コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 魔界の姫と白竜・黒竜
- 日時: 2014/08/15 16:15
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
悪魔と人間の日常を描いた騒ぎがありながらもアクションあり、シリアスあり、コメディありというエキサイティングな小説です。最後の最後まで読んでいただけたらうれしいです。
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- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(195) ( No.201 )
- 日時: 2015/05/22 21:14
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
8月25日・・・・
「皆さんにここに来てもらったのはほかでもなく、今回の事件の真相を知ってもらうためです」
「真犯人の正体も分かったの?」
御坂さんが詰め寄る。
「はい。それともうひとつ、真犯人には共犯が1人いた。そいつは・・・殺された山梨和久だ」
「ええ!?」
「山梨さんが!?」
「そんな・・・」
「じゃあ、今回の誘拐はただの狂言だったの?」
「はい。笛吹社長たちの養子縁組を破綻させるためにね。彼は、社長の唯一の肉親だ。いずれ社長の座も財産も全部、自分の手に移るって思っていた。だけど、優菜が養女の話がもちきりになると、彼はテンパった」
「いったいどういうことなの?」
「笛吹さん、だから山梨は、あなたの会社を乗っ取ろうとしたんですよ」
澪が一括して説明する。
「だったらまず、今回の計画を振り返ってみよう。まず、自分も誘拐犯に連れ去られたように見せかけて社長に身代金1億5000万円を要求する。だが、社長の冷酷さとお金への執着心を知ってる彼は身代金を出し渋ると思っていた。彼は、贋金を見せ付けて養女の話を破棄するよう仕組んだんだ。だけど、ここで計算外のことが起きてしまった。御坂さんが本物を用意してしまったんだ。これじゃ取引が成功してしまう。だから計画を変更した。僕に無茶な指示を強制させたのも全部取引を失敗させるためのわなだったんだよ。そして、取引失敗。それに、社長が警察にチクったことを伝えて信頼を失わせられた。でも、山梨さんには思いもよらない結末が待っていた」
僕は回想する。
彼が共犯に撃たれてしまった姿を。
「彼は突然の共犯者の裏切りに遭い、理由も分からぬまま、殺されてしまった。では犯人は・・・誰なのか。それは・・・・・この中にいる!」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(196) ( No.202 )
- 日時: 2015/05/22 21:28
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
一瞬の間が空く。
「2人を殺したっていうことがわかったときのことを思い出して」
『全て・・・あのお金を犯人に渡せたのなら・・・2人とも、死なせずに済んだのに・・・・』
『橋の踏み板が割れたなんて、言い訳にもならないわ!!』
『やめなさい優美。みっともないわよ』
「この会話の中で犯人しか分からない事実が1つある」
澪がうなずく。
「真犯人は・・・・・・山梨優美!あんただよ!!」
優美は驚く。
「皆僕は、橋から転落したとしか言ってない。それなのにあんた、踏み板が壊れたっていったよな。どうしてそんなこと知ってるんだよ?」
「そ、それは・・・警察が言ったのを聞いたのよ」
「ぼろを出したな。警察がそんなこと言うわけがないね。何しろ僕は踏み板が割れたんじゃない。怪我した足の痛みでたまたまバランスを崩して滑り落ちただけなんだよ!」
澪が僕に橋の踏み板を手渡す。
「この踏み板こそ、取引失敗への最後のわなだったんだよ」
僕は足を軸として、踏み板を割る。
「こんなのを知ってるのはわなを仕掛けた、真犯人だけなんだ」
華凛も踏み板を見る。
なるほど踏み板の中は空洞だ。
「ちょっと待って熊本君。彼女には、山梨さんが死んだときのアリバイがあったそうじゃないの」
「そうよ。私は22日、皆と一緒にいた。大阪からここまでどんなに急いでも2時間はかかる。私が主人を殺せるなんて無理よ」
「そう。あんたの22日のアリバイは成立する・・・だけど、本当に22日に殺されていたのならね!」
次回予告 次回、ついにトリックが明かされます!
