複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

新任の養護教諭、香先生
日時: 2016/09/04 13:39
名前: 奈々化 (ID: G/k9CtSQ)

 こんにちは  または久しぶりな方もいるかもしれませんね。

 奈々化です。パソコンの調子がいいので、このたび再開することにしました。

 さて、同じ題名ではだめだということで、似ている題名で書かせていただくことにしました。内容も頭からまったく変えてしまったので、前作の小説の内容は忘れてください。
 
 また保健室ネタ?!と思われるかもしれません……ですが、またこれから宜しくお願いいたします。


Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.101 )
日時: 2014/12/14 18:30
名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)

 み「皆さん、こんにちはー。 錦美羽です。 あれから、能登先生のことはニュースになりました」

 は「ちょっと美羽! そのことは私の口から言いたかったのに!」

 み「あ、ごめん! だって、今回の話は私が主人公なんだよ! 黙ってられなくてさー」

 は「まあ、わかるけど……」

 み「と、いう訳で、今から自己紹介したいと思います! えっと、私は今年で18さ/」

 は「ギャー、今から説明するから待ってー」

 奈々化「と、いう訳で、キャラクタ—を紹介します」

###################################################

 古志野 花・・・普通のテンションだが、怒る時は怒る、泣く時は泣くと、感情ははっきりとしている。

         高2まで続けていた剣道部を退部してから、古志野家愛犬(花にとっては番犬)のガウの散歩を積極的にやっている。

         始業式当日に見た夢に出てきた、横田香と着任式で出会い戸惑っていたが、能登正義の事件をきっかけに彼女にいい印象を抱いた。
  
  最後に一言 「体重の再測定まで、もうすぐ!」

 横田 香・・・・花の通う高校に、新任の養護教諭としてやってきた28歳。そこで、友人の三神安佐子と再会する。

         推理が得意らしく、遠野昌と能登正義が同一人物であることを、調査して導き出した。

         十年前に、人を殺した?

  最後に一言 「体重計、修理しないと」

 三神 安佐子・・・香と同じく、新任の国語教諭としてやってきた地獄耳女。 (香から言わせるとペラペラ女らしい)

          花のクラス、高校三年一組の担任。

 小林 仁井奈・・・現役、剣道部員で副部長。

          父親を交通事故で亡くし、母親と二人で暮らしている。

          小学二年生の妹がいるが、病院で入院している。

  最後に一言 「妹のお見舞いに行くと、いつも寝ています」

 本居 菜月・・・・高1・高2共にクラス委員長をしていた。

          つい最近の委員・係り決めで、仲良しの藤井歩に副委員長に推薦された。

          自分のせいではないのに、自分を追いつめてしまうところがある。

  最後に一言 「副委員長……頑張ります」

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.102 )
日時: 2014/12/17 21:41
名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)

 藤井 歩・・・菜月と小学校から一緒な仲。

        菜月のことを誰よりも尊敬している。

        音楽部、所属。 秋の音楽祭で引退予定。

        メガネをかけた状態で睨まれると怖い。

        一見大人しく見えるが、荒々しい性格をしている。

  最後に一言 「毎日、お風呂で発声練習してます」

 今回の主人公・・・錦 美羽

  いつも明るく、活発なテニス大好き女子。

  でも、彼女は幼馴染の花に隠していることが、一つだけある。


 奈々化「今のところ、こんな感じです。 では、時々、花や香目線を入れながら、小説を書いていこうと思います。 まだまだ宜しくお願いします!」


###################################################
 第二話 〜プロローグ〜
 美羽side

 能登先生の事件から、早、一週間が過ぎた。

 彼のことはニュースになり、今ではうちの高校、全生徒に知れ渡った。 が、私の幼馴染、古志野花が彼から脅迫させていた女子高生だなどと、高三生と二人の教員以外、誰一人知らない。

 今ではすっかり、能登先生からの恐怖から解き放たれた幼馴染のことを、心配する必要も無くなった。 良かった、本当に良かった。

 だから、今私が困っていても、感づかれないようにしないといけない。 本当は喉から手が出るほど、助けてほしいけど……。心配させたくない。 させてもいけないんだ。

 ねえ、花? 何もしなくていいから、笑っていて。

 今、その笑顔が消えてしまったら、私は生きた心地がしないんだ。

 ずっと ヒミツなの アナタにもダレにも言えない


 錦家の、複雑な家庭の事情なんて

 だから私は、アナタの背中をいつもより優しく見つめているんだよ?

