複雑・ファジー小説
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- 新任の養護教諭、香先生
- 日時: 2016/09/04 13:39
- 名前: 奈々化 (ID: G/k9CtSQ)
こんにちは または久しぶりな方もいるかもしれませんね。
奈々化です。パソコンの調子がいいので、このたび再開することにしました。
さて、同じ題名ではだめだということで、似ている題名で書かせていただくことにしました。内容も頭からまったく変えてしまったので、前作の小説の内容は忘れてください。
また保健室ネタ?!と思われるかもしれません……ですが、またこれから宜しくお願いいたします。
- Re: 保健室にいる香先生 ( No.5 )
- 日時: 2014/07/22 20:25
- 名前: 奈々化 (ID: ODwEOXCF)
みららさん、ありがとうございます。
これからもっと楽しくしていきます。
自信はないですが、宜しくお願いいたします。
- Re: 保健室にいる香先生 ( No.6 )
- 日時: 2014/07/22 11:46
- 名前: 奈々化 (ID: ODwEOXCF)
み「え……私もだって、学校変わるの?」
か「ああ〜、うん。 そうみたい……」
香がそう返すと、かすかに安佐子の笑い声が聞こえた。「おい! 笑うな!」
み「いやいや、ごめんごめん。 ただね、同じ学校だったらいいなって思ったから……」
か「あんた、そんなに寂しがり屋だったっけ?」
み「……大人になってから、人一倍」
か「そ、そっか。」
香は電話越しに(大変だな……)と思い、「ちなみに、私は/」と、移動先を打ち明けようとした。
「いい! もしかするともしかするかもだから! 楽しみとして取っとく! じゃあ、運が良ければってことで!」
- Re: 保健室にいる香先生 ( No.7 )
- 日時: 2014/08/03 09:57
- 名前: 奈々化 (ID: ODwEOXCF)
(つまり、安佐子は奇跡を信じるって言ったのだろうか?)
香は一方的に切られた電話を、ゆっくりと戻した。
「もしかしたら……か」
もしこの世に奇跡があるとしたら……と、香はときどき考えてみる。
(じゃあ、いつまでこの願いを神様に願えばいいの?)
香は二階の部屋に行き、カバンから一つの短冊を出した。あの十一年前の夏から……変わらない願いが書かれた短冊……。唯一、七夕様に願った、一つの願いが書かれた短冊を……。 香はそのすっかりくたびれた短冊を太陽の光にすかした。
(もし二人が、今の私を見たら「大きくなったね」って言ってくれるだろうか?)
「ゴーーーーーン ゴーーーーーン」
聞きなれた古時計の音……「七時か」 あっという間だ。 まずい、初出勤で遅刻なんて、まずすぎる。 香は短冊を丁寧にカバンに戻し、一階に急いだ。
「食パン! ……ない。 米は! ……少しある。 卵! あった!」 やっぱり遅刻しそうなときは、卵かけごはんだ!ってわけで、香は猛スピードで卵かけごはんを食べた。
「はあ! 呼吸してなかった!!」
- Re: 保健室にいる香先生 ( No.8 )
- 日時: 2017/07/13 14:57
- 名前: 奈々化 (ID: ZUrGQhyc)
「んーーーーーーーーーー、ぐわっと」
汗だく! それってさっきまで見ていた奇妙で難しい夢のせい? 古志野 花(こしの はな)はいったんそう思い首をかしげた。すると、まだ布団のかかっている足がやけに重たく感じた。 もう見なくてもわかる。
「ガウ……下りて」
そう。 その正体はここ、古志野家で飼っている大きなシェパードだった。 と、花に注意され、ガウはシュンと尻尾を下げ部屋を出て行った。
「そんなに落ち込まなくても……」
でも、良かった。新学期早々遅刻なんて、絶対不幸な1年になること間違いなしだもん! これも、ガウがすんなり布団から下りてくれたおかげ。
「さて、うがい、うがい」
花が階段を下り、洗面所に向かう途中、すでにばちゃばちゃと顔を洗っている音が聞こえた。 「出遅れた……」 そこにはもう弟の直哉がいた。
「きたな……」と花はぼそっとつぶやいたつもりだった。が、直哉は振り返って「あんあっえ?」っと歯磨きしながら言った。ちゃんと言葉になってなかったため花は「は?」という顔をするしかなかった。
直哉はそんな姉には目もくれず洗面所を出た、かと思ったらしばらくして「バカ!」と言いにわざわざ戻ってきた。 次は花が「あんあっえ?」と言う番だった。
