二次創作小説(紙ほか)
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- デュエル・マスターズ D・ステラ 【侵略世界編】
- 日時: 2017/01/16 20:03
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
【読者の皆様へ】
はい、どうも。二次版でお馴染み(?)となっているタクと申します。今回の小説は前作の”デュエル・マスターズ0・メモリー”の続編となっております。恐らく、こちらから読んだ方がより分かりやすいと思いますが、過去の文というだけあって拙いです。今も十分拙いですが。
今作は、前作とは違ってオリカを更にメインに見据えたストーリーとなっています。ストーリーも相も変わらず行き当たりばったりになるかもしれませんが、応援よろしくお願いします。
また、最近デュエマvaultというサイトに出没します。Likaonというハンドルネームで活動しているので、作者と対戦をしたい方はお気軽にどうぞ。
”新たなるデュエル、駆け抜けろ新時代! そして、超古代の系譜が目覚めるとき、デュエマは新たな次元へ!”
『星の英雄編』
第一章:月下転生
Act0:プロローグとモノローグ
>>01
Act1:月と太陽
>>04 >>05 >>06
Act2:対価と取引
>>07
Act3:焦燥と制限時間
>>08 >>10
Act4:月英雄と尾英雄
>>13
Act5:決闘と駆け引き
>>14 >>15 >>18
Act6:九尾と憎悪
>>19 >>21
Act7:暁の光と幻の炎
>>22 >>23
Act8:九尾と玉兎
>>25
第二章:一角獣
Act1:デュエルは芸術か?
>>27 >>28 >>29
Act2:狩猟者は皮肉か?
>>30 >>31 >>32 >>33
Act3:龍は何度連鎖するか?
>>36 >>37
Act4:一角獣は女好きか?
>>38 >>39 >>41 >>42 >>43 >>44 >>45
Act5:龍は死して尚生き続けるか?
>>48
第三章:骸骨龍
Act1:接触・アヴィオール
>>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55
Act2:追憶・白陽/療養・クレセント
>>56 >>57
Act3:疾走・トラックチェイス
>>66
Act4:怨炎・アヴィオール
>>67 >>68
Act5:武装・星の力
>>69 >>70
Act6:接近・次なる影
>>73
第四章:長靴を履いた猫
Act1:記憶×触発
>>74 >>75 >>76 >>77
Act2:龍素力学×龍脈術=3D龍解
>>78 >>79 >>80
Act3:捨て猫×少女=飼い猫?
>>81 >>82
Act4:リターン・オブ・サバイバー
>>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90
Act5:格の差
>>91 >>92 >>93 >>104
Act6:二つの解
>>107 >>108 >>109 >>110
Act7:大地を潤す者=大地を荒らす者
>>111 >>112 >>113
Act8:結末=QED
>>114
第五章:英雄集結
Act1:星の下で
>>117 >>118 >>119
Act2:レンの傷跡
>>127 >>128 >>129
Act3:警戒
>>130 >>131 >>132
Act4:策略
>>134 >>135
Act5:強襲
>>136
Act6:破滅の戦略
>>137 >>138 >>143
Act7:不死鳥の秘技
>>144 >>145 >>146
Act8:痛み分け、そして反撃へ
>>147
Act9:fire fly
>>177 >>178 >>179 >>180 >>181
Act10:決戦へ
>>182 >>184 >>185 >>187
Act11:暁の太陽に勝利を望む
>>188 >>189 >>190 >>191 >>192 >>193 >>194 >>195
Act12:真相
>>196 >>198
Act13:武装・地獄の黒龍
>>200 >>201 >>202 >>203
Act14:近づく星
>>204
『列島予選編』
第六章:革命への道筋
Act0:侵攻する略奪者
>>207
Act1:鎧龍サマートーナメント
>>208 >>209
Act2:開幕
>>215 >>217 >>218
Act3:特訓
>>219 >>220 >>221
Act4:休息
>>222 >>223
Act5:対決・一角獣対玉兎
>>224 >>226
Act6:最後の夜
>>228 >>229
Act7:鎧龍頂上決戦
Part1:無法の盾刃
>>230 >>231 >>232 >>233 >>234 >>235 >>236 >>239
Part2:ダイチの支配者、再び
>>240 >>241 >>242 >>243 >>244 >>245 >>246 >>247 >>248 >>250
Part3:燃える革命
>>252 >>253 >>254 >>255 >>256
Part4:轟く侵略
>>257 >>258 >>259 >>260 >>261
Act8:次なる舞台へ
>>262
第七章:世界への切符
Act1:紡ぐ言の葉
>>263 >>264 >>265 >>266 >>267 >>268 >>270
Act2:暁ヒナタという少年
>>272 >>273
Act3:ヒナとナナ
>>275 >>276 >>277 >>278 >>279 >>280 >>281
Act4:誓いのサングラス
>>282 >>283 >>284 >>285
Act5:天王/魔王VS超戦/地獄
>>286 >>287 >>295 >>296 >>297 >>298 >>301 >>302 >>303 >>304 >>305
Act6:伝説/閃龍VS獅子/必勝
>>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>318 >>319 >>320 >>321 >>323
Act7:青天霹靂
>>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331
Act8:揺らぐ言の葉
>>332 >>333 >>334 >>335 >>336
Act9:伝説/始祖VS偽龍/偽神
>>337 >>338 >>339 >>340 >>341 >>342 >>343
Act10:伝える言の葉
>>344 >>345 >>346 >>347 >>348 >>349 >>350 >>351
Act11:連鎖反応
>>352
『侵略世界編』
第八章:束の間の日常
Act1:揺らめく影
>>353 >>354 >>359 >>360 >>361 >>362
Act2:疑惑
>>363 >>364
Act3:ニューヨークからの来訪者
>>367 >>368 >>369 >>370 >>371
Act4:躙られた思い
>>374 >>375 >>376 >>377
Act5:貴方の為に
>>378 >>379 >>380 >>381 >>384 >>386
Act6:ディストーション 〜歪な戦慄〜
>>387 >>388 >>389
Act7:武装・天命の騎士
>>390 >>391
Act8:冥獣の思惑
>>392
Act9:終演、そして——
>>393
第九章:侵略の一手
Act0:開幕、D・ステラ
>>396
Act1:ウィザード
>>397 >>398
Act2:ギャンブル・パーティー
>>399 >>400 >>401
Act3:再燃
>>402 >>403 >>404
Act4:奇天烈の侵略者
>>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>411
Act5:確率の支配者
>>412 >>413
Act6:不滅の銀河
>>414 >>415
Act7:開始地点
>>416
第十章:剣と刃
Act1:漆黒近衛隊(エボニーロイヤル)
>>423 >>424
Act2:シャノン
>>425 >>426
Act3:賢王の邪悪龍
>>427 >>428 >>429
Act4:増殖
>>430 >>431 >>435 >>436 >>438 >>439 >>440 >>441 >>442
Act5:封じられし栄冠
>>444
短編:本編のシリアスさに疲れたらこちらで口直し。ギャグ中心なので存分に笑ってくださいませ。
また、時系列を明記したので、これらの章を読んでから閲覧することをお勧めします。
短編1:そして伝説へ……行けるの、これ
時系列:第一章の後
>>62 >>63 >>64 >>65
短編2:てめーが不幸なのは義務であって
時系列:第三章の後
>>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103
短編3:文化祭(と言えば聞こえは良いが要は唯のスクランブル)
時系列:第四章の後
>>120 >>121 >>122 >>123 >>124 >>125 >>126
短編4:十六夜ノゾムの災厄な一日
