二次創作小説(紙ほか)

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デュエル・マスターズ D・ステラ 【侵略世界編】
日時: 2017/01/16 20:03
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)

【読者の皆様へ】
はい、どうも。二次版でお馴染み(?)となっているタクと申します。今回の小説は前作の”デュエル・マスターズ0・メモリー”の続編となっております。恐らく、こちらから読んだ方がより分かりやすいと思いますが、過去の文というだけあって拙いです。今も十分拙いですが。
今作は、前作とは違ってオリカを更にメインに見据えたストーリーとなっています。ストーリーも相も変わらず行き当たりばったりになるかもしれませんが、応援よろしくお願いします。

また、最近デュエマvaultというサイトに出没します。Likaonというハンドルネームで活動しているので、作者と対戦をしたい方はお気軽にどうぞ。


”新たなるデュエル、駆け抜けろ新時代! そして、超古代の系譜が目覚めるとき、デュエマは新たな次元へ!”



『星の英雄編』


 第一章:月下転生

Act0:プロローグとモノローグ
>>01
Act1:月と太陽
>>04 >>05 >>06
Act2:対価と取引
>>07
Act3:焦燥と制限時間
>>08 >>10
Act4:月英雄と尾英雄
>>13
Act5:決闘と駆け引き
>>14 >>15 >>18
Act6:九尾と憎悪
>>19 >>21
Act7:暁の光と幻の炎
>>22 >>23
Act8:九尾と玉兎
>>25

 第二章:一角獣

Act1:デュエルは芸術か?
>>27 >>28 >>29
Act2:狩猟者は皮肉か?
>>30 >>31 >>32 >>33
Act3:龍は何度連鎖するか?
>>36 >>37
Act4:一角獣は女好きか?
>>38 >>39 >>41 >>42 >>43 >>44 >>45
Act5:龍は死して尚生き続けるか?
>>48

 第三章:骸骨龍

Act1:接触・アヴィオール
>>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55
Act2:追憶・白陽/療養・クレセント
>>56 >>57
Act3:疾走・トラックチェイス
>>66
Act4:怨炎・アヴィオール
>>67 >>68
Act5:武装・星の力
>>69 >>70
Act6:接近・次なる影
>>73

 第四章:長靴を履いた猫

Act1:記憶×触発
>>74 >>75 >>76 >>77
Act2:龍素力学×龍脈術=3D龍解
>>78 >>79 >>80
Act3:捨て猫×少女=飼い猫?
>>81 >>82
Act4:リターン・オブ・サバイバー
>>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90
Act5:格の差
>>91 >>92 >>93 >>104
Act6:二つの解
>>107 >>108 >>109 >>110
Act7:大地を潤す者=大地を荒らす者
>>111 >>112 >>113
Act8:結末=QED
>>114

 第五章:英雄集結

Act1:星の下で
>>117 >>118 >>119
Act2:レンの傷跡
>>127 >>128 >>129
Act3:警戒
>>130 >>131 >>132
Act4:策略
>>134 >>135
Act5:強襲
>>136
Act6:破滅の戦略
>>137 >>138 >>143
Act7:不死鳥の秘技
>>144 >>145 >>146
Act8:痛み分け、そして反撃へ
>>147
Act9:fire fly
>>177 >>178 >>179 >>180 >>181
Act10:決戦へ
>>182 >>184 >>185 >>187
Act11:暁の太陽に勝利を望む
>>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>193 >>194 >>195
Act12:真相
>>196 >>198
Act13:武装・地獄の黒龍
>>200 >>201 >>202 >>203
Act14:近づく星
>>204


『列島予選編』


 第六章:革命への道筋

Act0:侵攻する略奪者
>>207
Act1:鎧龍サマートーナメント
>>208 >>209
Act2:開幕
>>215 >>217 >>218
Act3:特訓
>>219 >>220 >>221
Act4:休息
>>222 >>223
Act5:対決・一角獣対玉兎
>>224 >>226
Act6:最後の夜
>>228 >>229
Act7:鎧龍頂上決戦

Part1:無法の盾刃
>>230 >>231 >>232 >>233 >>234 >>235 >>236 >>239
Part2:ダイチの支配者、再び
>>240 >>241 >>242 >>243 >>244 >>245 >>246 >>247 >>248 >>250
Part3:燃える革命
>>252 >>253 >>254 >>255 >>256
Part4:轟く侵略
>>257 >>258 >>259 >>260 >>261

