複雑・ファジー小説

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新任の養護教諭、香先生
日時: 2016/09/04 13:39
名前: 奈々化 (ID: G/k9CtSQ)

 こんにちは  または久しぶりな方もいるかもしれませんね。

 奈々化です。パソコンの調子がいいので、このたび再開することにしました。

 さて、同じ題名ではだめだということで、似ている題名で書かせていただくことにしました。内容も頭からまったく変えてしまったので、前作の小説の内容は忘れてください。
 
 また保健室ネタ?!と思われるかもしれません……ですが、またこれから宜しくお願いいたします。


Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.221 )
日時: 2015/08/05 13:52
名前: 奈々化 (ID: Z1Z7gKIK)

 ミニ南side

 (杉木さん?)

 校舎から駆けて来た一人の女子生徒は、真っ直ぐに一年三組の女子の列に入って行った。

 (トイレだったのかしら?)

 「あ、戻って来た」

 ふと隣から安堵の声が聞こえ、顔を左に向ける。

 一年女子の体育担当、浜田 豊彦(はまだ とよひこ)先生だ。

 「戻ったとは?」

 私はそっと声をかけた。

 「いえね、あいつ、昨日の試合で、足痛いことしたみたいで。 保健室行って、大丈夫そうなら戻って来いって言っといたんです」

 「そうだったんですか」

 「戻って来たということは、大丈夫だったんでしょう。 良かった、良かった」

 浜田先生は「ハハハ」と短く笑った。

 

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.222 )
日時: 2015/08/05 14:02
名前: 奈々化 (ID: Z1Z7gKIK)

 新登場人物(追加)

 ・須藤 沙世莉 (すどう さより)

  花のクラスメイト。 美羽と同じ、テニス部に所属。

  絵を描くのが趣味。



 ・須藤 沙代子 (すどう さよこ)

  沙世莉の妹。 テニス部、新入部員。

  愛結のことを気にかけてくれる。


 ・浜田 豊彦 (はまだ とよひこ)

  一年女子の体育担当。

  生徒の不調に気づきやすい。

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.223 )
日時: 2015/08/09 12:04
名前: 奈々化 (ID: Z1Z7gKIK)

 ミニ南side

 校長先生の話の後、皆それぞれのクラスへと帰って行った。 七時間目は無しになり、これから掃除をして、部活という流れだ。

 先生たちに紛れて、職員室に向かう階段を上っていると、自分のいる少し前に杉木さんがいた。

 「杉木さん」

 私が声をかけると、杉木さんは無言で振り返り、立ち止まった。

 「さっき、浜田先生から足のこと聞いたんだけど、本当に大丈夫?」

 「今は何とか」

 「そう。 でも、やっぱり痛いなって思ったら、保健室で見てもらってね」

 杉木さんはうなずいて、タタタタッと階段を駆け上がって行った。

 「土江先生、どうかしました?」

 ふと声をかけられ、ずっと階段の途中で立ち止まっているのに気づいた。

 振り返ると三神先輩が立っていた。

 「何でもないです。 行きましょう、三神先輩」

 私は三神先輩にニコッと笑顔を見せた。

 「あの、あまり先輩、先輩って言わないで」




 

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.224 )
日時: 2015/08/10 16:31
名前: 奈々化 (ID: Z1Z7gKIK)

 ミニ安佐子side

 先輩と言われるのは、別に嫌じゃない。 でも……
 
 (私、年下なのに)

 もし、香の言ったことが本当だったとしても、寺島先生を投げるなんてことしなくても。
 
 (あ! そう言えば寺島先生は?)

 私は耳だけ校長の声に傾け、辺りを見回す。 と、自分の少し前に、寺島先生が立っていた。

 (いた! ってことは、避難訓練にも参加したのかしら?)

 寺島先生は、まだ痛そうに背中をさすっては、姿勢を正すという行為を繰り返している。

 (まだ痛むのかしら? もしかして、香に無理矢理追い出されたなんてことないわよね…)

 

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.225 )
日時: 2015/08/16 19:21
名前: 奈々化 (ID: Z1Z7gKIK)

 ミニ香side

 会議後、私はすぐに保健室に向かった。 着いた時には掃除のために、もう三年生が集まっていた。

 「ごめんね、待たせて」

 そんな私の声に反応したのは、古志野さんだった。 「いえいえ」とドアから遠ざかり、私が鍵を開けるためのスペースを作ってくれた。

 「じゃあ、今日もよろしくね」と古志野さんをはじめ、三年生たちを中へ入るように促した。


 

 愛結side

 「杉木さん」

 階段の掃除中、突然声をかけられた。 振り返ると、須藤 沙代子さんがいた。

 「呼んでる」

 彼女は廊下を指差した。 けど、人の姿は無かった。 

 階段を降り、左側の廊下を壁越しに覗いて見た。 

 柴田教頭がいた。 もしかしてと思い、恐る恐る近づく。

 「おお」と柴田教頭は手を上げた。 どうやら、この人で合っていたらしい。

 「何でしょうか?」

 「いやな、その、足は大丈夫かね?」

 「はい」

 「そうか。 避難訓練の時、遅れて来ていたが、何かあったか?」

 「いえ、何も」

 「そうか、ならいいんだ。 邪魔したな」

 柴田教頭はそう言って、足早に行ってしまった。

 (教頭先生が、わざわざ足の心配?)

 私はほうきを握りながら、頭を巡らせた。

 (もしかしたら、他に聞きたいことがあったのかもしれない)

 

 

 

 


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