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(197) ( No.203 )
- 日時: 2015/05/22 21:45
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「どういうこと?」
華凛は僕にそのことを尋ねる。
「つまり・・・優菜が2回目気絶されてから次に目を覚ますまでに、ホントは2日経っていたとしたらどうだ?」
僕は『優菜、サイレンで目が覚める 山梨和久、真犯人に銃殺される』と書かれた項目を、22日の項から23日の項へと貼り替えた。
「つまり、実際に殺されたのは22日じゃなく、23日だったんだよ!たぶん睡眠薬でも嗅がせたんだろう。22日、あんたは皆とここいることで完璧なアリバイを作った。そして23日、ここに来たあんたは優菜の目の前で山梨を殺した」
澪がまとめる。
「つまりあなたは優菜の記憶をずらすことによって完璧なアリバイを手に入れた・・・違いますか?」
「そんなのただの推測じゃない。・・・・そうだわ、証拠はあるの?そんな突拍子もないトリックが使われた証拠なんて・・・」
「あるんですよ。証拠は」
いつの間にか小城田警部がやってきた。
すると電気シェーバーを手渡す。
「このかみそりの中のひげだよ。真犯人はこれを手渡して毎朝ひげを剃るよう言った。だったよね?」
優菜に確認を求める。
「うん」
「彼はひげが濃そうなタイプだ。眠ってる間に、2日もひげを剃らなきゃどうなってたか・・・・」
「あ!その無精ひげを見て2日眠ってたことに気づいちゃうかも!」
環奈が答えてしまった。
「そうだ。だけど誰も来てなかったし、そのうえ優菜も眠ってた22日、彼はひげ剃りをサボってしまったんだ。だから、21日のひげと23日のひげのあそびがこんなに広くなってしまったんだよ」
「ご覧になられますか」
「本当に22日に殺されてたなのなら、こんなにひげのあそびが広くなるわけがない。彼のひげこそが、時間差トリックが使われたのを示す、明確な証拠なんだよ!!」
ふっと認める優美。
環奈は、
「優美さん、いくら女癖が悪いからって、いくらなんでも殺すことはないのに・・・」
「環奈ちゃん、私はこの半年間、あいつを地獄に叩き込む今年かな頭になかったわよ」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(197) ( No.204 )
- 日時: 2015/05/22 21:55
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
優美さんは、動機を語りだした。
「6年前、私は売り出し中の歌手として希望に燃えていた。ところが自宅に男たちが押し入り、マスコミに書かれた。絶望してたあの時、現れたのはあの男だった。社長の甥だといって、いろいろ慰められてもらった。私はその優しさが嬉しかった。だから、その後結婚して子供ももうけた。ところが半年前・・・」
彼らの取引を知ることになった。
「あの手で私の未来をぼろぼろにしておきながら、ずうずうしく結婚してやったってことを知って、許せなかった」
そう言い出すと優美さんは逃げ出した。
「あっ!」
僕は追いかける。
澪までも、
「待ちなさい!」
あとをつける。
そしてつり橋の上・・・・
たたずみ優美さんがいた。
「まずい、自殺しちゃう!」
澪は駆け寄る。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(198) ( No.205 )
- 日時: 2015/05/22 22:21
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「来ないで!」
「やめてください!」
「もうやめてよ!優美さんが死んだら、理紗ちゃんが独りぼっちになっちゃうよ!」
「私みたいな母親はいないほうがましよ!理紗のためにも!」
「そんなの違うよ!」
環奈はもはや泣きかけだ。
「どんなお母さんなんて関係ない!理紗ちゃんのお母さんは1人しかいないのよ!?」
「環奈・・・」
「優美さん・・・あなたはお母さんでしょ?お母さんなら、何があっても理紗のために生きて!お願い・・・もう誰も一人ぼっちにさせないで・・・・・泣」
優実さんは思いとどまったのかどうか・・・その場で泣き崩れた。
そして滋賀県警に連行された。
その1時間後・・・・
「御坂さん、どうして1億5000万円を出す気になったんです?」
「そりゃドラマを封印させたくなかったからよ。今回の役柄気に入ってるし」
「1億5000万を出してもいいくらい?」
「熊本君、あなたは何を言いたいの?」
「優菜のお母さんって、あなたなのかなって・・・・」
御坂さんは笑い出した。
「面白いこと言い出すわね。ご想像にお任せするわ」
やっぱり優菜のルーツは分からなかった。
「優菜、きっといい女優になるわよ〜」
「御坂さんに負けないくらい?(笑)」
その夜、自宅にて・・・
「ごめん、心配なんかかけさせたりして」
「いいってことよ」
「いや、反省してる」
「何を?」
「そりゃあさあ、やっぱり僕って幸せ者だな。こんなにいい仲間とめぐり会えるなんて」
「そうね・・・」
こうして、僕の最初の事件は解決したのだった・・・・・・
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