もう、ノゾムのシールドは1枚しか残っていないのである。
ブロッカーも最早、使い物にならないため、祈るしかない。
「《スフィンティラノスβ》デシールドブレイク……!!」
ノゾム、シールド残り1枚。
割られたシールドは、光となって---------------集積しなかった。
「S・トリガーは……無いぜ」
「ソウカ」
流星魚は、淡々と抑揚の無い声で言った。
そして、最後の一撃をノゾムに向けた」
「《流星魚α》デ、ダイレクトアタック----------------!!」
突貫する流星魚。目の前の夷敵を貫かんとばかりに。
ノゾムの顔は俯いて見えなかった。
そして、その顔を流星魚へ向ける。
その顔は--------------勝利を確信した笑みであった。
「----------だが、手が尽きたとは一言も言ってないぜ!!」
ぎょっ、と流星魚は悪寒が走った。しかし、攻撃を今更止めることなどできない。
それに、ハッタリだと思ったからだ。
しかし。
「-----------ニンジャ・ストライク7発動!! 《斬隠オロチ》召喚!! 効果で《スフィンティラノスα》を破壊するぜ!」
----------何ッ!?
流星魚の顔が驚愕で歪む。
そして、次の瞬間、自らのバックに居た《スフィンティラノス》が一瞬で激流に押し流され、砕け散ったのが見えた。
さらに、流星魚の山札から《フウセンアワダケβ》が現れる。しかし、この状況では何の役にも立たない。
「ヒナタ先輩のお古だけどよー。これ、かなり役に立つんだぜ」
『ヒーローってのはさー、奥の手を最後まで隠しておくモノだもんねー! 作戦、大成功だよー、のぞむー!』
「さーて、目の前の魚野郎をスクラップにしてやろうじゃねえか」
ノゾムの眼は、完全に目の前の敵を狩るハンターのそれと同じであった。
「そして、《スフィンティラノス》が居なくなったってことは! もう、スピードアタッカーを追加できるクリーチャーはいねえ! つまり、その攻撃はキャンセルされるぜ!」
「ギィィィ!? バ、バカナ……!!」
サバイバーは数を増やすことで厄介になる。逆に言えば、何かを減らしてしまえば、もう何も出来なくなってしまうのだ。
もう、流星魚に残された行動は無かった。
そして、ヒーロータイムの幕開けである。
「俺のターン! ターンの始めに手札が5枚以上あるため、《エウクレイデス》を龍解させる!!」
龍素戦闘機 エウクレイデス P 水文明 (4)
ドラグハート・フォートレス
自分の水のクリーチャーが攻撃する時、カードを1枚引いてもよい。
龍解:自分のターンのはじめに、自分の手札が5枚以上あれば、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップしてもよい。
龍素を原動力に飛行する戦闘機は、龍素を更に取り込み、真の龍へと昇華する。
結晶に包まれた、神秘のクリスタル・コマンド・ドラゴンへと、昇華する。
「その咆哮、強きを挫き、悪を貫く刃となれ!! そして、未来を掴み取れ!! 3D龍解!!」
龍の鼓動が聞こえた。《エウクレイデス》の機体が折り込まれ、次第に龍へと近くなっていく。
羽が広がり、首が伸び、手足が顕現した。
今此処に、ドラグハート・クリーチャーとして龍解を成し遂げたのだ。
「その正義を立証せよ、《龍素記号Ad ユークリッド》!!」
龍素記号 Ad ユークリッド P 水文明 (7)
ドラグハート・クリーチャー:クリスタル・コマンド・ドラゴン 7000
自分のクリーチャーが攻撃する時、カードを1枚引いてもよい。
W・ブレイカー
これで、打点が増えた。そして、十分に相手を攻撃できる範囲である。
「《ジャバジャック》でシールドをW・ブレイク!!」
「ギヤァァァ!!」
「《ユークリッド》でW・ブレイク!! 効果で1枚カードをドローする!」
敵のシールド・トリガーは無い。
そして、ノゾムは一気にチェックメイトを仕掛けた。
「---------《龍覇 ガンバライダー》でダイレクトアタック!!」
***
一方のホタルは、遂に《ハーシェル》を引くことに成功したのだった。
「ハーシェルの効果で、ターンの終わりにカードを1枚シールドゾーンにおきます!」
此処では、あくまでも守りを固めることに専念するホタル。
そして、遂にガリア・ゾールは一気に攻めてきたのだった。
「要塞化・《紫電城 バルザーク》。効果デ、私ノクリーチャーノシールドヲブレイクスル数ヲ二倍ニ!」
紫電城バルザーク SR 火文明 (5)
城−自分のシールドをひとつ選び、このカードを付けて要塞化する。 その要塞化されたシールドがシールドゾーンから離れた時、このカードを自分の墓地に置く。(「S・トリガー」能力を使う場合は、このカードを墓地に置く前に使う)
バトルゾーンにある自分のクリーチャーがブレイクするシールドの数を2倍にする。
この城を付けて要塞化したシールドが他の城によって要塞化されていなければ、そのシールドが相手のクリーチャーにブレイクされる時、かわりに他のシールドを1枚手札に加えてもよい。
まずい。相手が5色レインボーであることを失念していた。ダメ押しに打点増強の手段まで持っているとは!