時系列:第四章の後
>>149 >>150 >>153 >>154 >>155 >>156
短編5:恋情パラレル
時系列:第四章の後
>>157 >>158 >>159 >>160 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167 >>168 >>173 >>174 >>175 >>176
短編6:Re・探偵パラレル
時系列:平行世界
>>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422
エイプリルフール2016
>>299 >>300
謹賀新年2017
>>443
登場人物
>>9
※ネタバレ注意。更新されている回を全部読んでからみることをお勧めします
オリジナルカード紹介
(1)>>96 (2)>>271
※ネタバレ注意につき、各章を読み終わってから閲覧することをお勧めします。
お知らせ
16/8/28:オリカ紹介2更新
- オリジナルカード紹介(ネタバレ注意) ( No.96 )
- 日時: 2015/10/16 04:48
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 7hpoDWCB)
オリカが多いため、こうして効果を紹介する場を設けることにしました。各章ごとに紹介しているので、そこまで読んでいない方はスルーすることをお勧めします。
第一章
月英雄 碧鎧のルーン・ツールC(クレセント) 水文明(7)
クリーチャー:クリスタル・コマンド・ドラゴン 6000
マナ武装7:このクリーチャーをバトルゾーンに出したとき、マナゾーンに水のカードが7枚以上ある場合、水のカードを2枚まで山札から手札に加える。その後、山札をシャッフルする。
相手はコスト6以上のS・トリガーを自分のターンに唱えることは出来ない。
ブロッカー
W・ブレイカー
フレーバーテキスト:その英雄は、三日月の下で全てを破壊する玉兎の姫。
尾英雄 開闢の「白陽」 火文明(7)
クリーチャー:フレイム・コマンド/アーマード・ドラゴン 7000
相手のドラゴン及びドラグナーは攻撃もブロックもできない。
W・ブレイカー
マナ武装7:このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、マナゾーンに火文明のカードが7枚以上あれば、このターン、自分のクリーチャー1体のパワー、コスト、シールドをブレイクする数は、バトルゾーンにいる相手のクリーチャー1体と同じになる。
フレーバーテキスト:その英雄は、愛す者のために全てを裏切った九尾の長。
破天炎矛(はてんえんむ) ソウルハート 火/自然文明(4)
ドラグハート・ウェポン
このドラグハートを装備したクリーチャーが攻撃するとき、次のターンまで自分のクリーチャーは攻撃されない。
龍解--ターンの終わりに、相手のクリーチャーが2体以上居る場合、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。
フレーバーテキスト:燃える呪いの矛は全ての命を吸収し、神にも等しき邪悪龍を顕現させた。
↓龍解
太陽龍皇 ソウルフェザー・ドラゴン 火/自然文明(7)
ドラグハート・クリーチャー:ファイアー・バード/アーマード・ドラゴン 9000
W・ブレイカー
このクリーチャーが龍解したとき、手札からコスト7以下の火のドラゴンをコストを支払わずにバトルゾーンに出す。
自分のドラゴンかファイアー・バードがバトルゾーンを離れる時、自分の山札の上から1枚目を墓地に置く。そのカードがドラゴンまたはファイアー・バードであれば、自分のドラゴンとファイアー・バードはバトルゾーンを離れるかわりにとどまる。
フレーバーテキスト:不死身。そう、奴は何度殺しても再生し続ける、邪悪な龍。奴は止まらない。命という命を食らい尽くしても。
第二章
麟英雄 一角のハーシェル 光文明(7)
クリーチャー:ガーディアン/エンジェル・コマンド・ドラゴン 7000
W・ブレイカー
自分の他のクリーチャーは自分のシールドをブレイクすることが出来る。
ターンの終わりに、山札の一番上のカードを1枚シールドゾーンに置く。
マナ武装7--このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、マナゾーンに光のカードが7枚以上ある場合、次の自分のターンまで自分のシールドから手札に加えられる光のドラゴンは全て「S・トリガー」を得る。
フレーバーテキスト:その英雄は、何よりも純潔を重んじる聖なる獣。
第三章
死英雄 竜骨のアヴィオール 闇文明 (7)
クリーチャー:デーモン・コマンド・ドラゴン/リビング・デッド 7000
W・ブレイカー
ウルトラ・セイバー:闇文明
このクリーチャーは破壊されたターンの終わりに、墓地からバトルゾーンに出る。そうした場合、自分の闇のクリーチャーを1体山札の一番下に戻す。
マナ武装7--このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、マナゾーンに闇文明のカードが7枚以上あれば、相手クリーチャー1体のパワーを0にする。
フレーバーテキスト:その英雄は、己が全てを取り戻すために禁忌を犯し続ける屍の龍。
怨炎の骸骨星 アルゴ・アヴィオール 闇文明 (7)
クリーチャー:スカル・コマンド・ドラゴン 7000
K(カノープス)・コア
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、超次元ゾーンからK・コアを持つステラアームド・クリーチャーをバトルゾーンに出しても良い。
マナ武装5:自分の他のクリーチャーが攻撃するとき、代わりに破壊しても良い。そうした場合、相手のクリーチャーを1体を選んでパワーを0にする。
フレーバーテキスト:この僕の真の力を見せないといけないようですね—怨炎の骸骨星 アルゴ・アヴィオール
悪夢喰種 アルゴリズム 闇文明(5)
ステラアームド・クリーチャー:ファンキー・ナイトメア
K(カノープス)・コア
自分のK・コアを持つクリーチャーは相手のクリーチャー、呪文の効果で選ばれない。
星芒武装:自分のターンに相手のクリーチャーを2体破壊しており、名前に《アヴィオール》とあるクリーチャーがいる場合、このカードを裏返し、そのクリーチャーに重ねる。
相手のクリーチャーのパワーは-2000される。
フレーバーテキスト:ひゃっはー!! てめーなんざ、俺のリズムダンスで錯乱させるだけで十分だぜ!!—悪夢喰種 アルゴリズム
↓武装
悪夢髑髏(ダーティ・アルゴリズム) アヴィオール・ゼノン 闇文明 (12)
スターダスト・クリーチャー:スカル・コマンド・ドラゴン 13000
K・コア
T・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、相手の手札を見る。その中から好きな数だけカードを墓地に置いても良い。
相手のクリーチャーのパワーは全て-5000される。
相手のクリーチャーのパワーは、クリーチャー及び呪文の効果では上がらない。
フレーバーテキスト:憎悪と恐怖、そして大罪の権現が遂に姿を現した。
上弦の玉兎星 クレセント・ニハル 水文明 (7)
クリーチャー:ムーン・ラビー/クリスタル・コマンド・ドラゴン 7000
L(レプス)・コア
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、超次元ゾーンからK・コアを持つステラアームド・クリーチャーをバトルゾーンに出しても良い。
マナ武装7:ターンの終わりに相手のクリーチャーを2体選ぶ。そのクリーチャーはタップされ、次のターンアンタップできない。
フレーバーテキスト:負けない……あたしは、白陽のためにも、仲間のためにも負けるわけにはいかない!—上弦の玉兎星 クレセント・ニハル
月影機構 ルーン・ツールS 水文明 (5)
クリーチャー:ムーン・ラビー・ツール 4000
L(レプス)・コア
相手はL・コアの付いたクリーチャーを選ぶことは出来ず、攻撃もできない。
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、相手の手札を1枚選んでも良い。相手はそのカードを自身の山札の一番下に置く。
自分の水のクリーチャーはブロックされない。
星芒武装--ターンの終わりに自分の手札の数が相手の手札の数を上回っており、バトルゾーンにL・コアを持つクリーチャーがいる場合、このカードを裏返して名前に「クレセント」とあるクリーチャーの上に重ねる。
↓武装
循環月影 クレセント・ベクトル 水文明 (12)
スターダスト・クリーチャー:ムーン・コマンド・ドラゴン 11000
L(レプス)・コア
W・ブレイカー
このクリーチャーの武装が成功したとき、相手のクリーチャーを全て持ち主の手札に戻す。
相手が呪文を唱えたとき、多色ではない水の呪文を自分の手札から唱えても良い。この効果は相手の呪文の効果が使われる前に発動する。
武装解除--このクリーチャーがバトルゾーンを離れたとき、このカードのみを超次元ゾーンに戻す。
フレーバーテキスト:武装完了!! 行くよ、砲門一斉射!!