 幼馴染だから、わかってね……

 その時、私の幼馴染は「ねえ、美羽」とこちらを振り返った。

 「そろそろ美羽、誕生日だよね? 今年は休日だから、映画でも行こうよ!」
 
 花のその笑顔に、危うく涙が出そうになった。 が、必死で堪えて、
(本当、いつもありがとう)と、私は心の中で呟いた。

 「うん」

 私は花に明るく笑った。 正しくは明るく笑って見せた、なのかも知れない。

  〜プロローグ 終 〜

 

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.103 )
日時: 2014/12/18 20:48
名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)

 花side

 「ただいまー」
 
 私は、美羽の返事を聞いて嬉しくなり、美羽と別れた後、ダッシュで家まで帰ってきた。 「うーん」と直哉の空返事が返ってきた。 まあ、いい。 今日は文句を言わないでおいてやろう。 私は真っ直ぐに自分の部屋に続く階段を上がった。

 机にスクールカバンを置き、壁につるしてあるカレンダーに目をやる。 今月、四月二十三日は、美羽の誕生日。 今年も彼女が喜ぶことがしたい。

 私は23と書かれたところに、「美羽と映画」と書き込んだ。

 「楽しみ—」と私はリビングに下りて行った。

###################################################

 美羽side

 「……ただいま」

 私は花と別れた後、のろのろと歩き続けた。 普通なら五分の坂道を十二、三分かけて下った。 が、着いてしまったので家の中に入る。 近所の人にも、気づかれたくないのだ。

 私が玄関に足を踏み入れるなり、ガラスの割れる音がした。

 「来ないで!!」と、女の叫び声が聞こえた。 錦 佳代(にしき かよ)。 私の母親。

 「お母さん!」

 私はキッチンまで駆けて行った。 そこには、ガラスのコップを持った男がいた。 錦 治人(にしき はるひと)。 二人にとっては、元家族と呼ぶべき男だった。 今、治人は佳代にコップを投げつけようとしていた。

 「来ちゃダメ、美羽!」と叫ぶ母を無視して、私は男と、母の間に立った。 

 「何回も言っている通り。 それを母にぶつけたら最後。 私はあなたを警察に追放します!」

 私は止め(とどめ)だという感じに、「帰れ!!」と男を睨んだ。

 (なんで、今更来るの? せっかくあなたとの楽しい思い出は、全部頭からも、アルバムからも消したというのに……ずるいんだよ!!)

 治人は「チッ」と舌打ちをして、持っていたガラスのコップをバンッとテーブルに叩きつけ、玄関から出て行った。

 私は力の抜けたように、へなへなと座り込んだ母に抱きついた。 母は「ごめんね、ごめんね」と泣きながら私に謝る。 私は母の肩に頭を置いたまま、何度も頭を振った。

 私が花に隠していること






 ・母と父が離婚していること

 ・その父が、ここ三日ほど家に押し入って来たこと     そして

  今日も、ガラスのコップが4つも割られたこと

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.104 )
日時: 2014/12/19 22:40
名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)

 美羽side

 「ねえねえ、美羽ちゃんにはなんでお父さんがいないの」

 (え!)

 私の目の前には、一人の女の子がいた。 小学校一、二年生で同じクラスだった子。 どういう訳か、その子は当時の姿で、不思議そうに私を見ていた。

 (そうか、ここは私の夢の中なんだ!)

 「そうだよ、なんでいないの?」

 今度は男の子の声! 私が振り返ると、女の子と同じように当時の姿で、不思議そうに首をかしげて私を見つめていた。

 私はふと、自分の手を見る。 一回り……いや、二回りも小さい。 私も、当時の姿になっているらしい。

 「なんでそんなこと聞くの?」

 「だって、この前の親子参観日」

 「美羽ちゃんのお母さんしかいなかったから」

 「美羽ちゃんのお父さん、どこに行ったの?」

 私が暗闇の中後ずさると、次から次に、当時のクラスメイトが現れては、一言一言、問いかける。

 私は目を動かしているうちに、一人の女の子を見つけた。 私のよく知る人物。

 「花……」

 花も当時の姿で、私を見つめていた。 それは不思議そうでもなく、また皆のように、私を問い詰めることもしない。 心配そうな瞳。


 (これって……まるであの時みたい)


 私はこの夢とそっくりな光景を思い出した。 確かに、この出来事の前日に行われた親子参観日に、お父さんは来なかった。 というか、もう離婚していたので、私は最初からお父さんが来ることを期待などしていなかった。

 「ねえ、美羽ちゃん、聞いてる?」

 私は女の子の声で、夢に中で我に返った。 その女の子をはじめ、わらわらとクラスメイト達が迫ってくる。

 「皆、待って」

 花が、私と皆の間に割って入った。 これも当時と同じ。 思わず泣きそうになる。

 (本当に……ありがとう、花)


 私は昔から、あなたに助けられてばっかりだね。 でも、この質問詰めの地獄から抜け出す答えは、もうわかってるから。

 (きっと、目を開ければ……)

 私は”最後に”と思って「そんなに知りたいなら教えてあげる」と皆に笑いかけた。

 「私のお父さんは、死んだの」

 私は目を開けた! ガバッと、ベッドから飛び起きる。

 もう、皆の姿は無かった。

 (なんで今更あんな夢?)

