コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 魔界の姫と白竜・黒竜
- 日時: 2014/08/15 16:15
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
悪魔と人間の日常を描いた騒ぎがありながらもアクションあり、シリアスあり、コメディありというエキサイティングな小説です。最後の最後まで読んでいただけたらうれしいです。
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- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(4) ( No.6 )
- 日時: 2014/08/20 21:33
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
翌日は土曜日である。
15時ごろ、ベランダで佇んでいたら、1匹の猫が居座っていた。
猫にしては青い?
護衛役を見つめてると、ちょっと不安になってしまう。
僕の妹が訪ねてきたとき、あんな美人の女の子2人がいるってことがばれたらどうなるか知ったもんじゃない。
猫の瞳をよく見てみると霄と同じ色の瞳だ。
この猫の目を見ているうちに睡魔が襲ってきて猫の上に倒れてしまった。
「イッタァァァァァァイ!!!!」
「ん?!猫がしゃべった!!???」
そんなことに気がつけば猫は逃げていってしまった。
僕はとっさに猫が逃げていった805号室へ入っていった。
「篤〜、猫見かけなかった?」
「あの猫?ああ、霄が捕まえてった。さっきの猫、どこ行ったんだろう?」
「その猫?霊のことか?そいつに服着せているところなのだが」
「霊?例の猫?」
「そうだ、私の妹だ」
「そうなんだ・・・ってえええええ!!??さっきの猫が!!?」
「驚きすぎだ。さっきのは人間界で『青竜院霊』だ」
「そうよ。ところであなたたちの名前は?」
「僕?僕は熊本健太郎。んで、こっちが阿蘇宮篤」
「へぇ。でもお姉ちゃん、どうしてこんな男のとこにいるの?魔界に戻ろうよ。お姉ちゃんたちも心配してるよ?」
「仕方ないだろ?姫様がここにいたいって言うから・・・その護衛役としてここにいる必要があるだろう」
「護衛役ってまさか、僕らを殺すつもりなんじゃ・・・」
「事の内容次第ではあなたを殺さないといけない。でもそういうわけにはいかないの」
おそらく僕らを殺すのは2の次ってやつか。
でもほんとの内容ってなんだろう?
僕が聞く間も与えず、
「大魔王様の伝言を受け取ってきたの」
手紙みたいなのをとると魔界に帰って来いと書いてあり、その傍らにはとんでもないことが書いてあった。
「帰って来なかったら僕らの人間界を攻め滅ぼすだとぉ!?」
冗談じゃねぇ、僕らの大好きなこの世界をやすやすと攻め滅ぼされてたまるかってんだ。
ん、まだ続きがあるようだ。
「のど越し抜群饅頭を買って来い?」
のど越し抜群饅頭なんて饅頭聞いたことも見たことももちろん食べたことなんてありやしない。
「先輩に聞いてみるとしようか」
去年の生徒会会長だった『延岡理久』に訊いてみることにした。
「もしもし先輩?」
<おう熊本君か。どうしたの?>
「のど越し抜群饅頭って名前聞いたことあります?」
<聞いたことないまんじゅうだな>
「そうですか・・・ありがとうございます」
電話を切られた。
「やっぱり分からなかったみたい」
「そうか・・・篤も聞き覚えのない饅頭の名前だと思ったが」
「いったい何なんだろうね・・・のど越し抜群饅頭って・・・・・・」
みんなため息をひとつずつ吐いた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(5) ( No.7 )
- 日時: 2014/08/21 15:55
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
月曜日の放課後・・・
下校中、篤は急に腹痛を訴えたので、早めに帰ることにした。
「霊〜、篤の具合が悪い様子だけど」
「うわっ、顔色悪いよ!?大丈夫!?」
「まだ脈はあるようなんだけど・・・・・・」
「こうなったら仕方ないわね・・・治癒能力発動……『治癒鈴音』!!!」
「うぐぐ・・・な、ここは・・・?」
「よかった、気がついた・・・・・・っ!?」
「この2本の傷、まさか・・・・・・」
僕が見上げると1人の少女が突っ立っていた。
青い髪に青い瞳・・・
「その面、護衛役!?」
「ええ、そこの男の食事に毒を入れたのは私です」
「何!!?」
「魔界で作られたものなので、人間にとって効き目は抜群のはずです。効果としては、激しい頭痛、眩暈、吐き気。他にも高熱や、脱水症状などが起きます……」
「くそぅ、具合はどうだ?」
「今は大丈夫だ。それより、篤に弦を渡してくれ」
「やはり、この様子からして僕らを狙っているようだな」
「はい。それにしても憎たらしい顔ですね」