撃てぇぇぇーっ!!—循環月影 クレセント・ベクトル
月光超技・ムーンサルトスタンプ 水文明 (7)
呪文
S・トリガー
相手の場のクリーチャーを3体選ぶ。そのうちの1体を持ち主の手札に戻し、残りの2体は次のターン、アンタップできない。
マナ武装7--自分の墓地から、名前に《クレセント》か《ルーン・ツール》とあるクリーチャーを1体、バトルゾーンに出す。
フレーバーテキスト:一発粉砕!! この鉄槌を耐えられる装甲なんて、存在しないわ!!—クレセント
煉獄超技・髑髏方陣 闇文明 (7)
呪文
自分の手札を全て捨てても良い。そうした場合、捨てたカードの合計コスト以下のクリーチャー1体のパワーを0にする。
その後、手札を5枚引く。
マナ武装5--このカードと「アヴィオール」と名のつくクリーチャーが墓地にあるとき、マナゾーンに闇のカードが5枚以上あれば、自分のカードを1枚、墓地から手札に加えても良い。その後、このカードを山札の一番下に戻す。
フレーバーテキスト:死んでくださいよ……頼むから、死んでくださいって言ってるでしょうがぁぁぁーっ!!—アヴィオール
第四章
爪英雄 長靴のニャンクス 自然文明(4)
クリーチャー:ビースト・フォーク/ジュラシック・コマンド・ドラゴン 4000+
マナ武装5--自分のクリーチャーは呪文によって選ばれない。
マナ武装7--このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、マナゾーンに自然文明のカードが7枚以上あれば、自分のクリーチャー1体のパワーは2倍になり、パワーが6000以上のときにW・ブレイカー、12000以上のときにT・ブレイカーになる。
フレーバーテキスト:その英雄は、全ての命を武装し龍となる従順な賢者。
従順の山猫星 タスク・ニャンクス 自然文明 (7)
クリーチャー:ビースト・コマンド・ドラゴン 4000+
R(リンクス)・コア
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、超次元ゾーンからR・コアを持つステラアームド・クリーチャーをバトルゾーンに出す。
マナ武装7--ターンの初めに自分のマナゾーンに自然文明のカードが7枚以上あるとき、このクリーチャーのパワーは2倍になり、シールドをブレイクする数が1枚増える(武装後にこの効果は引き継がれる)
W・ブレイカー
フレーバーテキスト:ずっと、貴方様に着いていくのですにゃ!—従順の山猫星 タスク・ニャンクス
邪帝類逆襲目 アクロガンドラー 自然文明(5)
ステラアームド・クリーチャー:ジュラシック・コマンド・ドラゴン 5000
R(リンクス)・コア
自分のマナゾーンのカードは全ての文明を得る。
相手はR・コアを持つクリーチャーを選ぶことができない。
星芒武装--このクリーチャーが攻撃するとき、その攻撃を中止する代わりに自分のマナゾーンからカードを5枚墓地に置く。そうした場合、このクリーチャーを裏返して、「ニャンクス」と名前にあるクリーチャーの上に重ねる。
フレーバーテキスト:王国は……我が主は、何故俺を……!!—邪帝類逆襲目 アクロガンドラー
↓武装
恐竜皇帝 リンクス=ガルザード 自然文明 (12)
スターダスト・クリーチャー:ジュラシック・コマンド・ドラゴン 11000
R(リンクス)・コア
自分のマナゾーンのカードは全ての文明を得て、マナの数字は2か3になる。
自分のマナゾーンからクリーチャーを召喚しても良い。
相手のクリーチャーが攻撃するとき、相手のマナゾーンからカードを1枚選び、持ち主の墓地に置く。
W・ブレイカー
武装解除
フレーバーテキスト:それは、全ての恐竜の頂点に立つ、恐怖の竜帝。
護衛武装 ロシアンブルー 自然文明 (5)
ステラアームド・クリーチャー:ビースト・フォーク 5000
R(リンクス)・コア
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、山札の上から2枚をマナゾーンに置く。
相手はR・コアを持つクリーチャーを選ぶことができない。
星芒武装--自分のターンの終わりに、このターン、自分がマナゾーンにカードを1枚も置いておらず、さらに自分のマナゾーンのカードが相手のマナゾーンのカードより3枚以上多い場合、このクリーチャーを裏返して、「ニャンクス」と名前にあるクリーチャーの上に重ねる。
フレーバーテキスト:皆の者、ニャンクス様をお守りするのにゃ!—護衛武装 ロシアンブルー
にゃー!—名も無きネコの軍団
↓武装
疾風迅雷 ニャンクス・ミラージュ 自然文明 (12)
スターダスト・クリーチャー:ワービースト・コマンド 11000
R(リンクス)・コア
相手のクリーチャーは、シールドを1枚しかブレイクできない。
自分の自然のドラゴンは、全て「S・トリガー」を得る。
W・ブレイカー
武装解除
フレーバーテキスト:命に代えても貴方様をお守りします! それが生まれ変わった僕の使命ですから!!—疾風迅雷 ニャンクス・ミラージュ
第五章
惨劇の一角星 ハーシェル・ブランデ 光/闇文明 (7)
クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン 7500
U・コア
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、超次元ゾーンからU・コアを持つステラアームド・クリーチャーをバトルゾーンに出しても良い。
相手がコストを支払わずにクリーチャーをバトルゾーンに出したとき、そのクリーチャーを破壊する。
W・ブレイカー
ブロッカー
フレーバーテキスト:最高に最悪な、恐怖の一角獣となり、奴は帰ってきた。
鋼神姫 ドラドルイン 光/闇文明 (5)
ステラアームド・クリーチャー:メカ・デル・ソル/ヘドリアン 5000
U・コア
ブロッカー
自分の光か闇のクリーチャーが攻撃、またはブロックしたとき、相手の手札を見ないで1枚選び、捨てさせる。
星芒武装--自分のターンの始めに、自分の光と闇のクリーチャーがバトルゾーンに5体以上いるとき、このクリーチャーを裏返し、「ハーシェル」とあるクリーチャーの上に重ねる。
フレーバーテキスト:おほほほほほ!! この私の闇の力の前では、どんな光でさえも吸収されるのみですわ!!—鋼神姫 ドラドルイン
↓武装
串刺しの騎士 ハーシェル・ディストーション 光/闇文明
スターダスト・クリーチャー:デーモン・コマンド・ドラゴン 13500
U・コア
T・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、自分のシールドを全て墓地に置き、その中からクリーチャーを全て手札に加える。その後、こうして手札に加えたクリーチャーの数だけ、相手のクリーチャーを破壊する。その後、こうしてシールドを墓地に置いた数だけ、山札からシールドゾーンにカードを置く。
