複雑・ファジー小説
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- 新任の養護教諭、香先生
- 日時: 2016/09/04 13:39
- 名前: 奈々化 (ID: G/k9CtSQ)
こんにちは または久しぶりな方もいるかもしれませんね。
奈々化です。パソコンの調子がいいので、このたび再開することにしました。
さて、同じ題名ではだめだということで、似ている題名で書かせていただくことにしました。内容も頭からまったく変えてしまったので、前作の小説の内容は忘れてください。
また保健室ネタ?!と思われるかもしれません……ですが、またこれから宜しくお願いいたします。
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.86 )
- 日時: 2014/12/13 09:35
- 名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)
「遠野先生?」
(なんで、こんなところで倒れたりなんか…はっ!もしかして、能登先生にやられたんじゃ!?やっぱり、遠野先生は遠野先生、能登先生は能登先生だよ!同一人物なんてとんでもない!)
「遠野先生、起こしますよ」 花は遠野の腕を引っ張り、体を起こそうとした。でも、重くて、引きずるしかない。
「先生、ちゃんと帰ったら奥さんに、洗濯してもらってくださいね?」
花は、やっとのことで、遠野の背を金網にもたれさせた。そんな安心からか、汗が花の頬を伝う。花がそれ拭おうと、顔に手を近づけたとき「……だ、もう」という言葉が聞こえた気がした。
気がした……と言ったように、良く聞こえなかったので、花は「はい?」と、遠野に返す。
「もう、妻はいないんだ」
今度は、はっきりと聞こえた。
は「す、すみません。先生の家庭の事情を知らずに……」
と「いや、いいんだ。それに、君は僕の妻を知っている」
は「は、はい?」
と「能登茜」
は「!!……え、今なんて」
と「能登茜……病院で会ったことあるだろう?」
遠野は立ち上がり「ホント、随分と引きずってくれたね〜、古志野君」と、上着を脱ぎ、土をはらい始めた。
「ここには、弁当を食べに来る連中が多いけど、掃除はほとんどされていないから、こんな感じですぐ汚れちまうのさ」
私が……間違っていた。
は「能登先生、何ですか? ホントにホントの、能登先生??」
それを聞いた遠野……能登は「ハハハハハ」と笑った。
「ここに来たってことは、あの暗号が解けたんだと思っていたんだけどね。まさか、倒れた僕を見て、君の放った第一声が”遠野先生”とは。あー、良かったよ、気づいてもらえて。おかしすぎてどうにかなってしまいそうだったよ」
確かに、能登はお腹を抱え、笑っている。 もう、どうにかなってしまった人の笑い方をしている。
(怖い) 花は恐怖で体が動かなくなってしまった。
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.87 )
- 日時: 2014/11/22 11:44
- 名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)
どうしてここにいるのに、姿、名前を変える必要があるのだろうか?年齢まで、ごまかしていたりするのだろうか? まあ、こんな状態で、聞けるわけがないけど。
(何を仕掛けてくるやら……) 花は強い視線を、能登に向けた。
「おお、怖いね〜。君が怒るなんて、おかしいじゃないか。僕は今、何とか冷静な顔をしてはいるけど、そろそろ限界なんだよ?」
能登は穏やかなたれ目を向ける。
は「能登先生は、何に対して、私に怒っているんですか?」
の「心当たりがない? 最近の若い子は、責任感が足りないということをしょっちゅう聞くが、本当だな。まったく、がっかりだ。君を初めて見たとき、芳樹をこの学校に通わせようと思った」
は「……は、はい?」 (いきなり、何の話が始まったんだ? というか、心当たりというか、あの日、確かに能登先生は……)
(君は、何の責任も感じなくていい)
本心ではなかったと思う。 葬式で、能登の泣き崩れる姿を見て、花はそう思った。でも、確かに能登はそう言っていた。
の「君は本当に、何も覚えてないのか? ボランティアに参加したことも?」
は「……ボ、ボランティア?」
の「そう。芳樹によれば、当時高校一年生だったそうじゃないか」
それを聞いて、花は思い出した。確かに高校一年生の時、学校の取り組みで看護施設に訪問をしたことがあった。
でも ”芳樹によれば” って?
は「あの、芳樹君によればって、どういう意味ですか?」
の「その看護施設で、君と芳樹は出会ってるんだよ」
は(ふぇ?)
