複雑・ファジー小説

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新任の養護教諭、香先生
日時: 2016/09/04 13:39
名前: 奈々化 (ID: G/k9CtSQ)

 こんにちは  または久しぶりな方もいるかもしれませんね。

 奈々化です。パソコンの調子がいいので、このたび再開することにしました。

 さて、同じ題名ではだめだということで、似ている題名で書かせていただくことにしました。内容も頭からまったく変えてしまったので、前作の小説の内容は忘れてください。
 
 また保健室ネタ?!と思われるかもしれません……ですが、またこれから宜しくお願いいたします。


Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.236 )
日時: 2015/09/19 14:37
名前: 奈々化 (ID: LU1dyaTr)

 香side

 「……」

 「おい、聞いてるか?」

 「はい」

 (私が粂山刑事に頼んだこと……は!)

 「松重……清子…ですか?」

 「そう! やっと思い出したか」

 「で、あの女が何か?」

 「さっき言ったろ? そいつについて、最新の情報を掴んだって」

 (ああ、そうだった)

 「で、どう伝えたらいいものかな〜。 このまま電話で伝えてもいいが…」

 「いえ、私がそっちまで行きます」

 「そうか? じゃあ、6時頃に来てくれ」

 「分かりました」

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.237 )
日時: 2015/09/22 10:24
名前: 奈々化 (ID: LU1dyaTr)

 安佐子side

 「そ、それは……」

 「いつ、どこで、二人に気付いたのですか?」

 教頭先生とお茶のみ場に入って、早30分。

 そのうちの10分は、こんなやり取りが続いている。

 (完全に、私の手柄だと思われてる!)

 それは嬉しい…けど……

 (違うんですって言ったら、またややこしくなるのかな?)

 そう思った時、香の顔が浮かんだ。 もし「古志野さんと錦さんの事の解決は香のおかげなんです」って言ったら……


   〜イメージ〜
 
 「あんた、何言ってんの?」

    イメージ 終

 (ってなるのが、オチ!)

 でも、私が認めても、後に嘘だってばれるだろうし……

 「あ、あの」

 私は教頭先生の手から自分の手を引き抜き、勢いよく立ちあがった。

 「何だね?」

 「ちょっと、場所を移してもよろしいでしょうか?」


 
 

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.238 )
日時: 2015/09/23 10:38
名前: 奈々化 (ID: LU1dyaTr)

 香side

 「と、いう訳で、来てしまいました」

 「……は?」

 

 ほんの5分前

 「香! 今、平気?!」

 「無理、帰る」

 安佐子が、柴田教頭を連れて、保健室にやって来た。


 「安佐子…あんたってホント、いつも突z/」

 「いやもう、ごめんって、謝るから」

 私は深いため息とともに、もう一度椅子に座った。 そんな私に安佐子は安心して、教頭と長椅子に腰かけた。

 「で、何。 教頭先生まで連れて」

 「うん。 実は、古志野さんと錦さんについてなんだけど」

 「また、あの二人がどうかしたの?」

 私は無意識に目を見開いて、安佐子を見た。 その様子に「また、とは?」と教頭が首を傾げた。

 「教頭先生」

 安佐子は教頭に向き合い「私ではなく」と真剣な口調で言った後、私の隣に立った。

 「この、横田 香が、二人に気付いたんです」

 (……は?)

 「どういうことです?」

 柴田教頭は、安佐子と私を交互に見た。

 「安佐子。 何が言いたいの?」

 「だから、古志野さんと錦さんの事の解決は、香のおかげだってこと」

 「…あー、能登先生と錦 治人の事ね」

 「そう、その二人の事」

 「な、なぜ、横田先生が能登先生を知っているんですか?」

 「そうです」

 安佐子は親指を立て、教頭の隣に戻って行った。

 「で、それが何?」

 「いやー、教頭先生が能登先生と、錦さんの父親に気付けたのはどうしてですか?って、私に言うもんだから。 正直なことを、と思って」

 「え、じゃあ、横田先生が!」

 「はい、そうn/」

 「あんた、何言ってんの?」

 (えーーーー!!)

