コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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魔界の姫と白竜・黒竜
日時: 2014/08/15 16:15
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

悪魔と人間の日常を描いた騒ぎがありながらもアクションあり、シリアスあり、コメディありというエキサイティングな小説です。最後の最後まで読んでいただけたらうれしいです。

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Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(200) ( No.206 )
日時: 2015/05/24 22:50
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

9月1日・・・・
洛西学園の始業式はこの日だ。
僕の誕生月に差し掛かった。
9月24日が誕生日の人は僕だけじゃない。
瑠璃や麗魅、零や海斗がそうだ。
つまり、僕ら5人の誕生日が一緒なのだ。
僕は誕生日のことより体育祭のことで頭がいっぱいだった。
体育祭は9月12日にある。
体育祭でいったいどうなる結果になるんだろうか・・・・
女子は目も当てられない姿になるのだろうか・・・
そんな心配があった。
「どうしたんだよ、健太郎」
「ハッ!」
「お前らしくないぞ」
「そうかな・・・」
「何考えてたんだ?」
「ちょっと、体育祭のことをね」
「そうか、それはよかった」
僕は皆に心配かけたかなと思う。
だが、体育祭が近いのは分かってるけど、僕の誕生日がある。
いや、今は僕らの誕生日というべきか。
9月になるとカレンダーに×印をつけてカウントダウンをしてたんだよな・・・
ぼくらの誕生日は、もう近い。

Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(201)西京総合病院 ( No.207 )
日時: 2015/05/25 22:33
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

9月3日・・・
僕は相変わらず体育祭と誕生日のことで頭がいっぱいだった。
だが、そうでもない事態が起きてしまった。
それは19時25分ごろ・・・
LINEで唯が産気づいたという知らせが来たのだ。
出産予定日は22日だから、予定より19日早いことになる。
唯とはここ最近顔を見せてなかったな。
僕らは西京総合病院に駆けつけることになった。
19時40分ごろ・・・・
「しかしあいつ大丈夫かな・・・」
「10代の出産の場合、最悪の場合死産ということもありうるからね・・・」
「確かにそれも否定できないが・・・あいつのことだし、大丈夫だろう。今は無事であることを祈る。それしかできないな」
「そうかな・・・」
僕らは洛西学園都市を駆け抜けるのだった。

Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(202) ( No.208 )
日時: 2015/05/25 23:53
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

西京総合病院・・・・
19時37分についたころにはもう皆集まっていた。
その頃には唯の陣痛も強まってきた。
時間が経つにつれて強くなっていく陣痛。
そして待つこと36分後の20時13分・・・・・・
赤ちゃんが産声を上げた・・・・
これは命の誕生をも意味していた。
「おめでとうございます!かわいらしい女の子の双子です!」
「マジか・・・」
「すげえ・・・」
「信じられない・・・」
皆の言葉が安堵と喜びの色に染まる。
「よっしゃあ!」
「これで俺もお父さんになるのかな・・・・」
俊はもう夢見心地だ。
「よかったな。あっそうだ。名前。名前は何か考えているのかい?」
ハックは名前のことを出す。
「そうだな・・・りん玲奈れいなでどうかな?」
「どういうところからなってるんだ?」
「凛はいつまでも凛とした心を持って欲しいという願いと、玲奈は・・・」
「いったい何が由来なの!?」

Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(203) ( No.209 )
日時: 2015/05/26 23:11
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

僕は理由を訊いた。
「ああ、それはな・・・」
あれは9年前にさかのぼる。
彼らには普通に家族がいた。
僕ら同様・・・
だが、彼らの両親とはもう永遠に日常が続くことはもうかなわなくなってしまった事件が起きてしまった。
それは2005年の12月のクリスマス・・・
2人の両親が交通事故に巻き込まれてしまったのだ。
どうも向こうの運転手が飲酒運転をしていた事実があり、バカみたいに蛇行していて、それがたまたまあの車に衝突していたのだ。両親は子供たちに早く逃げるよう促し、自分たちはあの燃え盛る炎の中に消えて言ったのだ。
もうあんなことが起きて欲しくない。
この子達は絶対に守りぬく。
そんな中ですばらしい少女に育って欲しい。
だから玲奈と名づけたのだ。
「そうだったんだ・・・」
「家族と一生会えないなんてちょっとこれはきついな・・・」
「確かに・・・」
ハックと僕は目を合わせる。

Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(204) ( No.210 )
日時: 2015/05/26 23:26
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

親たちがいない環境の中、あいつらはよくがんばってきたと思う。
つらい事でも歯を食いしばって、崖っぷちでも踏ん張って、あんな2人を僕は尊敬している。
なぜなら僕はときどき戦いに迷い、悩み苦しむ、そんな弱い少年だからだ。
それだから決してひるまず、何があっても前へと進む、そんな2人のことを僕は9年間も尊敬し続けていた。
だから、僕はずっと彼らの未来に幸せが続くこと、笑顔が耐えないこと、輝ける未来に栄光の光が待ってること祈ってる。
その夜の23時ごろ・・・・
「そう、それはよかったね」
僕は今日あったことを澪に伝えた。
「確かに、10代の妊娠はリスクも結構あるし、平坦な道のりじゃないと思う。でも、それだから掴み取った幸せって意味がちゃんとしてるんじゃないかなって思うの」
「え?」
「だってそうじゃない?苦労しないでつかんだ幸せよりもいろいろあってつかんだ幸せのほうが価値があるじゃない」
「そうだな」
「でしょ?」
澪が笑顔を見せた。
澪の笑顔は、かわいらしいものだった。


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