Act8:次なる舞台へ
>>262


 第七章:世界への切符

Act1:紡ぐ言の葉
>>263 >>264 >>265 >>266 >>267 >>268 >>270
Act2:暁ヒナタという少年
>>272 >>273
Act3:ヒナとナナ
>>275 >>276 >>277 >>278 >>279 >>280 >>281
Act4:誓いのサングラス
>>282 >>283 >>284 >>285
Act5:天王/魔王VS超戦/地獄
>>286 >>287 >>295 >>296 >>297 >>298 >>301 >>302 >>303 >>304 >>305
Act6:伝説/閃龍VS獅子/必勝
>>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>323
Act7:青天霹靂
>>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331
Act8:揺らぐ言の葉
>>332 >>333 >>334 >>335 >>336
Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神
>>337 >>338 >>339 >>340 >>341 >>342 >>343
Act10:伝える言の葉
>>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351
Act11:連鎖反応
>>352


『侵略世界編』


 第八章:束の間の日常

Act1:揺らめく影
>>353 >>354 >>359 >>360 >>361 >>362
Act2:疑惑
>>363 >>364
Act3:ニューヨークからの来訪者
>>367 >>368 >>369 >>370 >>371
Act4:躙られた思い
>>374 >>375 >>376 >>377
Act5:貴方の為に
>>378 >>379 >>380 >>381 >>384 >>386
Act6:ディストーション 〜歪な戦慄〜
>>387 >>388 >>389
Act7:武装・天命の騎士
>>390 >>391
Act8:冥獣の思惑
>>392
Act9:終演、そして——
>>393


 第九章:侵略の一手

Act0:開幕、D・ステラ
>>396
Act1:ウィザード
>>397 >>398
Act2:ギャンブル・パーティー
>>399 >>400 >>401
Act3:再燃 
>>402 >>403 >>404
Act4:奇天烈の侵略者
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>411
Act5:確率の支配者
>>412 >>413
Act6:不滅の銀河
>>414 >>415
Act7:開始地点
>>416


 第十章:剣と刃

Act1:漆黒近衛隊(エボニーロイヤル)
>>423 >>424
Act2:シャノン
>>425 >>426
Act3:賢王の邪悪龍
>>427 >>428 >>429
Act4:増殖
>>430 >>431 >>435 >>436 >>438 >>439 >>440 >>441 >>442
Act5:封じられし栄冠
>>444


短編:本編のシリアスさに疲れたらこちらで口直し。ギャグ中心なので存分に笑ってくださいませ。
また、時系列を明記したので、これらの章を読んでから閲覧することをお勧めします。

短編1:そして伝説へ……行けるの、これ
時系列:第一章の後
>>62 >>63 >>64 >>65

短編2:てめーが不幸なのは義務であって
時系列:第三章の後
>>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103

短編3:文化祭(と言えば聞こえは良いが要は唯のスクランブル)
時系列:第四章の後
>>120 >>121 >>122 >>123 >>124 >>125 >>126

短編4:十六夜ノゾムの災厄な一日
時系列:第四章の後
>>149 >>150 >>153 >>154 >>155 >>156

短編5:恋情パラレル
時系列:第四章の後
>>157 >>158 >>159 >>160 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>173 >>174 >>175 >>176

短編6:Re・探偵パラレル
時系列:平行世界
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422

エイプリルフール2016
>>299 >>300

謹賀新年2017
>>443


登場人物
>>9
※ネタバレ注意。更新されている回を全部読んでからみることをお勧めします

オリジナルカード紹介
(1)>>96 (2)>>271
※ネタバレ注意につき、各章を読み終わってから閲覧することをお勧めします。

お知らせ
16/8/28:オリカ紹介2更新

Re: 【銀賞】デュエル・マスターズ D・ステラ【感謝】 ( No.227 )
日時: 2016/01/08 22:47
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: S0f.hgkS)

Orfevreさん


コメントありがとうございます。
まあ、あれですね。特にクレセント。多分、ノゾムもこいつには言われたくないとは思います。タクの作品の中でも屈指のバカップルの片割れのこいつには。

真面目なシーンでも安定の、というかもうこの人は多少無茶なこと言わせないとらしくないと思います。
というか、それ以上にこの人、幾つも先を見据えて物事を考えていますからね。

そして、何故わざわざ違うデッキで? という質問ですが、フジとしては特に敵を知る、ということに重点を置いているからですね。

後はノゾムとホタルですが、この2人も意外と意識しないと絡む機会が少なくなってしまいそうで、こういうところでちょいちょい入れていくしかないんですよね。この2人好きですけどね、作者としては。
まあ、激闘の前触れというのは間違っていないですね。というか、すぐ目の先に鎧龍サマートーナメントという激戦の舞台が迫っているわけですし。

