複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

新任の養護教諭、香先生
日時: 2016/09/04 13:39
名前: 奈々化 (ID: G/k9CtSQ)

 こんにちは  または久しぶりな方もいるかもしれませんね。

 奈々化です。パソコンの調子がいいので、このたび再開することにしました。

 さて、同じ題名ではだめだということで、似ている題名で書かせていただくことにしました。内容も頭からまったく変えてしまったので、前作の小説の内容は忘れてください。
 
 また保健室ネタ?!と思われるかもしれません……ですが、またこれから宜しくお願いいたします。


Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.106 )
日時: 2014/12/27 09:47
名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)

###################################################

 仁井奈side

 (どうしてだろう……)

 花が元気になったのは、本当に良かったと思う。 でも、今度は美羽に元気がないような……。 

 私は中学からの仲だから、花より多く、美羽のことは知らない。 でも、元気か元気じゃないことくらいわかる。 私の目には、はっきりと美羽の周りに、黒いオーラが見える。

 一時間目終了のチャイムが鳴った。 先生の号令で、皆立ち上がり、礼をした。 そして次々と教室を出ていく。 私は皆に紛れて廊下を歩く美羽に声をかけた。

################################################### 


 美羽side

 「ど、どうしたの、その目!?」

 (やっぱり聞くか)

 仁井奈に声をかけられ、それに振り向いたら驚かれた。

 「嬉し涙だよ」

 私はそう言って「ハハハ」と笑ってみせた。 でも、仁井奈は深刻な顔で私を見つめる。

 「やだなー、そんな険しい顔しないでよー」

 「本当に、嬉し涙なの?」

 「うん、だから大丈夫!」

 私は思い切り笑ってみせた。 仁井奈の目が、少し細くなった気がした。

 (やばい! 気づかれる!)

 仁井奈は、花よりも人の悲しみに敏感なところがあるから、時々恐ろしく思う。 今がその時。

 「おー、もう二時間目の始まる5分前だ! トイレ、行っとこーっと! じゃあね、仁井奈! また後で!」

 私は一気に階段を駆け上がった。

###################################################

 花side

 「遅い」

 私はただ一つ、人のいない席を見つめていた。 

 (美羽……)

 「ねえ、花?」

 チャイムの鳴った後、仁井奈が自分の席に着き、私を振り返った。

 「何?」

 「さっき、美羽と話したんだけど」

 「うん」

 「あれの目の腫れの原因って、嬉し涙だと思う?」

 (あの子……仁井奈にも私に同じことを言ったのか)

 「ううん。 たぶん、嘘だよ」

 「そうだよね、さすがの花でも気づいたか」

 ”さすがの”という言葉に、私の眉はピクッと無意識に動いた。 確かに私は、このクラスの中で一番、鈍感かもしれないけど。

 気づくに決まってるじゃん。 あの子、私にそう言った時……

 一瞬、動き止めたもん……

 

 

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.107 )
日時: 2015/01/03 21:30
名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)


 愛読者の皆様、ご無沙汰しております。

 この小説の作者、奈々化です。

 あけましておめでとうございます。

 今日やっとお餅、伊達巻、かまぼこを食べました。

 小説の更新ではなく、新年のあいさつですいません。

 本年も、この小説を宜しくお願い致します!

 また後日、続きを書いていきます。

 大雪に気を付けてくださいね!

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.108 )
日時: 2015/01/06 08:12
名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)

 小説、行きまーす!

###################################################
 
 美羽side

 「う…ヒック……ヒクッ」

 (あーあ、何やってんだろう……もう授業始まってるよな〜)

 私がトイレに籠って(こもって)たぶん、もう二十分くらいたっただろう。

 (ああ、怒られるなあー。 とりあえず、出よう)

 私は一応、手を洗い、トイレを出た。

 が、途端に誰かにぶつかり、水道の角に太ももを強く打ちつけてしまった。

 (痛!)

 私はあまりの激痛に、声を出せずにいた。 すると、手が伸びてきて「大丈夫?」と優しい声をかけられた。

 私は「な、何とか」と顔を上げた。

 私も、その人物もお互いの顔を確認した途端、ギョッとした。

 (横田先生!)

