複雑・ファジー小説
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- 新任の養護教諭、香先生
- 日時: 2016/09/04 13:39
- 名前: 奈々化 (ID: G/k9CtSQ)
こんにちは または久しぶりな方もいるかもしれませんね。
奈々化です。パソコンの調子がいいので、このたび再開することにしました。
さて、同じ題名ではだめだということで、似ている題名で書かせていただくことにしました。内容も頭からまったく変えてしまったので、前作の小説の内容は忘れてください。
また保健室ネタ?!と思われるかもしれません……ですが、またこれから宜しくお願いいたします。
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.56 )
- 日時: 2014/09/21 09:14
- 名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)
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「はい、掃除お疲れ様でした。 じゃあ、明日の予定を連絡します。 第一に健康診断があります。なので体操服を忘れずに持ってきてください。 第二に、委員会の集まりがあります。 明日の一時十五分、指定された場所に行くこと。その紙はもう、青砥先生に後ろに掲示してもらっていますので、必ず委員会に入っている人は見ておいてくださいね」
安佐子の連絡を聞いて、チラホラと返事が返ってきた。
あ「質問はいいですか? あ、視力も図るので、メガネの人ちゃんと持ってきてくださいね。 じゃあ、終わりましょうか」
な「起立! 礼!」 全「さようなら」
「……わかんないなー、んんーーーー」
皆が次々に教室から出ていくなか、花は頭を抱えていた。 遠野に宣言した通り、プリントを貰ってきたのだ。
(自分でも不思議なんだけど、なんでこんなのに興味あるんだろう?
ちっともわかんないのにーーー)
「花、さっきから何うなってんの?」 仁井奈がカバンを肩に掛け振り返ってきた。
は「あ、いや、なんでも」
に「そう? というか完全下校まであと五分だよ? 昇降口しまっちゃうよ!急いで!」
は「え、ウソ! 今日ってそんな日?」
に「毎年のことじゃん、じゃあバイバイ!」
仁井奈は走って行った。 花が急いで廊下に出ると、もう仁井奈はいなかった。
は「陸上部なみの速さだわ」
花も一気に昇降口まで駆けた。
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.57 )
- 日時: 2014/09/27 09:54
- 名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)
家に着いたはいいものの、花はずっとうなっていた。
ベッドに寝転びながら、椅子に座りながら、夕食を食べながら、お風呂に入りながら……。 そしてまた、ベッドに寝転びながら、ひたすらうなった。
な「なんか、うるさいね」
あ「うなってるな」
え「進路じゃない?」
家族も気になりだした。 残念ながら、母、恵理子の予想ははずれである。 花はベッドから起き上がり、一枚の紙を手提げから取り出した。 遠野昌……能登正義から貰ったプリントだ。
「魚へんに青で、何て読むっけ?」
早速、一問目で手こずっている。
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朝になった。
今日は健康診断。 体操服は準備できている。 あとは……
「遅刻だーーーーーー」 学校へ無事に着くだけ。
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.58 )
- 日時: 2014/09/28 19:06
- 名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)
花は、二階の職員室に行き、遅刻者届けを出した。
「死ぬーー」
教室に入った途端、花は机に覆いかぶさった。
「なーに、遅刻?」
美羽が駆け寄ってきた。 もう体操服に着替えている。
み「今日は初めから、体操服でも良かったのに」
は「今更言わないで。 着替えて来る」
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.59 )
- 日時: 2014/10/01 20:26
- 名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)
花は目の前の体重計に戸惑っていた。、
剣道部を退部して、一カ月。 ガウの散歩も、直哉よりたくさんして、きちんとこの日のために備えてきたのだが、果たして結果を楽しみにしていいのだろうか?
「はい、ちゃっちゃっと乗っちゃって」
「……はい」
記録担当の先生にせかされて、花はゆっくりと体重計に乗った。
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「えっと、保健室の横田先生によると、体重計が故障してしまっていたようです。 というわけで、直り次第、もう一度はかってもらいますので、そのつもりでいてくださいね」
安佐子は、生徒たちを見回しながら言った。 女子は、みんな仲良く机に突っ伏し、男子もため息を漏らす。 中でも一番落ち込んでいるのは……
古志野花だ。 今にも彼女を覆う、黒いオーラが見えてきそうだ。
「古志野さん?」 安佐子が声をかけても、何の反応もない。
(錦さんも心配そうだわ。)
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.60 )
- 日時: 2014/10/04 11:02
- 名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)
(えっと、今日の連絡は……)
安佐子は教卓に戻り、出席名簿を広げた。
(あ、これこれ)
「えっと、じゃあ明日の連絡に移ります。 毎年、この学校の恒例行事となっている、クイズ大会が予定通りあります。 ルールはもう知っていると思いますが、念のため青砥先生に後ろの黒板に飾ってもらいますので、目を通しておいてください。」
安佐子は「クイズだよ! 全員集合!!」と書かれた紙を、各列の先頭にいる生徒に配っていく。
やがて花の手にも、紙が渡った。 落ち込んだ気持ちが、ちょっとだけ晴れた気がした。
(今年も来たか) 花は人一倍、この日を楽しみにしていた。 なぜなら、遠野から貰ったクイズプリントの左端に「今度のクイズ大会でここから二十問くらい出す予定」と書かれていたからだ。
だんだんと自信がわいてきた。
(だって、このクラスで貰ってるの、たぶん私だけだもん! ナハ〜、こりゃ余裕でレベルⅠはクリアだな)
自然と口元の筋肉が緩む。 しばらくして「花、その笑い方やめて」と仁井奈が振り向いてきた。 あわてて口を紡ぐ。 でも、良く考えたら、確かに笑っている場合ではなのだ。
(能登先生のこと、いつ解決できるのかな?)
「何、一瞬にして顔、暗くしちゃって。 剣道やめて、精神が不安定になった?」
仁井奈が驚いて目を見開く。
は「……そうかもね」
こ「…………」
そう低い声で返した花に、仁井奈はなんて答えていいか分からず「午前中は授業がありますので」と話す安佐子に向き直った。
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