というわけで、こんなもんですかね。次回も、どんどんこの作品の核心に迫っていくのでお楽しみに。それでは。

Act6:最後の夜 ( No.228 )
日時: 2016/01/13 21:00
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: S0f.hgkS)

***



「今日、やっと分かりました」
「んあ?」

 満面の笑顔で、ホタルは言った。

「私はノゾムさんと一緒に、世界に行きたい。だから、そのためにももっと強くなります」
「そうか」

 バス停に向かう途中の道で、彼女はまた笑みを浮かべた。
 
「だから、この特訓を猶更がむしゃらにやらないとって、改めて思ったんです」
「それはやっぱ、オレとのデュエルの中で、か?」
「はいっ!」

 何であれ、リフレッシュしてくれてよかった、とノゾムは安堵した。
 そう思っていた矢先に——自分の手の平に違う感触を感じた。
 見れば、ホタルの手が自分の手を握っていた。
 どきり、と胸が跳ねた。
 こんなこと、本当に初めてだったからだ。
 しかも、今度は完全に素のホタルがやっていることだから、顔が真っ赤になってしまう。

「行きましょう! ノゾムさん! バス、出ちゃいますよ!」
「あ、ああ……」

 彼女の積極的な行動に戸惑いながら、彼はそのまま、引っ張られる形で走っていったのだった——




 ***




『ヘ タ レ!!』
「誰だがこの野郎」

 ベッドに寝そべりながら、ノゾムは今日の事を思い出していた。
 あの戦いのとき、自分はホタルに「もっと彼女のことが知りたい」と言った。
 今日は、色んな意味で彼女のことが知れたと思う。
 そして、終始色々情けないところを見せてしまったのも反省してしまった。
 
『もっとノゾムも迫って良かったんだよ!? 女の子が自分から手を繋いでくるとか、めったにないんだよ!?』
「知らねーよ!!」
『アレはもう脈アリだよ!?』
「んだよ、それ!?」
『むぅ……じれったい』
「あのなぁ……勝手に話を飛躍させないでくれねーか……」 

 はぁ、と言うと彼女は続けた。

『そういえば。結局、ノルマ達成の見込みはあるの?』
「1つ、分かったことがある」
『?』
「もっと多くのデッキを調べていく必要があるってことだ」
『どゆことさ』
「なーに、すぐに分かることさ。この辺は、ホタルにも連絡とっておかねーとな」

 にやり、とノゾムはヒナタに影響されたのか、悪戯っ子のような笑みを浮かべたのだった。



 ***



 次の日。少し先輩達に遅れてノゾムとホタルは武闘ビルにやってきた。
 コトハとレンから、昨日何故来なかったのか、と問われたものの何とか誤魔化して2人は再びD・コクーンでの特訓を始めた。
 そして。
 ノゾムとホタルの勝率は高くなっていた。
 じわり、じわりとだが、昨日の分を取り返す程度にはそのペースは高くなっていた。
 そして、頭がスッキリしたのか、ホタルも迷いなくデッキを動かしていき——

「《ダースレイン》でダイレクトアタック!」

 ——100勝、という数字に押されていたこの間とは見違えるように勝ち数を稼いでいったのだった。

「何アレ。あの子達勝率高くなってないかしら、レン」
「成程。昨日、何かやったな」
「変な言い方するんじゃないわよ」
「大方、此処で勝率を稼ぐためのコツを掴んだと言ったところか。この調子ならば——」




 ***



 そして。最終日。
 各人の勝ち数は——



『黒鳥レン:92勝』
『如月コトハ:85勝』
『淡島ホタル:79勝』
『十六夜ノゾム:88勝』



 100に届くレベルとなっていた。
 ふむ、とこのデータを見たフジが各人を集めて言う。

「オーケー、分かった。残りの時間を使って、全員、何が何でも気合で100勝達成しろ。どうやらてめーらの目に、もう迷いはねぇみてぇだからな。特に——」

 ちらり、とフジはノゾムとホタルの方を一瞥する。

「テメェらの練度の上がりよう。流石は適合者と言ったところだな」

 だが、と彼は続けた。



「2人で仲良くデートに行くとは、感心しねぇなぁ? 十六夜、淡島」
「!?」
「!?」



 その場が凍り付く。

「な、なななな何で知って——私たちが遊んでたって知って——デート、デートって——」
「おいバカ!!」
「いやー、知ってるよ? 知ってるよ? だって俺様には《マキシマム・ザ・マックス》が居るもん。ついでに、クレセントとハーシェルの反応から逆追跡したのもあるんだけど」
「軽くそれプライバシーの侵害っすよね!?」
「おめーらが2人揃っていなくなったりするからだろーが」

