紫電スパイダー  紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE /作



第二話「白金の道化に会ってはいけない」#2



今や俺はこの店ではちょっとした常連客になっている。
奴をここに呼んだ理由の一つ目がまずそれ。
二つ目は今のここのショップヘッドは奴だから。

にしても意外だったな。
きっと断るだろうと思ったんだが。

前述したように、裏社会では秘密主義が基本。
効果があるかどうかは甚だ怪しいが、仮面の着用もそのためにされている。

だが奴は自らの手の内を晒すことを了承した。

自分の技の秘密が見破られない自信があるのか、それとも・・・。



「・・・で、どうする?ルールは」

トゥルーズには、いくつかの試合の形がある。

まず大まかに、「ポイント」と「デスマッチ」。
更にその中から、ポイントなら「タイムマッチ」、
「ディファレンス」、「ターゲット」、「ファースト」
デスマッチなら「サバイバル」、「ライアー」、
そして「トゥルートゥルー」
というように分岐する。

「チームマッチ」のように両方のルールで行われる試合形式もあるが。

表社会では、防具を着用して行い、技の質を考慮して1ポイント追加、
そうして点数を争う「ポイント」で試合が行われることが多い。

そして裏社会では、どちらかが降参、
あるいは力尽きるまで戦い続ける「デスマッチ」で行われることが多い。

「つってもサバイバルは無理、ライアーもやってない、
  ポイントなんてここではご法度だから
  できるのはトゥルートゥルーぐらいだろうけどな」

トゥルートゥルー。

一対一で全力を賭けてぶつかり合う試合形式。

小細工無しの「トゥルーズ」の原点。




「いや・・・」

「・・・?」








「トラジェディだ」