相手がコストを支払わずにクリーチャーをバトルゾーンに出したとき、そのクリーチャーを破壊する。そのクリーチャーの効果は発動しない。
自分のクリーチャーが相手プレイヤー、またはクリーチャーを攻撃することができない効果はすべて無効になる。(召喚酔いや、「このクリーチャーは攻撃することができない」または「このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない」などの効果が無効になる)
武装解除
フレーバーテキスト:なし
策謀の魔龍星 アヴィオール・ヴァイス 闇文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/ダーク・ナイトメア 7000
K・コア
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、超次元ゾーンからK・コアを持つステラアームド・クリーチャーをバトルゾーンに出しても良い。
地獄マナ武装5:自分のクリーチャーが破壊されたとき、自分のマナゾーンに闇のナイトが合計5体以上いる場合、相手のクリーチャーを1体選び、破壊する。
フレーバーテキスト:このアヴィオール、貴方の生ける刃として、そして貴方の生ける字引として戦いましょう—策謀の魔龍星 アヴィオール・ヴァイス
地獄龍星 メテオレイン 闇文明 (5)
ステラアームド・クリーチャー:デーモン・コマンド・ドラゴン 5000
K・コア
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、山札の上から3枚を墓地に置く。その後、墓地からクリーチャーを1体自分の手札に加えても良い。
星芒武装:ターンの終わりに、このクリーチャーがバトルゾーンを離れていた場合、墓地に闇のクリーチャーが5体以上いれば、超次元ゾーンでこのクリーチャーを裏返し、《アヴィオール》と名前にあるクリーチャー1体の上に重ねる。
フレーバーテキスト:俺が闇夜を照らす彗星となるぜ、イルミネイト!!—地獄龍星 メテオレイン
殲滅の地獄軍師(ヘルコンダクター) アヴィオール・デスロード 闇文明 (14)
スターダスト・クリーチャー:デーモン・コマンド・ドラゴン/ナイトメア・ロード 12000
K・コア
自分のナイトがバトルゾーンを離れるとき、代わりに相手のクリーチャーを1体選び、パワーを0にしても良い。
このクリーチャーの武装に成功したとき、または攻撃するとき、自分の墓地からコスト5以下の闇のナイトをバトルゾーンに出す。
相手のクリーチャーは、タップしてバトルゾーンに置かれる。
T・ブレイカー
武装解除--このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、バトルゾーンに自分の他のクリーチャーが1体もいなければ、このカードのみを超次元ゾーンに戻す。
フレーバーテキスト:お前は我が主が裁きを下すまでもない。このアヴィオールが貴方に罰を下しましょう。そう、地獄という罰を—殲滅の地獄軍師 アヴィオール・デスロード
陰陽超技・炎熱乱舞 火文明 (6)
呪文
S・トリガー
名前に《白陽》とあるクリーチャーがバトルゾーンを離れたとき、このカードを手札から捨てても良い。そうした場合、送られたゾーンからそのクリーチャーをバトルゾーンに出す。
自分の場にあるカードのコストの合計以下のコストを持つ相手のクリーチャーを2体まで破壊する。
マナ武装7--自分の山札を見る。その中から、コスト9以上のカードか、名前に《白陽》とあるクリーチャーを手札に加える。その後、山札をシャッフルする。
フレーバーテキスト:私は、私は、必ずクレセントを守ると決めたんだ、こんなところで死んでたまるものかぁぁぁーっ!!—白陽
- 短編2:てめーが不幸なのは義務なのであって ( No.97 )
- 日時: 2015/10/17 12:46
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 7hpoDWCB)
「ちょっと、そこのお兄さん?」
唐突に話しかけられた黒髪の少年は、ふと足を止めた。
吊った目に、中世的な容姿の彼は迷惑気に振り返る。今から学校に行く途中なので、遅刻するのは困るのだ。もたもたしては居られない。実際は、まだバスまで10分ほど余裕があるが、彼の心に余裕はない。
「……何でしょう?」
「ちょいと、占いをしていきませんかねぇ、ふぇっふぇっふぇ」
笑うのは、小さな机の上に水晶球を乗せたローブに身を包んだ老婆であった。しかし、「占い」という言葉で少年は不快そうな顔を浮かべた。
----------占いだと? ふざけるな。最近の運勢など分かりきっている。本編での扱い、戦跡、キャラのブレ、その他諸々。不運、大凶、毎日仏滅(ブッディ・バニッシュ)とはこのことだ! 知らん。こんなことに付き合っている暇は-----------
「お兄さん。最近、自分が不幸だと思っていませんかねぃ、ふぇっふぇっふぇ」
レンは繰り出そうとした足を止めた。振り返り、老婆と目が合う。
***
一通り、それっぽい占いをして貰った後であった。
やはりというべきか。老婆曰く、自分には常に「凶気」が纏わりついているようなのだった。
曰く。ゼロ文明から、急に闇文明に使用文明を変えたからなんだとか。
-----------馬鹿らしい。何でデュエマが関係あるんだ? 僕が何文明使おうが、僕の勝手だろうに。
当然ながら、そう思うのが普通の反応であろう。まして、レンは生半可な覚悟で闇文明に転向した訳ではないのである。深い理由がこれにはあるのだ。
そう思っていた矢先、老婆は、1つのペンダントを懐から取り出す。それには羽十字のアクセサリが付いていた。
「-----------そこで、これを使ってみんさい」
レンの中には、いよいよ懐疑的な気持ちが生まれていた。嗚呼、非常にうっとおしい。
悪質マルチ商法だか何だか忘れたが、いよいよ気味が悪くなってきた。
「断る。払うのは占い代だけだ」
「ふぇっふぇっふぇ、押し売りとは失敬な。金なんて、取りはせんよ」
レンの言葉をさえぎり、老婆は続けた。終始不気味な笑いをとめない。
如何わしさがマックスになったレンは、占い代の300円を手渡し、とっとと立ち退こうとした。
幾らタダでも、貰っていいものと悪いものがある。嫌な予感しかしない。自ら災難に突っ込んでいく程、レンは馬鹿ではないのであるというか、むしろ理知的な彼からすればごもっともな判断であった。
----------僕は、あの馬鹿2とは違うんだよ、馬鹿2とは。
「さあ、行くか----------」
ペンダントを首からぶら下げ、レンは踵を返して学校へ----------
---------あれ?