 ギラリ、とレンとコトハの視線がノゾムとホタルを射ていた。はっきり言おう。クリーチャーであるアヴィオールの方がまだマシと思える程度には怖い。

「ほーう? リア充共め……」
「誤解!! 誤解っす、レン先輩!!」
「随分とまあ、あたしらが知らない間に……」
「違う! 違うんです!」

 ホタルも、フジの”デート”という言葉に反応する前に、この怖い先輩2人の眼光に戦くしかなかった。
 が、しかし。
 意外にも助け船を出したのは言い出した本人だった。
 
「いや、咎めてるわけじゃねえのよ。むしろ、”よく気付いた”と言うべきか」
「え? 武闘先輩、どういうことですか。こいつらは、幾ら休みが自由だからと言って——」
「”精神面の管理”。デュエリストにはそれが必要だ。実戦、そして生活面でな」

 彼曰く。
 押し際を理解できない者は、大抵負けるという。
 引き際を理解できない者は、大抵負けるという。
 勝手に頭の中で追い詰められて、精神が摩耗した状態では、デュエルは難しい。
 そこでだ。
 デュエリストとは、自分の精神がどういう状態にあるのかを見極める必要があるのだ。

「黒鳥、如月ィ。テメェらは既に幾つもの修羅場・正念場を潜り抜けているから、自分がいつ休むべきか分かるし、並み大抵のことじゃそうそう精神は摩耗しねえ。だが、こいつらは経験不足過ぎる。だからこそだ。敢えて”休む”という選択肢を選んだコイツらを褒めてやりてぇところだ。しかも、その後勝率上がってるし。大方、迷いが吹っ切れたってところか?」

 やはり只者ではない、と全員は確信した。
 この武闘フジという男、全てを見透かしているようだ。

「つーわけで、だ。残り時間——まあ、今日の24時までは待ってやる。家の方には連絡したら良いのかなー?」
「あ、ええ!?」
「まあ、じゃないと間に合わないですし……」
「明日はトーナメントだしよー、出来れば寝かしてやりてーんだが——ま、その辺は頑張れ」



 ***


Act6:最後の夜 ( No.229 )
日時: 2016/01/13 21:01
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: S0f.hgkS)

 画して。
 残り時間、5時間というラストスパートに漕ぎ着けた。
 土日で勝数を稼いだからか、もう終わりは見えている。
 
「よしっ!! これで終わりだ!! 《凶戦士 ブレイズ・クロー》でダイレクトアタック!」
『黒鳥レン、100勝ノルマ達成。』

 まずは、速攻デッキやビートダウンを使っていたのもあり、レンが真っ先に終える。
 そして、残り3時間というところで——今度はコトハが、100回目のダイレクトアタックを決めたのだった。

「《奇跡の精霊 ミルザム》……あんたには助けられたわね」

 そしてそして、残り2時間。使っていたデッキが複雑なコントロールということもあり、遅れていたノゾムだったが——

「《我臥牙 ヴェロキボアロス》でダイレクトアタックだ!!」

 ——一気にケリをつけることに成功する。
 流石に、数の暴力の前にはコンピューターも屈するしか無かったようだ。
 しかし。
 未だに、やはりというべきかホタルだけが出て来ない。
 既に終わっているものの、彼女が100勝を終えて出てくるのを、3人はホタルのD・コクーンの前で待ち侘びているのだった——



 ***



 ——ノゾムさん……! 私を、闇から助けてくれた人……!
 ぜぇ、ぜぇ、と摩耗しきった体力と精神力で、彼女は画面を見据える。
 ホタルの場には、《悪魔龍王 ロックダウン》と《一撃奪取 ブラッドレイン》。
 しかし、相手の場には——タップされた《術英雄 チュレンテンホウ》と《一撃奪取 マイパッド》があった。そして、相手の手札には2枚のカードがある。
 互いにシールドは残り2枚。
 此処で《チュレンテンホウ》を潰して、次に持っていくのもアリと言えばアリだ。
 ——安定行動を——これが最後だから——!




”だからオレも、オレの最強を持ってお前に真っ向から立ち向かう!!”




 ——違う。此処で決めなきゃ——! あたしの、あたしが今持てる最強を持って——!!

