紫電スパイダー  紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE /作



第三話「季節は天上天下唯我独尊」#4



「・・・知り合いか?」

隼は長刀を構えたまま、紅に訊く。

「・・・俺が『組織』にいたころの」
「・・・なるほどね」

紅は紫苑に訊く。

「何故わざわざこんなところまで俺に会いに来たんだ?」
「さっきも言っただろ。賭けをしに来たんだよ」
「・・・なぜ俺の居場所が分かった」
「訊くだけ無駄じゃないか?わかってる筈だぜ」

「おい、勝手に二人で話を進めるなよ」
隼が紅と紫苑の会話に割って入る。

「紫苑・・・とか言ったか。
  賭けをしにきたとはどういうことだ?」

「アンタ達と俺が戦い、俺が勝ったらアンタは『グレーテル』に関する情報を俺に提供する」

「・・・俺たちが勝ったら?」



隼がそう言うと紫苑は手に持ってたアタッシュケースを開き、中身を隼達に見せた。

「ざっと五億。これを全部やるよ」



「・・・ハッ!いいだろう、おもしれえ」





「受けて立ってやる」