紫電スパイダー 紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE /作

第六話「赤眼の師弟は風を操る」#1
___とある図書館。
「・・・ふう、やはり歴史というのは非常に興味深い」
肩の辺りまでの茶髪の青年は、パタン、と本を閉じ呟く。
・・・と、その時。
「ん?」
青年の背後にある『それ』が、バランスを崩し・・・。
「うわあああ!?」
そして青年は、『それ』の下敷きになった。
第六話「赤眼の師弟は風を操る」
___とあるおもちゃ屋。
「本日休業」と書いてある札がかかっているドアを開き、店に入る。
そして店の奥、スタッフルームに入ると、
「お、来たか」
縁無しの眼鏡をかけた坊主頭の男が言った。
「一馬君久しぶり」
続くようにして蜘蔵sが俺に声をかける。
俺は軽く手を上げ挨拶を返す。
「ぼろっちい店でごめんよ」
優しい顔つき、小太りの男が苦笑しながら言う。
「いえいえ、立派な店ですよ」
白髪混じりのツインテールの少女が言う。
「・・・・・」
緑色の髪を後ろで束ねたスーツの男は目を閉じたまま黙っている。寝てんの?
「・・・ねえ、そろそろ始めない?」
短い赤髪の女の人が言う。左目が無い。話し方がなんか機嫌悪そう。
「・・・ザイツェフさんは?」
という餡子の問いに、
「ああ、ザイさんならなんか用事があるとかで今日はここには来られへんそうや」
と、坊主頭の男が返す。
「ほんだら、新メンバーも来たことやし、顔見知りもおるかもしれんけど自己紹介でもしよか」
「蚯蚓山 蜘蔵(みみずやま くもぞう)。コードネームは『虫』です。よろしく」
「熊木 斗夢(くまき とむ)。コードネームは『悪熊』。このおもちゃ屋の店長もやってる。よろしくね」
「憂追 杙菜(うさおい くいな)。コードネームは『三月兎』。よろしくね!」
「【破天荒 破魔矢(はてんこう はまや)。コードネームは『仙人掌』。よろしく】」
「・・・宵闇 焔(よいやみ ほむら)。コードネーム『陽炎』」
「鬼塚 星一(おにづか せいいち)。職業は警視正。よろしゅう」
「小山 餡子(こやま あんこ)。コードネームは『化け狐』。・・・よろしく」
「黄河 一馬(こうが かずま)。コードネームは『炎馬』。よろしくお願いします」
「うん、自己紹介はこの辺でええやろ。
さて、ぼちぼち始めよか。
『大太法師』を仕留めるための話し合いを」
___とある公園。
アイスの棒をくわえ、ベンチでダベる紫色の髪の男・・・籐堂紫苑に、
夏だというのに黒いコートを着た男が歩み寄ってきた。
「・・・久しぶりだな、ザイツェフさんよ」
「久しぶりだね、籐堂君。
・・・少し、話をしないか」

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