行く前に足を再三止めた。おかしい。いつの間にか、首に例のペンダントがぶら下がっていたのだ。
おい、と老婆を問い質そうとするが、既にそこには蒸発したかそれの姿は無くなっていた。
……まったく、気味が悪い。それをすぐさま捨てようとする。ポイ捨ては後味が悪いので、そこらのゴミ箱の中に-----------
ぐいっ
「---------?」
おかしい。捨てられない。首からペンダントが離れないのである。無理矢理強く引っ張って引っ剥がそうとしたが、ビリビリッ!! と電撃のようなものが迸り、思わず手を離してしまった。
「ば、馬鹿な、そんなことがある訳が-------------------」
***
「……というわけでだな」
家庭訪問の日だからか。今日の鎧龍血決闘学院は午前中授業であった。あっちゅうまに放課後になり、下の階のロッカーへ向かう階段を降りる途中で、レンはヒナタに今朝の事を相談していたのである。
まったく気味が悪いとはこのことであった。ペンダント自体は、ぶら下げていても怪しくない、普通の物だ。
しかし、何やら嫌な予感がするのである。
「つーか、既に300円騙し取られてんじゃねーか、それ」
「300円はこの際、どうでも良いだろう!」
「うまい棒30個も買えるのに? あー、勿体ねーことしたな、お前」
「いやいや、どうでもいい!!」
ま、どっちにせよ、とヒナタは続けた。
「そのペンダントが怪しいことには変わりねえな」
「ったく、早く外したいところだ」
「それと、幸運のペンダントってそのばーさんは言ってたんだろ?」
「ああ」
それなら、とガサゴソとヒナタはカードケースから紙の束を取り出した。
どうやら、パックのカードらしかった。
「幸運と言えば、さっき学内カードショップで6パック買ったところ……見てくれよ」
「-------------はぁぁぁぁ!?」
それは、にわかに信じがたかった。
恐ろしい引き運としか言いようのないような、カードの並びであった。
一言で言うならば、スーパーレア”以上”が大量。いずれも、ヒナタのデッキにマッチしたものであったから、恐ろしいことこの上無く。
「……此処まで引き運が良いと、ちょっと不気味になってくるよな?」
「ば、馬鹿な……うあああああああ!!」
「レン!?」
早速レンも学内のカードショップに向かって、全速力でダッシュを始めたのであった。
-----------あれが幸運のペンダントならば!! 僕にもスーパーレアが当たるくらいは許されても良い筈だぁぁぁ!!
「おい、ちょっと待てレン!! くそっ、余りにも非現実的な光景を見て頭のネジが吹っ飛んだか」
***
---------結果。どよ〜ん、とレンは学院のベンチで不幸オーラを漂わせながら、沈む結果になった。
まさか、全敗するとは誰が思ったであろうか。スーパーレアは愚か、ベリーレアでさえ1枚も来ないなんて。
意気込んで特攻していった自分が恥ずかしくなってくる。ばしばし、と励ましてるつもりなのか、レンの背中を叩くヒナタ。
「嗚呼、どういうことだ、これは」
「不幸のペンダントだったんじゃねえか、それ」
「それはもう大体察していた」
しかし、このペンダントが悪い物だとして、これを唯の”不幸のペンダント”と言い切るのは些か安易すぎる気がした。まだ、何かが隠されているようにしか思えない。
はぁ、とため息をついたその時であった。
「あ、ヒナター! レンー!」
む、とレンが顔を上げると、そこにはカバンを片手に持ったコトハが賭けてくるのが分かった。ヒナタも「おー、コトハ!」といつも通り元気良く返したが、生憎レンはそれどころではなく。
「ねえ、ちょっと聞いてよ……。今日、ドギラゴンを6パック買ったんだけど」
「お前もか? 実は俺---------」
「見てよ……ベリーレアとかスーパーレアとかこんなに-----------」
『お前もかあああああ!?』
レンとヒナタは2人一斉に声をあげた。そして、ず〜ん、とレンはいよいよ落ち込んでしまったのだった。
「どうしたの? 何かあったの、レン」
「あ? 何か変なペンダントを押し付けられちまったみてーでな。しかも、呪いの装備だか何だか知らんが、外せないみてーなんだ。パックを買っても絶賛大不調だったからな、コイツ」
「嗚呼、馬鹿な……」
「何か……ごめん」
いや、すまない、とレンも返し、立ち上がる。何であれ、こんなところで足踏みしている暇は無いのだ。
とっととペンダントを外さねば。そう思って、一歩踏み出したそのときであった。
ずるり
何か、嫌なものを踏んだ感触とぬるぬるが靴底から伝わってくる。
----------ば、馬鹿な!! これは------------
レンが気づいたときには既に遅し、であった。
「で、何が当たったんだ?」
「これよ。しかも、あたしのデッキに超ぴったりなのよ---------」
「うわあああああああ!!」
絶叫が聞こえた。またレンが発狂したのか、と振り返るヒナタであったが、そこには-----------
「回る回る回るおげええええええ」
回転しているレンの姿があった。まるでバナナの皮を踏んだかのように、つるつる”滑って”いる。いや、足元を見れば本当にそこにはバナナの皮があった。ベタか。
そのままこちらへ接近してくる。
「おいいいい、どうするんだ、これえええ!! バナナの皮踏んでこうなるとか、洒落になってねーぞ!!」
「そんなこと言われても!!」
次の瞬間だった。「どわい!!」と声を上げて、レンが弾かれたように飛び出してくる。
彼の手は、いつの間にか何故かコトハのスカートに置かれており。
ずるり
そのまま、明らかに”脱げた”音と共に、乙女のデッドゾーンである”それ”が露になる。
まあ、つまり、何が言いたいかって--------------露になったのは彼女の下着であった。
地べたにそのまま顔を打ち付けたレンには”まだ”見えてはいなかったが。
「げほげほっ、全く不幸な-----------」
「レ……ン……?」
「おほっ、ナイスだレン。当分は困らないな、これ」
「オイ、何に困らないって-----------え?」
そういえば、自分は何を掴んだのか思い出す。布。これは、スカート……。
そのまま彼が上を見上げると、そこには白い絶景が広が------------
「馬鹿!! 変態!! 死ね!!」
---------る前に、顔面を真っ赤にした彼女の、鞄によるスマッシュヒットで彼の思考は途切れたのであった。
- 短編2:てめーが不幸なのは義務なのであって ( No.98 )
- 日時: 2015/06/17 19:09
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