###################################################

 香side

 (この子は……確か)

 「昨日から、保健室の掃除に来てくれている、錦さんだよね?」

 私がそう聞くと、錦さんはコクっとうなずいた。

 (それにしても……)

 「えっと……どうしたの、その目の腫れ?」

 そう聞くと、彼女は「やっぱり聞くか」という感じに、小さくため息をついた。

 「嬉し涙……って言ったら、どう思いますか?」

 私は、今やっと全校生徒の名前、先生の名前を覚えたところだ。

 だからまだ、生徒一人一人のことはよく知らない。

 でも、私はカウンセラーの資格を持っている。

 「聞いてあげようか……悩み」

 私が歩きはじめると、錦さんはゆっくりとついて来た。

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.109 )
日時: 2015/01/10 08:35
名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)

###################################################

 美羽side

 「聞いてあげようか……悩み」

 ふと、横田先生はそう言って、一階に通じる階段に歩いて行く。

 (保健室…だよね? でも、どうしよう。 誰にも話したくないと思っていたのに、この先生にはすべてを話してもいいと思っている自分がいる。 あ、そうだ。 花のことで、まだお礼、言ってなかった)

 私はそんなことを思いながら、ゆっくりと先生について行き、保健室の中に入らせてもらった。

 「椅子、空いているとこ、どこでもどうぞ」と言われ、私は先生が座ったのを見て、あえて隣にあった丸椅子に腰かけた。 と、なぜか先生はギョッと目を見開き、横目で私をチラッと見た。

 (びっくりさせたかな? でも、席が近い方が話しやすいし)

 でも、私はこの先生について、思い出したことが一つ。

 それは、花が始業式の日に見たという、横田先生と同じ名前を持つ少女が人を殺す夢。

 (もし、その少女が、今私の目の前にいる横田先生だとしたら……)

 私は今更ながら、恐怖を感じた。

Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.110 )
日時: 2015/01/22 20:34
名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)


 ご愛読の皆様、ご無沙汰しております。 奈々化です。

 実は風邪を引いて、寝ていました。

 今日、久々に小説を書いていきますので、温かく見守ってください!

 では、続きを書きます。

###################################################
 香side

 (どうしちゃったのかな?)

 とりあえず、保健室に連れて来たはいいものの、やっぱり新任の教師は頼りないと思われるのかな?

 かれこれ十分くらい、私たちの周りは沈黙に覆われていた。

 「は・・・・・・が・・・・・・した」

 (え?)

 私はあまりに突然の話の切り出し方に、目を丸くした。

 「ん?」 さりげなく耳を錦さんに近づけて「もう一回言って!」と必死に伝えてみる。

 「あ、えっと、花のこと、ありがとうございました!」

 すると、錦さんは椅子に座ったまま、バッと頭を下げた。 私は「うわ!」っと飛び退く。

 「まだ、お礼言ってなかったので…びっくりさせてしまって、すみません」

 錦さんは、オロオロとして、申し訳なさそうに私を見た。「いいの、いいの、気にしないでね」っと、私はきちんと笑って返した。…たぶんだけど。 気を取り直して、私も椅子に座り直した。

 (丁寧な子)

 それが私がこの子に抱いた第一印象だった。 あれから、一週間も経つのに…。

 「あの……悩みを聞くって?」

 「ああ、うん。 なんか今日、いつもの錦さんらしくなかったから、放っておけなくて」

 「いつもの……私らしくなかった?」

 「うん。 今日、あまり笑わないなーって思って」

 「私、普段そんなに笑ってますか?」

 「えーっと、古志野さんといる時とか。 あと、ちょっと話それるけど、友達が多いみたいだね。 ペラペラ女が、良く職員室で私に語ってくるよ」

 「はあ……」
###################################################
 美羽side

 私はうつむいたまま、目を見開いていた。 

 まさか、横田先生に「いつも笑っている子」だと思われていたなんて!

 まぁたぶん、三神先生からの話でそんなイメージがついているんだろうけど……。

 「で、悩みって何?」

 私は横田先生に聞かれ、顔を上げた。

 (悩みがあるって気づかれているなら、一か八か相談してみよう!)

 私は「実は」と、話を切り出した。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。