複雑・ファジー小説
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- 新任の養護教諭、香先生
- 日時: 2016/09/04 13:39
- 名前: 奈々化 (ID: G/k9CtSQ)
こんにちは または久しぶりな方もいるかもしれませんね。
奈々化です。パソコンの調子がいいので、このたび再開することにしました。
さて、同じ題名ではだめだということで、似ている題名で書かせていただくことにしました。内容も頭からまったく変えてしまったので、前作の小説の内容は忘れてください。
また保健室ネタ?!と思われるかもしれません……ですが、またこれから宜しくお願いいたします。
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.66 )
- 日時: 2014/10/17 16:43
- 名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)
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と(出てきた)
遠野昌と名乗っている、能登正義は、古志野家のすぐそばの電柱に隠れて、花が家から出てくるのを待っていた。
と(おそらく、あの計画を実行するまで、私が能登正義であることに気付かないだろう。今日のクイズ大会、君のお手並みを存分に観察させてもらうよ?)
と「古志野君」
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花はその声に反応して、振り返った。そこには遠野昌がいた。
「遠野先生、おはようございます」
花は、なぜこんなところに遠野がいるのか気にも留めなかった。
と「どうだったね、僕の漢字プリントは。なかなか面白かったろう?」
は「はい! っていうか、本当は…難しすぎて、一問もかけずじまいでして……」
と「あー、困ったね、それは。プリントに書いてあった通り、二十問くらい出しちゃったから。一年のエリアは、絶望的かな?まあ、午後まで時間はあるし、電子辞書とかで調べて、十分に巻き返しできると思うよ」
は「はい。その方法でちょっとやってみます!確認ですけど、あのプリント貰ったの、高三では私だけですよね?」
と「ああ。絶対に秘密にしておいてくれ」
は「はい、もちろんです!」
本番まで、4時間。 やれるだけ、やってやる!!
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.67 )
- 日時: 2014/10/20 19:23
- 名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)
み「良かった〜。今日、花休むんじゃないかと思ってたの!」
珍しく、美羽が8時半すぎに登校してきた。そういえば、ここ二日ほど、登下校をともにしていない。昨日のメールにも、びっくりしていた。
は「休むなら、自分から明日の予定なんて聞かないよ」
み「その時に、あまり元気がなかったから、心配するのは当然のことだよ?」
は「……昨日も家に帰ってから、いろいろ考えちゃって……能登先生のこととか……あの日のことをもう一度振り返ってみたりして」
み「まあ、そんなことだろうとは思ってたけど。で?横田先生と話した結果は?」
は「いや、特にわかったことは……」
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.68 )
- 日時: 2014/10/21 20:14
- 名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)
み「そう」
そんなことを話していると、いつの間にか教室いる生徒の数が増えてきたように思う。時計を見ると、8時20分。
み「まあ、あまり考えない方がいいよ。もう、能登先生はこの学校にいないんだから」
は「……」
美羽のその一言で、花の体は無意識に固まった。昨日から引っかかっていた。能登先生の行方……
み「? ……花?」
は「ねえ? 能登先生って今、どこにいると思う?」
み「え……何、急に!んーーー、実家じゃない?」
は「実家って……どこ?」
み「そんなの、私が知ってるわけ……って、まさか会いに行く気!?」
は「そんなことしないよ。ただ、気になっただけ。だって、私たちが思っているより、ずっと近くにいるような気がして……」
花と美羽の周りの空気が、どんよりとし始めた頃、「皆、おはよう」と、安佐子が教室に入ってきた。
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.69 )
- 日時: 2014/10/25 09:24
- 名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)
あ「昨日も連絡した通り、午前中は三時間目までの授業を受けてもらって、11時50分から昼食の時間なります。そして、クイズ大会の説明がありますので、体育館に1時には集合してくださいね。はい、じゃあ長瀬君、終わりましょう」
な「起立! 礼!」 全「ありがとうございました」
安佐子は出席名簿を持つと、教室のドアに向かわず「古志野さん、ちょっと」っと、一時間目の準備をしていた花とともに教室を出た。数人の生徒が首をかしげて二人の後ろ姿を見送った。
美羽もその一人……
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花が、安佐子について行くと、どういうわけか保健室に到着した。そして、これまたどういうわけか二人の目の前には、いつになく険しい顔つきの香の姿が……
は(どういうことですか、これは?私はただ、横田先生の悩んでいる顔を見せられに来たのですか?一時間目、始まっちゃうのですが……)などという花の心の叫びなど、推理のできる保健室の先生と、地獄耳が自慢の国語教師には悟ってもらえず……
「で、どうして ”古志野さんを呼んできて” なんて言ったの?」
この沈黙を破ったのは、安佐子だった。その言葉を聞いた途端、花は(先生、わけも知らないで呼んだんですか!)と、安佐子に突っ込んだ。
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.70 )
- 日時: 2014/10/25 16:28
- 名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)
安佐子の問いかけに、香は答えず「あんた授業は?」と、疑問を返した。「ないから、ここにきて、こうして座ってるんじゃない!」と返す安佐子。
(私はあるんだよ!あるけどこうして、あなたの隣に座ってるんですよ!)と、花はまた心の中で突っ込む。
か「じゃあ、あんたは職員室で授業まで待機。古志野さんは6分ほど残ってもらえる?」
あ「なんで!」 は(何でですか!)
か「あんたにはほぼ最初から、説明をしなきゃならないの。そんなにもう時間かけていられないの。奴は今日、動くよ?」
は・あ(な、何言ってんのこの人/この子)
あ「誰が何のために?」
か「古志野さんを殺害するため」
香の言葉は、花と安佐子を一瞬にして黙らせた。その一瞬の沈黙は「えーーーーーーーー」という安佐子の叫び声で破られた。
は「わ、私……殺され…るんです…か?」
か「今なら止めることはできる……かもね」
は・あ「かも?」
か「この紙に書いてあるの。 ”今から約4時間後のクイズ大会までに、この暗号を解き、その開会式の10分前に屋上に来い”って。あと……」
香は花に、紙を手渡した。「ここに」と紙の右端を指差した。そこには……
は「…Mr……N!!!」
あ「あ、それこの前の紙にも書いてあったよね?確か古志野さん、能登正義とかって言ってなかった?そこにあるNが名字とかなんとか」
か「あー、はいはい。あんたがペラペラすぎるペラペラ女なのはよーくわかったから、出ていってくれ」
そう言って香は、安佐子を保健室の出口まで引きずり、押し出した。安佐子は「わっ」っとバランスを崩す。香は「じゃあ」と、戸を閉めた。
は「なんで、この名前が?」
香が花を見ると、花の目は紙の中心に、移動していた。
は「横田先生、違います……この人の狙いは、私を殺すことじゃない……本当に殺されるのは、彼です!」
花は香を振り返り、紙を見せた。そこには、遠野昌とあった。
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