紫電スパイダー  紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE /作



第五話「狐の眼は全てを見渡す」#3



ライアー

主に「デスマッチ」で行われる。
トランプや麻雀等で行うトゥルーズ唯一のデスクゲーム。
基本的に頭脳戦になるが、クリアの使用が認められているためいかに敵を欺くかがカギとなる。






「へえ、刑事のくせに裏トゥルーズの事とか知ってるんだ」
紫苑はザイツェフに言った。

「まあな」
ザイツェフはさらりと言う。

「・・・で、何を使ってやるんだ?」
「おっと、偶然にもここにトランプが」
「絶対わざとだろ」
「という訳でこれを使った競技で何か提案はあるかね?」

条件反射で飛び出した俺のツッコミをザイツェフは完全にスルーすると勝負方法の提案を求めた。

「・・・では、ポーカーで」

意外にも、そう言ったのは蜘蔵さんだった。

「ふむ、異論がある人はいるかな?」

「・・・無い」
「無いっす」
「ぶっちゃけどうでもいい」



「ゲームの進行方法はこうだ。
 私と小山さんチーム、蚯蚓山さん、一馬君、籐堂君チームに分かれ、一対一で進行していく。
 今回賭けるのは金ではないので、チップの代わりに点数を賭ける。
 持ち点は最初は一人1000点。ビッドの最下限は100点。最上限は相手の点数全て。
 ドロップした場合は100ポイントを相手に支払う。
 ゲームは10巡まで行い、相手の残りのポイントを0にするか10巡目終了時にポイントが多かった方が勝者だ。
 そして、全てのゲームが終わった時点で勝者数の多かった方が勝ち。
 
 私達が勝ったら、君達には問答無用で捜査に協力してもらう。
 君達が勝ったら、君達は自由の身だ。警察も君達に干渉しないと約束しよう。

 これでいいな?」


「・・・わかった」
「わかりました」
「了解っす」
「いや、まだだ」



「・・・え?」

突然の反論に、一同は紫苑の方を向く。



「納得いかないな、その程度の条件じゃ。
 第一警察が俺に手を出そうが出すまいが今更関係ない」



「・・・成程、確かに君の場合はそうかもな」



・・・『君の場合は』?
どういうことだ・・・?紫苑の場合は警察に追われても問題ないってことか?

・・・まあ、ある意味そうかもしれないけど。

「だったら後はどうすれば納得する?」

そのザイツェフの問いに、紫苑はククク、と嗤うと、



「俺達が勝った時は、その極秘の捜査とやらの内容に関しても教えてもらおうか」

「「「「!?」」」」



ちょ・・・紫苑さん・・・アンタ・・・ええ!?
訳がわからん!大体、それに何の意味があるんだ!?



だが、ふー、と溜め息をつくとザイツェフは言った。

「・・・分かった。その条件も受けよう」

「そりゃありがたいね」



受けるのかよ!
さっき極秘の捜査とか言ってなかったか?

なんでこんなにもあっさり承諾したのか・・・?

何か裏があるのか?



「・・・では、他に異論は無いようだし、
 そろそろ始めようか。





 トゥルーズ・ポーカーライアーを」