複雑・ファジー小説

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新任の養護教諭、香先生
日時: 2016/09/04 13:39
名前: 奈々化 (ID: G/k9CtSQ)

 こんにちは  または久しぶりな方もいるかもしれませんね。

 奈々化です。パソコンの調子がいいので、このたび再開することにしました。

 さて、同じ題名ではだめだということで、似ている題名で書かせていただくことにしました。内容も頭からまったく変えてしまったので、前作の小説の内容は忘れてください。
 
 また保健室ネタ?!と思われるかもしれません……ですが、またこれから宜しくお願いいたします。


Re: 保健室にいる香先生 ( No.1 )
日時: 2014/07/20 18:02
名前: 奈々化 (ID: ODwEOXCF)


   プロローグ


 激しい雷雨……その中を一人の少女は傘も差さずに歩いていた。この少女のずっと前を走る、一人の髪の長い女も、傘などとっくに放っていた。

 と、女は振り返り、ずっと後ろに見える豆粒ほどの白い塊に向かって、「私が何を……何をしたっていうのよ!」と叫んだ。

 女の叫びが聞こえたとき、少女は背後にわずかな視線を感じた。その視線は一瞬暖かく、でも悲しげな重みを少女の背に残した。

 「無駄だよ……」

 少女はその視線を振り切るべく、はだしの足で必死に森を駆けた。

 (アイツ(女)を殺るには、今夜しかないの……)

 女はだんだんと大きくなっていく白い塊に、頭の中が恐怖でいっぱいになり始めた。しまいに頭を抱えながら、走り出した。少女はもう、すぐそばに来ていた。

 (もうあとは時間の問題か……)女は地面に手を付き、四つんばいの状態になり肩で荒い息を繰り返した。と、少女の殺気を感じ取り、自然と全身に力が入る。

 「……あなた……自分のしたことに気づいてないの?」

 少女の問いかけに、女は恐る恐る全身の力を抜き少女を振り返った。てっきりすぐに殺されると思っていたのだ。

 「……え? !!!」
 
 少女の手元に目をやると、大きな石が握られていた。女はグルッと頭を戻す。

 か「私は本当のことが知りたいだけ……今日こそ、答えてもらうから」

 女「……何度も言ってきたじゃない……私は何も知らない。あの日見たのは、香ちゃんのお母さんが泣きながらお屋敷を出て行ったところだけ……」

 か「でも! それを誰も証明できないんでしょ? 証拠もない! あと、あなたに ”カオリ” と呼ばれる筋合いない!!」

 女は,この少女「香」の両親の間に割って入り、無理やりにでも夫婦関係を壊そうとしたのだ。

 「とにかく、あんたは最低な人殺しなの! ここで土下座しても許してやんないんだから!」

 少女は女の背後から、女の頭めがけて石を投げた。

 稲妻が響き、女の赤く流れた血が照らし出された。


Re: 保健室にいる香先生 ( No.2 )
日時: 2014/08/03 09:53
名前: 奈々化 (ID: ODwEOXCF)

   プロローグ 〜続き〜


 香は「ふっ」と、微笑んだ。

 「子供だって見くびるから……私は全部、知ってたんだから」

 今度は「アハハハハ、アハハハハ」と黒い空に香の笑い声が響いた。と、さっきと同じ視線を感じた。振り返ると、一人の男が黒いタキシードに身を包み、白い手袋をはめた右手で雨粒だらけのメガネを、クイッと上げた。そして悲しそうに香を見つめ、