***
「……レン、大丈夫か?」
「……ごめんっ! 本当にごめん!」
気が付けば、レンはベンチに寝かされていた。水で濡らされたタオルが額に置かれていた。
未だに頭が痛い。がんがんする。目を開ければ、そこにはヒナタとコトハの姿があった。
コトハの眼は潤んでいた。
「----------う、ぐ、僕は……」
「あ? バナナの皮踏んで滑って回転して、そのままコトハのスカートを脱が----------」
ゴスッ、と色々危ない音と共にヒナタの脳天に鞄が叩き込まれたが、気にしないでおこう。
「本当、ごめん!! ヒナタならともかく、レンはわざとそんなことしたりしないって、分かってるのに、あたし、つい……」
「オイどういう意味だ、人を変態呼ばわりすんじゃねえ」
「何、コトハが謝ることは何も無い」
「ううう……レン優しい……」
「しっかしよー」
ヒナタが腕を組んで言った。
「ようやく”幸運のペンダント”としての効果を発揮したって感じだよな-----------」
バキッ
ドギャッ
「あんたは黙ってなさい」
「無自覚とは言わさんぞ、このド変態が」
「あい……すいませんでし……ぐふっ
いや、みな言う前に2人の鉄拳が炸裂したが。
***
「……で、どうするんだコレ」
レンは不幸、不運な目に遭うのに対し、他の面々はどんどん幸運とも言える場面に遭遇している。
つまり、このペンダント。
「お前の幸運を吸い取っているっていうか、放出してるんじゃねえか?」
「い、いやいやいや!! まさか、そんなハイスペックな代物ではあるまい! 大体、それを何故僕に-----------」
「だけどね。あんた以外にも居るらしいのよ。そのペンダントを貰ったって人が。ほら、見てこのツイート」
「うーむ……」
レンは頭を抱えた。そこには、自分と同じ目にあったと思われる人のツイートがあった。これは他にもあった。
まさか、そんなことがある訳がない。本当に自分の運が放出されているというのか。
まず、試してみたところ、鋏で紐は切れなかったというか、謎の力で弾かれてしまった。
結論。やはり、これにはとんでもない力が宿っているのであろう。
「とにかく、これは早急にどうにかしなければ-------------」
「おい、レン」
「む?」
「そこ、階段------------」
時既に遅し。余所見をしていた所為で、正門の階段を踏み外したレンは、そのまま「うおおおああああ」という絶叫と共に転がっていく。
それを追いかけるヒナタとコトハ。レンはボールのように、その先の下り坂を転がっていた。
「おい、あれ見ろ!」
ヒナタがコトハに声を掛ける。見れば、下り坂の先には何やら大筒を引っさげた少年たちの姿が。
大筒の口径は、丁度人が入るくらいだった。
「あれ、”人間大砲同好会”の連中じゃねえか!」
「初耳なんだけど!? 何その危なそうな連中!」
「武闘財閥が開発した”高圧発射装置”で空を飛ぼうとしてる危険な連中だ、と言いたいところだが、装置自体が人を飛ばすことを前提にしてるからな」
「また武闘財閥ぅぅぅ!?」
と、次の瞬間であった。転がっていたレンが、そのまま弾み、大筒の中にはいってしまう。
よろよろ、と大筒、いや高圧発射装置から顔を出したレンだったが、かぽっ、と頭に何かを被せられたのが分かった。そして、体に何かが取り付けられるのも分かった。
どうやら、装置の機能の1つで、入ったら自動的にヘルメットと安全スーツが取り付けられる仕組みになっているらしい。
「良いかぁぁぁぁ!! 我等人間大砲同好会は、今日も”安全に””楽しく”ぶっ飛ぶぞおおおお!!」
「おおおおおお!」
「それでは-----------まず、空砲をどーん!!」
「ぐはあああああああああ!!」
次の瞬間であった。
大筒から、激しい衝撃と共に彼が飛んでいくのが見えた。
「レエエエエエエン!!」
「あ、あれ、どこに向けられたんだ?」
嗚呼、哀れなり。そのままレンは、何処かも知らない方向に向かって飛ばされていったのだった。
「あれ? 今誰か飛んでいったような」
「おい、あんたら今何処に向けて撃ったんだ!?」
「いや、だって空砲のつもりで撃ったし……」
まずいことになった。いよいよ不運もエクスタシーに達してしまったようであった。
***
「はくよう……きす、シよ?」
とろり、と蕩けた眼を向けてくる彼女に、白陽は興奮を隠せないで居た。普段が無邪気なだけに、服を纏っていても彼女のしぐさ1つ1つが扇情的に見えてしまう。
それぞれのデッキからこっそり抜け出し、ヒナタの家で2人っきりに---------という作戦は見事に大成功であった。いや、あのヒナタとノゾムだから然程気にしてはいないか。
それはともかく、だ。据え飯食わぬは陰陽師の恥というものではないか。
目の前の彼女が誘っているのだ。そのまま、体を抱き寄せ唇を奪う。
「……んっ……はくよう、狼さんみたい……」
かああ、と自分の顔が赤くなっていくのが分かった。もう我慢できない、そのまま彼女の服に手をかけ----------
「ぐはああああああああああああああああああああああ!!」
----------る前にバリイイイン、と何かが割れる音が鳴り、何かが窓から突っ込んできた。ガラスが飛び散り、部屋は酷い惨状に。
「ぐ、ぐはあ、いたたたた……ヘルメットが無ければ即死だった……ん?」
レンは顔を上げる。そこには、陰陽師の服を纏った二足歩行の九尾と、黒いタンクトップと半ズボンを纏った人型の白兎が居た。
あ、やべ、確かこいつらヒナタとノゾムの相棒の----------
「おい、貴様……よくも私達の邪魔をしてくれたなオイ」
「折角、良いムードになっていたのに……!!」
「げほっ、いやすまなかった。僕も好きで飛ばされた訳では------------」
「「ならもっかい、飛んでけぇぇぇぇ!!」」
問答無用。2人の時間を邪魔された怒りは尋常ではなく。
白陽の神通力で体を窓に固定され、そのままクレセントの鉄槌がバキィッ!! と音を立てて自分を野球のボールみたく打ったのが分かった。そのまま再び、青い青い空へ----------
----------嗚呼、空はこんなにも青いのに------------
※ギャグでなければ死んでいました。良い子の皆さんは、くれぐれもこの2人(いや、2匹? 2体?)がいちゃいちゃしているのを邪魔しないように。
その頃、部屋では怒った顔でクレセントが出て行こうとしていた。
「白陽! あたしもう帰る! 盛り上がってたのが冷めちゃったもん!」
「そ、そんな……ま、待て、誘ったのはお前---------」
「うるさいうるさいうるさい! 白陽の馬鹿! むっつりスケベ!」
「がーん……」
***
「全く、酷い目に遭った」