「《ロックダウン》でW・ブレイク!!」

 シールドを思い切り、叩き割ることを決断した。
 それが、今の自分を変えることにつながるのなら——!!
 そして、S・トリガーも、《チュレンテンホウ》の効果も——発動しなかった。




「《ブラッドレイン》でダイレクトアタック!!」



 そして、迷いなく終わりの一撃を叩き込んだのだった——
 ばたり、と筐体に彼女は倒れ込む。
 力が抜けたような気分だった。
 そして、『100勝達成、おめでとうございます』というアナウンスがひたすら流れていたのだった。
 開くD・コクーンの扉。
 ノゾムの、「すげー! ホタル! やったんだよ!! お前、100勝達成できたんだよ!」という声だけが耳に残っていた—— 




 ***



「いやー、お疲れ。すっげー眠いと思うけど、最後まで俺様の話を聞いてね」

 3分前。
 実にぎりぎりであったが、何とか全員ノルマを達成することに成功した。
 
「ヒナタの奴も、目標を達成したし、まあこれで万事オッケーか」
「結局、武闘先輩。今回の特訓についての答え合わせをして貰いたいのですが」
「んあ? ああ」

 曖昧に答えた彼は、にやりと口角を上げた。

「実戦形式で色んなデッキを知ってもらいたかったこと、そしてその対処法を自分の身を持って分かって欲しかったってのが一番だな。大会じゃあ、1つのデッキで戦わないといけないわけだし、多くのデッキへの対処法を知っておくのは効率的だ」
「はぁ」
「しかし。前にも言ったと思うが、違うタイプのデッキを使うことで見えてくるものがある。物事は1つの視点からじゃあ何も見えやしねぇのよ」

 彼の言うことは一理あった。
 そして、続けた。

「まあ、アレだ。テメェら多分、自分のデッキの最終調整する時にこの一週間の経験をフルに使うが良いぜ。こんな俺様だが、伝えたかったことはこんなもんだ。後は、追い詰められた時の精神管理だとか、一年は分かったことも多いんじゃねえか?」
「……はい。ノゾムさんのおかげです」
「い、いや、オレはちょっとアドバイスしただけだし……」
「オーケーオーケー。ともかく、だ。第一段階クリアってところだな」

 全員が疲れたような顔をしている。
 このまま歩いて帰らせるのはアレなので、この日は全員が武闘財閥の車で送って帰してもらうことになったのだった。
 そして、ヒナタは先に帰ってしまっていたらしい。
 本当にこの一週間、何をやっていたのかは謎であった。

 


 ***



「——揃ったな」

 遂に、この日がやってきた。
 フジは、全員を見据える。
 控室に揃った5人の顔を見て。
 もう、その顔に緊張してアガったりだとか、そういうものはなかった。
 全員が、真剣に戦いに臨む戦士の表情をしていた。

「何であれ、よくやった! としか言いようがねえ。てめーらの実力は確実に上がったはずだ」
「——まあ、それは——先輩が」
「俺様は不器用だからな。こんなことしかできねーんだ。だが1年。特にてめーらが、上とちったぁマシに戦えるようにはしたつもりだぜ。そして2年。てめーらには更なる実力の底上げ、そして思考持久力を鍛えて貰ったつもりだ。心して掛かれ。ぜってぇに優勝だ!! そして、D・ステラへの道を繋ぐんだ!」

 はいっ! と全員が強く、返す。
 ノゾムは、ちらり、とヒナタの方を見た。
 この一週間、何度か彼の姿を見た。
 しかし。
 今日の彼は、今までになく引き締まっていた。

「ヒナタ先輩、そろそろ教えてくれてもいいんじゃないですか? あんた今まで何の特訓を」
「まー、それはお楽しみだ。今は目の前の戦いに集中しろ、ノゾム」
「あたし達にも教えてくれないわけ?」
「一体、何だって言うんだ。武闘先輩の言っていた革命のカードと、何か関係があるのか?」
「まーまー、落ち着けって」

 そんなことをやっている中。 
 遂にアナウンスがなった。




『定刻になりました。選手はアリーナに入場してください——』




 こうして。
 鎧龍の最も長い日が始まった。
 世界に行くための切符を手に入れる、第一歩となる大会。
 若者達のデュエル魂をぶつけ合う場。
 鎧龍サマートーナメントの幕開けだ——!