「それはどうでもいい。ここは僕がやるしかないな」
「いいや、ここは篤がやる」
「その姿・・・抜け首?」
「そういえば、まだ自己紹介していませんでしたね。私は『ミレイ=ルピチカ=ルドラ』……またの名を、水蓮寺一族八女の『水蓮寺零』と言います」
「阿蘇宮篤・・・7代前は加賀の弦殺師、それが篤の先祖だ」
「弦殺師・・・ですか・・・その弦が武器ということなのですね?」
「こうなったら喩え女でも手加減なしです」
「では、魔刀『舞花刀』開放!!!」
「舞花刀!?」
「この剣にはある言い伝えがあります。この剣は、地獄の血の湖で『舞姫』と呼ばれる姫様の魂が踊っていた時、その踊りを見ていた鍛冶屋の『八兵衛』という人がつけた名前です。この剣から流れ出る血は、その舞姫のものだとも言われています……」
「篤は、絶対負けない・・・どのような力を持っているとしても!」
「では行きます……。壱の型……『流血祭』!!」
「くぅっ!」
弦でとめてしのいだ。
「なるほど、その弦はただの弦ではないってことですね?」
「ああ、錫と繊維をつむいだ弦だからな」
「なるほど、その弦真っ二つに斬り甲斐がありそうですね。ならば、これはどうです?弐の型『針血祭』!!」
「うあっ・・・・」
ダメージを食らって弦を離しそうになる。
「人間にしてはなかなかやりますね……。しかし、この攻撃は耐えられるでしょうか? 参の型『乱風血祭』!!」
「がはっ!!!!」
体勢を立て直して弦を持ち直す。
「この状況だとまだ型がありそうですね」
「ええ、まだ後四つも型があります。果たして、最後まで耐えられるのかどうか、楽しみですね」
「ならばこっちから行きます!殺取・水竜螺旋陣!!!!」
「うああああ!!!なんて威力なんですか・・・しかし、まだ終わってません!!!」
「まだ型が四あったか。油断していた!」
「肆の型『粘血祭』!!」
「くそっ、この技思った以上に厄介だな!!」
そう思うのも無理ない。
赤いガムが篤の靴の裏についてその粘り気がすごいのだ。
「これは特殊技か・・・・」
「そんなこと言っていられるのも今のうちです!伍の型『千血祭』!!」
「うわああああああ!!!!!!」
もう19時、双方の傷も癒えていない。
「ここでつばぜり合いなどやったって無意味です。ここで決めます!!!」陸の型『雨酸血祭』!!」
「これは、血の雨!!???」
「ただの血の雨ではありません・・・」
「頬が熱い?まさかこれは・・・」
「これは、いわゆる酸性雨です。しかし、この血の雨はそれ以上の威力を持っています。普通の人間であれば、簡単に跡形もなく溶けるでしょう」
「くそっ、思った以上に厄介だな!!!」
「そうですか、これで止めです!!!!漆の型『舞踏・散血祭』!!!!!!!」
「とうとう最強技きたか!!!」
全くもって零は危険だ。何せ、今の篤は正しく危機一髪を言わざるを得ない状況だったからだ。後ろにはコンクリの塀。目の前には剣先を篤に向けて、青い瞳を見開き篤を睨み付けている護衛役の少女。しかも俺の左脇には、先程零が蹴った片方の剣が突き刺さっていた。
「言っておきますが、私のこの型はまだ続きがあるんですよ? ですから、最後まで頑張って耐えてくださいね?」
続きに凌いで凌いで凌ぎまくって最強技を持ち出すチャンスを狙う。
「これで終わりです……!」
篤はジグザグに水をまとった弦を持ちながら避けきった。
「そ、そんな……。今まで溜めておいた全魔力を、この一撃に込めたのに……」
「ほう、それは残念だったな」
「いつの間に!?」
「もう遅い!!!!束ねた力、その身に受けよ!!!!!!!!水竜高籠波!!!!!!!!!」
「うああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
竜巻の形になった糸によって舞花刀は道路に見事突き刺さり、糸による切り傷が開く。
倒れ落ちたところで舞花刀が光を放った。
光が消えたところで刀を鞘に納めると零をお嬢様抱っこして家へと戻った。
「霄、今帰ったぞ」
「どうした篤、その傷は。誰にやられた?」
「霄の妹だよ」
「・・・・・っ?姉上?」
「れ、零……なのか?」
「よかった、気がついたか」
篤は零をおろす。
「はい……姉上。会いたかったです!!」
零はマジ泣きで霄に抱きついた。
「そうか……。私もお前に会いたかった。よしよし、これからはずっと一緒だからな」
「で、身内に対して敬語はやめときな」
僕までやさしい声かけをしてやった。
これが篤にとっての悪魔との最初の戦いだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(6) ( No.8 )
- 日時: 2014/08/22 17:22
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕もれっきとした中3、勉強も22時ぐらいまでやっている。
けれどいつもの習慣である夜空を見上げるのは続けている。
あの青髪の青年は・・・・ってまさか護衛役じゃねぇか!!