「あの後、また大筒の中に戻ってくるもんな、お前」
「で、どうしてもう1回飛ばされてきたのよ」
「貴様とノゾムのペットの邪魔をしてしまってだな……酷い目に遭った」
「あー、お前俺んちに突っ込んだのか」
----------つか、後でしばくかあのリア獣。
本当に、ギャグで無ければ死んでいたところであった。皆もくれぐれも人間大砲なんて真似しないように。
「あれ?」
ふと、着信音が鳴る。見れば、メールのようだった。
「送信元は?」
「待て、確認するぞ……あ」
「またこの人?」
レンは何となく察したような声をあげた。
「------------送信元は武闘先輩だ」
- 短編2:てめーが不幸なのは義務なのであって ( No.99 )
- 日時: 2015/06/19 18:19
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
「----------今回お前らに来て貰ったのは、他でもない。向こうの世界からやってきた”犯罪クリーチャー”の討伐だ」
武闘ビルの中にあるオフィス。そこに佇み、既に社長のような風格を醸し出すは、どう見ても次期社長には見えない次期社長の天災、武闘フジであった。
前回のような私事から、今回のような重要な件まで。彼が後輩のヒナタ達を呼び出す理由は多々あった。
「ヨミなどの件も見れば分かると思うが、豊富な資源、大量の目覚める前のカードのクリーチャー達。それを狙い、向こうから地球にやってくる敵性クリーチャーは珍しくない。現にドラポン達が急に居なくなったのも、未だ混乱の続く向こうの世界を静めるためだ。現在、アウトレイジとオラクルの連合軍、そして”とある軍勢”との協力をしているものの、上手くいっていないようだ」
「あの野郎……俺に一言言えば……!」
「そうよ! こっちだって大変だけど、あたし達にもできることがあるはず!」
「……お前たちを巻き込みたくなかったんだろう。奴らの気持ちも汲み取ってやれ。しばらくは帰って来れないらしい。俺は、《マキシマム・ザ・マックス》を向こうに度々送り込み、情報を搾取……ゲホゲホ間違えた、集めて貰っている」
「おい、この人今おっそろしいこと言ったぞ」
それはともかく、とフジは続けた。
「そのクリーチャーの主な悪行として、幸運のペンダントと称した”散幸ペンダント”を配り、持ち主が不幸な目に遭い、逆に持ち主の周りの人物がどんどん幸運な目に遭う場面を見せつけて二重苦を味わっているところを見て内心ほくそ笑んでいる、というものだ。しかも、持ち主の半径3m圏内に居る奴も不幸になる、というとんでもねえ代物でな」
3人は黙りこくった。散幸ペンダント。まさしくヒナタの思ったとおりの効果であった。それに加えて、まさかそんな効果まであるとは思わなかったが。
-----------なんつー趣味の悪ィクリーチャーだ……。
-----------となると……レンが不幸な目に遭っていたのは……。
-----------……。
「んあ? その様子だと、その中の誰かも被害に遭ったみてーだな」
***
「成る程、ねぇ。まあ被害者に選択肢が無かった、なんてのは良くある話だ」
一通り話を聞いたフジは、うーむ、と唸った。そして、至って真剣な面つきで問うた。
「ところでヒナタ、レンがコトハと事故ったときの写真は撮ってるかって痛い痛い痛い」
コトハが、ぐぎぎぎと明らかにやばい音と共にフジの頭を掴んでいるが、気にしないでおこう。あの後、ばっちり写真は撮ったヒナタであったが、当然ながら然るべき制裁とデータ削除の応酬を食らったのだった。何この主人公。最早、犯罪のレベルである。
それはともかく、今ヒナタ達がやるべきこと。それは、散幸ペンダントを押し付けているクリーチャーを見つけ出し、何が何でも討伐することであった。
「……しっかし、参った。折角、現役女子中学生のパン-----------おぶぇっ、げほっ、じゃなかった、敵の居場所が全く掴めん」
「そうですね。折角、同級生のパン-----------おぶぇっ、げほっ、じゃなかった、敵の居場所が全く分からないんじゃ、倒しようが無い」
「貴様らギャグでやってるのか知らんが、いつか死ぬぞ。頭蓋陥没で」
その原因がコトハの怒りの鉄槌であることは言うまでも無く。貴様の中に先輩の威厳もへったくれも無いフジも含まれていることは言うまでも無く。
そこでだ、とフジは切り出した。
「----------てめーの相棒の狐の出番だ」
***
「……」
「……」
「……」
「……」
4人は黙りこくっていた。ヒナタは確かに、白陽を連れてきた。しかし。
当の白陽はカードの中でずっと蹲っており。
『あー、うー、そんな馬鹿な……私のプランが……』
「おいどうしたテメェ」
『おのれえええ、どれもこれも貴様の所為だ黒鳥レエエエエン!!』
「ちょ、いい加減にしろ、僕は何にも悪くないぞ」
大体察した残る3人は、嗚呼、と頷いた。そういえば、レンはさっきヒナタの家に突っ込んで、白陽とクレセントの邪魔を(何がとは言わないが)してしまったのだ。何故、クレセントが居なかったのか、という質問についてだが「怒って帰ってしまった」とのこと。まあ当然、怒りの矛先はレンへ向けられるだろう。
そして直後。カードから槍を取り出して飛び出した白陽の尻尾を思いっきりヒナタが握った。それはそれは、恐ろしい握力であった。
全リア獣に向けた怨念のパワーが詰まった”握撃”であった。そして、妖気が抜けてチビになった白陽をぶら〜んとぶら下げて、鬼の形相で睨み付ける。傍から見れば動物虐待のそれであるが、クリーチャーであるから何の問題も無く。
「調子乗んなよ、テメェ。誰が人ン家でやって良いっつった。盛ってんじゃねえよ、どいつもこいつも。あーあー、浮かれちまってよー」
「痛い痛い痛い!! もげる!! 尻尾がもげる!!」
「良いから、テメェの能力でなんやかんやして、クリーチャーの反応を炙り出しやがれ!!」
「分かった、おろして! 手ェ離してくれ! 動物虐待反対!」
「駄目だね。このまま探知しろ。さもなきゃ尻尾とベロをちょん切る。てめーに選択肢はねえ」
「そ、そんなぁぁぁ〜」
というわけで、白陽の能力を使って、海戸に現れたクリーチャーの反応を探ることになったのだった。
***
「ううう〜、白陽に絶対嫌われちゃったよぅ、白陽は悪くないのに」
「あー、何があったか知らねーけど、泣くなクレセント」
「おっかしいな……白陽にあんな言い方するつもりは無かったんだよ? でもなんか、勝手に口が------------」
ノゾムに泣き付くクレセント。先ほどの事を相当後悔しているようだった。
----------口が勝手に?