 私はそばにあった時計を手に取った。 午前1時37分。 早すぎる目覚めだ。 布団を頭からかぶって、何度も寝返りを打ったが夢見が悪く、なかなか寝付けない。

 でも、今の夢で、一ついい答えを見つけた。

 現実では生きている父を、心の中で殺せばいい。 警察にも捕まらない。 自己満足で済む。

 「お父さんは……死んだ」

 私は完全に布団から出て、一枚の紙に”錦 治人”と書き、引き出しからカッターナイフを取り出し、刃を思い切り出して、紙に突き刺した。 一度じゃ足りず、二度、三度と繰り返し刺した。

 これで……これでいい。

 私はドンッと膝をつき、泣いた。

 時間はどんどん過ぎて行った。

 

 

 

 

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.105 )
日時: 2014/12/24 10:48
名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)

 花side

 私は今学校にいる。 時間は朝6時50分と、授業まであと二時間の余裕がある。

 まだ剣道部員だった頃、朝練にも積極的に参加していたから、早起きは慣れている。

 が、退部した今、こんな時間に来ても、と思うかもしれないけど。

 「運動がてら、いつでも来ていいからね」と、顧問から声をかけられて、予定表まで貰った。 

(まあ、運動になるって言ったら、一階から三階までの全階段をひたすら上がって下りるを繰り返すのだけなんだけどね)

 せっかくなので、久々に参加させてもらうことにする……と、言うのも、体重測定が今週の金曜日にあるからなんだ。

 「この四日間で、どれだけ減らせますやら」

 私は職員室に向かった。 と、運良く階段を上っていた顧問を見つけたから「とりあえず四日間、お願いします!」とお願いしてきた。

 私は安心して、自分の教室を目指した。 電気がついていないから、一番乗りらしい。 まあ、もうすぐしたら仁井奈が来るかもしれないけど。

 「さて、着替えますか」

 私は教室に入り、電気のスイッチを入れた。 教室の隅で着替えようと、振り返った。 その時「おはよー」と弱々しい声が聞こえた。 まるで「たった今起きましたー」というような、そんな声だった。

 「誰?」と私は目を凝らす。 明かりがつきたての教室は、何度か瞬きをしないと目が慣れない。 

 やっと、人の形が認識できた。

 「あ、おはよー、美羽。早いね、どうしt……」

 私に声をかけたのは、美羽だった。 ずっと、暗い中、ここ(教室)で寝ていたらしい。

 が、そんな美羽の顔に寝痕があることよりも、私は美羽の目を見て、言葉を失った。

 (どどど、どうしたの、その目!!!)

 ただただ心の中で、そう悲鳴を上げていた。


###################################################


 「いや—、花、ありがとね。 あんたの驚く表情のおかしさに笑い続けてたら、おかげさまで目がパッチリしてきたよ」

 「なんとでもご自由に」

 私たちは今、一時間目の化学の授業のために教室移動中。

 「絶対、化学の時間に吹き出すわ」

 「はいはい、じゃあ映画の件、取り消してもいい?」

 「それはいや! 大丈夫、今日あんたと一言もしゃべらなければ…しししぜ…自然とおさま…る…から…クププ」

 「じゃあ、今日お昼、百合達と食べようかな」

 「うん、そうして……クププププ」

 全く、本当にいつまで笑うつもり?

 「じゃあ、その腫れた目の理由はいつ聞けるわけ?」

###################################################

 美羽side

 私はピタッと階段の途中で立ち止まった。

 「聞きたい」 そう言って、ゆっくりと花を振り返った。

 「うん、聞きたい!」と言った花の目は、真剣そのものだった。

 「ありがとう」 私は小さな声で言った。 「え?」と花が聞き返す。

 「嬉し涙って言ったんですよーだー」

 私は花に向かって「アッカンべー」と舌を出し「じゃあね」と会談を駆け下りた。

 「え、ちょっと、何の嬉し涙かは教えてくれないわけ?」

 花の叫び声を、私は泣き声でかき消した。



 


 


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。