 「殺ってしまわれたのですか?」と、ピクリとも動かなくなってしまった女に視線を移した。

 「……小木沼、あなたには関係のないことです。屋敷に戻りなさい。 これは命令ですよ。 早く!」

 小木沼は、立派な白ヒゲを持った、香の両親に仕えてきた、御年六十八歳の執事である。香が幼いころ、よく面倒も見ていた。
 
 そんな小木沼にも、香の両親との思い出は数えきれないほどあるのだ。だから、十分に女を殺す理由もあり、関係のないことではない。

 今夜、彼女が殺らなかったとしたら、小木沼が殺っていただろう。

 小木沼はおもむろに香の握っている石を取り、血を白い手袋に染みこませていく。

 か「!!!。 何をやってるの!!!!」

 お「私にも手伝わせてください。」

 か「私の言ったことが聞こえなかったか?!!! 屋敷に帰れと言ったんですよ? さあ、石を捨てなさい!!!」

 香は、小木沼の持った石を力ずくで取ろうとした。でも、老いたと言っても、小木沼の力に十七歳の少女の力など通用しない。が、不意に小木沼の手から石が離れた。

 お「……香様……よろしいですか?」

 か「……なんだ?」

 香は、小木沼を見上げ、キッと睨む。

 お「あなたはまだ十七でございます。こんな年寄とは、桁違いの若さなのです。」

 か「?……何が言いたい?」

 お「……奥様、旦那様、二人と同じように香様の成長が私ども、屋敷に仕える者たちの楽しみなのです。 私の作戦に乗ってくださいまし。」

 小木沼は香の耳に口を寄せ ”作戦” を話し出した。

 



Re: 保健室にいる香先生 ( No.3 )
日時: 2014/07/21 16:34
名前: みらら (ID: ???)  

ニュは
楽しそう
またきまーす★☆

Re: 保健室にいる香先生 ( No.4 )
日時: 2015/10/20 09:41
名前: 奈々化 (ID: LU1dyaTr)

  第1話


 「……また見たのか……」

 香はベッドから重だるい体を起こし、さっきまで見ていた夢を思い、窓の外の遠くを見つめた。

 (もう、十一年前の出来事だというのに……まだ引きずっているのか?)

 あの屋敷を離れて、早七年……もうとっくに忘れてしまいたいのだが。香が殺したことに変わりはない。一応香自身、このことが一生香を付きまとうことくらい分かっている。

 「あーーーーーーーー、ああ!!!」 香は頭をかきむしった。

 と、そんな時、電話が鳴った。香は思わず時計を見た。「六時……?」 まあ、切られないうちに急ごう。 香は受話器を取った。

 か「はい、横田ですが、どちらs/」

 ?「あ、香〜? 元気〜」

 な、なんだ。この朝早くからの無駄なテンションの高さ……。

 か「誰だか知りませんが間違いd/」

 ?「え、覚えてない! うはー、ショック〜」

 か(いや、ホント……誰?) 「・・・・・・切r/」

 ?「みかみd/」

 か「最後まで言わせろよ!!」
 
 香は知らない声の主に、堪忍袋の緒を切らした。 が「って!」っと我に返り 

 か「今、 ”ミカミ” って言いました?」

 み「うん……てか、なんで敬語?」

 か「あ、あ……安佐子なの?」

 み「なんだ、覚えてるじゃん。 良かった〜。 久しぶり〜。でね、電話したわけだけど……」

 安佐子の声が急に真剣になった。 小・中・高校とずっと同じクラスで実にユルユルな奴だったが、常にどの教科でもトップに立っていた。

 (いきなりだな! 重大なことだろうか?) 香は何となく身を固くした。

 み「夢、叶ってる?」

 か「……は?」

 み「だから、その……保健室の先生になるのが夢だった、でしょ?」

 か「あ、ああ〜、うん、叶ってる。 なってから2回ほど学校移動したな〜」

 香が懐かしそうにしていると、安佐子のため息が聞こえた。

 か「元気……ないね?」

 み「……実は今日、私学校変わるんだ。」

 か「あんたも学校の先生だったっけ? 夢?」

 み「うん、何とか国語教師やってます、って感じだけど」

 か「ふ〜ん、で? なんでため息?」

 み「不安なんだよ、すごく!!」

 か(あ、そっか……)

 と、香はチラッとカレンダーに目をやり、「私もだ」っと、言ったのだった。

 






 



 

 
 


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