コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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魔界の姫と白竜・黒竜
日時: 2014/08/15 16:15
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

悪魔と人間の日常を描いた騒ぎがありながらもアクションあり、シリアスあり、コメディありというエキサイティングな小説です。最後の最後まで読んでいただけたらうれしいです。

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Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(190) ( No.196 )
日時: 2015/05/10 23:13
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

そして、23日の11時・・・
「すいませんでした」
僕らは謝りに来た。
「うそ、主人が死んだなんて!!」
山梨マネージャーの妻、夏美さんは泣き出してしまった。
「ママ・・・」
「すべて、あのお金を渡せたのなら2人とも、死なせずにすんだのに・・・」
社長も涙声になる。
優美さんは僕に食って掛かる。
「そうよ。あんたが殺したのよ。あんたが主人を!!」
「落ち着いてください!あれはただの事故だったんです」
澪が止める。
「事故なんかじゃない!橋の踏み板が割れたなんて、言い訳にもならないわ!!」
僕を揺さぶる。
「やめなさい優美。みっともないわよ」
そういわれた優美さんは手を放す。
「まだ、2人とも死んだって決まったわけじゃないよ」
「え?」
澪はきょとんとする。
「ここから3時間で行けて、橋のかかった湖ってどこ?」
「湖?」
そして、多賀SAにて・・・
「ねえ、どうして琵琶湖なの?」
「誘拐犯は暗くよどんだ水っていたよね」
「それで湖ね。じゃあ大阪から3時間って言うのは?」
「それは写真の様子だよ。あの写真は日が昇ってた。あれは5時30分から6字の辺りに取られた写真。脅迫状が来たのは8時30分。」
「5時30分から8時30分。だから3時間。大阪市から3時間で行けてなおかつ橋のかかった湖。だから琵琶湖ってことね」
「澪。僕は必ず優菜を助けなきゃならない。絶対生きてるって信じなきゃならないんだ」
「ええ?」
「優菜には、僕みたいにおせっかいをかけてくれる人とか、命がけで助けてくれる人がいないんだ。だから、僕が攻めて生きてるって信じなきゃいけないんだ」
そして長浜IC付近・・・
「ちょっとここで降りて!!」
「え!?」
澪はとっさにハンドルを切って長浜ICを降りた。
そこには優菜が横たわっていた。

Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(191) ( No.197 )
日時: 2015/05/11 22:04
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

そして、数時間後・・・
「優菜・・・」
「私・・・助かったの?」
「うん。もう心配しなくてもいいよ」
「優菜ぁ、無事でほんとにほんとによかった」
社長がやってきた。
「社長が、警察を呼んだんですか」
「ええ、私たちだけじゃどうにもならないからって・・・」
「じゃあ、どうして身代金を用意したのが、社長じゃなくて御坂さんなんですか」
「それは・・・1億5000万円いきなり用意しろっていわれたから・・・」
でも、優菜にはあの言葉がよぎった。
(金だよ金。金が、すべてなんだ)
「・・・・・・出てってよ」
「え?」
「社長の養女の話ももうおしまい。社長は私のお母さんじゃなかった」
「優菜!」
「放してよ!!社長のせいだよ!!社長のせいで山梨さんは私の目の前で撃たれたのよ!!」
そういって優菜は拗ねてしまった。
僕は何も言うこともできなかった。

Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(192) ( No.198 )
日時: 2015/05/11 22:53
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

その翌日の24日、彼女への事情聴取が始まった。
「では、覚えている限りで順を追って話してください。君が誘拐されたのは、20日の夜(21時35分ごろ)ですね?」
「はい。気を失ってる間に、山荘に運び込まれて、気がつくと、すぐに写真を撮られました。21日の朝早く(5時30分から6時)だと思います」
澪も考え込む。
「そのとき、犯人が山梨さんに電気かみそりを渡したんです。毎日、髭をそれって言って」
僕は妙に思った。
「その夜、またスタンガンで気絶させられて、気がつくと、昼になってました」
「それは、22日の昼、身代金の取引があった昼ですね?」
「昼ごろ、犯人が取引失敗で山梨さんを連れてきて・・・」
「それで?」
「もうやめてくださいって!」
「そして、山梨さんは・・・」
優菜は泣きかけだった。
「その後、熊本君が助けてくれるまで後は何も覚えてませんでした・・・」
「おそらく、犯人は死んだと思って森に捨てた」
「で、僕らに保護されたってわけだな」
「警部!滋賀県守山市付近で山梨の遺体が発見されました!」
「守山市?まさか、琵琶湖の近く!?」

Re: 魔界の姫と白竜・(193) ( No.199 )
日時: 2015/05/11 23:05
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

そして、滋賀県守山市の琵琶湖のほとり・・・
「至近距離から6発。証言どおり髭も剃ってある」
僕と澪は考えていた。
「ちょっと妙じゃない?」
「うん」
「山梨さんには6発の銃弾を打ち込んでおいて、遺体もわざわざ琵琶湖に捨ててあったのにね・・・・」
「確かに、優菜には生死の確認もしないで田畑の中に捨ててあった。ちょっとおかしいね」
「でしょ?」
「それから、僕がもしもあの時、なぞなぞの制限時間の5分以内に薬局に到達できなかったり、7時20分発の北陸道昼特急大阪1号に乗り損ねたら、犯人はいったいどうするつもりだったんだろう?」
「取引が失敗したら犯人にはびた一文もお金が回ってこない。じゃあ、まさか犯人はお金が目的じゃなかったってことでしょ?」
「そうさ」
電話が鳴った。
「もしもし?」
「ケン。大丈夫か?」
「うん。どうかしたの?」
「ああ、山梨って人の話なんだけど、とんだ食わせ者らしいよ」
「食わせ者?何のことだよ」
「まず、去年笛吹プロを乗っ取ろうとしたけど失敗。それからというものおばの笛吹さんとは仲がよくなかったみたいだ。それに、女癖もひどかったらしいよ」
「女癖?」

Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(194) ( No.200 )
日時: 2015/05/11 23:20
名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)

「そうだよ。優美さんは6年前、暴漢に襲われて山梨に何かと力になったことがきっかけで結婚したらしいって。今じゃ、結構手を焼いてたんだよな。しかも、この前の週刊誌に御坂さんとホテルから出るところを目撃されてる」
「御坂さんと!?」
「ああ、あれは山梨の罠でね。御坂さんは結構お金をむしられちゃったって」
これで、皆には山梨さんを殺す動機があったってわけか。
でも、問題はあのアリバイだ。
山梨さんが殺されたあの22日の昼には皆、大阪にいた。
しかも、大阪から長浜は高速を使っても2時間もかかってしまう。
絶対にこの環境で山梨さんを殺すなんてまず無理だ。
長浜市の山荘・・・
時間を細工するには無理だな。
近所の人にも聞こえてるだろうし。
「熊本君、今日はここで切り上げたらどう?そういえば昨日寝てないでしょ?」
「うん。警部も、結構無精ひげが伸びてたね」
「あ、そうだったわね・・・」
「ん?そういえば犯人は毎日ひげを剃るようにいってたな。だとしたら・・・」
僕は駆けていった。
「あの、電気かみそり、ありますか?」
「あああるぞ」
小城田警部は気前よく電気かみそりを渡してくれた。
僕はひげを検出してルーペで観察する。
するとひげの長さのあそびが違うことが分かった。
そして・・・
つり橋を調べた。
「やっぱりそうか。見えた。この事件の真相が!」
澪はなるほどねと思った。


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