複雑・ファジー小説
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- 新任の養護教諭、香先生
- 日時: 2016/09/04 13:39
- 名前: 奈々化 (ID: G/k9CtSQ)
こんにちは または久しぶりな方もいるかもしれませんね。
奈々化です。パソコンの調子がいいので、このたび再開することにしました。
さて、同じ題名ではだめだということで、似ている題名で書かせていただくことにしました。内容も頭からまったく変えてしまったので、前作の小説の内容は忘れてください。
また保健室ネタ?!と思われるかもしれません……ですが、またこれから宜しくお願いいたします。
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.196 )
- 日時: 2015/06/13 14:17
- 名前: 奈々化 (ID: SSNg/Zhu)
香side
「骨折…9人、捻挫…5人」
私はそう口にしながら、紙にメモを取った。
(なんだ、これ?)
そう心の中で呟くと同時に、来月の保健便りの見出しは「骨を大切に」に決めた。
今私は、ここ一週間に、保健室に訪れた生徒のうち、何の怪我が一番多いか整理していた。
骨の弱さが、目に見えている。
”現代っ子、カルシウム不足”
あ! またいい見出し浮かんだ。
でも、保健委員がいるし、またポスター作ってもらおう。
「よし」と私がパソコンを閉じた時「横田先生」と聞き覚えのある声が。
「はい」と私は椅子から立ち上がり、戸を開ける。
「あ、寺島先生。 どうされたんですか? 顔の血色が」
「あ、あの、ベッド、いいですか?」
「は、はい」
寺島先生は私に「失礼します」と言って、ベッドに素早く横になった。
(一体、どうしたんだろう?)
そう首を傾げた時「香!」と、聞き飽きた声が聞こえてきた。
「寺島…先生、来なかった?」
そう息を知らして言う安佐子に「来たよ」っと言って、私は安佐子に詰め寄った。
「あんた、何したの?」
「いやいや、私は何もしてなくて……何かしちゃったのは」
「しちゃったって…誰が?」
安佐子が目を右に左に泳がせ始めた時、「三神先輩!」と一人の女性教師が現れた。
(三神…先輩!)
私は驚きで固まった。
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.197 )
- 日時: 2015/06/15 08:06
- 名前: 奈々化 (ID: SSNg/Zhu)
愛読者の皆様、おはようございます。
奈々化です。
今日から2〜3週間、パソコンを修理に出すことになりました。
今まで、読んで下さりありがとうございました。
復活した際、また読んで頂けたら嬉しいです。
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.198 )
- 日時: 2015/06/26 19:40
- 名前: 奈々化 (ID: SSNg/Zhu)
久々の小説投稿の前に、挨拶
愛読者の皆様、こんばんわ。 ご無沙汰しています。
予定より早く、パソコンが戻ってきました。
待っていて下さった読者様、また頑張って行きますので、よろしくお願いします。
では、久々に続きを書いていこうと思います。
ミニ安佐子side
職員室の床に、背中から落とされて、相当ダメージがあると思ったら、寺島先生はいきなり起き上がって職員室を飛び出した。
それを追いかけてきた私と土江先生は、保健室に着いた。
寺島先生は「背中…背中が痛い! 私の背中に一体、何が刺さったんですか!?」と、うなされています。
香side
「大丈夫ですよ。 今は何も刺さってません。 どうか、安静にしていてください」
私は寺島先生の寝ているベッドのカーテンを開け、優しく声をかけた。 また、苦笑いだったかもしれないけど。
「んで」と私は椅子に腰かけ、二人を交互に見た。
「安佐子じゃないなら、誰が寺島先生の背中を刺したの?」
「刺してはいないよ」
安佐子は「ただ……」と、隣に目をやる。
安佐子を「三神先輩」と呼んでいた女教師だ。
(と、いうか……)
