複雑・ファジー小説

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新任の養護教諭、香先生
日時: 2016/09/04 13:39
名前: 奈々化 (ID: G/k9CtSQ)

 こんにちは  または久しぶりな方もいるかもしれませんね。

 奈々化です。パソコンの調子がいいので、このたび再開することにしました。

 さて、同じ題名ではだめだということで、似ている題名で書かせていただくことにしました。内容も頭からまったく変えてしまったので、前作の小説の内容は忘れてください。
 
 また保健室ネタ?!と思われるかもしれません……ですが、またこれから宜しくお願いいたします。


Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.271 )
日時: 2015/11/22 15:01
名前: 奈々化 (ID: LU1dyaTr)

 南side

 「でも、杉木は昨日からなんか変でしたけど?」

 「え?」
 
 寺島先生の口から、まさか杉木さんの名前が出て来るとは思わなかった。

 「いや—、あの子が笑ってるの、初めて見ました。 まぁ、一瞬でしたけど」

 「笑ってたんですか?」

 「はい。 嬉しそうでしたよ。 昨日の午前中、何かいいことでもあったんじゃないでしょうか? あ、今私、変だったなんて言いましたよね。 すみません」

 確かに、いつもどこか硬い表情の杉木さんが、授業中に笑うなんて。 よほど、うれしいことがあったのかも。

 チャイムが鳴った。 「おっと」と寺島先生は立ち上がった。

 「次は授業なので」 そう言って、自分の机に行き授業の準備を始めた。

 

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.272 )
日時: 2015/11/30 09:30
名前: 奈々化 (ID: s26dq553)

 南side

 (杉木さんにとって、思わず笑ってしまうほど嬉しいこと…)

 「あの、土江先生?」

 突然、前の席から名前を呼ばれて、一瞬ビクッとしてしまった。

 目を向けると、三神先p…じゃなくて、三神先生が心配そうな目で私を見つめていた。

 「さっきから唸ってますけど、どうかされました?」

 「え、また唸ってましたか?」

 「ええ」

 「そ、それはすみませんでした!」

 「悩み事ですか? 良かったら聞きますよ?」

 「な、悩みと言われれば、そうですが」

 



 安佐子side

 私が五時間目から帰って、机に座った時から…いや、その前から、土江先生は頭を抱え唸っていた。

 そこで、気になって声をかけたという訳だ。

 私は、土江先生の隣に移動した。

 悩みというのは、土江先生のクラス、一年三組の生徒についてだった。 

 「三橋君?」

 私がそう生徒の名前を繰り返すと、土江先生はうなずき、目線をちょっと上げた。

 「普段は落ち着きがあって、あまりよそ見もしない子なんです。 私も、自分の授業でしか生徒の様子はわかりませんが……」

 「そうなんですか。 それは心配ですね」

 「寺島先生にもさっきの時間、話を聞いてもらったんです。 そしたら、「杉木さんは昨日から、なんか変でした」って言われて」

 「杉木さん?」

 「はい。 昨日、寺島先生の授業中、一瞬笑ったそうです」

 「笑った? 一瞬?」

 土江先生はうなずき、机に視線を落とした。

 私はふと、昼休憩の時の事を思い出した。

 香はきっと、誰かに頼まれたんだ。 何かを。

 その何かはわからないけど。

 「土江先生」 私は椅子から立ち上がり「ついて来てください」と職員室の扉を開け、一足先に出て行った。

 三橋君と杉木さんの、いつもと違う行動としぐさが、香の何かと関係があるような気がする。

 

 
 

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.273 )
日時: 2015/12/04 10:24
名前: 奈々化 (ID: s26dq553)

 香side
 
 「要するに、杉木さんと三橋君、この二人とあんたのクラスの例の三人が、何かの形でつながっている。って言いたいの?」

 六時間目が始まって十分後くらいに、安佐子がまた土江先生を連れて、保健室にやって来た。

 「その子たちとって言うか、香が調べていることに関係がありそうだったから」

 土江先生が右に首を傾げた。 保健室に来てから、ずっと首を左右に動かしっぱなし。 きっと、安佐子から何の説明もないまま、ここに来たのだろう。

 「誰から依頼を受けたの?」

 「依頼って」 私は、無意識に土江先生を見る。 

 首が左に倒された。

 「直接は頼まれてないけど、何となく調べてる」

 「あの」

 私と安佐子は、土江先生を見つめた。 首を正して、右手を上げている。
 
 「質問いいですか? 例の三人って、誰なんですか? あと……横田先生と調べることについて、いまいち結びつきが見えないんですが?」

 「あー」 そう言って安佐子は、私をちらりと見る。

 「そういえば、まだ言ってませんでしたね。 実は、この子が高校三年S/」

 (また例の説明を!)