花がリビングに入ると「あ、花、おはよう」と父、古志野 新(こしの あらた)がコーヒーの入ったコップを掲げた。
は「うん、おはよー」
あ「いやー、もう花もいよいよ高校生活最後の歳だな」
な「あ、そういえば……」
直哉は牛乳の入ったグラスを置き、パンを両手で持ち「奇跡って、ホントにあるんだ」と言った。 姉をバカにした言葉だ。
は「今の言葉、もう一回言ってごらん?」
な「え……!!!!」
花の思わぬ顔の豹変ぶりに、直哉の顔は一気に青ざめた。新もパンをかじろうと開けた口がふさがらない。
な「ご、ごごごめん……なさい」
は「さっきとちげー!!!!!」
ガ「ワン!」とガウが吠えたそんな時、電話が鳴った。
あ「ん、誰だ?」
新はコーヒーの入ったコップを置き、「よっ」と立ち上がった。
あ「はい、もしもし」
?「あ、あなた?私、恵理子です。 今、空港にいるの。 今から羽田行に乗るの。夕食前には着けるわ。久々に外食なんてどう?」
あ「そっか、うん。じゃあ、わたしも早めに仕事をあがろう。 花たちも喜ぶよ」
え「大きくなったかしら、二人とも」
新はこっそりと二人を見た。もう花の怒りも収まり、静かにご飯を食べていた。
あ「ううん、たった一カ月ではね」
え「そうよね。 うーん、じゃああのファミレスに集合しましょ。 空港からバスに乗って行くわ。 じゃあ、行ってらっしゃい、切るわね」
あ「ああ、夜に」
新はそう言うと受話器を置いた。途端に「お母さんだった?」と花が問いかける。
あ「ああ、今空港だって。 今夜外食しようって」
な「いつものファミレスで?」
あ「そう」
は・な「はーい」
は「ごちそうさまでした」
花はスクールカバンを肩にかけ、靴を履こうと玄関に向かった。と不意に思いついたことが……
は「直哉ー、今日私がガウ散歩に連れて行くから、ゆっくり帰っておいで」
な「え、なにそれ?」
は「春休みの宿題、まだ終わってないでしょ?」
な「!!!!」
は(ふっ)「しっかり指導してもらいなさい、じゃあ」
花は家を出た。
「外食か……久しぶりだな」
- Re: 保健室にいる香先生 ( No.9 )
- 日時: 2014/08/03 10:02
- 名前: 奈々化 (ID: ODwEOXCF)
「まったく、直哉ってば……小5の春休みの宿題なんて、まだなんてことないじゃない。 またきっと、帰ってきたら部屋に二、三時間こもるんだろうなぁ。 はあーあ」
花は大きくため息をつき、がくっとうなだれた。と、そんな時、肩に手を置かれ「おっはよー」と声をかけられた。 かけられたっといっても怪しい人じゃない。 幼稚園のころから知っている、幼馴染の錦 美羽(にしき みう)だ。
は「うん、おはよー。 どうだった休みの間? ってあれ?髪切った?」
み「お、気づいた? そうなの、つい一昨日ね」
は「ふ〜ん、いい感じになったね。 なんていうか、おとなしい感じになったよ、すごく」
み「なにそれ。 まるで ”今までおとなしさのかけらもなかったのに〜” みたいな言い方じゃん」
は(おとなしくないって、自覚ないんだ……)「あー、いやその、あのーー、ごめん」
「……、まあ、いいか。」と美羽が歩き出したので花もその後ろを追って歩き出した。と、しばらくして美羽がこちらを振り向き「で、ガウ君元気?」と、もういつものご機嫌なニコニコ顔で花を見た。
は「あ、うん。 相変わらずよくご飯食べるし、めっちゃ寝るし」
み「いいなー、ペット飼えて……」
美羽は下を向き、「私ん家、アパートだから飼えないんだよね〜」
は「飼ったら飼ったで大変だよー。 散歩のときはリードごと体持っていかれるし。吠えてるの無視して勉強してたら、足噛まれるし。寝ている間に部屋に入って、夏まで布団に乗ってきてこっちは暑苦しいのに、全然どこうとしないんだもん。 最終的には無理矢理抱いて下すんだけど……」
み「……でも癒されるでしょ?」
は「癒しが目的なら、トイプードルかチワワみたいな小型犬飼ってるわ」
み「……ガウ君、かわいそー」
は「だって、あの子選んだのお父さんだもん!」
み「だとしても、飼えるだけいいな〜」
美羽のそんな一言で、花の発していたピリピリなオーラは一瞬にしてひいた。まあ、新学期から喧嘩なんていやだし……
み「でさ、新しい先生来ると思う?」
は「え?」(めっちゃとんだな、話の内容)
「うーん、国語の飯田先生と、養護の佐伯先生がいなくなっちゃったから、二人じゃない?」
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