紫電スパイダー  紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE /作



第四話「昼蜘蛛はお人よし」#2



___さて、どう攻めたものか。



相手の能力がわからない以上、迂闊に攻めるのは危険。
かといって後手に出れば反応が遅れた時点でおそらくゲームオーバー。

・・・まずは一撃誘ってみるか。



不意に俺は『グレーテル』に向かって弾丸を放つ。
奴は大剣でそれを弾く。
その一瞬に俺は間合いを詰める。

弾丸を防いだ際の大剣による死角を利用しての奇襲、と。






するとそんなの読んでた奴は俺に向かって突きを繰り出してきたわけで。






とかいいつつ実は俺もそこまで読んでいたわけで。

俺は斬りかかると見せかけ横に体を逸らし突きをかわす。



それだけの重量の剣だ、突きで体は伸びきって体勢は崩れる。
その一瞬の隙に一撃を叩き込む。イッツ俺の勝ち。






と一撃を叩き込もうとした次の瞬間。

小次郎の『燕返し』並みの速度で返された刃を俺は間一髪でかわした。






___マジかよ!?ありえねえ!





「・・・外したか」
『グレーテル』はちっ、と舌打ちをする。



いやいやいやいや、なんつう怪力だよ。
ク●ウドさんか!?クラ●ドさんなのか!?



いや、冷静になれ俺。
そもそも相手は女だ。金髪に見えなくもないけど。
いや、そうなんだけどそうじゃなくて。


女の、しかも俺と同じくらいの年の奴があんなに軽々と大剣を振れるもんか?
見たところ筋肉量は明らかに俺より下。

だとしたらコイツの能力は・・・



・・・身体強化系の能力である可能性が高いな。



だとしたら剣術戦で勝負を挑むのは無謀。
銃撃は某ソルジャーよろしくあの大剣で全て撃ち落とされるだろう。



・・・あれしかないか。



俺は剣を逆手に持ち左手をかざし、





そのまま黄炎を放射する!



ここが裏路地であることが幸いした。
黄炎は『グレーテル』を包み込んだ。

逃げ場無しの俺のハイパー必殺技☆



勝者、俺!






とか油断しきってた次の瞬間。
黒い「何か」が俺を切り裂いた。