 私は、そばにあったものさしを取り、安佐子の頭をペシッと叩いた。
衝撃は弱いものの、安佐子は固まり、口を閉じた。

 「分かった」

 私はものさしを片付け、椅子に深く腰掛けた。

 「何が分かったの!」 安佐子がそう言って、目を輝かせた。

 「七時間目の後」 私は二人を交互に見て言った。

 「土江先生は杉木さんと三橋君を、安佐子は例の三人を連れて、体育館に集合」

 「体育館?」 二人の声がそろった。

 「そう。 私は一通り調べた。 あとは、本人たちに喋ってもらうの」

 土江先生がまた首を傾げた。 私は土江先生のもとに歩み寄り「特別に」と優しくささやいた。

 「安佐子の言いたかったことを、見せます。 なので、協力お願いしますね」と笑った。

 そして、安佐子には「『ついて来てくれる』って言うだけでいいから」と、注意した。

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.274 )
日時: 2015/12/07 15:31
名前: 奈々化 (ID: s26dq553)

 安佐子side

 「まったく、香のやつ。 どこまで私のことを、口の軽い女だと思ってるのかしら」

 私は三年一組の教室の前で、小さくつぶやいた。 ちょうど、七時間目は偶然にも、ここの授業なのである。

 (私だって、あの日を境に変わったんだから!)

 私は教室の戸を開け、中に入った。 何となく教室を見回し、例の三人を探す。

 皆いた。 

 小代君と村岡君はサッカー部で、どちらかがキャプテン、副キャプテンらしい。 

 香住さんは、陸上部。 主に短距離で活躍しているそう。

 「あの、三神先生? もう、五分過ぎてます」

 副委員長の本居さんが、代表して声をかけてきた。

 「…あ! じゅ、授業を始めます」

 「起立、礼」

 「お願いします」

 私は黒板に向かって「今日はここから」とページを書いた。

 すべては、この三人と、杉木さん、三橋君が知っている。

 私は香の言うとおりに動く。 そして、香を信じてあとを見守ろう。



 こんにちは。 作者です。

 いつも、ご愛読ありがとうございます。

 ですが、書くにつれて、内容がいろいろ変ってきていて読みづらいですよね。 本当にすみません。

 自分でも読み返して「うわ!」と思います。

 今から、ノートに書く内容をメモしてから、ここに載せようと思います。

 これからも、こんなだめだめ作者を宜しくお願いします。

 

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.275 )
日時: 2015/12/12 20:26
名前: 奈々化 (ID: s26dq553)

 南side

 私の七時間目の担当は、一年三組。 この時間は寺島先生の言っていた、授業の調整とは関係なく、もともと国語の時間。

 「昨日配ったプリント、持って来てますか? 今日はまず、そのプリントの答え合わせをしていきたいと思います」

 皆そろってカバンを机に上げ、プリントを探す。

 「漢字だけは、前に出て書いてもらいたいんだけどーーー」

 そう言って教室を見回す私に、生徒たちは「えー」と不満の声をあげた。 が、机に視線を落としている二人がいる。

 「杉木さんと三橋君」

 名前を呼ばれた二人は、そっと顔を上げた。

 「二つずつでいいからね」

 私は教壇から下り、二人を黒板の前に促した。

 杉木さんは横に立った三橋君に目を向けないが、三橋君はチラチラと杉木さんを見る。

 なんだか、落ち着きのない目をしている。 寺島先生の言ったとおり、ちょっと変。

 (きっと、杉木さんについて何か知っているのね)

 私は自分の席に戻って行く二人を見て、はっと我に返った。

 「うん! 二人とも、正解」
 
 私は赤チョークを手に持ち、丸を付けていった。

 


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