霄たちが僕の叫び声を聞いてなんだなんだと駆けつける。
「あ、あれは兄者!?」
「さ、さっきのが?」
「さっきのは青竜院雫・・・・・私たちの兄です・・・・」
「ああ、てめぇを殺しにここまで来た。あんな優男と姫が同居しているなんてな。姫を渡せ」
「わりぃが、それはご免こうむるぜ」
「ああ、この世界に来てからどうも私たちはおかしくなったようでね、姫様は帰らせるわけには行かない!!」
「仕方ねぇ、俺が相手になってやるぜ!!!!」
「ぬらりひょんの血が出たのですね・・・ならば私も相手します!!!!!」
「だったら篤もいく!!」
「おっと、こんな狭苦しいとこで戦ったら思う存分の力が出せねぇからな、嵐山での戦いにするか!」
嵐山につくと零が耳打ちした。
「私たちのような悪魔は人間に左右される生物ではないんです。私たちのように闘わずにいると力が弱ってあなたたちと同じくらいにまで弱くなるんです」
「そういうことはよく分かった。さぁ、決闘開始だ!!!!」
「くらえ、烈風破!!!!」
「天竜雷斬!!!!!」
「なるほど、てめぇがぬらりひょんの血を継ぐものということか。だったら面白い!!!まとめてぶっ飛ばしてやる!!!」
「させません!!!殺取・水蓮花!!!!」
「くっ、こいつもやるじゃねぇか・・・くそっ、体が悪いだと!!??てめぇ、何しやがった!!??」
「この技を受けたものは毒が襲う」
「くそっ、毒が回る・・・・!!!」
「私たちは変われる!!!」
「え?」
僕はとっさに零の声に反応した。
「悪魔も人間と同じように、変われます・・・」
「バカな、そんな言葉を誰が信じるんだ…。第一、お前は変わったのか?」
「はい、ここに来てから人を殺したことは一度もありません。本来なら掟で任務をしくじったり戦いに負けたりすれば、水蓮寺の血を受け継ぐものとしてその名を汚さないためにも首を切るところです。しかし、篤、加賀の弦殺師の子孫に会って敗れました。彼は私を殺していません。それは、みな同じです」
「ほう、だったらその意思を見せてみろ!!!!」
「来ましたか・・・本気モードの兄上・・・」
「くらえ!!!水流X斬り!!!!!」
「どぅわ!!!!」
「はははは、これで思い知ったか。悪魔と人間の格の違いを」
「まだです・・・束ねた力、今こそ私に!!!雷雲大惨歌!!!!!!!!!」
「どわあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「これこそ私の聖剣、『炎天下』の力です」
「バカな・・・魔刀の中には聖剣になるものがあるとは聞いていたがまさか本当だとは・・・・・・」
「ふっ、どうだ?人間によって悪魔が倒れる様子は」
「くっ、…あまり調子に乗るなよ? 言っておくが、こうやってお前達人間が平和ボケしている間にも、魔界では順調に大魔王が例の計画を進めているんだからな…」
「何のことだ!?」
「何だ、お前姫に聞いていなかったのか?姫には人間界に来た本当の目的があるんだよ」
「へぇ、あの家出にはちゃんとした意味があるって訳か」
「まぁな、いずれにせよ、この人間界も悪魔が支配される運命なんだからな」
「ふぅん、そうじゃなければそうじゃなかったで困るからな。何せ俺の力が振るえるんでね!」
「そうか、今日は俺の負けだ。次はそういかないぜ?」
「へぇ、楽しみにしとく」
そして、洛西学園都市内・・・・・・
「ブアアックション!! ズズズ…誰か俺の噂してやがるな…。にしても、あいつらがまさかあの男によって変わるとはな。『人間だけじゃなく悪魔も変わりたいという思いさえあれば変われるんだよ!』か…。あの霄が俺に歯向かうようになるとは…今日はいい思い出が出来たな(いろんな意味で…)」
「ところで話は変わるが、ルリ…雫が言ってたんだが、お前に本当の目的があるって本当か?」
「えっ……そう、雫から聞いたんだね?本当はその時が来たら話すつもりだったんだけど、どうやら今がその時みたいだね…。少し早いような気もするけど話すよ…」
「まずは、この世界の仕組みから話そうか…。結構話長いからよ〜く聞いててね?」
「いいとも」
「この世界は全部で五つの世界で構成されていて、その一つでも消えてしまえば他の世界もバランスを崩して世界は崩壊すると言われているの。それで、それぞれの世界を守る“要”の役目を果たす守護神が必要となるの…。それがそれぞれの世界にいるんだけど、その五つの世界っていうのは、お母様の住んでいる『天界』、お父様や私達が元々住んでいた『魔界』。響史達人間が住んでいる『人間界』、人間界と全く真逆の世界で私のお母様の妹つまり、私から見たら叔母さんだけが住んでいる『鏡界』、最後にお父様のお兄様が住んでいる『冥界』の五つがあるんだけど、その均衡が今崩れようとしているの」
「それで?」
「400年前、14代目の大魔王がここへ攻撃してきたの・・・・・・。その大将に自分の秘書、九尾の狐を抜擢したの・・・・けれどもあなたたちの先祖が破ったことで平和になった・・・・」
