複雑・ファジー小説

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新任の養護教諭、香先生
日時: 2016/09/04 13:39
名前: 奈々化 (ID: G/k9CtSQ)

 こんにちは  または久しぶりな方もいるかもしれませんね。

 奈々化です。パソコンの調子がいいので、このたび再開することにしました。

 さて、同じ題名ではだめだということで、似ている題名で書かせていただくことにしました。内容も頭からまったく変えてしまったので、前作の小説の内容は忘れてください。
 
 また保健室ネタ?!と思われるかもしれません……ですが、またこれから宜しくお願いいたします。


Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.111 )
日時: 2015/02/03 21:01
名前: 奈々化 (ID: SSNg/Zhu)

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 花side

 「起立、礼!」

 「ありがとうございました!」

 今、二時間目が終わった。 授業の内容が、全く頭に入らなかった。きっと仁井奈もそうだろう。 机に頬づえをついて、虚ろな目で教室の一点を見つめている。

 私も後ろを振り返る。 ポツンと空いた一つの席が、真っ先に目に映った。

 「美羽、どこにいるんだろう? やっぱり変だよね。今日の美羽」

 仁井奈の問いかけに、私は「うん」と力なく答えた。 でも……

 「仁井奈、私ちょっと行って来る」

 私は椅子から立ち上がり「もしかしたら、次、欠席するかも」と言って、教室の出口に向かった。

 「場所に心当たりがあるの?!」と叫ぶ仁井奈に、私は何も答えず、廊下を走り出した。

 
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 愛読者の皆様、お久しぶりです。

 今日は短いですが、これからも楽しんで頂けるように、頑張ります!

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.112 )
日時: 2015/02/04 20:32
名前: 奈々化 (ID: SSNg/Zhu)

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 美羽side

 「ふーん、父親がねー」

 私はついに、話してしまった。 ホッとした気持ちと同時に、「話しちゃった、話しちゃった」と頭の中はパニックになった。 って、横田先生、何か紙にメモしてる?

 私が覗くと、「錦家→両親が離婚している」と書いてあった。

 (花から「推理するんだよ」って、聞いてたけど……ほー)

 私は素直に感心した。 

 「あ、そういえばさっき、チャイム鳴ったけど、もう一時間休む?」

 「え、鳴りました? 10時53分ですか〜、って、えっ! 三限目が始まる時間です! あ、え、ええっ! す、すみません、失礼します!」

 「そんなに慌てないで。 三年の教室、すぐ、そこなんだし」

 私はつまずきそうになりながら、出口を目指す。 やっと、取っ手を掴んだ。と思ったら、外側から、不意にドアが開けられた。

 相手のスリッパに書かれた名前が目に飛び込んできた。 私は、視線を上に上げていく。 そこにいたのは息を切らせた、一人の女子生徒。

 「は……花」

 「見つけた!」

 そういうと、花の姿は私の視界から消えた。

 「古志野さん?! しっかり!」

 横田先生が慌てている。 そんなことを思っていると、三時間目の開始を告げるチャイムが鳴ってしまった。

 私は、入口近くの長椅子に、ドカッと腰を下ろした。

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.113 )
日時: 2015/02/06 21:30
名前: 奈々化 (ID: SSNg/Zhu)

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 香side

 「横田先生、一つ、お願いが……」

 「ん?」

 「あの……私の両親が、離婚してること、花には黙っててもらえませんか?」

 って言われたからには、黙っててあげよう。 

 私は古志野さんに、錦さんと同じ長椅子に座るよう促し、引き出しから”保健室入室カード”を、新たに一枚取り出した。

 



 花side
 「あんた……何か悩んでんの?」

 私は、美羽と距離を置いて座った。 だけど、美羽の体がビクンと跳ねたのが、はっきりとわかった。

 「ねえ、美羽…私たちさ、親友じゃん? だからさ、いろいろと相談してほしいんだよ。 わかるでしょ?」

 そんな私の言葉に美羽は小さくうなずくだけだった。

 「わかるよ。 けどさ、迷惑、かけたくないんだもん」

 「だからって、こっちは放っておけないんだよ! 一人で抱え込む方が、辛いに決まってる! こっちは、力になりたいの!」

 私は美羽に、強い口調で言った後、「先生!」と横田先生を振り返った。 「はい?!」と裏返った声が返ってきた。

 「この子と、何を話していたんですか?」

 「いや、それはちょっと、言わないでくd/」





 香side
 (花には黙っててもらえませんか?)

 ふと、私の頭の片隅で、錦さんとの会話の一部が繰り返された。

 (錦さん、ごめん)

 私は錦さんに心の中で謝り、受話器を手に取った。

 「ああ、香だけど。 大至急、来い!」

 私は短く言い放つと、椅子に座った。 二人の目が見開かれていることは、背中に刺さる視線で分かった。

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.114 )
日時: 2015/02/07 11:36
名前: 奈々化 (ID: SSNg/Zhu)

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 美羽side

 (な、なんで?)