このまま、ガリア・ゾールはホタルを攻め落とすつもりなのである。
「《ギガリングα》デW・ブレイク」
砕け散ったシールドの破片が身体に振り注ぐ。身体を切り裂いていく。
「くっ、ホタル……! すまぬ、ワシがいながら不甲斐ない……!」
「私は、大丈夫です……。それより、後でしっかり治してくださいね?」
「ああ。そのためにも勝たないとな!!」
《シータ・トゥレイト》による二撃目が襲い掛かった。
シールドが二枚、再び砕け散る----------
「来た、S・トリガー発動! ハーシェルのマナ武装7で私のシールドの光のドラゴンは、全てトリガーヒットします!」
ビキッ、とガリア・ゾールの無機質な身体からヒビの入るような音が鳴る。
「---------バ、バカナ」
「《聖霊龍王 ミラクルスター》を、《ガガ・ピカリャン》から進化させます!」
現れたのは、奇跡を司る輝く龍。その咆哮で、全てを浄化してしまうほどだ。
そして、奇跡は起こった。残るガリア・ゾールのクリーチャー2体を一瞬でフリーズさせてしまったのである。
聖霊龍王 ミラクルスター P 光文明 (6)
進化クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン 12000
進化−自分の光のクリーチャー1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを2体選び、タップする。そのクリーチャーは次の相手のターンのはじめにアンタップされない。
T・ブレイカー
「いきますよ! 私のターンです!」
逆転。そして、一気に追い込みをかけていく。
「《ミラクルスター》でT・ブレイク!!」
ガリア・ゾールのシールドが3枚、吹き飛ばされた。もともと、クリーチャーで制圧するタイプのデッキであるサバイバーには、S・トリガーは余り入れられていない。
つまり。
「《リブリバリア》でシールドをW・ブレイク!!」
最早、成す術も無く。
最後は、虚偽に塗れた光さえもかき消す、ユニコーンの粛清が下ったのだった。
「《ハーシェル》でダイレクトアタックです!!」
- Act4:リターンオブ・サバイバー ( No.90 )
- 日時: 2015/06/02 02:42
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
***
一方のヒナタとブレイズザウルスのデュエル。完全にヒナタは敵の切札、《シグマ・トゥレイト》の進化を許してしまった。
先ほどからヒナタが焦りに焦っていた、単純明快な問題。種族デッキを相手にする際、最も恐れなければならないこと。
それは、”進化クリーチャー”の存在であった。
「グオオオオオオン!」
咆哮を上げるブレイズ・ザウルス、いやシグマ・トゥレイト。本体も本来のクリーチャーとしての姿を現したのだった。
しかし、相手は未だに動く様子が無い。それどころか、そのままターンを終えてしまったのだった。
----------何だコイツ、また殴らなかったぞ……!?
敵の行動に違和感を禁じ得ないヒナタは、とにかく何かされる前に攻めきることを選ぶ。
「俺のターン、ドロー! そして、《エヴォル・メラッチ》進化!!」
叫ぶヒナタ、同時に炎に身を包んだ鳥《エヴォル・メラッチ》が革命の熱に身を焼き、自らを更なる存在へと昇華させる。
----------ドラゴンを超えるもう1つの新たなドラゴン! それが、メガ・コマンド・ドラゴンだ!!
