紫電スパイダー  紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE /作



第二話「白金の道化に会ってはいけない」#1



「て・・・テメエ何者だ・・・!」
「コードネーム『グレーテル』。それ以上を教える必要は無い」

薄暗いスタジアム、道化の剣は振り下ろされる。

美しい白金の髪に血が跳ねる。





第二話「白金の道化に会ってはいけない」


ある日の昼下がり。
日射しが憎たらしいほど俺を照りつけている。少しは自重しろ太陽。



・・・アイツは何者だったんだ?結局。

アイツ___籐堂紫苑はあの後さっさと夜の闇へと消えていった。

『熱いバカは嫌いじゃないぜ』

ニヤリと嗤い、そう言い残して。



___今まで、ショップヘッドを瞬殺なんて話聞いたことが無い。
いや、結局岩猿は降参したから殺しちゃいないが。

奴の能力はおそらく・・・電気。
あの時宙に奔った閃光の流れ方からして間違いないだろう。

でも電撃で切断っておかしくね?

普通・・・こう・・・焼き殺したりとか
痺れさせたりとか・・・だと思うんだが・・・。

まあ、多分もう会うこともないだろう。



そんなことを考えながら、
コンビニから出てきてガリガリ君の袋を開ける俺。

冬はからあげクン、夏はガリガリ君って相場は決まってんだよ。

と、ガリガリ君をほおばりふと右を見ると、


「「あ」」


紫色の髪の少年を発見。



てかお前、それタバコの自販機じゃね?

「アンタは・・・!」

「・・・誰だっけ?」

ぅおおおおおい!!

思わずずっこけたよ!

「あ、思い出した。昨日の岩猿」
「ちげええよ!炎馬だ!本名黄河一馬!」
「そっちか」

意外とツッコミ甲斐のある方ですこと。

「で、何やってんだアンタは」
「タバコ買ってんだよ、見ての通り」

それは見ればわかるよ。
俺が聞きたいのは『未成年の喫煙がいつからおkになったのか』ってことだよ。

コイツわからない部分が多すぎるんだよな・・・
いや、秘密主義は裏社会では基本なんだけどさ。

アタッシュケースの中身にしろ、
理不尽な強さ、能力にしろ、
岩猿を殺さなかった件にしろ、
謎が多すぎる、
かと思いきやあっさり名前を教えてくれたり、
謎の言葉を残して消えたり。

で、何故か今目の前にいたり。

・・・あ、そうだ。



「今夜空いてないか?」
「空いてるけど、何故だ?」
「アンタの実力が見たい」

「・・・いいよ」
「じゃあ、11過ぎにパンドラ」


まあ俺は多分、この男に興味を持ったのだろう。