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.88 )
- 日時: 2014/11/22 15:22
- 名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)
「だから、つまり。 君と芳樹は、去年のあの日が初対面じゃないんだよ」
能登は、目を丸くして固まっている花に、呆れ顔で言った。
は「え……でも、私の担当は/」
の「違ったかもしれないが、芳樹の目はずっと君を追いかけていた。当時はその施設から、学校に通わせていたんだ」
は(そ、そうだったのか。そんな時があったんだ)
花が担当していたのは、その施設の一階にあった子供部屋で遊ぶ、幼い子供の世話をすることだった。
は(確か、二〜三階が大人の部屋だったと思うんだけど……)
の「芳樹は、飲み物を買ってくるって、部屋を出たんだ。でも、10分経っても戻ってこないから、様子を見に、僕は一階に向かったんだ。そしたら、子供部屋の前で立ち止まっている芳樹を見つけたんだ」
は「はい」
の「どうしたんだと近づいたら、芳樹は真っ直ぐに君を指差したんだ。子供たちに囲まれて、笑っていた君を」
花は「ハッ」とした。
は(こことは違う高校の制服を着て立っていたのが、芳樹君だったんだ。そっか、確かにどこかで会ったような気はしていたんだけど……)
の「あの子は、僕に君についてすごく語ってきたよ。『あんなに面倒見がいいなんて、すごい』、『弟や、妹がいるんだろうね』とか、そんなことを言っていたよ」
能登は、花に背を向け、誰もいない校庭を見下ろす。
「しまいには『あの子と同じ高校に通いたい』なんて言っていた」
花はその言葉を聞いて、驚きで見開かれた目を、能登の背中に向ける。
「僕は最初、妻のように反対したんだ。怒鳴りはしなかったけどね」
花は、ようやく能登の怒りを理解した。
ここに通うことを決めたのは芳樹、本人かもしれない。そして、それを許したのは両親かもしれない。
そのきっかけになった、花。
そんな事を知らずに、芳樹をこの世から消し去ってしまった花に、今更ながら、怒りの感情が芽生えたという訳だ。
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うー、変かもしれない。
ホント、へたくそですいません。
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.89 )
- 日時: 2014/11/23 09:58
- 名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)
でも、知らなかったんだから、そんなことを言われても、正直困る。
花は「そうだったんですか」と、曖昧に返事をした。
「初めて、教師をやっていて良かったと思えたんだ。 そっと、こっそりと、同じ場所で見守っていられる。親としては、嬉しい限りだ。 だから、妻にもその時だけは、笑って許してもらえたんだ。 ただ、条件に離婚を上げられたのは、びっくりだったけど」
能登は、金網に手をかけ、話を続ける。
「今は家に一人だし、食器の数も減って、靴も私が履いたら玄関は空っぽ。ごみの量も、かなり減ったよ」
それを聞いた花の目には、薄っすらと涙の膜ができた。
一気に身近な人が二人も自分のもとから消えてしまう。そんな悲しいことは他に無いだろう。
「すみませんでした」
花は頭を下げた。 でも、こんなので許してもらえるはずは無い。
一人の人の命を、直接ではないが、奪ってしまったのだから……
「わかってくれたら、とりあえずそれでいい」
花の肩に、能登の手が置かれた。 でも、とりあえずとは一体?
の「君の反省の色が見えてきたところで……君はこれからどう出る?」
は(香先生……どうやら、剣道の技を繰り出す必要は無いみたいです。 私はたぶんここ、屋上で殺されます)
- Re: 新任の養護教諭、香先生 ( No.90 )
- 日時: 2014/11/24 12:18
- 名前: 奈々化 (ID: g8rCkVaa)
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「おかしい」
そう言いながら、美羽は講堂中を走り回る。
かれこれもう五分くらいこの状態。
もちろん探しているのは、花。
(まったく。 幼馴染に一言もなしにどこにいるやら)
美羽はステージ裏の階段に座った。
すると、副委員長の本居菜月がステージ裏に入ってきた。
な「うわっ……ん? 錦さん?」
み(すごく驚いてる……あ、でもちょうどいい?)
「ねえ、花、どこに行ったか知らない?」
な「え、古志野さん? 詳しいことは言ってなかったけど、急用があるって」
み「うわー、何それ!気になるし、余計に心配になった」
美羽は頭をガクッと垂らし、黒いオーラに包まれながら、ステージ裏を出た。
菜月が(私はなんてことをしたのー)などと思いながら、頭を叩きすぎて、倒れたことも知らないで。
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久々に美羽ちゃん登場!
2話では、美羽ちゃんを主人公に小説を書いていきます。(一応、予告)
そこで、結構遅くなりましたが、登場人物の設定を書きます。
こんな駄目な作者ですが、まだまだ応援、宜しくお願いします!
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