 今、私と花の間には、三神先生がいる。 「ふー」と、ハンカチで汗を拭き取っている。

 「で、何の話? 古志野さんや錦さんまで呼んで」

 「二人は、自分の意志でここに来たよ。 それより、教師がそんなに汗だくでどうした。 ヒールで廊下走ったのか? よし今日、保健委員に集合をかけよう。 事故防止の張り紙が必要だ」

 「だって「大至急、来い!」って言ったの、香でしょ? だから、足くじけそうになりながらも、急いできたのに」

 「はいはい、わかったよ。 思いのほか、早かったから、準備が出来なかったな。 まあ、とりあえず、二人」

 横田先生は、私と花を指差して「図書室にでも、行っといで」と、私たち二人は保健室から出るように促された。

 (……まあ、三神先生になら、知られてもいいか……担任なんだし)

 「あ、じゃあ、失礼しました」

 私は先に椅子から立ち上がり、チラッと花に視線を向けた。

 花が髪の間から、鋭い視線で見ていた。 「一言残らず、聞かせてもらう!」そんな感情が伝わってきた。

 私はちょっとした覚悟を胸に、花よりも先に保健室を出た。 遅れて、小さな足跡が聞こえてくる。

 (親友だけど、巻き込みたくないんだよ? 親友なら、分かってよ)

 私は気が付いたら、廊下を走り出していた。







 安佐子side

 「…………」

 私は香の話を聞いて、言葉を失った。

 (私は、あの子の変化に、気づいてあげられなかった。 いつも通りに見えていた)

 「あんた、これまでの学校で、いろんな生徒と触れ合ってきたでしょ? 担任もやったらしいじゃん?」

 「でも、こんな深刻なことを抱えた生徒に出会わなかった」

 「ふーん……まあ、それは置いといて、今後の事態に備えて、いろいろと対策を考えようと思うんだ」

 「??? 対策、ですか?」

 「そ。 まず、一カ月間。 安佐子が錦さんを、家まで送る」

 「は、はい」

 私は、胸ポケットに刺したペンを取り、メモを取った。

 それを見た香は「第二に」と、得意げに話出した。

 

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.115 )
日時: 2015/02/08 11:54
名前: 奈々化 (ID: SSNg/Zhu)

 美羽side

 「はあ…はあ…うっく……はあ…はあ…」

 私は壁に背中を付けて、荒い呼吸を繰り返していた。 ここは、体育館の裏。 

 (図書室って、どこだっけ? 一階にあるって、聞いたことあるけど)

 私は図書室を知らない。 静かすぎて、息が詰まるから、小学生の頃から、あまり入ったことなかったな。 

 私がそんなことを考えていると、離れたところから自分よりも荒い呼吸が聞こえてきた。

 (花……今、追いついたんだ)

 「図書室は…どうしたの? わからないけど、向こうにある気がするよ。 気になる本、無いの?」

 「はあ…いいよ。 場所、知らないから」

 「あんたもかい」

 こんな空気では、さすがに私も明るく振舞えない。 今のツッコミも、ちょっとぎこちなかった。
 
 「あ、鍵、開いてる」

 「え?」

 私は花を振り返ったが、いなっかった。 ちょっと歩いて行くと、体育館の入り口の取っ手に、手をかけているのを見つけた。

 「不用心」

 「だね。 よっ、と」

 「え、入るの?!」

 花は驚く私をおいて、さっさと奥に進んで行く。 私は「もー」っと言って、着いて行くしかなかった。

 と、花が突然立ち止まった。 危うく、ぶつかる所だった。

 「な、何、急に!」

 「…じゃな……らさ」

 (うわ! めっちゃ小声だった!)

 「今、なんて?」

 「だから、今じゃなくていいからさ……横田先生と何の話をしてたのか、教えてくれるの」

 「あ、うん」

 「いつか、話してくれるよね?」

 私は、その言葉に、すぐに返事が出来なかった。

 「美羽?」

 花が私に向き直る。 「無理に「教えて」ってせがんで、ごめん」 そう言って、私の肩に手を置いた。 私は小さく首を振る。

 (こっちこそ、素直になれなくて、ごめんね)

 「今は…話せない…ごめん」

 「うん」

 「でも、いつか、話せると思う。」





 花side

 美羽はそう言って、顔を上げた。 その潤んだ目に、不安が感じられた。 でも、親友の決めたことだ。 私は、応援してやるんだ。 きっと、困ったときは横田先生が……。

 「あー、体育館の中、冷えるなー。 保健室、戻ってみよう」

 「うん。 私も、そう考えてたとこ」

 (横田先生……この子を、恐怖から救ってください)

 私たちは、元来た道を帰って行った。 





 美羽side

 花に、信じてもらえて良かった。

 頑張って、解決しよう!

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 あー、駄目かもー。

 今までで一番、話の流れがおかしいかも。



 

 

 

 


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