コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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魔界の姫と白竜・黒竜
日時: 2014/08/15 16:15
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

悪魔と人間の日常を描いた騒ぎがありながらもアクションあり、シリアスあり、コメディありというエキサイティングな小説です。最後の最後まで読んでいただけたらうれしいです。

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Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(323) ( No.331 )
日時: 2015/11/25 22:14
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

環奈は答えた。
「まず1つは、残るターゲットの2人を死んじゃったと思わせることでこれ以上の犠牲者を出さないようにするため」
僕も応ずる。
「そして2つ目は・・・残る2体の人形を回収することによって犯人に偶然解けたといわせることで、今回の動機が財産だって確認を得るためさ。そうじゃないですか?真犯人『Conductor』の及川さん?」
「ちょっと待ってください!彼女が犯人だなんて!」
「そうですよ!わたしは本当にたまたま解けただけで・・・」
「じゃあさ、何であの遺産が偽物だって気づいたのかな?」
「・・・直感よ。なんとなくそう思っただけよ」
「違う。実際は本物見てたんじゃないか?」
「違うわ。たまたまよ。本当にあの暗号の解き方がたまたま気づいただけで・・・」
「いや、それはないよ。だって、このIvanは違う人形だよ。こいつは3㎝小さいんだ。もしあの比率を使って計算すると170㎝でIvanより小さくなってしまう。この並びだとT,O,K,I,Eとなって時計にはたどり着けない。よって、たまたま解けたってのはありえないんだよな」
「じゃあ、いつ、どうやって及川さんはこの暗号の解に気づいたの?」

Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(324) ( No.332 )
日時: 2015/11/25 22:24
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

「それはね、私たちがここへ来た最初の夜に解いたんだよ。まず、彼女は21時50分ごろ、あの大時計の近くに来た。でも、雨が降り始めてしまったんだよね。その雨はやむどころか風も強くなって土砂降りに。だから5分進めておいたんだ」
「まあ、どうやらあなたは元に戻しておけば問題ないだろうなって思ってただろうだけど、あいにくにも僕は偶然腕時計を見ていたんだ。5分早い鐘の音をね」
「それで遺書を読んだあなたは5人の遺産相続候補者がいなくなればあの財産を手に入れられることを知ったあなたは今回の殺人を計画したってわけ」
「でも、あなたはそのためにミスをやらかしてしまったんだ」
「え?」
怜子が首をかしげる。
「まさか、窓を閉め忘れたことですか?」
零が答える。
「うん。このままだったらヒントを与えてしまうかもしれないし、かといって人形を全部処分したら今の演技が失敗するだろうからね。だから、今回の殺人を暗号になぞらえたんだ」

Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(325) ( No.333 )
日時: 2015/11/26 22:11
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

「つまり、人形を隠したのは人形が雨でぬれたからか!」
犬養さんが気づいた。
「まあね」
「あの時、Ivanの人形が浴槽に浮かべてあったのは濡れたことをごまかすためだったんだ」
怜子がIvanが浴槽に浮かべてあった思い出した。
「じゃあ、Emilのときはどうしてだったんですか?」
「それはただ人形が小さいとその分、服が乾きやすかったからなんだ」
「じゃあ、大きさが同じの、TanyaとOliga、どっちが先に乾いたんです?」
「服だよ。あれは、冬服のTanyaより、夏服のOligaのほうが乾きやすい。だから先に彼女が殺されたんだよ」
「な、何それ?万が一、Tanyaが乾いてたりでもしたら、私が殺されていたってこと?」
倉沢さんが驚いて尋ねた。
「そうかもしれませんね」
零も目を下に向けて答えた。

Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(326) ( No.334 )
日時: 2015/12/10 01:50
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

及川さんは手を叩いた。
「素晴らしい想像力ね。もしかしたら、倉沢さんよりもすごい小説がかけるかも」
彼女は淡々と僕らの推理を褒めた。
「え?それ、どういうことですか?」
零が尋ねる。
「これまでの推理はあくまで空想のもの。だって私は遺書を盗み読んでもいないし、ましてや殺しだなんて…でも、これは認めるわ。私はあの時人形を見た時点でもう答えが分かっていたもの。なぜならトリックノートらしいものを見たことがあるんです。倉沢さんの部屋の金庫の中にあったものです」
僕はそのトリックノートに目を通した。
すごい。
あの暗号のからくりとかがびっしり書いてある。

Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(327) ( No.335 )
日時: 2015/12/10 02:01
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

もしかして、山岡先生本人のもの?
僕は知りたくなった。
だから尋ねた。
でも、これは彼の筆跡じゃないみたいだ。
「私は、このトリックノートを見て遺書の隠し場所が分かっていたけど、ずっと黙っていたのが気まずくて、解けたフリをしていただけです。でも、それで犯人だなんて…第一、天野さんのときは密室だったし、鍵もジェームズさんが持っていました。私が彼女を殺せるなんて出来るわけないじゃないですか」
「それはどうかな?」
「え?」
「あの時は本当は密室じゃなかったんだ」


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