複雑・ファジー小説
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- 新任の養護教諭、香先生
- 日時: 2016/09/04 13:39
- 名前: 奈々化 (ID: G/k9CtSQ)
こんにちは または久しぶりな方もいるかもしれませんね。
奈々化です。パソコンの調子がいいので、このたび再開することにしました。
さて、同じ題名ではだめだということで、似ている題名で書かせていただくことにしました。内容も頭からまったく変えてしまったので、前作の小説の内容は忘れてください。
また保健室ネタ?!と思われるかもしれません……ですが、またこれから宜しくお願いいたします。
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.226 )
- 日時: 2015/08/24 19:34
- 名前: 奈々化 (ID: LU1dyaTr)
安佐子side
「お疲れ様—。 もうそろそろ、机運ぼう」
私の指示で、教室掃除の生徒たちは、ほうきを掃除箱に戻したり、ぞうきんを持って教室を出て行ったりと動き始めた。
「ふー、疲れた〜」
廊下掃除担当の錦さんが戻って来た。
「お疲れ様」
私が声をかけると「はーい」と右手を上げ、笑った。
香はすごいと思う。
まさか、本当に保健室の先生になって、こうやって人を助けたりして。
”本当に”というのは理由がある。
今から十一年前……私と香が高校三年生だった頃。
あっという間に、受験の時が来て、皆ピリピリしていた、卒業の一カ月ちょっと前。
香の進路は、まだ決まっていなかった。
私以外の女子は、何の焦りも見せない香が気に入らなかったらしく、いつも冷たい視線を向けていた。
だから、何か話したくても、学校では声をかけられなかった。
でも、当時の担任、安藤 このみ先生は、香を気遣ってくれていた。
(あ…やばい。 泣きそ)
このことを思い出すのは、もう少ししてからにしよう。
私は、ほぼほぼ席の埋まった教室を見回し、うなずいた。
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.227 )
- 日時: 2015/08/29 20:12
- 名前: 奈々化 (ID: LU1dyaTr)
ミニ柴田side
(気になる)
私はものすごく、あることを気にしていた。
以前、三年の古志野のことで、三神先生がバタバタバタバタしていたのに、いつのまにかおさまって…あ、錦のことでも三神先生、忙しそうにしてたな。
と、いう訳で、今、私は……
三階の、三年一組の教室の外に来ています。
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.228 )
- 日時: 2015/09/01 09:45
- 名前: 奈々化 (ID: LU1dyaTr)
ミニ花side
「先生、さよならー」
「ちょっと待って、花!」
「無理ーー」
(だって、仁井奈に捕まる前にできるだけ遠くに行かないと! 退部したのに、いつも部活に顔を出すわけにいかないし)
私は、勢いよく教室の戸を開けた。
「!」
(えーーー)
なぜか今、私の目の前には、教頭先生がいます。
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.229 )
- 日時: 2015/09/05 11:06
- 名前: 奈々化 (ID: LU1dyaTr)
ミニ美羽side
「あたっ(痛っ)! 何、急に立ち止まって」
私は固まった花にぶつけた肩を押さえた。 声をかけたにも関わらず、反応が無い。
「どうしたの?」
私は、花の肩越しに、廊下を覗いた。
(ひょっ!)
なんで、教頭先生がいるんだ?
時々、教室に授業の風景を見に来ることはある。 今日も来たし。 でも、なんか授業じゃないときに来られると、いろいろ悪い想像しか…。
「あ、教頭先生」
ふと明るい声が聞こえた。 三神先生だ。
声に反応して、教頭先生は首だけ、右に動かした。
(なんだ、先生に用事か)
私はほっと息をついた。 それは花も同じだった。
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.230 )
- 日時: 2015/09/06 09:06
- 名前: 奈々化 (ID: LU1dyaTr)
ミニ安佐子side
「もしかして、終礼が終わるの、掃除の終わった頃くらいから待ってらしたんですか?」
「いや、来たのはついさっきです」
「あ、そうなんですね。 ところで、私に何か用事でも?」
「ええ、まぁ、用事と言っても頼みごとではなくて」
「はぁ」
教頭先生が話を切り出すのを待っていると、急に廊下にあふれた生徒たちの視線を気にし出したので……
「あ、ここで話にくいことなら、どこか別の場所で」
そう切り出すと、「ええ」と短く答え、教頭先生は先に階段を降りて行ってしまった。
ミニ花side
「どこ行くんだろう?」
「さぁ」
私と美羽は、首を傾げ、二人を見送った。
と、そんな時「はーな」と私の肩に手が置かれた。
(え…この声)
「に…仁井奈さん」
「何? その初めて会ったみたいな言い方? 部活、行くよ!」
(「行くよ!」って言う前から、私のこと引きずってるよ! 美羽、この子止めて!)
「今日、私用事があってs/」
「ウソつかなの」
仁井奈はそう言って、スピードを上げ、歩きから走りになった。
「私、退部届出したんだけど!?」
私の叫びは、むなしく廊下に響いた。
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