紫電スパイダー  紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE /作



第五話「狐の眼は全てを見渡す」#5




トゥルーズ ポーカーライアー第二戦。
小山 餡子vs黄河 一馬。

第5巡目。

餡子持ち点・1900ポイント。一馬持ち点・100ポイント。



圧倒的に追い詰められたこの状況。
どうせパスしたら負ける。
だから俺はさっきのザイツェフのように勝負をかけにいった。
つまり、ビッドは1900。

乗る筈はない、と思いながらも。

しかし、彼女はその賭けに乗り・・・、





俺の手札の役はクラブとダイヤのJのワン・ペア(一番弱い役)。






そして餡子の役は・・・スペードとハートのワン・ペア(一番弱い役ではあるが、スペードの無いワンペアには勝てる)。



トゥルーズ ポーカーライアー第二戦

勝者・小山 餡子。



「・・・これで、一勝一敗」

「・・・マジかよ・・・」



いや、ありえないだろ。



ワン・ペアでこの1900ビッドに乗るなんて!
それこそ、さっきの蜘蔵さんのように心が見えてでもいない限りそんなことしないだろ!?

いや、今のビッドだけじゃない。

コイツ・・・さっきから決して手札がいいわけでもなかったのに・・・
勝負に乗った賭けは全部勝っていたよな・・・!?



まさか、ホントに心が見えるのか・・・?








「・・・さて、早いところを決着をつけてしまいたまえ、小山さん」

不意に、ザイツェフが言う。

「・・・?次はあなたじゃないんすか、刑事さん」

「ああ、次は小山さん対籐堂君だ」





「・・・ククク・・・」

不意に、紫苑が嗤う。


「?」





「成程ね。小山さん、あんたの能力じゃ俺には勝てない」




「「「!?」」」



「・・・ほう、それはどういうことかね?」

「まあ、やってみればわかるさ」






「さて、早いところ決着をつけてしまおうか」
紫苑はそう言いながらゆらり、とパイプ椅子から立ち上がった。








トゥルーズ ポーカーライアー最終戦。
小山 餡子vs籐堂 紫苑。