 「言っちゃうの、今言っちゃう、それ!」

 「言う」

 私はカバンを手にして、椅子から立ち上った。

 「私、これから用事なんだ」

 そう安佐子を横目を見た後「鍵を閉めたいのですが」と、二人とも保健室から出るように促した。

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.239 )
日時: 2015/09/26 14:19
名前: 奈々化 (ID: LU1dyaTr)

 香side

 (まったく、安佐子は何を言い出すかと思いきや……)

 私は職員昇降口に向かいながら、ため息をついた。

 「説明に行き詰った」からって、人の帰ろうとしてる時に来なくても。

 別に安佐子の手柄にしたって良かったのに……。

 (新しい学校で、やっと慣れてきたのに、他のことで忙しくさせないでよ)

 私は靴を履き替え、ガラス戸を開けた。

 「6時じゃん」

 そうつぶやき、歩き出した時。

 「香!」

 目の前に安佐子の車が止まった。

 「用事って、どこ?」

 「……押しかけたお詫び?」

 「うん、まぁ」

 私は素直に後部座席に乗り込んだ。 安佐子が驚いた顔をする。

 「どこまで?」

 「ここを出て左に曲がって、しばらく真っ直ぐ行って、右に曲がって、また右に曲がってくれる?」

 「場所は知られたくないのね」

 安佐子は苦笑いを浮かべながらも、学校の正門を出た。

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.240 )
日時: 2015/09/27 16:48
名前: 奈々化 (ID: LU1dyaTr)

 ミニ安佐子side

 「ここでいい」

 私が香の指示通り、学校を出て三つ目の信号を右に曲がった直後、香は後部座席の扉を開け車を降りた。

 「ちょっと、危ない!」

 まだ車が完全に止まっていなかったので、慌てて後ろを振り向き注意した。

 「ありがと」

 だが、香は気づかずに扉を閉め、歩いて行ってしまった。

 「教えてくれたっていいのに」

 私は口を尖らせ、ハンドルを握る手に力を込めた。




 香side

 「すみません」

 私は警察署に入ってすぐ、制服を着た女性警官を呼び止めた。

 「粂山刑事を呼んでいただけますか?」

 女性警官はすぐに「分かりました」と、アナウンスをかけに行った。

 5分後、粂山刑事が階段を降りて来た。

 「よお、遅かったね」

 「遅れてすみませんでした」

 「いや、急なことを言ったのはこっちだからな……まぁ、あそこの茶室で話そうや」

 粂山刑事は親指で一つの部屋を指差し、すたすた歩いて行った。 私も後をついて行く。

 「まぁ、座って」

 茶室に入るなり、そう促され素直に椅子に腰かけた。

 「これで良かったよな?」

 そう言って粂山刑事は、青い缶コーヒーを私の前に置いた。

 「ありがとうございます」

 早速その缶を開け飲んだ。 粂山刑事も、同じ缶コーヒーを開ける。

 「さて、どこから話せばいいやら」

 粂山刑事の顔が一気に険しくなった。

 「どこからでも」と私は缶を机に置いた。

 「お前は松重 清子のことをどこまで知ってる?」

 「私の母、清美と双子……ってことしか知りません。 あと、最近ここを出たってことくらいです」

 「本当に調べてるんだな」

 粂山刑事は、十一年前の私を知っている。 知っているのに、小木沼の説得により、私を逮捕しようとしなかった。 でも、事件の翌日に今みたいにここで二人で話をしたんだ。 

 その時「私も、自分で調べる」って言った。

 「良く覚えてましたね、そんなこと」

 「母親に似て、記憶力はいいんだよ」

 私はそっと笑い、コーヒーを飲んだ。

 「それで、あの女の最新情報とはなんです?」

 「ああ、そうだった」

 粂山刑事は缶を置き、スーツのポッケトから何かを取り出し机に広げた。

 「これは?」

 私は眉をひそめた。

 「遺書だ」

 「…い……しょ?」 私は耳を疑い、粂山刑事の言葉を繰り返した。

 「そう、松重 清子の遺書だ」

 


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