「勝ちにいくぞ! 目にモノ見せに行ってやるんだ!」

 フジに続くように、全員は歩いていく。
 戦いのステージへと——

Act7:鎧龍頂上決戦 ( No.230 )
日時: 2016/01/15 01:25
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: S0f.hgkS)

 鎧龍サマートーナメント。
 その今年のルールは、5対5のチーム戦で、先に3勝した方が勝ちというルールだった。
 そして。問題は対戦順である。
 各チームは、誰が先鋒、次鋒、中堅、副将、大将になるのかを自由に決めることが出来、予め申告するのだ。
 そして、16チームによるトーナメント。
 つまり、ヒナタ達は優勝までに4回勝たねばならないのである。
 だが、まず浮彫になったのは対戦順であった。
 時は遡るが、これは朝の受付の時である。
 フジ曰く「完全に忘れていた☆」とのことだったので、先輩とはいえキツいお灸を据えてやり、残る5人は並び順を決めることにしたのだった。
 が、しかし。
 真っ先にヒナタがその静寂をぶち破ったのだった。



「あ、俺大将で良いぜ。よっぽどの事が無けりゃ、な」



 との事である。
 突然の申告に各自は固まった。
 そして——真っ先にコトハが反論したのだった。

「……何で自分から!? レ、レンもどうかなーってあたし思ったんだけど……」
「いや、フジ先輩から言われたんだよな。今回のこれは、出来るだけ最後まで取っておけって」
「暁先輩、黒鳥先輩の黒単はハンデス、ブロッカー、除去で隙が無いデッキですよ。どのデッキが相手でも、ある程度は戦えますし……」

 そーだな、と言ったのは今回”も”元凶のフジであった。

「だが、今回のヒナタのデッキは、ギリギリの追い詰められている状態だからこそ力を発揮するからな」
「で、ですけど……」
「ま、そういうことだから。残り4つは決めてくれ」

 釈然としないコトハとホタル。
 デッキの特徴を、この特訓で覚えたからこその意見だったのだが、それが却下されて納得いかないのだ。
 しかし。


 
「逆に言えば、ヒナタ先輩のデッキは”今までにない”ってことですね?」



 もやもやとした雰囲気に石を投じたのはノゾムだった。

「——ご名答だ」

 そして。
 にやり、といつもの笑みを彼も浮かべたのだった。
 どうやら、よほど今回の切札には自信があるらしかった。

「ヒナタ先輩がこの一週間何をやっていたのかはオレ達も知らない——だけど、オレ達に出来るのは、誰が相手だろうが勝つことですから!」
「——僕もヒナタが大将になるのは賛成だ。貴様は此処一番でいつもひっくり返してくれる。何、コールド負けなどには、僕の面子に、そして貴様の面子に賭けて絶対にありえん。それどころか、貴様の出番を奪ってやる」
「……仕方ないわね。あたし達が、あんたの出番も無いくらいに、活躍すれば良いだけだったわ」
「……分かりました。先輩を信じます」
「何か、俺から出番奪う話になってね?」
「それくらいこいつらも、特訓したんだ。分かってやれ」

 全員の闘志が改めて確認される中。
 こうして、試行錯誤の先にとうとうチームの対戦順が決まったのだった——



 
 ***



 ——ということがあり。
 現在、会場にて。



 『これより、鎧龍サマートーナメントを開始します!!』



 アナウンスの言葉で、会場は熱気と興奮に包まれた。有志のチームで行われていた、このトーナメントは毎年毎年、見るものや戦うもの、両方を楽しませてきた。
 巨大なデュエルリング、そして実体化するホログラム。
 質量を持った幻像であるそれは、非常にリアルだ。
 まるで、自分が、そしてこの場が戦場にあるかのような臨場感なのだ。
 
「今年は4戦……か。去年よりも1戦少ないけど、その分チームの数が多いから緊張が続くわね……」
「どれも気を抜ける相手じゃねーぞ。特に、真っ先にテメェらが当たる相手はな——ヒナタ、如月、黒鳥。テメェらが特に知っている奴の1人が入っているからな」
「——そうっすね……」

