紫電スパイダー  紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE /作



第四話「昼蜘蛛はお人よし」#1



正直これは、逃げるべき状況だと思う。

眼の前にこんなバカみたいな殺気を放った化け物がいるのだから。






だけど、俺は逃げねぇよ?



だって、そんなことしたら



男じゃねえだろ?






俺の一番大切なものは、プライドなんだ。



第四話「昼蜘蛛はお人よし」



夕暮れ時、裏通り。

今日は夕焼けがきれいだ。
だのに、俺の目の前の景色はねえこれ何て13日の金曜日(映画)?というほど絶望に満ちて見える。

まあ君の目的は大体読めているよジェイソn・・・もとい、お嬢さん。



「黄河一馬・・・」

目の前のお嬢さん、『グレーテル』は手に持っていた道化(多分)の仮面をすっ・・・と顔に当てて、



「お前を殺す」
と言った。



「・・・まいったなあ、ヤンデレは守備範囲外なんだけど」

俺は頭を掻きながら言う。



「仕方ない、一丁腹を括ってみますか」



俺は剣と銃を構えた。

ホント、今日は夕焼けがきれいだ。