しかし、彼女の発言からは少し違和感を感じた。
「うえええええん、のーぞーむー、ぎゅーしてよー、辛いよー」
「……大変だ、本当……」
はぁ、と溜息をついた彼は天井を仰いで言った。
「ぶっちゃけ、オレ今回出番全く無いよね?」
と、あからさまなメタ発言をノゾムがしたそのときだった。
「ノゾムさーん! ちょっと来て下さーい!」
玄関から、甲高い少女の声がする。
その声から考えられる名前を、思わずノゾムは呼んだ。
「ホタル……? 何しに来たんだろ?」
- 短編2:てめーが不幸なのは義務なのであって ( No.100 )
- 日時: 2015/06/22 02:21
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
「こんにちは……」
家に入れると、少しおどおどした様子でホタルは部屋に上がりこんできた。
とりあえず、茶の一杯でも入れてやるか、とグラスを取り出すノゾム。一息ついて、本題に早速入ることにした。
「で、どうしたんだ?」
「ごめんなさい、迷惑でしたか」
「いや、緊張しすぎだろ、お前。新聞部としての取材スキルは何処に言ったんだよ。とりま続けろ」
「なら良いんですけど……実は、相談したいことがあって」
相談? 例の件以外で、まだ彼女が何か抱えているのか、とノゾムは不安になった。彼女はいつもは明るく振舞っている分、背負いすぎてしまう傾向にあるのだ。
一方、言った彼女は少し顔を赤らめていた。ノゾムの顔を直視できないというか、”2人きり”というのを意識してしまっているというか。
いや、実際には、ノゾムのデッキの中に居るクレセントと、彼女のデッキの中に昼寝中のハーシェルが居るのであるが。
「と、とにかく、見た方が早いと思いますっ! 来てください!」
「お、おいおい! 何のためにわざわざ入れたと思ってんだ、ゆっくりしてけよ!」
だっ、と部屋を飛び出す彼女を、ノゾムも追いかけていく。
「どうしたんだよ、一体……。とにかく、行けば分かるか」
***
やってきたのは-----------一言で言えば寺院であった。
何というか、如何にも仏教だとかその辺の宗教が取り仕切っていそうな、普通の寺院であった。
しかし、問題はそこではない。
「おかしいですよね? 此処、昨日までは普通の空き地だったんですよ? それがいきなり、こんな寺院が出てきて……」
おかしいこと、この上ないとはこの事だろう。ホタルの家の近くには、有刺鉄線で立ち入り禁止になっている空き地があった。建設予定地だったそうだが、ある事情で断念されたため、もうずっと何も無いままなのだ。
だが、幾ら建設予定地だったからって、いきなり一晩の間に寺院が出来ているというのは、一体どういうギャグであろうか。こんなギャグでは、空き地に草も生えないと上手いことを言ったが、成る程まさにその通りである。建物が一瞬の間に建ってしまったのだから。
しかも、街の連中はこれに気付いている素振りも見せないし、大して気に留めていない。
いや、正確に言えば”見えていない”というのが正解であろうか。
『結界じゃろうな』
「ハーシェル! 分かるのか?」
ヒヒン、と得意気にハーシェルが鳴く。彼が言うからに、この結界は”現実世界と空間を切り離す”ものであり、寺院の周辺の空間は誰にも見えないし触れないようになっているのだ。
しかし、その効力は”魔力(マナ)”を使えない人間にしか無い。つまり、”生きたカード”を所持している人間は、間接的にそのクリーチャーからマナを取り込んでいるため、結界を貫通して寺院を見ることができるし、触ることができるのである。
「しっかし、何だ? こん中にクリーチャーがいるって言うのかよ?」
『いーや、確実にいると思うよ、あたしは。やっちゃう?』
言った彼女の表情は、それはそれは凄まじい笑顔であった。見る者を魅了するどころか、萎縮させる笑顔であった。
ひっ、とホタルは顔を真っ青にし、ノゾムの影に隠れた。
「今日のクレセントちゃん、怖くないですか、ノゾムさん!?」
「機嫌が悪いんだ。気にするな」
とりあえず、先輩に連絡するか、とノゾムはスマートフォンを取り出し、ヒナタに連絡を取ろうとした、そのときであった。
「うおおおおこっちかあああああ!!」
声が聞こえる。それも、めっさ聞き覚えのある声が。
見ればそこには、めっさ見覚えのある先輩が、4名、先頭にはチビになった白陽が凄いスピードでダッシュしていた。
ヒナタ、コトハ、フジ、そして-------------
「……」
頭にゴミ箱、尻に野犬、足にネズミ取り機、両手に野良猫が噛み付いた、どっからどう見ても不審者の男が約1名。
体を引きずるようにして、動いていた。
それを特に気にするまでも無く、ヒナタはノゾムとホタルに目を留めると、颯爽と駆け寄る。
「到着っと! およ、ノゾムにホタル? 何で此処に? デートか?」
「ふぇ!?」
ヒナタからすれば、冗談のつもりだったのだろうが、酷く狼狽するホタル。
「そ、そ、そ、そ、そ、そんな、あたし達、まだそんな関係じゃ--------」
「何言ってるんですか先輩。コレ見てくださいよ。こんな寺院、昨日までありましたっけ?」
「おー、マジか。それは奇遇だったな。俺らもクリーチャーの反応を追っていたんだが、やっぱり此処で間違いなかったな、ご苦労、ポチ」
「オイラはポチじゃねえ……ぜぇぜぇ」
疲労しきっている白陽はそのまま、バッタリ倒れてしまうが、しばらく寝かせれば大丈夫であろう。
おもくそガンスルーの2人を見て、ホタルは思った。
---------スルースキル、半端無さすぎですよ、ノゾムさん……。
ちょっとは触れても良いじゃないか、と。しかし、ノゾムに乙女心等理解できるわけもなかった。
「全く、走ったぞ」
タブレットを確認しながら、フジが言う。その割には大して息を切らしていないように見えた。
そして、コトハが不審者に声をかける。
「……レン? あんた大丈夫?」
「もがー、もがー」
声の主は被っているゴミ箱の所為で上手く話せないようだったが、とりあえず彼女の言葉からして、彼がレンであることは間違いないようだった。
「駄目だこりゃ」
「先輩!? レン先輩なんすか、あれ!!」
正体が明らかになった不審者に衝撃を禁じ得ないノゾム。おかしい、どっからどう見てもおかしい。
しかしレンは、ようやくゴミ箱を脱ぎ、野良猫、野良犬を振り払い、ネズミ取りを気合で粉砕して、今まで溜めていたものを解き放つように、絶叫した。
「おんのれええええええい!! おかしい!! この僕が何故、こんな目に遭わねばならんのだ!! いや理由は分かってるけど!!
う つ く し く なあああああああああああああい!!」
------------レン、今回は同情してやるぜ……。
------------あんたの「美しくない」久々に聞いた気がするわ。
------------哀れなレン先輩……。
------------どんな事情があるのかは大体察しました。良い記事になりそうです!
------------そんなことより、さっさとビルに帰ってうどんが食いたい。
「いやいやいや下の約二名!! マジで貴様ら何なんだ!!」
「だから、私は良い記事が書けるなら……」
「酷い後輩だ!!」
「俺はうどん派だ」
「庶民的!! 次期社長の癖に庶民的だ!!」
「今更、俺様にお坊ちゃまキャラを求める方がバカってもんだ」
「そういう問題じゃ無いんだけどぉぉぉ!?」
あーあー、落ち着け、とヒナタがやーやーやってる全員を宥めた。
「とにかく、突入しねえと何にもならないわな。行くぞ、てめーら! とっとと面倒ごとは処理して、こんな不幸パラダイスから脱出しようぜ!」
その言葉で全員我に帰ったのか、口々に「そうだな、やるしかあるまい」や「全力で叩き潰すしかないわね」や「事件を解決して、さっさと良い記事にしてしまいましょう!」と歪みねぇ言葉が飛び出す。
そして、全員は寺院の中へ入っていった。
このとき、自然な流れで寺院に足を踏み込もうとしているレンは、一瞬我に帰り、ふと思った。
-----------あれ? 今回、僕が主役なんじゃないのか? 何で結局ヒナタが引っ張っているんだ?
と。
嗚呼、空はこんなに青いのに。
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