「頼むぜ、《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》!!」
現れたのは、飛行機のようなパーツが体中についた、炎を吹く竜・《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》だった。
「《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》の攻撃時能力発動! 俺の場の《ジェット・ポルカ》をタップするぜ!」
ゴウ・ブレイクドラゴン VR 火文明 (5)
進化クリーチャー:メガ・コマンド・ドラゴン 6000
進化クリーチャー−自分の火のクリーチャー1体の上に置く。
このクリーチャーが攻撃する時、攻撃の後、バトルゾーンにある自分の火のクリーチャーを1体タップしてもよい。そうした場合、このクリーチャーをアンタップする。
W・ブレイカー
咆哮する《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》。身体から溢れ出る炎は、止まることを知らない。
そして、一気にシグマ・トゥレイトのシールドを叩き割る。そして、再び起き上がったのだった。
《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》の効果は、簡潔に説明すれば味方のクリーチャーの行動を犠牲にする代わりに、自らを再び起き上がらせるというものだ。
しかし。
「《ジェット・ポルカ》とのコンボ発動! 《ジェット・ポルカ》は進化クリーチャーが攻撃するとき、アンタップする!」
不屈の魂を持つファイアーバード炎もまた、何度でも起き上がるのだ。つまり、これによって《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》は何度でも攻撃することが出来るようになったのだ。
つまり、《ガイグレン》よりも更に速く、無限攻撃を繰り出すことが可能なのである。
『考えたな、ヒナタ』
「へへっ、どんなもんだ! 《ガイグレン》は確かに強力だ。だけど、条件がちーと厳しいのさ。だから、俺は更にビートに特化させた編成に組み込むために、こいつを使うことにした! このまま、押し切ってやる!!」
叫んだヒナタは、《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》で二撃目を放つ。咆哮する竜、それに炎を供給し、再び起き上がらせる炎鳥。
この2つが合わさり、シグマ・トゥレイトのシールドは残るところ1枚になったのだった。
しかし。運命は平等に配られるもの。そう簡単にはいかなかった。
割られたシールドが集束し、放たれたのは--------------1つの大太刀だった。
それが《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》を一瞬で真っ二つにする。断面から炎を吹き出して、《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》は爆発四散した。更に、巨大な鉄槌が《ジェット・ポルカ》を押しつぶす。
「《めった切り・スクラッパー》に《グシャット・デストロイ》か……! 運が良い奴だぜ!」
『仕方があるまい。此処で運を恨んでも何も始まらないぞ、ゲホッゲホッ』
「チッ、ターンエンドだ」
しかし、此処まで相手が一切の攻撃をしなかった理由がわからない。下手をすれば除去される可能性があったというのに------------
そんな余裕は一瞬で粉砕されることになった。
「ゴオオオオオオオオオン!!」
一瞬で、3体のサバイバーがバトルゾーンへ現れた。《ブレイズザウルスα》に、2体目の《威嚇するスマッシュ・ホーンα》だ。それらが現れる度に、《シェル・ファクトリー》の効果でサバイバーが補充されていくので、手札が途切れない。
これによって、場のサバイバーは5体となった。
---------し、しまった!!
ヒナタは己の失念に気付いた。しかし、時既に遅し。次の瞬間には、ヒナタのシールドは”全て”割られていたのだ。
「ぐあああああああああああ!!」
言葉にならない悲鳴をあげるヒナタ。シールドの破片が一気に身体へ降り注ぐ。それが全身を切り裂いていく。
---------ワンショットキル、か-----------!!
シグマ・トゥレイト R 火文明 (6)
進化クリーチャー:サバイバー 9000
進化−自分のサバイバー1体の上に置く。
クルー・ブレイカー:サバイバー
数を並べるサバイバーと、最も相性が良い進化クリーチャー、《シグマ・トゥレイト》。
その唯一にして最大の能力は、クルー・ブレイカー:サバイバーだ。クルー・ブレイカーとは、特定のクリーチャーの数だけシールドのブレイク数を増やすことができるというもの。
敵のサバイバーは《シグマ・トゥレイト》を除いて、4体。ヒナタのシールドを全て叩き割るには容易かった。
今まで、この一撃のために相手は準備を整えていたのだ、とヒナタは痛感した。物理的にも、であるが。
そして、最後の一撃が襲い掛かる。《スマッシュ・ホーン》がヒナタを突き殺さんと、その巨大な角を振り上げた-------------!!
「だけど、まだ終わっちゃいねえ!!」
だが、ヒナタは諦めていなかった。
次の瞬間、目の前に居た《スマッシュ・ホーン》が破壊される。
S・トリガーだ。無理も無い。あれだけ多くのシールドを叩き割ったのだ。
出る可能性は無きに非ず、だった。
「《爆竜剣術 紅蓮の太刀》で《スマッシュ・ホーン》を破壊する!!」
しかし、まだ相手には《シェル・ファクトリー》が残っている。
だが、心配には及ばなかった。
「そして、もう1枚だ! S・トリガー、《破壊者 シュトルム》! 《シェル・ファクトリー》と《ブレイズザウルス》を破壊!」
破壊者 シュトルム 火文明 (7)
クリーチャー:アウトレイジ 3000
S・トリガー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手のクリーチャーをパワーの合計が6000以下になるように好きな数選び、破壊する。
新たなるアウトレイジ、《シュトルム》。その破壊火力は今までの常識を打ち破った。パワー6000以下破壊。スクラッパー呪文の新たな境地であった。
完全に攻め手を失ったシグマ・トゥレイトは沈黙するしかなかった。
そして。
「俺のターン!! 此処で勝負を決めるぜ!!」
ヒナタの瞳には、完全に勝利への確信が見えていた。
「《鬼切丸》を再び召喚! そのままシールドをブレイクだ!」
最後のシールドが叩き割られた。もう、相手に後は無い。
そして、最後の一撃は------------
「《破壊者 シュトルム》で、ダイレクトアタック!!」
-----------無法者によって、締められたのだった。
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