コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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魔界の姫と白竜・黒竜
日時: 2014/08/15 16:15
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

悪魔と人間の日常を描いた騒ぎがありながらもアクションあり、シリアスあり、コメディありというエキサイティングな小説です。最後の最後まで読んでいただけたらうれしいです。

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Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(1) ( No.1 )
日時: 2014/08/15 17:05
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

ここは京都府京都市にある洛西学園都市。
平和だった学園生活もある少女との出会いで変わっていく。
おっと、自己紹介がまだだったな。
僕は『熊本くまもと 健太郎けんたろう』。
洛西学園中等部3年3組だ。
俺には両親と妹が2人いる。
だけど僕は生憎1人暮らしをしている。
何しろ、両親は遠くで仕事をしているし、2人の妹も京都市街の家から学校へ通っている。
僕の家のクローゼットの中には熊本家伝来の宝刀がある。
それが金でできた剣、『白竜はくりゅう』、鋼鉄でできた剣、『黒竜こくりゅう』なんだ。
中学3年生になって6日、新しいクラスに馴染んでいる。
俺は2人で今帰っているところだ。
一緒なのは僕の隣人で、無二の親友である『阿蘇宮あそみや あつしである。
京都の町も4月は肌寒い。
やはり早く帰りたいところ。
なんだけど・・・
「どいてぇぇぇぇぇぇ!!」
僕らは、いわれるままにとっさにかわした。

Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(2) ( No.2 )
日時: 2014/08/16 17:35
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

完全にかわしたら1人の少女がずっこけていた。
その少女は蜜柑色のロングヘアーで電灯の光を帯びて光沢ができていた。
まさにその後姿から僕と同年代ぐらいだった。
その瞼から檸檬色の瞳が映る。
その容姿を僕らは見とれていた。
そんな状況の中、
「危ないから逃げて!!」
何も分かってない僕は、後ろ上空を見上げた。
1人の青髪の少女が月夜をバックに電柱のてっぺんに立っていた。
「——ッ!?」
1人の少女がこちらに襲い掛かる前に僕らは2人して袖口を引っ張られた。
「後ろに乗って!!」
いわれるままにその華奢な肢体をした女の子の背中に乗った。
僕ら2人が乗るや否や
「いい?しっかり掴まっててね?じゃあ——行くよっ!!」
そう言って、足を強く踏み切った。
僕らは宙に浮いていた。
気がつくと、俺は謎の少女の背中に乗る——というよりも、おぶさるような感じで空を飛んでいた。
ふと下の様子を眺めると、目の前に広がる美しい洛西学園都市の夜景に僕は少し感動した。
だけど僕らにはそんなこと考えてる暇なんてなかった。
例の少女が後ろから迫っているのだから。
「この近くに隠れられるところない?」
「そうだな・・・学校とか?」
「ガッコウ?まあいいや。そこに案内してっ!」
僕らの学校である洛西学園は幼稚園から高校まである学園なのだ。
しかしこの学校警備脆すぎだ。
警備員たちは一体何をしているんだろうか・・・。

Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.3 )
日時: 2014/08/17 15:21
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

僕らは体育館の人目につかない用具入れの跳び箱辺りに座るなりした。
「ねぇ、あなたの名前は?」
「僕?僕は熊本健太郎。んで、こっちが阿蘇宮篤」
「ふ〜ん……あっ、私の名前は『メリア=ラルロスト=アルゴン』。皆からは“ルリ”って呼ばれてるの。よろしく♪」
「外国人にしては、珍しい名前だな。いったい何者なんだ?」
「ええと、私は魔界の人間なの。私は魔界の大魔王の娘だから……」
僕らは一瞬分かりかねた顔をした。
「魔界のお嬢様?」
「うん、まあそんなところ」
「なあ、さっきの奴、何者だったんだろう」
篤が例の少女のことを聞く。
「詳しい事は後で話すよ。今はとにかく、身を隠していられるような場所が必要なんだけど、どこかいい場所ない?」
「じゃあ、僕んちに来る?」
「いいのか、こんなとこに連れて行ってばれないか?」
「大丈夫だよ」
「う〜ん、そうだね。分かった、連れて行って!!」
僕らの家があるマンションは17階建てだ。
僕らはそのうちの8階に住んでいる。
部屋取りは、僕が804号室で篤が805号室だ。
僕の引越しの時、整理して間もないから、十分きちっとしているっちゃしてる。
「ふふっ、人間界には面白いものや興味深いものがたくさんあるんだね……。やっぱり来て良かった〜。最初は何もかもが不安でしょうがなかったんだけど、私の選択は正しかったよ」
「それ、どういうこと?」
篤がそれを訊く。
「私が魔界から来た大魔王の娘だってことは、さっき話したよね?」
「もちろんだよ」
「私、魔界から家出してきたの・・・」
「何でそんなことを?」
僕らは生徒だけで遠出することはあっても、ちゃんと先生にLINEで情報送っているから先生も安心している。
「お父様との暮らしや今の生活が嫌になったの。毎日毎日、暗がりの部屋でいつも勉強してばかり。そんなのつまらないだけ……。だから私は、ここに自由な生活を求めて来たの。でも、すぐに追っ手に見つかった。さっき、私達を襲ってきたのは、魔界の住人で『護衛役』って言うの……」
「ああ、あの少女もそうなの?」
「そう、護衛役っていうのは、私達のような位の高い人達を護ることを言うの。魔界兵つわもの戦士育成教育学園——通称『魔界学園』の優秀な成績を残した卒業生にのみ与えられる称号。それが護衛役。今年は、最悪なことに最強の16人が称号を受け取ったの……」
「最強の16人って、どんなに強いんだ?」
「青竜院一族。今年の護衛役は、どういうわけか偶然にも十二人全員同じ血を持った、古の一族である青竜院一族、それが彼らの特徴。それぞれ一人一人が特別な力を持っていて、その力量は計り知れない。多分、それも理由の一つになって、今年の護衛役が彼らに決まったんだろうね。……ここまでのことで何か分からない事はある?」
何がなんだか分からないや。
さっき話していた護衛役っていう強い奴らがここに来たらどうする?魔界で最強だって言われてるやつに、人間の俺が勝てるのか?
「ふっ……ようやく見つけたぞ、姫様」
青髪の少女が月明かりに照らされ、電柱の上に佇んでいた……。

Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(3) ( No.4 )
日時: 2014/08/18 16:26
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

僕はいつもの癖である星空を見上げるためにベランダに出た。
だけどそれがうかつだった。
いきなりさっきの少女が襲い掛かってきたのだから。
とっさにクローゼットから持ち出した白竜・黒竜を抜いた。
「彼女は魔界では1、2を争う剣士だから気をつけて!」
「な!?」
「お前は相当強そうな奴だな。名を名乗れ」
「俺か?俺は、近畿きっての最強居合い少年、そして妖怪の総大将ぬらりひょんの血を引く男、熊本健太郎だ」
「ぬ、ぬらりひょんの一族だと!?」
「ああ、悪いがここは行かせない!これは瑠璃の意思だ!」
「意思だかなんだか知らんがここは通させてもらう!」
「ぜってぇ負けっかよ!!!」
鍔迫り合いとにらみ合いが40秒ぐらい続いた末に後ろへ引いて体勢を立て直した。
「この私の『斬空刀ざんくうとう』をしのいだだと!?まあいい、それはそれで面白い。姫は返してもらう!まずはお前からだ!!!」
「手加減なしだ!」
斬空刀と白竜・黒竜の3本の鍔迫り合いが続く。
「てめぇら、瑠璃の護衛役なのにどういうことだ!?瑠璃の意思に抗うということは」
「大魔王様のご命令だ。大魔王様は絶対的な存在だ。そのご命令は必ず守り抜く。たとえ私の意思に反していてもな!!」
くそぅ、大魔王の命令だということはよく分かった。
けれどもぜってぇ負けねぇ。
だったらどうすれば・・・・・・
「そうか・・・ならば俺はその大魔王の命令など拒否ってやつができるようにしてやらぁ!!!!!」
「何!?こいつ、本気を出したというのか!!?」
「ぜってぇ負けるわけにはいかねぇんでな」
「何!?消えただと!!?どこへ行った!?」
「行くぜ、受け取れ!雷竜白雷撃!!!!!!!」
「ぐあああああああああ!!!!!!!!!!!!これは・・・・・!!!」
「そう、雷竜の力を持つものこそ使える技だ」
そうそう、言い忘れていたけど俺には雷竜の血も引いているんだ。
30Vの電気が流れ終え、相当な電流をまともに喰らった少女を仰向けに倒れていた。
よかった、まだ脈はある。
そいつを負ぶってとっさに804号室へはいることにした。

あとがき ぬら孫の世界観も混ざっていますが大目に見てやってくださいf(^-^;)

Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.5 )
日時: 2014/08/19 12:33
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

僕は彼女を負ぶって804号室へ戻った。
僕は自分の部屋のベッドに寝かすことにした。
時計を覘くと18時。
「しかし護衛役、結構な実力持ってるなんて知らんかったなぁ」
何しろつばぜり合いと入っても火花は結構出ているもので、火傷は軽症だけどちょいちょい痛む。
しばらくして、傷だらけでさっきの少女が部屋に入ってきた。
「よかった、無事だったんだな」
「人のこと心配するより自分ほうが心配すべきではないか?」
あ、やけどのあとはアロエで湿布して直すことにしよう。
「言い忘れていたが、私は青竜院霄そらというものだ」
霄でそらと読むんだ。
難しい名前だな・・・
「やはりその刀、姉者が作ったものだな」
「お姉さんが作ったやつがなぜここに!?」
「おそらくその剣は両方とも聖剣だからな・・・これが大魔王には気に召さなかったのだろう」
「こ、これが聖剣!!?って、斬空刀が光を帯びてるぞ?」
「くっ、熱い!?まさか進化しているのか!?」
「し、進化!?」
「魔刀の中にはある程度使うと進化して、聖剣になるものがあるんだ・・・」
「光が・・消えた?なんだこの刻印!?五月雨?」
「そう、それこそ斬空刀の進化系、五月雨という聖剣だ」
「こ、これは、銀でできている!?すげぇ・・・」
「それより、これやってほしい」
「それは・・・」
「握手ってやつだ。これで友の契りとかいろんな用途があるんだ」
霄は照れ笑いして、握手をした。
こうして、僕にとっての悪魔との最初の戦いが終わった。


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