「あなた、誰ですか?」
「ちょ、香!」
「だって、見たことない顔だったから」
そう。 私はほとんどの時間を保健室で過ごしている。 たまに職員室にコピーに上がったりするくらいで、寺島先生以外の先生とは、まだあまり話したことが無い。
「あ、申し遅れました! 私は、土江 南と言います!」
突然の大声に、私と安佐子は、ほぼ同時に椅子の上で跳ねた。
「土江先生ですか。 初めて聞く名前です」
私は安佐子より早く我に返った。
「私は新任の養護教諭」と自分の名前を名乗ろうとしたとき「横田 香先生……」と土江先生がつぶやいた。
「私の名前、知ってるんですね」
「え…、ええ。 二人のことは、先生たちからよく聞いています」
「そうでしたか」
私は見開いていた目を元に戻し、「もしかして」とベッドを指差す。
それを見た土江先生は、申し訳なさそうに身を縮め「はい、私がやりました」と素直に詫びた。
「カッターナイフですか?」と、私は刺す真似をして見せる。
「いえ、刺したのではなく……背中から、なぎ倒してしまいまして」
「そうでしたか。 刺しては無いだろうと思っていましたが、まさか投げたなんて……一体、何があったんですか?」
そう尋ねると、なぜか土江先生は苦笑いを返してきた。
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.199 )
- 日時: 2015/06/27 12:18
- 名前: 奈々化 (ID: SSNg/Zhu)
香side
「ところでさ」
あの後すぐ、土江先生は「トイレ」と言って、保健室を出て行った。
本当は、安佐子も追い出したかったが、疑問があったから、あわてて飛び出す寸前の暴言を飲み込んだ。
「ん、何?」
安佐子が、続きを促す。
「土江先生。 あんたのこと三神先輩って呼んでたけど……まさか、大学時代の後輩?」
「違うよ。 私もなんでか知らないけど、ついさっき職員室で話してたら、急にそう呼ばれて」
安佐子は「うーん」と目を閉じ、腕を組んだ。
「なんで土江先生は、寺島先生をなぎ倒すなんてことをしたんだろう?」
「あんた、なんか知ってんじゃないの?」と安佐子を見る。
そう言うと、安佐子が唸る声は低くなり、首を上下左右に動かしだした。
「あー、分かった、分かった。 落ち着け。 お茶がこぼ/」
「2ky!」
「…………なんて?」
安佐子side
「2kyだよ!」
私は興奮して、椅子から立ち上がり叫んでいた。
「2……なんて?」
香はそう首を傾げ、ポカーンと口を開けている。
「なんて」と言われても、言葉にするのが難しい。
「な、なんてって…2kyは2kyなの」
「ますますわからん。 最後のとこ、カタカナぽっく発音してみてよ」
(なんだ、その難しい注文!)
「えーっと……2キェゥィ」
「え、キウイ? なんで、急に果物が出てくるんだ?」
「いや、キウイじゃなくて……あ、ちょっと借りるね」
私は目の前にあった鉛筆と紙を取り、2kyと書いて「はい」と香に差し出した。
「2とky?」
「うん。 そう言った寺島先生を、土江先生がうおおおおって言って、寺島先生の背中を、こうやって職員室の床に向かって投げたんだよ」
私は、その時の土江先生の動きをまねてみせた。
「そうだったんだ」
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.200 )
- 日時: 2015/06/28 17:15
- 名前: 奈々化 (ID: SSNg/Zhu)
ミニ南side
(はぁー……焦ったー!!)
私は手洗い場の鏡に映る、血の引いた自分の顔を見ながら、荒い呼吸を繰り返していた。
自分から「寺島先生をこんな目に合わせました」発言をしたものの、どうしてそうなったのかを聞かれて、すぐに納得してもらえる理由が浮かばなかった。
気が付いたら「トイレ」と、保健室を飛び出していた。
だって……
「自分の歳がばらされそうだったから、投げてしまいました」
(なんて、言えない!!)
ほんと、なんで投げちゃったんだろう! と、私は今更になって思った。
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