複雑・ファジー小説

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新任の養護教諭、香先生
日時: 2016/09/04 13:39
名前: 奈々化 (ID: G/k9CtSQ)

 こんにちは  または久しぶりな方もいるかもしれませんね。

 奈々化です。パソコンの調子がいいので、このたび再開することにしました。

 さて、同じ題名ではだめだということで、似ている題名で書かせていただくことにしました。内容も頭からまったく変えてしまったので、前作の小説の内容は忘れてください。
 
 また保健室ネタ?!と思われるかもしれません……ですが、またこれから宜しくお願いいたします。


Re: 保健室にいる香先生 ( No.26 )
日時: 2015/02/26 10:12
名前: 奈々化 (ID: SSNg/Zhu)

 「やっぱり、バレー部強いねー。うちらがこの学校に入ってくる前から全国大会に出場してるって聞くし」

 いつの間にか、お祈りをやめていた美羽が後ろでささやいた。

 は「それだけ楽しいってことじゃない、バレーが」

 み「あんた、剣道楽しくなかったの?」

 は「いや、楽しかったよ。ただ、忙しくなるからって、私剣道捨てたから……私にとって剣道が一番なんてことなかったんだって」

 み「……話が重いよ、始業式だよ〜」

 は「だって、同じ三年生になるっていうのに、仁井奈も百合も続けるんだもん」

 み「……って、今更後悔してるの?」

 は「私やっぱり、陸上部だったかな〜」

 み「今更遅い!」

 美羽は花にそう活を入れて、皆に混じりバレー部員と剣道部員に拍手を送った。

 し「バレー部代表、角田 結城」

 す「はい」

 し「剣道部代表、小林 仁井奈」

 こ「はい」

 し「では、ステージに上がってください」

 は「仁井奈が代表?!!」

 み「へー、すごいじゃん、仁井奈!」

 やがて二人は、池林と向かい合い、それぞれ表彰状を受け取った。

 し「閉式の辞」

 柴田がステージから下りてきた池林にマイクを譲る。

 「以上で、始業式を終わります」そして、また柴田がマイクの前に立ち、「これから着任式に移ります。静かに待ちなさい」と言い、マイクから離れた。池林は大きな木の扉を細ーく開けて入っていく。





Re: 保健室にいる香先生 ( No.27 )
日時: 2014/08/05 09:35
名前: 奈々化 (ID: ODwEOXCF)

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 「そろそろ着任式ですけど……」

 池林は2人の様子を見に来た、というか体育館の中に案内するために来たのだ。香は特に緊張はしていない様子。が、安佐子は掌(てのひら)に ”人” を書きまくっていた。

 い「えーっと、じゃあ横田先生。先に私の後について出て来てもらえますか?」

 か「あ、私からですか?」

 い「ええ。三神先生はその後に続いてください」

 あ「……あ、はい」

 その返事を聞いて、香も池林もとりあえず安心できた。そして、池林は扉を ”ゴゴゴゴゴー” と開けて行った。チラホラと生徒たちが後ろを振り返る。

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 もちろん花もその一人。美羽も見ていたが、しばらくするとガクッとうなだれてしまった。二人とも、女だったからだ。

 (あー、またあの日々が始まるのね……、正直、そろそろかなえてあげても良かったんじゃない、神様。というのも、立ち直らせるネタがもう……)と花も、ガクッとうなだれた。

 

 

Re: 保健室にいる香先生 ( No.28 )
日時: 2014/08/08 20:50
名前: 奈々化 (ID: ODwEOXCF)

 「姿勢を正して」

 柴田の声が響く。体育館シューズが、キュキュッとあちこちで鳴る。花たちもゆっくり顔をあげてステージに向き直る。

 「只今より、着任式を行います。一同、礼!……では、校長先生、お願います」

 柴田の声を聞いて、ステージにかかった階段を上り始めた池林。その後ろに、新任教師たちが続く。その二人が上り終えたのを確認して、池林がマイクの前に立った。

 「さて。今日から新しい先生がお二人、お仲間入りくださいます。私からして左側にいらっしゃるのが横田 香先生、その隣にいらっしゃるのが三神 安佐子先生です。では、それぞれ簡単に自己紹介をしてもらいましょう」

 池林は、香に手で「どうぞ」と合図をした。が、香は止まっている。

 「ん?」花は首をかしげながら、静かにその光景を見ていた。

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 (また、この校長は……)と香は横を向いた。すると猶も安佐子は「人人人」と書き続けていた。

 (おい、おい)と、香は弱り果てたものの、初日から生徒たちや先生方に変なイメージを持たれたくないため、落ち着きを取り戻しマイクまで歩いて行った。
 

Re: 保健室にいる香先生 ( No.29 )
日時: 2014/08/08 20:51
名前: 奈々化 (ID: ODwEOXCF)

 「えー、先ほど池林校長先生からご紹介に預かりました。横田 香です。養護を担当します。皆さんが安全に学校生活を送られるように、いろいろな工夫をしていきたいので、保健室でも見かけたときにでも、気軽に相談してください。」

 (さて、だいぶ話したように思うんだが……)

 「何か、聞きたいこととかありませんか?」

 香は生徒たちを見回してみる。と、「はい!」と一人の男子生徒が手を挙げた。

 か(いた!)「…どうぞ」

  「横田先生は、今何歳なんですか?」
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 「よこた……かおり?」

 花はその名前に、どことなく覚えがあるような気がした。

 「……もしかして、花の夢に出てきた!」

 美羽も気づいたらしい。そんな時、どこからか「横田先生は、今何歳なんですか?」と問う男子の声が聞こえた。

 は・み(……ゴクリ=唾を飲んだ)

 か「……28歳です」

 は・み「え!!」

Re: 保健室にいる香先生 ( No.30 )
日時: 2014/09/05 22:16
名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)

 は「ねえ?」

 み「何?」

 は「今って…2014年だよね?」

 み「そう…だ…よ?」

 は「2014−28=?」

 み「19…86」

 は「+17=?」

 み「2003……」

 は「さらに+11で?」

 み「2014」

 は・み「!!!!!!」

 は「ぐ……偶然」

 み「出会っちゃった……」

 花と美羽は、何となく香を見つめた。
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 (あ、あの二人……さっきからなんなんだろう?そろそろ安佐子に……)

 「えっと、他にはありませんかね? では、これから皆さんよろしくお願いします」

 (安佐子!来い!)

 香が安佐子に目を向けると、まだ「人、人、人」と書いていた。

 (も、もしかしてこいつ! 相当な上がり症!?)



 


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