「そうか、それで大魔王は?」
「14代大女神は魔界の人間に厳しい罰を与えた。それが、このストッパー…」
「この腕輪?」
「これは私達悪魔の力を抑えるために作られたもので、あることをしないと外れないの」
「どうやって?」
「それは分からない・・・・・でも、分かっているのはそのストッパーの効果が出るのは魔界から出た時だけ…。要するに、お父様達は魔界から出なければ思う存分力を使うことが出来るの…」
「じゃあ、他の世界に入らない限りは力を制限されないってことか!!」
「うん、それに私たち天魔は、悪魔との子は悪魔、天使の子は天使、天魔同士なら人間になるの。私と私の妹は天魔。お父様がどうして私を外の世界に出したくないのかこれで分かったでしょ?」
「そうか、ほかの世界にいったりなどしたらそこの世界のやつとの子、人間や天使を作ってしまうことになるからか!」
「そういうこと…。お父様は跡継ぎを作るためにも私達を外に出したくないの…。だから、私はここに来た。でも、本当の目的はそれだけじゃない。お父様の計画を止めるためでもあるの!!」
「そりゃ大きく出たな、そうそう、雫も言ってたな…。ルリの父親が考えている計画って何なんだ?」
「それは、全てを支配するということ」
「支配する?すべてを?どうして大胆なことに?」
「そう…だからお父様は考えた。魔界の領土を広げれば、その分自分の力が半減せずに天界へ近づけるということ。だからお父様は、まず手近な冥界から攻めているの!」
「わっ!この地震は!?」
「この地震はお父様の軍が冥界を攻撃している音なの…。本来、冥界は死人の霊を審判するところで、
それによって死人の霊が天界に行くべきか魔界に行くべきかを審判してもらうんだけど、この戦いのせいで審判することが出来ずに死者の魂が地上に溢れているの。全く、昔はお父様もこんなことをする人じゃなかったのに…。どうして…」
「それで、瑠璃、まず僕らはどうすればいいんだ?」
「うん…お父様を止めるためにも、私はこのことをお母様に報告しないといけない。そのために人間界に来たんだから…」
「どうやって出てきたんだ?」
「『空の裂け目』って所。天界に行くためには天の力を授かったとされる、十人の太陽系の陰陽師に証をもらわないといけないの。そのためには、人間の協力が必要なんだよ…」
「太陽系の陰陽師・・・・・・京都にいるのか?」
「まぁね。しかも元和の結界というものがあって10の寺院・神社に押さえがあるの」
「太陽系の陰陽師・・・・・・いそうなところはおじいちゃんから聞いたことあるよ・・・・第10『延暦寺』、第9『慈照寺』、第8、『伏見稲荷神社』
第7『桂離宮』、第6『竜安寺』、第5『清水寺』、第4『西本願寺』、第3『鹿苑寺』、第2『相国寺』、第1『二条城』と太陽系の冥王星から内側へとあるんだ」
うーわ、もう2時!?明日は休みだって先生にLINEで伝えとこう。
「じゃあ、もう遅いしその話はまた明日…、っていうか一度十分に睡眠を取ってからにしような…」
ルリも僕の意見に賛成し、僕ら二人はパジャマに着替えリビングの電気を消すと、階段をゆっくり上がっていった。
僕は少し隙間のあいた状態になっている自分の部屋の扉を開くと、壁にあるスイッチを、暗闇の中手探りで見つけ出し押した。すると、二、三回点滅して照明がついた。今まで暗闇だった部屋がいきなり明るくなり、僕は一瞬眩しいと思った。
しばらくして目もだんだん慣れてきたのか視界がよくなってきた。
僕はベッドに進み、視線を下に向けた。すると、僕の一人用のベッドはとんでもない状態になっていた。俺は少し大きめの枕でないと眠れないため少し大きめの枕を使っているのだが、その枕も護衛役の零や霊達に占領されていた。ベッドを思いっきり霄が取っているため、僕が——もとい僕とルリの寝る場所が殆どなかった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(6-1) ( No.9 )
- 日時: 2014/08/22 17:27
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
訂正箇所 響史達人間が住んでいる『人間界』→あなたたち人間が住んでいる『人間界』
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(7) ( No.10 )
- 日時: 2014/08/23 19:34
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕の家には悪魔がいるという非日常的なことがある。
翌朝10時、起きれば悲鳴があった。
護衛役らしい少女が篤の家にいた。
待て、これで5人目の護衛役じゃねぇか!
