複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

新任の養護教諭、香先生
日時: 2016/09/04 13:39
名前: 奈々化 (ID: G/k9CtSQ)

 こんにちは  または久しぶりな方もいるかもしれませんね。

 奈々化です。パソコンの調子がいいので、このたび再開することにしました。

 さて、同じ題名ではだめだということで、似ている題名で書かせていただくことにしました。内容も頭からまったく変えてしまったので、前作の小説の内容は忘れてください。
 
 また保健室ネタ?!と思われるかもしれません……ですが、またこれから宜しくお願いいたします。


Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.186 )
日時: 2015/05/31 11:50
名前: 奈々化 (ID: SSNg/Zhu)

 南side

 (よし、南! 今日も朝礼頑張った!)

 私はそう自分に言い聞かせ、密かに胸の前で拳を握った。

 この学校に勤めて、早五年が経つけれど、担任を任されたのは、今年初めてなのだ。

 学校の教員としての生活にはとっくに慣れたものの、担任として生徒と向き合うことには、まだ慣れない。

 特に、杉木さんのようにあまり多くを語らない子には、どう接していいのかわからない。

 前にちらりと、猫の話で盛り上がっている女子の会話の中にいたのは見たことがあるけど…本当にそれきり、クラスの子と話しているのを見たことが無いのよね。

 (猫、好きなのかしら?)

 私がそんなことを考えながら、職員室に向かっていると「香」と声が聞こえてきた。
 
 私は壁により、曲がり角から顔をのぞかせた。

 そこには、三神先生と横田先生の姿があり、横田先生はなんだか迷惑そうな顔をしている。

 噂で、二人は幼馴染だと聞いたことがある。 だからしょっちゅう一緒にいるのもうなずける。

 でも、なんでだろう。 あまり仲は良く見えなかった。 と、言うのも、きっと……。

 「毎日、毎日、朝礼の風景を語りに来るな。 これからの季節、暑苦しくてイライラするの。 冬まで ”保健室出入り禁止令” 発動させっぞ、ペラペラ女」

 横田先生の暴言が原因かと……。



 
 

 

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.187 )
日時: 2015/05/31 11:52
名前: 奈々化 (ID: SSNg/Zhu)

 愛結について

 愛結ちゃんの小学生としての場面についてです。

 小学三年生から、四年生に変更させます。

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.188 )
日時: 2015/05/31 14:47
名前: 奈々化 (ID: SSNg/Zhu)

 香side

 (あーあ、やってしまった)

 安佐子に対して、どんなにイラついても、どんなに気に障ることを言われても、絶対に職員室の前では暴言を吐かないと決めたのに!

 そんな誓いを立てて早三日。 

 私たちが幼馴染だとばれるのも、本当に時間の問題になってしまった。 まぁもう、ほとんどの先生が気づいているだろうけど……。

 (もうしばらく、安佐子には会いたくない。 本当に保健室出入り禁止令出そうかな?)

 本当に、なんであんな奴に私は「助けてほしい」なんて……。

 (あの写真には、何の意味があるの?)

 あれ以来、写真の数は増えていない。

 これまでで共通しているのは、写真の送られた日、古志野さんや錦さんを事件から助けたってことだけど……まさか、それが。

 というか、私はあれでちゃんと、二人を救ったことになっているのか? 

 私は椅子に座って、両手で頬杖をついた。

 (私は、役に立っているのかな?)

 
 

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.189 )
日時: 2015/06/02 15:42
名前: 奈々化 (ID: SSNg/Zhu)

 南side

 私は、職員室前の廊下で固まっている三神先生に、かける言葉も見つからないまま、職員室に入った。

 「土江先生」

 机に着く前に、寺島先生に声をかけられた。 

 「今日もギリギリでしたね、来るの。 まだ、担任にはなれませんか? まぁ、こんなこと、担任を経験していない私に言われてもとお思いでしょうけど」

 確かに一瞬はそう思った。 でも、それはつい去年まで、私も思っていたことなので、責めるつもりはない。

 「いい加減、慣れたいですけど…まだ、難しくて」としか、言えない。

 「でも、二・三年生からは、先生の授業はわかりやすいって、信頼もされてるし。 一年生の担任になっちゃったこと、残念がってましたよ」

 「そうなんですか」

 「はい。 なので、頑張ってください! 担任の経験のない私が言っても、応援に聞こえないかもしれませんが……」

 先生の声はどんどん小さくなり、顔も少し俯きかげんになってしまった。

 でも、私は素直に嬉しかった。

 「はい! 頑張ります」

 私は控えめに、だけど元気よく返事をした。

 ふと、職員室の奥の方を見回した。

 ちょうど横田先生が、パソコンを片手に、職員室を出て行こうとしていた。

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.190 )
日時: 2015/06/03 20:25
名前: 奈々化 (ID: SSNg/Zhu)

 安佐子side

 「はあ〜あ」

 私は窓の手すりに頬杖をついた。

 (香はどうして、私に対してああなんだろう?)

 それは単に、幼馴染だからという仲だけが理由じゃないと思う。 幼い頃から、口数が多い子ではなかったし。 それは香が高校生になるまで続いて、その頃から、私に対する態度も一層、鋭くなった。

 というのも、あんな噂がたってからだけど

 「私といたら、三神さんも傷つくことになる」

 噂がたってから、香は私のことを「三神さん」と、名字で呼ぶようになった。

 噂は ”香が人を殺した” というものだった。

 今でも、そんな噂を流したのが誰なのか分からない。

 当時のクラスメイト達は、ほとんどの人が鵜呑みにして、香を見てはこそこそと話していた。

 私は当時も、今でも信じていない。

 私だけは、信じていようと……そう思ったから。

 「あーあ、だめ、だめ! ボーっとしてたら、つい、いろいろなことを思い出しちゃう。 とりあえず、職員室に入ろう」

 私は出席簿を両手に握りしめ、職員室に入った。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。