 対戦カードの中には、ヒナタ達チームFと、その相手になるチームBのメンバー名が書いてあった。
 そしてその中には——



「デッキビルディングの天才・二回生、茅山リョウ。副将か——」



 ——ヒナタ達もよく知る少年の名があった。
 
「知り合いなんですか? 誰すか?」
「ノゾムさん! この人、鎧龍のデッキコンテストで星目先輩と良い勝負をした生徒で有名です!」
「そうなのか?」

 自分達が知らぬ間に、恐ろしい存在になってしまった、とヒナタ達は戦慄する。
 鬼畜・ドSデッキビルダーで知られる星目テツヤに並ぶデッキビルダーとして、今や認知されてしまっているのだから。
 彼は、オラクル事件に関わった者の1人で、ヒナタ達の友人だった。
 そして、前回のサマートーナメントでは、光のアウトレイジの力を使い、ヒナタ達の前に立ち塞がることになったのだ。
 また、皆の知らないところでは、竜神王の一件でもヒナタの心を動かすきっかけになった人物である。ただし、この件については本人も含めてヒナタ以外誰も覚えていないのであるが。
 実力はパッとしない、と言われることはあるものの、それはあくまでもヒナタやレンなどの同期の強豪に比べればの話で、今となっては十分に強くなっていた。
 そのデッキも、相手を徹底的に苦しめるコンボの鬼のようなテツヤのものとは違い、種族やコンセプトを生かした、楽しめるものが中心で、さしものテツヤも「うーん、良いよねぇ。ファンデッキ、ネタデッキと見向きもしなかったんだけどなあ、此処まで強いのかコレ。回してみてびっくりしたわ。出来れば、俺のデッキビルディング技術を是非ともレクチャーしてーわ。え? それは駄目?」と一目置くほど。
 今回、そのテツヤのチームでは無いものの、やはり上級生に認められる程の実力者であることは分かる。
 そして——その対戦相手になるのは。



「オレェ!?」



 ノゾムであった。
 前後するが、チームFの対戦順は、

 先鋒:コトハ
 次鋒:ホタル
 中堅:レン
 副将:ノゾム
 大将:ヒナタ

 なのだ。
 
「——成程な。冷静でプレイングにキレがあり、大将に回せるリョウが相手チームでは最適だったわけか」
「とは言え、少しこれ苦しいわね……頼むから、あんたら2人が負けて、笑えないようなことにはならないでよ?」
「どっちにせよ、相手チームには3年生もいるしなぁ……つか、3年生2人、2年生3人か……ちとコレ最初から厳しいな」
「てか、2年3人、1年2人なんてチーム他に居ませんよ」

 そんなわけで。
 一抹の不安を覚えながら、彼らは1回戦を迎えたのだった——

Act7:鎧龍頂上決戦 ( No.231 )
日時: 2016/01/15 15:37
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: S0f.hgkS)

 ——画して。
 鎧龍サマートーナメントが、波乱とそれぞれの思惑を胸に開始されたのだった。
 それぞれのチームとチームがぶつかり合うこの戦い。
 それが繰り広げられる中、ヒナタ達、チームFもいよいよ試合時間になったのだった。
 対戦相手は勿論、茅山リョウが居る、チームBである——
 
『それでは、両チーム、対戦準備についてください! 先鋒戦、如月コトハ選手対、風間ショウジ選手——!』

 アナウンスが掛かる。
 フィールドに上がるコトハ。
 そして、対戦相手の風間ショウジという生徒も、カードを並べる。

「相手は早速3年生か」
「まあ、コトハなら大丈夫でしょう」
「けど、先鋒にわざわざ持ってきたということは、そこそこ強いということだろ?」
「ヒナタ。僕達がこの1週間、何をしてきたのか、貴様はベンチで見てろ」
「ベンチ前提かよ俺」
「そして、彼女が格上を食い殺す様をな——」

 レンの視線の先には、既に準備を済ませたコトハがあった。
 全く緊張した素振りを見せず、涼しい顔をしている。

「——何だ何だ? アマが相手か? まー、確かお前2年の如月って言ったが——強いって言っても、あくまでも2年の中での話——3年に勝てると本気で思ってるのか? 1年の時は相当暴れまわったという話だが——」
「あら。嘗め腐ってると痛い目を見ますよ? 先輩」

 会場の観客席の生徒、そしてチームメイトが見守る中。
 デュエルが始まった——

「んじゃ、お手並み拝見と行くか。頼むぜ、コトハ」

 ——しかし。
 


 ***



「お、おい……待てよ、どうなってるんだよ……」

 その声を上げたのは、対戦相手の風間ショウジであった。
 既に、コトハの場には《鳴動するギガ・ホーン》、《ベニジシ・スパイダー》、《牙英雄 オトマ=クット》2体、《龍覇 イメン=ブーゴ》、そして《凶英雄 ツミトバツ》——!
 大型のクリーチャーが5体も並んでいる。
 しかも、それを後ろ盾するのはフォートレスの《邪帝遺跡 ボアロパゴス》であった。
 一方の相手の場は、先ほどの《ツミトバツ》のマナ武装効果で仲良く墓地に叩き込まれてしまっている。《イメン=ブーゴ》の効果によって、マナが全て全色になっているのだ。
 