僕が考えているうちに、近くにいた霊を見るや否や突然彼女は半開きの眼を全開にして、霊に抱きついた。
「お姉さまああああ!!!」
「へ、お姉さま?ってちょっと待て、霊の妹?」
「ええ、そうですわよ。私は姫様の護衛役で、霊お姉様の妹の『青竜院霰』と申します…。これからお世話になりますわ」
この様子から僕の命を狙うつもりじゃないんだな。
けどどうして霰は霊を病的になるまで好きになってしまったんだ?
それを零に聞いてみた。
「それは、姉上が猫好きだからです・・・」
あ、確かに、たまに猫の特徴といえる耳に尻尾・・・
「でも猫好きにしちゃ異常じゃないかな?」
「でしょうね。あなたがそう思うのも無理ありません・・・・。いいですか?姉上は魔界にいるとき事故に遭ったんです・・・」
「それを救ったのが霊?」
「はい、それが霊姉様の悪夢の始まり…。それ以来、霰姉様は霊姉様のことを恩人の様に慕い続け、最終的には好意を寄せてしまったんです。ただでさえ、猫が好きなのにその上恩人ともなれば姉上が黙っているわけもなく…。それ以来、霰姉様は誠心誠意霊姉様に恩を返し続けました。主に、嫌がらせばかりですが…」
「ほう」
「でも、肝心の姉上がそれを覚えていないんです…」
「いったい何があったんだ?」
「恐らく、あんなにも面倒な嫌がらせばかりをされて忘れてしまったんでしょう…。そのせいもあってか、だんだんと霊姉様は『霰姉様恐怖症』にかかってしまったんです」
「いったいどれくらい・・・・」
「はい…。要するに今では姉上の声を聞いただけで身の毛がよだったり寒気がしたりなど、とにかく姉上に近づきたくなくなっていったんです」
けれども、僕には太陽系の陰陽師を探さねばならない。
今日は京都市を巡りたい。
まずは二条城へ行くことにした。
二条城・・・・第1の封印、太陽の陰陽師がいるところだ。
二条城に入っていくと貴族らしい服装の図体がでかい男に出会った。
「おう、お前がぬらりひょん23代目か?」
「え?23代目?どういうことですか?」
「僕の血筋は19代目から混血が進み、僕の代で23代目になるんだ」
「お前がぬらりひょんの血を引く男に間違いないようだな。俺は太陽の陰陽師、『陽河芳樹』蘆屋道満の一族だ」
「蘆屋道満?誰なんだそいつは?」
「蘆屋道満は阿部晴明の好敵手だよ」
「阿部・・・・晴明・・・・・・」
「よし、ここでいっちょやってくか?」
「ああ、こっちも望むところだ!」
「よし、戦い開始だ!」
「いくぜ!」
ついに戦いが開始した。
「お前が勝てば太陽の証はくれてやろう。しかし俺が勝ったら滅される。どうだ?いい条件だろう?」
「ああ、上等だ!」
ついに僕と芳樹との戦いがスタートした。
「白竜に黒竜か・・・いい刀持ってんじゃねぇか」
「はい、しかしこの戦い、勝たせてもらいます!」
「こっちも負けねぇ!」
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