「お、俺のターン! 《ボルシャック・NEX》を召喚して、《マッハ・ルピア》をバトルゾーンに! 《NEX》でシールドをW・ブレイク!」

 コトハのシールド、残り1枚。
 風間の《NEX》もターンの終わりに《マッハ・ルピア》の効果で手札に戻る。
 しかし——もう何もかもが遅すぎた。

「あたしのターン。場のクリーチャーのコストの合計が30以上だから、龍解条件を達成」
「ちょ、ちょっと待ってくれ——」

 懇願空しく。
 大地より現れ出でるは、最凶にして最恐の古代の王——
 野望に満ち溢れる大地が、今はコトハに同調し、大いなる龍を呼び起こす。
 邪帝の力を持つ、雄々しく、猛々しく、そして全てを生み出す龍が。



「轟け、古代の大いなる系譜よ! 今こそ、その欲望と野心と力を、このあたしに見せ付けなさい! 
《我臥牙 ヴェロキボアロス》、3D龍解完了!!」



我臥牙(ガガガ) ヴェロキボアロス P 自然文明 (10)
ドラグハート・クリーチャー:ジュラシック・コマンド・ドラゴン 15000
自分の手札からクリーチャーを召喚した時またはこのクリーチャーが攻撃する時、自然のクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
T・ブレイカー



 現れたのは、巨大な斧を携え、何本もの立派な角を生やし、まさに力の象徴とも言える邪帝龍だった。
 それが、質量を持ったホログラムによって、遂に現実世界へと顕現した——!!

「あ、あががが——! 3D龍解クリーチャー、だとぉぉぉぉ!?」
「あたしのターン。手札から《霞み妖精 ジャスミン》召喚。そして、手札からクリーチャーを出したので、あたしのマナゾーンから《ヴェロキボアロス》の効果でクリーチャーをバトルゾーンに出すわ。さあ、後悔することね。命の火種を侮蔑したことを——! 《界王類絶対目 ワルド・ブラッキオ》をバトルゾーンに!」

 今度は現れたのは、超大型のジュラシック・コマンド・ドラゴンの《ワルド・ブラッキオ》だった。
 このクリーチャーが現れたが最期、もう相手はクリーチャーをバトルゾーンに出したときの効果を使うことは出来ない——!

「そして、《ヴェロキボアロス》で攻撃! その効果で、マナゾーンから《恐・龍覇 サソリスレイジ》をバトルゾーンに!」




恐・龍覇 サソリスレイジ UC 自然文明 (8)
クリーチャー:ジュラシック・コマンド・ドラゴン/ビーストフォーク號/ドラグナー 11000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト3以下のドラグハートを1枚、または、自然のコスト5以下のドラグハートを1枚、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。(それがウエポンであれば、このクリーチャーに装備して出す)
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置いてもよい。
ガードマン
W・ブレイカー




「その効果で、あたしの超次元ゾーンから《始原塊 ジュダイナ》を出して装備! そして、《ヴェロキボアロス》でシールドをトリプルブレイク!!」

 シールドが3枚、一気に消し飛ばされた。
 風間は最早、逆転の手立ては無いと思われた——が。

「は、はははは! S・トリガー!! 《DNA・スパーク》! お前のクリーチャーを全てタップして、シールドが2枚以下だからシールドを1枚追加だ! 残念だったな!」
「むぅ……仕留め損なったわね。《ザウルピオ》を龍解させてターンエンドよ」
「くくく、バカか、テメェは!! 仕留められるのは、テメェだってことにまだ気付いてねぇみてぇだなぁ!! 俺のターン!」

 カードを引いた風間は、すぐさまカードを5枚、タップする。
 今度こそコトハを仕留めるために。

「出て来い、《NEX》! 《ワルド・ブラッキオ》の効果で、もうこいつの効果は使えねぇが——一気にシールドをブレイクさせて貰うぜ! 《マッハ・ルピア》!」

 火の鳥が一直線に突っ込んでいき、コトハの最後のシールドを叩き割った。
 S・トリガーは無い。
 もう後はダイレクトアタックを叩き込むのみ——

「《NEX》でダイレクトアタック!!」

 カードをタップする風間。
 ——しかし。《NEX》はもう、ぴくりとも動かなかった。
 
「あ、あれ——何で攻撃しねえんだぁ!?」
「アホはあんたよ。《ザウルピオ》が居る限り、あたしのシールドが0枚なら、もうあんたのクリーチャーは攻撃できない」
「あ、あはははは——」
「あんたのデッキには、それらしき除去呪文が無かったから、これでもう詰みよ。あたしのターン——」

 もう、コトハは何のクリーチャーも場に出さなかった。
 そのまま——

「《ワルド・ブラッキオ》で残るシールドを全てブレイク」
「お、おのれ——何で初っ端から——」

 しかし。
 その言葉は——



「《ザウルピオ》でダイレクトアタック」



 ——古代王の咆哮に掻き消されたのだった。


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